サトヒカまとめサイト

SS保管庫(目次)

サトヒカ掲示板に投稿されたものをまとめていきます。
感想などはサトヒカ掲示板へお願いします。
タイトル コメント
サトシのためにおにぎりを作るヒカリ 記念すべき第1作目。ほのぼのです。
ある夏祭りでのサトヒカ サトシがカッコイくてヒカリとらぶらぶです。
七夕物 しっとりといい雰囲気なサトヒカです。
夢か現か 超常現象なサトヒカです。照れるヒカリが萌えです。
サトヒカ運動会 登場キャラが多い予定の本格派SSです。(未完結)
タケシの受難 タイトルに偽り無しです。いやホントに。
酔い霞 ヒカリが酔っ払うお話です。ヒカリの本音が?
ハンターJ再び シリアス超大作です。サブタイトルが凝ってます。
オレがワタシで ワタシがオレで サトシとヒカリの体が入れ替わってしまうお話です。
題名など無い  ヒカリがサトシのために手作りの何かを一生懸命作っています。(未完結)
怪我の巧妙 サトヒカ肝試し&ヒカリの治療で鼻血ものです。
洞窟で… サトシとヒカリで洞窟探検。ピンチに励まし合います。
雨時々・・・ サトシとヒカリの無意識デートに限界はありません。
支えあうということ センチメンタルかつ爽やかなサトヒカが堪能できる超大作です。
サトピカミミ探検隊 帰りの遅いヒカリをサトシが探しに行くお話です。
大切な人 ヒカリがサトシのほっぺにちゅーしてしまいます。

サトシのためにおにぎりを作るヒカリ

ヒカリ「料理ヘタヘタ言われるけど、おにぎりくらいあたしだって!」
ヒカリ「アツッ!アチチチ!!」
ヒカリ「形が三角にならないどころか、ぼろぼろ崩れる・・・」
 結果、強く握り締めた米の塊が無残にも転がっていた
ヒカリ「上手く作ってサトシを見返そうと思ったのに・・・」
サトシ「それ、おにぎりか?イタダキー!」
ヒカリ「サトシ!それ形失敗してグチャグチャで美味しいかどうか・・・」
サトシ「そうか?塩味きいてて美味いぜ」
ヒカリ「サトシ・・・ありがとう」

突発的にこれしか浮かびませんでしたが・・・orz
まとめサイトさん乙です

ある夏祭りでのサトヒカ

サトシ「あ、射的がある!俺得意なんだぜ」
ヒカリ「ホント?じゃあ、あのポッチャマの人形とピンクのブレスレットとってぇ~」
サトシ「任せとけ!まずは人形から・・・・」
パンッ!
見事命中
人形をゲットだぜ!
サトシ「ほら、ヒカリ」
ヒカリ「すっご~い!!!」
サトシ「な、言ったとおりだろ!よし、次はアレか・・・・・」
パンッ
ハズレ
サトシ「くそ、外した!」パンッ→ハズレ×10
ヒカリ「ね~サトシ、もういいよ。あたし人形だけでいいからぁ~」
サトシ「ちょっと待てよ、もう少しなんだ・・・」
ヒカリ「んもう!!・・・・あれなんだろ、いい臭い」
臭いに誘われて、サトシから離れたヒカリ
気付かないサトシ


続くよ、多分


ヒカリ「あ、この店からいい臭いが来てるんだ」
ジョーイ「いらっしゃい」ヒカリ「何を売ってるんですか?」
ジョーイ「これはポケモン達と作った香水よ!」
ヒカリ「へ~。あ、このキレイハナ特製香水1つ下さい」
ジョーイ「はい、五百円です。ありがとうございました」

早速使ってみるヒカリ
ヒカリ「うん、いい香り!・・・そうだ、サトシのとこに帰らなくちゃ」
タッタッタッ、キキッー
ヒカリ「か、かき氷発見!」
おじさん「へい、らっしゃい!どの味にする?お嬢ちゃん」
ヒカリ「(サトシは確か・・・メロンが好きって言ってたような・・)メロンとイチゴ下さい!」
おじさん「はいよ、お嬢ちゃんかわいいから、特別に大盛りだ!」
ヒカリ「ありがとうございまーす!」



まだまだ終わらんよ(by黒い彗星


かき氷を買ったヒカリは射的屋に戻って来たが・・
ヒカリ「あれぇ~、サトシどこぉ~?」
サトシは射的屋にいませんでした
辺りを探すヒカリ
ヒカリ「んもう!人の事ほったらかしにしといて!・・・・帰っちゃったのかなぁ~?」
溶け始めたかき氷
ヒカリは仕方なく祭りの出口を目指すが
男の子A「そこの君、もう帰っちゃうの?」
男の子B「暇なら俺達と祭りを楽しまない?」
ヒカリ「いえ・・・結構です」
A「えぇ~、いいじゃん」B「これから花火とかあるしさ、ちょっとだけいいだろ」
ヒカリ「い~や~で~すぅ~!」
A「そんなこと言わずにさ!」グイッ
ヒカリ「ちょっと、なにすんのよ!!」
B「さ、祭りに戻ろうか」ヒカリ「離してよ!!」
しかし、女の子の腕力じゃ振りほどけず
B「かき氷は俺が持ってやるよ。しかし二個も食うのか・・・」
A「ほら、行くぞ!」
ヒカリ「きゃ!!(助けて・・・サトシ!!)」




・・・・・・・


(助けて・・・・サトシ!)



(あれ?)
さっきまで、無理矢理引っ張られていた手が軽い
目をゆっくりと開くと
目前には心の中で助けを呼んだ少年の後ろ姿があった。
ヒカリ「サトシ・・・」
その向こうには
かき氷を顔面に喰らっている二人の男の子
そして野次馬etc
A「ってぇ~~~~いきなり何すんだよ!!」
B「冷てぇ~~~!」
サトシ「お前達こそ、ヒカリに変な事してないだろうな」
B「(この子、連れがいたのかよ!・・・失敗した)おいA、帰ろうぜ・・」
A「はん!こんな奴より俺の方が何倍もかっこいいじゃん・・・おい、お前!その子は俺と遊ぶんだよ!」
サトシ「その自慢の顔がピンクに染まってるぜ、あと服にも」
野次馬etc「クスクス/プッetc」
A/B「(恥)」
サトシ「はやく洗った方がいいんじゃないかな」
A「くそっ、おい行くぞ」B「ま、待てよ~!」
野次馬etc(笑)



それをポカーンと見ていたヒカリ
クルッとサトシがこちらを向いた
その顔は明らかに怒っていた
ヒカリ「あのね、サトシ・・・・・わっ」
今度はサトシがヒカリの手を引っ張って歩き出す
人混みを抜け、静かな丘まで無言で引っ張り続けられた


ヒカリ「さ、サトシ?」
サトシ「どこ行ってたんだよ(怒)!!」
ヒカリ「ご、ごめんなさぁ~い」
サトシ「勝手にいなくなって、あげくに変な奴らに絡まれてるし」
ヒカリ「・・・(ショボーン)」サトシ「・・・・・心配したんだからな」
ヒカリ「え?・・・えっと、その・・本当にごめんね」
サトシ「もう勝手にどっか行くなよ?」
ヒカリ「うん!!」






サトシのキャラが・・・・・・


サトシとヒカリが仲直りしたその時


ヒューーーー・・・ドン!!!!
ヒカリ「わっ・・・花火だ」
サトシ「もうそんな時間か・・・・ここ、結構いい場所だな」
ヒカリ「そうだね!・・・・たまや~~~~~!」
サトシ「ちょっとここにいろよ、すぐ戻るから」
ヒカリ「はーい」
一分後・・・
サトシ「ほらヒカリ、かき氷!」
ヒカリ「あ、ありがと!」サトシ「そういえば、あいつらもかき氷持ってたな」ヒカリ「それはね、サトシと食べようと思って、私が買ったの」
サトシ「そうか、あいつらの顔面には勿体なかったな(笑)」
ヒカリ「ううん、守ってくれて嬉しかったよ」
サトシ「(恥)だ、だいたいヒカリは無防備すぎるんだよ!いい香りがするし・・・」
ヒカリ「あ、これはさっき新しい香水を買ったの!でも良かった・・サトシがいいって言ってくれて」
サトシ「あ・・・うん」
ヒカリ「フフッ(笑)」
サトシ「な、なんだよ!」ヒカリ「別に~~~ニヤニヤ」

ヒカリ「花火ももうすぐ終りだね」
サトシ「ああ」
ヒカリ「本当にさっきはありがと!」
サトシ「いいよ、別に・・・」
ヒカリ「今度からは、サトシに迷惑かけないように強くなるから!!」
サトシ「そんなこと気にしなくていいって!ヒカリに何かあっても、俺が全力で守るさ・・・いつでも・・どこにいても・・・必ず俺が助けにいく」
ヒカリ「サトシ・・・」



二人の距離がまた一歩近づいた
のかな?!

七夕物

季節外れは重々承知。
だけど書きたかったのがここで発散できるようなので書かせてもらう。

(サトシどこだろう?)
ポケモンセンターに一台は必ず設置されているテレビを一緒に見ようと、
サトシのいる部屋の扉を開けた風呂をあがったヒカリは、中がもぬけの殻なのを見て少し残念だという表情をした。
ロビーにはまだほかのトレーナーがいるものの、知り合いのいる方がやはり楽しい
ポケモンセンターに着くと、ロビーのテレビであーだこーだと話すのは日課のようになっていて、今日に限っていないサトシに少し疑問を持った。
ベランダに出て、初夏の風に当たる。
北にあるシンオウは夏の初めでも、夜になると少し肌が冷える。
アーチを連続させた手すりに寄りかかって、満天の星空を見た。

「お、ヒカリか?」
上からそんな声が降ってきて、後ろにある屋根に視線を向ける
「サトシ、そんなところで何やってるの?」
「星がきれいだろ?それに明日は七夕だからさ」
そういえばそうだった、とヒカリは明日の日付を思い出す
確かポケモンセンターのロビーには笹が置かれていた。
「明日にはここを出発するし、今のうちにゆっくり星を見ようぜ」
たしかに、ゆっくりできるのは今日くらいか。
夏場は蚊が多くてゆっくりと眠れないし、ちょうどいいかもしれない。
ホーホーの声が静かな夜に染み渡る。
こんなにも静かな夜なのだから、ナオシの教えてくれたようにまた自然に耳を傾けよう
そんな風に考えて、ヒカリはサトシが屋根の上から伸ばした手を取った。


「ほら、しっかりつかまれよ」
「うん」
サトシの手首を両手でしっかりと握る。
そうすると簡単に引き上げられて、サトシも男なのだと妙に感心させられた
今まで一緒に旅をしてきて、超人的な運動能力に驚かされることは多々あったが、それを自分自身で体験したのは初めてかもしれない
片手で人を持ち上げるのって、すごいんじゃないだろうか?
妙に意識してしまうのを疑問に持ちながらも、サトシに支えられながらポケモンセンターも丸屋根に寝そべる。
「あ、あれスコルピ座よね?」
「お、本当だ。じゃああれは・・・」
満天の星空に飲み込まれるような感覚だった。
屋根の冷たい感触が湯上りの肌を冷ます
「そういえばヒカリ」
「何?サトシ」
「ヒカリは七夕、何をお願いするんだ?やっぱトップコーディネーター?」
「そういうサトシはポケモンマスター?」
「当然さ。ずっと前からの夢だからな。」
「私は・・・トップコーディネーターもいいけど・・・。」
「けど?」
「今はわかんない。でも、トップコーディネーターはサトシやタケシがいるし、大丈夫って思える」
「そうだな。夢は願うだけじゃなくて、自分でかなえなきゃいけないもんな。」
目標は違う。
それでも目指す高みがある。
仲間と一緒ならきっと大丈夫だと、サトシとヒカリは笑いあった。
短冊にはこの楽しい旅が、夢がかなった後も続くようにと短冊に書いて。
明日の朝ポケモンセンターの笹に一番にくくりつけよう。
そう二人で約束して。


七夕物(おまけ)
「ヒカリー、一人で降りられるのか?」
「大丈夫、本当に大丈夫だから」
「大丈夫って・・・どう見ても苦戦してるじゃないか。先に俺が降りてお前を下ろしてやるって」
「だめ!絶対だめ!」
「だから何でだよ、いくらなんでもヒカリで押しつぶされないぜ?大丈夫だって」
「サトシは大丈夫でも私はダイジョバナイの~!!」
そう、絶対に自力で下に下りなければ。
サトシにおろしてもらうとなると当然サトシは上を見る
まだロビーに行くつもりだったので普段の格好、つまりミニスカートのヒカリは、当然その中身を見られる可能性が高い。

「上が騒がしな・・・、それにしてもサトシとヒカリはどこだろう・・。なあグレッグル?」
「ッケ」


初投稿でながったらしいSSだがご勘弁を。
というよりSSと呼べないか・・・?
表現途中で付け足したところがあるから変になってるところがあるかもしれないので指摘もらえるとありがたい

夢か現か

とりあえず昨日思いついたけどかけなかったねたでカキコ。
ゴツン!と、頭に衝撃が走るのを感じてすぐに、意識が別の方向へと消えていくのをヒカリは感じた。
自分を呼ぶ心配そうな声がやけに遠くに聞こえる。
「ふにゃ・・・」
体を動かす気も起きず、ヒカリはそのまま意識を闇に落とした。

「ポチャ・・・」
頭が痛い・・・。
そんなことを思いながら、体を起こして周りを見回す。
ヒカリは一番に、ベッドや自分の周りのものがやけに大きく感じた。
こちらに気がついた様子のジョーイが、少しあわてた、しかしほっとした様子で聴診器を当てる。
しかし大きなジョーイさんだ。
ひとまずサトシたちはどこだろう、と声を上げて、ヒカリは自分が奇怪な声を発したのに気がついた。
視界にあるのは、短く水かきのついた脚と小さなひれのような手。
口元にそれを当てて確認してみれば、硬くとがったくちばしがあった。
そしてガラス越しに見える隣の部屋に寝ているのは・・・。

「ポポポ、ポッチャーーー!!??」
まさしく、自分の体だった。


「はい、サトシ君。ポッチャマの方は特に異常はないわ。ただ、少し興奮しているみたいだから注意してあげてね」
「はい、ありがとうございます。あの・・・ヒカリは・・・」
「ポチャ!ポチャポーチャ!」
説明してくれと、そういったはずなのにポチャポチャとしか言葉が出ない。
いったいどうなっているのかわけもわからない
脇では、自分のものであるはずの体の額に、タケシが冷ましたタオルを置いていた
「頭を木から落ちてきたポッチャマとぶつけただけだし、大丈夫だとは思うけど・・・。」
「打ち所によっては、意識の回復には時間がかかるでしょうね・・・。」
「そうですか・・・」
頭を打った。
一生懸命それに当てはまりそうな事柄を思い出す。
ベッドの上によじ登って確かめたけれど、確かに本物の体だった。
確か、木陰でうたたねをしかけていた所に、木の上でピカチュウと遊んでいたポッチャマが落ちてきて・・。

そこから覚えていない。
(そうか、夢よ。)
そもそも自分は転寝しかけていたのだ、これは夢に違いない。
頭を打ってポケモンに意識が移るなど、聞いたこともない。
これは夢だろう。多分。
そうすると妙に安心できて、せっかくだからポッチャマの体を楽しもうと思って、ヒカリ(姿はポッチャマ)はベッドの上から跳び降りた。
(わっ・・)
小さな体に慣れていないせいだろうか、着地はしたもののバランスを崩してこけてしまった。
「おいおい、ポッチャマ大丈夫か?」
まだ頭を打ったせいでふらふらするんだろうと、タケシが言ってるのを耳にしながら、ゆっくりとサトシに抱き上げられた
「ヒカリならきっと大丈夫だよ。」
心配してくれているのだろう、いつもの強気な表情は少し萎えてる。
「ポチャ、ポチャポーチャ(大丈夫、これは夢だもん)」
一生懸命ジェスチャーで伝えようと短い手足をばたばたさせる。
するとずるりと腕から落ちてしまった。
「おっと」
頭から落ちる寸前で、キャッチされた。
「危ないから暴れるなよ。ヒカリが心配なのはみんな同じなんだぜ?」
「ピカ、ピカチュウ」
ピカチュウがそうだよ、といってくれて、それにうなずくタケシやサトシの言葉を聴いて、
改めていい旅仲間に出会えたと思った。


ポケモンの体になってわかったが、夢の中でもサトシはポケモンに優しかった
心地よく、安心できる場所に思えて、それがサトシが人やポケモンをひきつける理由なのかもしれない

時計の針はすでに夜中の二時をさしていて、夢の中でまで眠る気に慣れなかったヒカリは窓辺で空を見ていた。
サトシはいまだに自分の眠った体に付きっ切りで、それがうれしくもあり、少し恥ずかしい。
こんなにも大切に思ってくれている仲間がいてくれることは誇らしいことだろう。
肩からずり落ちかけている毛布を小さな体で一生懸命に引っ張ってサトシにかけなおす。
なれない体のせいか、一気に疲れた。同じ毛布で包まって休もう。そう思ってポッチャマ姿のヒカリは毛布にもぐりこんで、サトシに寄り添って眠った。

「・・・ん・・・んぅ・・・」
朝日がやけにまぶしい。そう感じながらヒカリは体を起こした
一応自分の手足を確認する。
ちゃんと人間のものだ、やはり夢だったらしい。
しかしそれにしてはおかしかった。
サトシやポッチャマやピカチュウはなぜか夢のとおり自分の寝台に寄りかかるように眠り込んでいる。
それにあれが夢なら目を覚ますのは外のはずだ。
しかしここは明らかに室内である。
「お、ヒカリ起きたか。ジョーイさん呼んでくるからまってろ」
扉を開けたタケシが、真顔で言って去っていった。
「もしかしてこれって・・・。いままでのことって・・・。」
―夢じゃ・・ない・・?
そう理解した瞬間、ポケモンの姿だったとはいえ、サトシに抱っこされたりサトシと同じ毛布で眠ったことがやけに現実味を帯びる。
早朝のポケモンセンターでヒカリは声にならない声を上げた

「なあヒカリ、顔真っ赤だけど本当に大丈夫か?調子悪いなら背負っていくぞ?」
「だだだだ大丈夫!大丈夫だから、本当に」
目を合わせるのが、気恥ずかしい。
この恥ずかしさは何なんだろう、今は良くわからないが、目を合わせると顔から火でもふけそうだ。
その日は、置いてきぼりのサトシとタケシ、そして一人であたふたとするヒカリと、いつもとは違う日常になった。
                      
                           了

サトヒカ運動会

旅を続けるサトシとヒカリ、そしてタケシ。
辺りの木々は各々に紅く染まり、まさに秋まっただ中だ。
「ねぇタケシ、次の町はまだ~?」
先頭を歩くヒカリが振り返りながらタケシに尋ねた。
いつもならば、それはサトシが口にする台詞だった。
「そんなに慌てるなよヒカリ。」
両腕を後頭部に回しながらサトシは言った。
これも普段はヒカリがサトシをなだめる言葉だ。
「ピカピィカ。」
ピカチュウもサトシと同じく、終始おっとりした感じだ。
「だって、早くしないと次のコンテスト始まっちゃうんだもんっ!」
そう言ってヒカリはほっぺたをぷぅと膨らませた。
ノゾミを始めとする多くのライバル。
彼女たちに遅れを取るまいと、ヒカリは意気込んでいた。
「ん~、もうすぐオータムタウンに着くはずだぞ。」
広げた地図を見ながらタケシはヒカリにそう告げた。
ここからそう遠くない位置に次の目的地オータムタウンはあった。
ヒカリは再び前を向いて歩き始めた。
「オータムタウンかぁ…、どんな町かな~。」
ドンッ
何かの始まりを告げる花火が、たった今秋空に打ち上げられた。
「え!?何の花火!?」
驚いたヒカリは思わず辺りを見回した。
が、もちろん何かが見つかるはずはない。
「あれはオータムタウンのある辺りだ!」
再び地図を開いてタケシは言った。
「よし、行ってみようぜ!」
そう言ってサトシは走り出した。
サトシが走り出すと、それを追う形でヒカリ、少し出遅れてタケシが続いた。


しばらく走っていると、サトシ達は開けた場所に出た。
小高い丘になっていたため、辺りの様子が一望できた。
「あれは…?」
入念に整備された広大なグラウンドが、サトシ達の視界に広がった。
「広い運動場……。」
そのあまりの広さにヒカリは思わず息を飲んだ。
そのグラウンドは、ヒカリが通っていた学校のそれの広さの比ではない。
「このガイドによると、オータムタウンでは年に一度、大運動会が開催されてるみたいだ。」
先程見ていた地図の、今度は裏側を見ながらタケシは言った。
季節は秋、天気は晴れ。丁度この日が、大運動会の開催日だった。
「大運動会かぁ!」
普段の行動から見て取れるように、サトシは体力に自信があった。
これから繰り広げられる様々な競技に、サトシは思いを馳せた。
「あたしも出た~い!」
元気少女のヒカリも体力には自信があった。
応援の選択肢も存在するため、ヒカリにとっては二度おいしい。
「おっ、一般の人の参加は自由だぞ!」
サトシとヒカリにとって、最も重要な部分をタケシは付け足した。
「ホントか!?」
「どうすればいいの!?」
それを聞いたサトシとヒカリは、間髪を入れずにタケシに尋ねた。

「受付を済ませれば誰でも出場できるぞ!」
二人にそう告げて、タケシはガイドをたたみ、リュックにしまった。
「よ~し、オレたちも出場しようぜ!」
サトシは拳を握り締め、ファイティングポーズを決めた。
「賛成~!」
ヒカリも右腕をぴんと伸ばし、サトシに同意した。

こうして、サトシとヒカリはオータムタウン大運動会に出場する事になった。


サトシ達は、オータムタウンのポケモンセンターへと足を進めた。
オータムタウンのポケモンセンターは町の中央に位置し、その後ろに先程見えたグラウンドが広がっている。
「ポケモンセンターが主催の運動会なんだ…。」
ポケモンセンターのロビーに入ると、ヒカリは不意にこんな言葉をもらした。
「普段は、あそこでポケモンを預かってくれてるんだぜ?」
ヒカリの顔をのぞき込みながらサトシはそう言った。
「へぇ~。」
ヒカリのトーンの高い声が、ロビーにこだました。
広いロビーだが、サトシ達以外にトレーナーの姿は無かった。

「こんにちは、ようこそポケモンセンターへ!」
………

しばらく間が空いた。
何かを忘れているような…、そんな気がしてならない。
この気持ちの原因に、サトシとヒカリは気がついた。
「そう言えば……。」
「タケシは……?」
二人が振り向くと、入り口入ってすぐの所にタケシが倒れている。
先手必勝、時すでに遅し。グレッグルは満面の笑み(?)でこちらを見つめている。
「キッ!」
再び三人の元に沈黙が訪れた…。


「…オレたち、運動会に出場したいんですけど。」
気を取り直して、サトシがフロントのジョーイに申し出た。
「でしたら、こちらのエントリー用紙にお名前と必要事項をご記入ください。」
そう言って、ジョーイは二人にエントリー用紙を差し出した。
特に変わったことはない普通のエントリー用紙だ。
「「ありがとうございます。」」
二人は用紙を受け取ると、ペン立てのあるコーナーへと流れていった。
ペンを取り、名前・住所・パートナーポケモン等を記入し、記入は完了だ。
「タケシはどうしよっか…?」
ヒカリは、入り口の方を振り返りながらサトシに尋ねた。
グレッグルが、タケシの頬を引っ張っては放し、引っ張っては放し遊んでいる。
「あれじゃあ、仕方ないな…。」
本人の意思とは無関係に、タケシは不参加となった。
「な…ぜだ……、グレッ……グル………。」
相変わらず、グレッグルはタケシの頬を引っ張ったり放したりしている…。


開会式を終えたサトシとヒカリは、木陰にシートを敷き、それに腰を下ろしていた。
二人は、それぞれ上はお揃いの白いTシャツと、サトシはブルーの、ヒカリはピンクのクォーターパンツに身を包んでいた。
「第一種目は、100m走ね。」
ヒカリは、受付でエントリー用紙と引き替えに貰ったプログラムを眺めた。
面白そうな競技は沢山あるが、何よりも最初は徒競走だ。
「よ~し、燃えてきたぜ!」
そう言って、サトシは右の拳を握り締めた。
いかにも、やる気満々といった様子だ。
「がんばってね、応援するから!」
「あぁ、頼むぜヒカリ!」
「あんた達も来てたんだ。」
聞き覚えのある声が、サトシとヒカリの耳に届いた。
二人は声の主の方へと目を向けた。
「「ノゾミ!」」
そこにいたのは、ヒカリと同じポケモンコーディネーターのノゾミだった。
思わぬ場所での再会に、サトシとヒカリは、思わず立ち上がった。
「あなたも来てたのね!?」
ヒカリは、嬉しさのあまり少し早口だった。
「この町のポケモンセンターに寄ったら、たまたまね。」
ノゾミは淡々とした様子だったが、言葉には暖かいものがあった。
一見クールだが、“いい奴”が醸し出す独特の雰囲気だ。
「ノゾミも、競技に出るのか?」
サトシは、確認を取るようにノゾミに尋ねた。
「あたしは、観戦がメインかな。競技からコンテストに通じる動きを見つけるんだ。」
それは、最もノゾミらしいと答えだとサトシとヒカリは思った。
「そうか。」
サトシは、納得した様子で言った。
「それじゃ、あたしはもう行くね。」
そう告げて、ノゾミは二人の元を後にした。
「また、後でね~。」
ヒカリがそう言うと、ノゾミの後ろ姿は右手を挙げた。

「さてと…オレも、そろそろ行くか。」
サトシは、一歩前に進んだ。
「サトシ。」
ヒカリがサトシを呼び止めた。
振り返ると、ヒカリがサトシの方に掌を差し出していた。
「がんばってね!」
「あぁ!」
サトシは自らの手でヒカリの掌を叩いた。


会場内に、第一種目開始を告げるアナウンスが流れた。
ヒカリは、立ち膝でリュックの中のある物を探していた。
「あったあった!ふふ…、これで……!」
一人静かに、ヒカリは微笑んだ。

サトシは、ヒカリの元を離れ入場門にいた。
「オレは、第五レースか…。よーし!」
サトシは、自ら頬を叩いて気合いを入れた。
ヒカリが応援している、負けるわけにはいかない。
「行くぞ!」

『選手入場。』

アナウンスの声と共に、大勢の選手が入場してきた。
これだけの選手の中でも、トレードマークの赤い帽子が一際目を引いた。
そのためヒカリは、サトシの姿をすぐに見つけることができた。
「あ、いたいた!」
一瞬でサトシを見つけられたことが、ヒカリはとても嬉しかった。
「見ててよサトシ、絶対一位にしてあげるんだから!」
そう言うとヒカリは、クスクスと笑った。
ヒカリには、サトシを絶対勝たせるための秘策があった。
「ポッチャマ、準備はいい!?」
ヒカリは、足下のポッチャマに目を向けた。
「ポチャ!」
そう言うとポッチャマは、そばにあった椅子に飛び乗りぽんと胸を叩いた。
「ポチャポーチャ!」
ポッチャマは、だいじょーぶ!とヒカリのヒカリの口癖を真似たようだ。
「さぁ、始まるわよ…!」
ヒカリは、視線をポッチャマからトラックに戻した。
いよいよ、サトシに順番が回ってきた。
(サトシ…、絶対だいじょーぶだからね……!)
ヒカリは、祈るようにスタートラインに着いたサトシを一心に見つめた。

タケシの受難

>>43と>>44が持ってきてくれたネタでカキコ
お二人ともありがとう

肌を噛む小虫の牙は決して気持ちのいいものではなく、下流に行くにつれて土は湿り、湿原地帯になっていた。
水気が多すぎるためか草はかれているものも少なくない。
それでも、所々休めそうな場所はある。
大型のポケモンが使っていたであろう横穴で、サトシ一行は休んでいた。
昼間とはいえ湿地帯は暗い。
ぬかるみは必要以上に体力を奪うため、旅に慣れていないヒカリは真っ先にダウンした。
タケシは昼食の準備のために、薪を探しに行っている。
サトシはヒカリと、露出した岩肌の上に腰掛けて休んでいた。
「ん?」
ふと、近くにまとめてある荷物から一冊の本が出ているのに、サトシは気がついた
拾い上げてみればそれはヒカリのもので、丁寧な装飾の表紙と、ボタンでつないであるのが印象的な本だ。
「ヒカリ、これなんだ?」
サトシが中身を見ようと、ボタンに手をかける。
「あっ!ダ、ダメ!」
あわてて駆け寄ってきたヒカリが、水滴を受けていた岩で滑ってサトシにダイブする。
「おわっ!」
かわせばヒカリが顔面から激突してしまう、とサトシはよけることができなかった。
「あっ、ご、ごめん!大丈夫?」
「痛っー」
頭を軽く抑えながら、起き上がる。
「なあ、その本何が書いてあるんだ?」
「ダメ!絶対見ちゃダメ!」
明らかに様子がおかしい、とサトシは感じた
本を必死に抱きかかえているヒカリは、顔を赤くし、頑として見せるのを拒む


・・・気になる・・・

そんないたずら心が芽生えて、いつの間にか洞窟内で追いかけっこになっていた。
ヒカリもまんざらではないようで、ちょっとしたお遊びのような、そんな雰囲気だった
しかしそうしているうちに、足が絡まって転んでしまった。
「「ぎゃ!」」
うまく受身を取ったのか、二人とも怪我はなかった。
しかし、ヒカリの本は水溜りに落ちてぐっしょりとぬれている。
それを目にした瞬間、ヒカリの目に明らかな怒気が満ちた。
「んもうっ!サトシ気をつけてよ!」
あ~あ~、と心底残念そうに本を持ち上げる。
あいにく本からは水滴が滴っていて、乾かすまで本の中身が持つかは微妙だった
「あ・・・、ごめん。」
正直、サトシはここまでヒカリが怒るとは思っていなかった。
「別にいいです~」
そうはいっているものの、明らかに言葉には怒気をはらんでいて、機嫌は直りそうにもない
良くわからないが、あの本がヒカリにとって大事なものだということはサトシにも理解できた。
しばらく、話しづらい沈黙の時間が続く。
ピカチュウも息苦しい空気に耐えられなくなったのか、いつの間にか外でタケシを待っている。
「なあ、ヒカリ。」
「・・・」
はぁ。と溜息がサトシの口から漏れた。
こんなことは今までで始めてで、どういったらいいのかわからないのだ。
しかし、その沈黙の時間も長くは続かなかった。
「ピカピ!ピカチュウ!」
「ウッソ!ウソッキ!!」
張ったような空気を裂いたのは、ピカチュウとタケシのうウソッキーだった


「どうしたんだ?ピカチュウ」
ウソッキーを見たとたん、タケシが帰ってきたのかと思ったが、どうやら違うらしい
二匹の様子は明らかにおかしく、ウソッキーはピカチュウ以上に必死だ
「もしかして、タケシに何かあったのか?」
「ウソ!ウソッキ!」
そのとおりだと、ウソッキーは大きくうなづいた。
遠巻きに少し不安げに見ていたヒカリも、事態を理解して二匹に駆け寄る
ウソッキーが、苦手なはずの水溜りすらものともせず走り出す。
それを追ってピカチュウとサトシ、ヒカリと続く。
タケシを追っている間も、ヒカリはサトシに目をあわせようとはしなかった。
しかしまだ怒っているのではない、あんなことをいってあんな態度をとってしまった以上、目はあわせづらかった。
サトシが気遣って時々こちらを見ているのもわかるのに、自分はそれに答えることができずにいる。
確かにあの本の中身は大切なものだったが、サトシは謝ってくれたし、自分にも落ち度はある。

(ダメだ・・!今はそんなこと考えてる場合じゃ・・・!)
余計な思考を取っ払うために、頭を振る。
今最優先するべきなのはタケシだと言い聞かせて。


そのうち、ウソッキーがぴたりと足を止めた。
ちょうど泥が深くえぐれて、穴のようになった場所を必死でさしている。
近寄ってみれば、穴の中には一匹のコダックと足をくじいたタケシがいた。
「タケシ!」
「サトシ!ヒカリも!」
「大丈夫か!?」
「ああ、先にコダックを出してやってくれ!傷が膿んで、このままだとまずい!」
「わかった!」
ヒカリは、動くことができなかった。
動かなければならないことはわかっているが、どうしてもさっきのことが頭に引っかかってしまうのだ。
「大丈夫だコダック、もう安心していいからな。」
タケシのそんな声が聞こえる。
たとえ自分が怪我をしても、ポケモンのことを優先するあたりは、サトシと似ているかもしれない。
コダックが引き上げられ、タケシが引き上げるためのロープをつかんだそのときだった。
引き上げようとしたサトシの足がもつれて、滑ってしまったのだ。
あわててウソッキーとピカチュウが支えにはいる!コダックも!
それでも、沼地の泥はずぶずぶと穴へとサトシを引き寄せていく、あの体制で落ちればサトシも足をくじいてしまう。
何より人が自力で出られないほど深い穴だ、ぬかるんでいるせいで足をくじいた状態ではとても抜けられない。
「サトシ!!」
いつの間にか体が動いていた。
足をつかんでいるポケモンたちの邪魔にならないように、胴体にしがみついて引き上げる。
「ヒカリ!?よっしゃ!」
サトシも、ヒカリが加勢に加わって熱が入った。
腕に力を込めて、足を深く泥に食い込ませる。
穴へ落ちる前に、引き上げてしまえといわんばかりに。
「「せーの!!!」」
ぐっと、二人の息が合ったロープが持ち上げられた


タケシは泥だらけだったが、軽く足をくじいただけで大きな怪我はない。
泥に体力を奪われ、肩で息をする二人にタケシが礼を言う。
話せる元気もある、大丈夫そうでよかったと、サトシをちらりと見てみる
すると、サトシも同じことを考えていたのか、ヒカリと目があった
少し、サトシが気まずそうな顔をする。
服も顔も、泥だらけで、少し自信なさげにしぼんだ様子はいつものサトシらしくなく、ヒカリはつい噴出してしまった。
「な、なんだよっ!」
ポッポが豆鉄砲を食らったような顔とはこのことだろう、面食らったサトシが少し照れたように講義する
「ご、ごめん!だってさとしってば・・・!泥・・!」
「んな!それを言うならヒカリだって・・・!」
それを聞いてヒカリは自分の顔を鏡で見てみた
サトシほどじゃあないが、髪も顔も服も、泥まみれである。
ぽかん、と鏡を見ていると、今度はサトシに笑われた。
「なによもー」
怒るに怒れない。
何より同じように笑っていられることが気持ちよくて、さっきのことなどなぜ喧嘩していたのか忘れかけたぐらいだ。
コダックの治療をしながらも、二人の様子を見ていたタケシが、なんともいえない顔で二人を見つめている


しばらく笑いあって、サトシと、ヒカリはタケシを支え、ウソッキーがコダックを運んで洞窟へと戻った。
コダックの傷は生んで、そのままにしていれば熱が続いていただろうが、タケシの調合した解毒薬で落ち着いている様子だった。
本来はポケモンセンターに任せるべきなのだろうが、この近くにはなかったのだ。

「そういえばヒカリ、答えたくなかったら答えなくていいんだけどさ」
「ん?何?サトシ」
「あの本の中身って・・・。」
「ああ、あれ?」
あの本の中には、これまでの旅で感じたことを、ポケッチのアプリでとった小さな写真とともに記録していた。
確かに日記は汚れてしまったけれども、思い出はなくなるわけではない。
初めてのたびで、いろいろな人やポケモンに出会って、その感動をいつまでも心にとどめておきたいとサトシに出会ってから思いつき出始めたものだ。
なんとなく見せるのが恥ずかしくて拒んでしまったが、もともとはその日記をみんなで見てあーだこーだと笑うのもいいかもしれないと、そう思っていた。
「そっか・・、ごめんな。汚しちゃって」
「いいよ。大丈夫!ただし・・・」
「へ?」
「サトシの今までの旅の話も聞かせてね、こっちはちゃんと言ったんだから」
要するに、不公平だといいたいらしい。
別に減るものじゃないし、いいかとサトシは話した。
旅の思いでも、出会った人のことも、くべた火を囲んで、笑いながら。


オマケ

「二人とも、泥だらけの服を干してるからって下着姿に毛布二人で1枚じゃ風邪引くのも無理ないぞ」
後日、二人は風邪のお土産をもらった。
下着姿で、毛布もきれいなのは一枚しかなかったため、
もともとヒカリが自分が包まっていた毛布にサトシを招きいれたのだが、
どちらかがすでに風邪の菌をもらっていたのかお互いに移しあったらしく、二人仲良くポケモンセンターで安静状態にさせられる羽目になった。
足の治療をしてくれたジョーイさんを口説けばグレッグルに鋭い毒付きをお見舞いされ、
なんとなくいい雰囲気の二人の部屋に入ることもできず、
看病道具を体中に持っているタケシは、周りから珍しいものを見るような目でみれれている。
はいるべきかはいらざるべきか、ある意味で難しい選択を迫られるタケシの受難は、今後も続くかもしれない。

どう見てもタイトルはおまけのためにあるようなもんです本当にありがとうございました

とりあえず勢いで書いた、変なところも多々あるかもしれないし展開が無理やりだけど許してほしい。
お二人の意見を無駄にしたくなかったもので・・。

酔い霞

4作目投下
感想励みになってるよ・・・、みんなありがとう!

綺麗に磨かれた淡い桃色のタイル、それが敷き詰められたポケモンセンターの厨房で、ヒカリはポフィン作りでの味の組み合わせの相性を試していた
ポケモンの性格で好きな味は決まる、そしてそれに適したポフィンを作るのはコーディネーターならば当然のことであり、ヒカリも例外ではない
以前は一度失敗したものの、もう一度作ったものはおいしそうにポケモンたちが食べてくれた
今度はさらにおいしいものを作ろう、そう意気込んでのことだった。
隣ではタケシが、酒の入ったデザートでも作ろうと、材料を準備しながらヒカリのサポートをしている。
(少しのどが渇いたなぁ)
秋に入ったとはいえ、夏の名残、俗に言う残暑がある。
外はまだ暑い。
厨房ではほかのトレーナーが火を使ったりもするためなおさらだ。
「タケシ、ちょっと水頂戴。」
「ああ、確かその辺に・・・」
タケシがどこだったか・・と流し台を一瞥している間に、ヒカリは軽量カップに入った透明な液体を見つけた。
量は少ない。しかし無色透明だし、これが水だろう、とヒカリは一気にそれを飲み干した。
量が少なかったため、本当に一瞬で飲み終わる。
のどがカッと熱くなる様な感覚と、タケシが叫んだのは同時だった。
「ヒカリ!それはデザートに使う酒だぞ!!」
タケシはいやな予感がしていた。
なんとなく、だが。ヒカリに酒を飲ませたら大変なことになりそうな気がしていたのだ。
「た~け~し~。」
「ひ、ヒカリ・・・大丈夫か・・?」
「らいじょ~ぶよ?にゃにいってるのタケシ」
呂律が少しへンだ。
やっぱり酔っている。
すぐに本物の水を飲ませなければ、と水を用意した矢先だった
「たけし~、水もう少しもらうわよ~」
今度は酒瓶に入った酒を一気に。
半分は飲んでしまった。


「らーかーらー、あらしは酔ってにゃーいの!ひっく!」
とりあえず、ウソッキーにサトシを呼んできてもらい、ヒカリをジョーイさんのところに運んでもらった。
とうとう呂律が回らなくなって、何を言っているのかわからない。
サトシは理解できているようだが・・・・。
タケシは、ヒカリが酔ってひっくり返したなべやら材料やらを片付けるため雑巾を絞った。

「ヒカリ、何で酒なんか飲んだんだよ」
「あらひはお酒なんかのんれらーいわよ。ひろりで歩けーるぅ」
サトシの腕を引きはがして、ヒカリが一人で歩き出す
しかしバランスがとれずに、よたよたとゆれて頃すぐに転びそうになった
酔っ払いの足取りをオニスズメ足という理由が、わかった気がする。
サトシは今にもこけそうなヒカリに肩を貸して、ジョーイのいるカウンターへとどうにかたどり着いた。

わけをジョーイに話すと、ジョーイはすぐに水と、酔いを醒ます薬を取りに行ってくれた
待ってる間、ヒカリと受付近くのソファーに座る。
対面側の席に女性トレーナーが座ると、なぜかヒカリは不機嫌そうにテーブルをたたいた。
酔っ払いのやること、ときにする人はいなかったのだが、女性トレーナーにだけやるあたり理解できない
普段はそんなことをするような性格ではない。
「ヴゥ~~~」
まるで犬が餌をとられるところを唸り返すように、ヒカリが唸る。
「らいたい(だいたい)ね~、あたひはころも(子供)なの。だかるぁお酒なんて飲めるはずにゃい、にゃいの」
薬を持ってくるだけ・・・とは行ったものの、ポケモンセンタをー仕切るジョーイは忙しい。
しばらくの間、ヒカリはサトシのp肩に頭を乗せて、呂律の回っていない口で同じことを繰り返ししゃべっていた。


「・・・」
どのくらいたっただろうか。
間食時になってから、ジョーイは「待たせてごめんなさい」といいながら薬と水を持ってきてくれた。
トレーナーがいつにも増して多かったらしく、小一時間は待っていたと思うが、その間にもヒカリの酔いがさめることはなかった。
ヒカリはジョーイにまで唸っている。
なぜ唸っているのか、サトシにはまったく理解できない。
女性にだけ唸っているから、女の人が嫌いなのかと思ったがそれはありえない。
どうにか薬を飲ませて、部屋まで運ぼうとヒカリを背負う。
落ちる危険はあったが、ジョーイさんが後ろから支えてくれているし、こちらのほうが早い。
へぇ~やらうぅ~やら唸ったり甘ったるい声を出したり。
桜色に染まったヒカリの顔は緩みきっていて、なんとなくいつもと違う気がする。
同じヒカリであるはずなのに、酔っているせいだろうか?
部屋につく頃にはヒカリは背中で眠っていて、いつの間にか静かになったヒカリに、少しさびしさを覚える。
「薬が効いてきたのね、一晩安静にしていれば、二日酔いも出ないと思うわ」
ジョーイはそういい残して、部屋を出て行った。


サトシはヒカリをベッドの上に寝かせると、毛布をかけて自分もベッドに腰掛けた。
少し汗ばんでいるが、静かに眠っている。
タケシもすぐに戻ってきて、起こさないように、静かにしている。
タケシもヒカリがこんなに酒に酔いやすいとは思っておらず、予想外だったのか微妙な表情だ。
「ひゃとし(一応サトシと言ってる)は心配性にぇー。ヒック」
「俺の夢見てるのか」
どんな夢を見ているのか、少し気になる。
「サトシ、買出しに行って来るからヒカリのこと見ててくれ」
「ああ、わかった」
パタン、と扉が静かに閉まって部屋にサトシとヒカリだけになる。
いつもならピカチュウもいるだろうが、今はジョーイに預けてあるから本当に二人だけだ。
時計の針の音がやけに大きく感じる。
さと、どうしようか。
唯一はなす相手のタケシは今はいない。
仕方なくサトシは、各部屋に何冊か置かれている雑誌のひとつを手に取った。
コンテスト関係のことも書かれている雑誌で、それに関係する品物や、ちょっとしたコンテストバトルのテクニックなんかも書いてある。
クロガネジムで、ヒカリのコンテストバトルのやり方に助けてもらって以来少し気になっていただけに、ちょうど良かった。
「あ、これヒカリが喜びそうだな」
目に留まったのはポッチャマとピカチュウの細工が施された櫛で、髪をとかすのを欠かさないヒカリにはちょうどいいかもしれない。
今度かって驚かせてみようか、と考えてみる。
ちらりとヒカリを見てみれば、脇においてあったサトシの帽子を抱きしめながら寝言をつぶやいていた。
サトシは自分の対面席に座った女性トレーナーにのみ唸っていたのは何だったのだろうと考えてみたりもしたが、答えは見つからなかった。
ただ、そのときヒカリが自分の服のすそをつかんでいたあたり自分に理由があるような気がしないでもないが、心当たりもない。
考えるだけ無駄だろう、とサトシは疲れた目を雑誌から離した。
「少し寝よう」
やることもない。たまには寝るのもいいかもしれない。
そう思ってサトシはそのままヒカリが眠るベッドの近くのいすに座って眠った。
明日は町でちょっとしたイベントがある。
ヒカリを誘っていってみよう。
そんなことを思いながら。


オマケ
「ヒカリ、これやるよ」
サトシが包装された包みを渡す。
サトシが贈り物なんて珍しい、と思いながらも、ヒカリは包みを開けた。
「わぁ、かわいい。どこでみつけたの?これ」
「町のイベントのときに買ったんだよ。ヒカリそういうの好きだろ?」
好きとはちょっと違う気もするが、そろそろ新しい櫛がほしいと思っていたので、ちょうど良かった。
「ほんとにありがとね、サトシ」
しかし、櫛をもう一度見てみると、違和感があって、ヒカリはもう一度、櫛を見てみた
「サトシ、これ」
「どうした?」
「この櫛ポケモン用。」
「あ」

                了

う~ん、酔っ払いの表現って難しい・・・。
町のイベントの話は機会があったら書こうと思います。

ハンターJ再び

ハンターJ再び~湖の秘密~
「ハンターJ、例の物は見つかったのか?」
昼だというのに暗く、どこか冷たいその部屋で、スクリーンに移された男の声が響く。
「予定通り、着々と事は進んでいる。心配するな」
「それを聞いて安心したよ」
にぃっと黄ばんだ歯を見せながら、男が笑った。
「楽しみに待っているよ、私のコレクションのためにもがんばってくれたまえ、ハンターJ」
ぶつりと、スクリーンが閉じる。
暗かった部屋はさらに暗くなり、置かれた機械の無機質な音が、冷たさを助長していた。
「ふん。下衆めが。」
ハンターJ。
彼女は冷たいヒカリを目にたたえながら、湖の中に張った見張り用の基地へと向かった。

夏の日差しを遮断する森の木陰はちょうど良く、それでいて木々を抜ける風が心地よい。
夏だから暑いのは当たり前だが、森の中はことのほか涼しく、歩いていても体力を奪われるようなことはなかった。
「この近くに大きな湖があるな、そこでランチにしよう」
タケシがマップを眺めながら言う。
この森には非常に川が多く、大小のさまざまな湖が支流の先にあった。
今目指している湖はひっきりなしに川から水が流れ込んでいるが、
たいていの湖底には洞窟や滝があって、そこから水があふれる前に流れているというのを聞いた。
サトシとヒカリは、そろそろおなかがすいてきた、とすぐにタケシの意見に賛同した。
食べ盛りの彼らにとって、タケシの料理は旅の楽しみでもあるのだ。
やがて川幅は広がり、湖が見えてくる。
岸にはウパーやヌオーが数匹と、ほかにも人がいるのか、釣り糸と浮きがたれてあった。
ポケモン用の釣竿でなく、普通の釣竿のところを見ると、食用の魚をつっているらしい。
置くには岸壁が聳え立っていたが、そこを真っ二つにしたように滝が階段状に流れていた。
ほかの川からも水が来ているのか、その岸壁からもいくつか小さな滝ができている。

サトシ達はいつものように薪をくべ、昼食の準備に入る。
いつもどおりの光景、いつもどおりののどかな昼だった。
そう誰もが思っていた。


ハンターJ再び~侵略者達~
パンッと何かがはじける音がして、突然水面が吹き飛んだ。
大量の水が空高く打ち上げられて、雨のように降ってくる。
「何!?」
ヒカリが驚いて声を上げる。
サトシとタケシも驚いた表情で湖を見ていた。
「―あれは!」
遠くてはっきりとは見えない、しかし水上バイクに追われて、こちらへ向かってくる影が2つある
細長い蛇のような体と、羽を模した様な耳、口元の珠。
ただひとつ、通常の固体と違うのは、その体の色が抜けるような蒼ではなく
深く全てを包み込むような紫色ということだ
「ハクリューだ!しかも色違い!」
よくよく見れば、追われているハクリューは二匹とも色違いで、どうやらつがいの様だった。
「見て!あのバイクの上!!」
「あれは!」
サトシの目に、明らかな怒りの色が浮かぶ。
連中はポケモンハンターJの一味だった。
ポケモンハンターは様々な悪質な人物とつながり、指名手配対象にもなっている。
サトシはもちろん、ヒカリやタケシもその存在を許すことなどできなかった。
珍しいポケモンを『商品』として売り買いするような非道な連中だったからだ。
よくよく見てみれば、水上バイクは一台ではなく、3台いる
そのうちの一台は明らかにほかのものとは違っていて、それに乗っているのはJ本人だ。
「あいつらッ!!」
Jはまだ気がついていない様子だった。
しかしあのままこちらにハクリューたちが向かってくれば、必ず気づかれるだろう。
抑えきれずにサトシが前へ出ようとする。
しかし、後ろから伸びた太い腕がそうさせなかった。
力強く引かれて、草むらの中へサトシが引き込まれる
「サトシ!?きゃ!」
立て続けにヒカリも引き込まれた。
「サトシ!ヒカリ!ぅわ!」
残るタケシも、草むらの中へと引き込まれてしまった。


ハンターJ再び~湖に消えたヒカリ(前編)~
強い力で押さえつけられ、必死にサトシは抵抗する。
しかし耳元でささやかれた声は聞き覚えのあるもので、サトシは暴れるのをやめた
それを見て、同じく抵抗していたヒカリも暴れるのをやめる。
一方のタケシはいち早くその人物に気がついていたようで、草むらに隠れるようにしゃがんでいた。
「久しぶりだな、サトシ君」
「あなたはたしか・・・シバさん!?」
ポケモンリーグにおいて、セキエイとジョウトの四天王でもある人物。
格闘ポケモンを主流とするこの男に、サトシは見覚えがあった。
「誰?サトシ。」
「この人はシバさん、カントー地方の四天王だよ」
「じゃあ、ゴヨウさんと同じ・・」
「――!!静かに!」
ヒカリの言葉をさえぎるように、シバが静かに、しかし有無を言わさない口調でいう。
こっそりと草むらからのぞくと、ハンターJがいままさに、ハクリュー達を捕らえようとしているところだった。
「よし、おれが・・・」
立ち上がろうとしたサトシだったが、再びシバに肩をつかまれて制される。
「待つんだサトシ君。今出たら危険だ。相手が多すぎる。」
周りの取り巻きはおそらく普段のサトシ達でも倒せるはずだった。
しかしJがいるとなると話は別である。
Jは底知れぬ実力を持っている上に、何を仕掛けてくるかわからない。
下手に飛び出すのは、火中に入る虫の様な物だ。
「俺は警察と連携して、ハンターJを追っているのだが・・・。」
「それでシンオウに?」
「そうだ。Jはポケモンリーグからも捕縛命令が出てる。」
シバが言うことを聞いたほうがいい。
少し落ち着きを取り戻したサトシが身を引く。

「・・・・」
Jはハクリューの捕獲を部下に任せ、辺りを見回していた。
理由は単純だった。不自然だったからだ。
見たところ昼食の準備中だったようだが、火はかけたままの割に人は一人もいない。
火の番をしていない人間がいないのは不自然だ。
だとすれば隠れたのだろうが、ならばこの荷物の持ち主は自分たちのことを知っている人物ということになる。
「邪魔な種は芽が出ないうちにつまねばな・・・」
Jは静かに、腰のモンスターボールに手をかけた。


ハンターJ再び~湖に消えたヒカリ(後編)~
「そこか!」
Jがモンスターボールを草むらに投げ込んだ。
ボールが開き、大型のさそりポケモン、ドラピオンが出てくる。
ドラピオンは姿を現して間髪入れずに振り下ろす。
「ヒカリッ!」
サトシがヒカリを抱きかかえて倒れこむ。
「サトシッ!危ない!」
サトシはヒカリをかばって背中を向けていて、ドラピオンの二撃目に反応しきれない!
「サトシ君!」
シバはサトシたちをそこから引き剥がして飛びのいた。
「ぐぁっ!」
しかしそれは間に合わず、ドラピオンの毒爪がシバの足をかすった。
「シバさん!!行け!グレッグル!」
すかさずグレッグルが、二撃目を与えようとしているドラピオンを殴りつけた。
ドラピオンはわずかひるんだが、腕を振り回して反撃する。
「クロスポイズン」
ドラピオンの爪が光って、グレッグルを襲う。
グレッグルはそのまま目を回して気絶した。
「グレッグル!戻れ!」
モンスターボールにグレッグルを戻し、タケシはシバを安全な場所に移そうとした
「させん!」
ドラピオンの牙が、タケシを襲う。
「ピカチュウ!アイアンテール!」
そこにピカチュウが飛び込んできて、ドラピオンはそれを辛うじて防いだ。
「また貴様か・・・邪魔をするな!」
「10万ボルトだ!」
ピカチュウが電気をため、それを放つ。
電撃はすばやくドラピオンを捕らえたが、ドラピオンはそれをクロスポイズンで相殺した。
「何!?」
「シザークロス」
ピカチュウはドラピオンの攻撃を回避しきれず、倒れた。
「ピカチュウ!」
サトシがピカチュウに駆け寄る。
Jはそれを見つめながら冷たく言い放った
「貴様・・・われわれの邪魔ばかりして・・・。覚悟はいいな」
ピカチュウを固めた光線が、サトシを撃とうと向けられる。
「サトシ!危ない!」
引き金を引かれた瞬間、ヒカリはとっさにサトシをかばった。
「ヒカリ!」
駆け寄ろうとするサトシの目の前の地面が割れる。
サトシは急停止すると、攻撃があった方向を見た。
その横では、シバが肩で息をしながらJをにらんでいる。
「ハクリューは捕獲した。娘も連れて行け」
「はっ」
Jの部下が、ヒカリとハクリューを連れて行く。
サトシはそれを、ただ見ることしかできなかった。


ハンターJ再び~特訓~
「・・・ヒカリ・・・」
サトシはただ、Jが消えていった湖を見つめることしかできなかった。
「警察の応援はもうしばらくかかりそうだ。」
「もうしばらくって・・・ヒカリが危ないんですよ!?そんなに待ってられません!」
「落ち着けサトシ、ヒカリなら大丈夫だろう」
「そうだ、Jはポケモン専門のハンターだからな。だが急がなければいけないのは確かだ」
シバは荷物から一枚のメモを取り出した。
「Jにハクリューの捕獲を依頼した依頼主が、二日後直接ハクリューを引き取りに来る。それまでにヒカリちゃんを助けないと、Jはここを離れてしまう」
そのままシバは、つぶやくように話を進めた
「色違いのハクリュー、しかもそのつがいともなれば高額な値段で取引される。依頼があってもおかしくはないだろう。しかし奴の基地は湖の中だ・・・」
サトシもタケシも、そしてシバも水タイプのポケモンを持っていない。
「とにかく潜入方法を考えよう。それにサトシ君、君にはやってもらわなければならないことがある」
「俺がやらなきゃいけないこと・・ですか?」
「そうだ。こっちに来なさい」
ぐるりと湖を周回して、岸壁を流れる小さな滝のひとつに連れてくるなり、シバはサトシに胴着を渡した。
「俺はこのとおり、今脚が使い物にならない。基地に潜入するのはおそらく無理だろう。そこで―」
「君に潜入してもらう。そしてそこでおそらく君はJと戦うことになる」
サトシはうなずいた。
自分のために捕まったヒカリを、自分の手で助け出したいという思いが強くあったからだ。
「だが、今の君ではJのドラピオンは倒せないだろう。だが勝つ術はある」
「勝つ術って何ですか!?教えてください」
「奴のドラピオンの攻撃は二段攻撃だ。二段攻撃の前にはいかに強力な一撃もいなされる。それに打ち勝つためには、それを上回る3段攻撃しかない」
「三段攻撃・・・」
「そうだ、今から君にはこの滝を自らの手で切ってもらう」
「俺がですか!?」
サトシは驚きを隠せない。ポケモンに勝つ修行なのだから、ポケモンを使うものと思っていたのだ。
「二段攻撃を見切り、それ以上の攻撃を仕掛けるには、ポケモンの力だけでなくトレーナーが見切ってポケモンに教えてやる必要がある。」
「君にならできる。がんばれ」
サトシの修行が、今始まった。


ハンターJ再び~滝を見切れ!~
「・・・ここは・・・」
腕を動かそうとする。
しかし腕に痛みが走って、ヒカリは自分が鎖でつながれていることに気がついた
「私の基地だ」
モンスターボールは届かない位置においてある。
「貴様の処分は取引が終わってからだ、せいぜいそこで仲間の助けを待っていろ」
ヒカリはあえて何も言わなかった。
絶対にサトシは助けに来る。それがわかっていたからこそ、今のうちにJをしっかりとにらみつけておいた。

「くそっ・・・」
すでに日はくれ、夜行性のポケモンたちが活動を始めていた頃だった。
サトシとピカチュウはいまだ特訓を続けている。
シバが途中にあった滝を無視してこの滝を選んだのには、わけがあった。
この滝はテンガン山から運ばれてくる石や氷が滝に乗って落ちてくる。
そしてそれは問答無用にサトシを襲っていた。
「ダメだ・・・できない・・・。」
痛みと悔しさで、サトシは目をわずかに潤ませた。
「・・・」
シバは悔しかった。自分があそこで怪我をしなければ、サトシにこんなつらい思いをさせずにすんだかもしれない。
しかし今Jの基地に潜入してポケモンやヒカリを救出できるのはサトシ位の物だ。
シバは溜息をついて、サトシに歩み寄った
「その顔は何だ・・・。その目はなんだ!その涙は!その涙で・・・君の仲間を救えるのか!?」
今は彼が頼りだと、鬼になるしかなかった。
それでもサトシは折れない。であったとき、彼の目を見てそう思ったのだ。
はじめてあったときよりもたくましくなったと思う。
「滝がどちらに流れているのか。それを見極めるんだ。サトシ君」
「滝の・・・流れ・・・」
「滝を切ろうと思わず、その流れに沿ってすばやく攻撃するんだ」
「・・・」
滝をじっと見る。
滝の音が頭に直接浮かんでくる。
「いまだピカチュウ!アイアンテール!」
サトシの様子をすぐ後ろで見てたピカチュウが、光になって滝を駆けた。
いつもと違うのは電光石火の上乗せがあるという点だ。
ただスピードを乗せるのではなく、電光石火の一撃目で滝の水をはじき、アイアンテールを繰り出す。

そしてようやくサトシとピカチュウは滝を切った


ハンターJ再び~~
とりあえず今日はss投下終了。
明日突撃と救出かけたら書きます。
シバのキャラってどんなだったか忘れちゃったよ・・・、。


ハンターJ再び~湖底基地を追え~
まだ日も昇りきっておらず、辺りは静かだった。
サトシとタケシ、シバは、Jのいる湖底基地に潜入するために、最終的な打ち合わせをしていた。
シバは地図を指しながら、湖に浮かんでいる二隻の船を睨む。
「まず、サトシ君のムクバードに俺のモンスターボールをくくりつける。それをあの見張りの船に落としてくれ。」
「その後、見張りの船の機能を停止させたら、サトシ君は湖の真ん中へ、そこに着けてある小船で行く。そして―」
シバが、反対側の岩壁を指しながら続ける。
「俺とタケシ君は、岸壁に上って岩を湖に落とす。Jの基地は今岩壁のそばにつけてあるからな。それで追い立てる。」
シバは地図をたたみ、さらに続けた。
「Jの湖底基地は移動式だが、前進すると同時に浮上することがわかっている。
サトシ君は俺が貸したチャーレムの未来予知を使って基地の上がってくる場所を予測、懐に入り込むんだ」
「わかりました」
サトシはチャーレムの入ったモンスターボールを握り締めた。
「失敗は許されない。気を張っていこう」
サトシとタケシは再び大きくうなずいた。
「よし、すぐに始めよう。サトシ君、ムクバードを」
「はい!ムクバード!君に決めた!」
ボールが開いて、中型の鳥ポケモン、ムクバードが羽ばたきながら出てきた。
ムクバードはシバからモンスターボールを受け取ると、空高く飛び上がり、やがて小さくなっていった。
「よし、俺とタケシ君は岩壁に回る。サトシ君は小船の準備を。行こう、タケシ君」
タケシとシバの姿が小さくなると、サトシも小船へと乗り込み、時を待った。

湖面は静かで、双眼鏡からは昨日反抗したトレーナー達のテントが見えた。
動く様子はない。ただひとり、Jに無謀にも向かってきた少年が小船で静かに何かを待っている以外は、変わったことは一つもなかった。
カシャ。
背後でそんな音がして、振り返る。
ムクバードが見えた。そして床には・・・
「モンスター・・・ボール・・・?」
うまい具合に、開閉スイッチが床に触れて押されている。
そして中からキックポケモン、サワムラーが現れた。
「うわっ」
急に現れたサワムラーに、モンスターボールをとろうと腰をまさぐる。
しかし無常にも伸びてきた足がみぞおちを捕らえ、男は気絶した。
Jとの決戦が、幕を開けた。


ハンターJ再び~開戦~
妙な音と悲鳴に、休眠をとっていたほかの仲間も気がついたのか、金属製の扉が勢いよく開いた。
「おい!何だ今の音・・・ぐあ!!」
最後まで言葉を聴かず、間髪要れずにサワムラーがけりを入れる。
伸び縮みする最大の武器は、シバの育て方も手伝って、絶大な破壊力とスピードを生んだ。
見張りは次々と事態を把握する前になぎ倒されていく。

「A班どうした!?応答しろ!・・・くそっ!!」
何があったのか、事態を把握する前に同じ見張りの船が機能を停止したことに、スキンヘッドの大柄な男が受話器をたたきつけた。
いったい何があったというのか・・・。異変はないはずだ。
「班長!!大変です!」
「どうした!?」
「か、甲板が凍り付いています!」
「ん何ぃ!?」
あわてて甲板へ出る。
すると事態の収拾に甲板へ出した班員3名が伸びていた。
ただひとつ、無事な影があるが、それはこの船の誰も持っていないポケモンだ
「何でこんなところにエビワラーがいやがるんだ!?」
こちらを見やったパンチポケモンは、にやりと笑う。
「こんの・・!」
男が、悔しがって前へ出たそのときだった。
「うおわ!!」
さっき以上に、床が凍りついている。
ぶつけた頭を抑えながら起き上がろうとするも、急には立ち上がれない。
エビワラーが即座に床に放った冷凍パンチは、隙を作るのに十分だった。
逃げようと張って扉を閉めようとするも間に合わず、男と甲板の異常事態を知らせに来たその部下は連続パンチによって沈んだ。

「何事だ」
Jは湖面の異変に気がついたのか、すぐさま部下に事態を把握するように命じた。
見張りの船には各五人の部下を乗せていただけに、予想外の事態だった。
眉を不機嫌そうに寄せながら、わずかに唇を噛む。
誰が何をしたのか、予想はついた。あの子供だ。
奴が何かをしたに違いない。そう思ってJは踵を返す。
「私が直接出る。浮上ポットを用意しろ!」
「はっ!」
「私を散々馬鹿にしてくれた見返りをつけてやる・・・。」
Jが再び唇を噛むのをみて、部下は体に寒気が走るのを感じて息を呑んだ。


ハンターJ再び~勇気ある戦い1~
辺りが騒がしくなっている。ヒカリはそう感じながら、何とか脱出する方法を考えていた。
何かないか・・・注意深く床を見回す。
すると甲板のハッチが開いて、Jが潜水ポットで逃げていくのが見えた。
「きゃ!」
その直後、大きな揺れがヒカリを襲う。
上でタケシとシバが落としている岩の衝撃が、基地を揺らす。
ぐらぐらと地震の様に揺れ、プラスチック製のパイプとモンスターボールがテーブルから落ちる。
「あっ!」
この距離ならモンスターボールを取れるかもしれない。
必死に足を伸ばしてこちらへ引き寄せる。
しかし再び来た揺れが、モンスターボールを遠くへ転がそうとしていた。
「あ!まって!」
とっさにヒカリは、すぐ横のプラスチックパイプを蹴っていた。
端を蹴られたプラスチックパイプは回転して、再びモンスターボールを、さっきよりもヒカリの近くに寄せる。
「これなら・・・だいじょー・・・」
再び足を使ってこちら側に転がす。
「ぶ!」
床と足の裏を利用して、開閉スイッチを押した。
「ポチャ!」
ボールから愛くるしい姿のポッチャマが現れる。
「ポッチャマ!腕の鎖を壊して!」
「ポチャ!」
ポッチャマが鎖を固定している部分をつつくで攻撃し続ける。
その衝撃で鎖の鍵はだんだんと弱まり、やがて片手の鎖が取れた。
床に転がっているもうひとつの、ブイゼルのはいったボールをとって、開閉スイッチを押す。
「ブイゼル!ソニックブーム」
「ブイ!」
ブイゼルの尾が光って、空気の刃を鎖にたたきつけた。
もう一方の鎖も切れ、ヒカリはようやく、地に手をつけることができた。
「さあ、はやくここを脱出しましょ」
二匹をボールに戻し、ヒカリは単身、基地から脱出するために部屋を出た。


ハンターJ再び~勇気ある戦い2~
「くっ!いったいなんだこの揺れは!」
「上の岩壁から落石の模様です!このままでは外壁が持ちません!」
「やむおえん!基地を前進させろ!すぐにここから離れるんだ!」
つばを飛ばしながら、髭面の男が怒鳴り散らす。
メインのコントロールルームは、単純な基地の前進、交代、通信しかできない。
ほかは気圧の調整装置やら何やらが詰まっていて、上で何が起こっているのかを通信なしに把握するのは難しかった。

一方ヒカリは、動き始めた要塞と、はめ殺しの窓を見て自分が湖の中にいることを把握した。
脱出を優先したかったが、あのハクリューやほかのポケモンたちもつかまって、どこかに閉じ込められているはずだ。
幸いここは小さな基地なのか、現在地のようなものを記したものもあって、ヒカリはそれでどのあたりを探せばいいのか見当をつける。
「ここは真ん中の階なんだ・・・。上は操縦室みたいだし・・・。下かな・・・?」
船のことは良くわからないが、貨物船やなんかはしたに荷物をまとめていたきがする。
だとすれば、ポケモンたちもそこだろうか。
(行ってみよう。・・・足音だ!)
「ばたばたとあわただしい足音が、上から降りてくるのが聞こえる。」
ヒカリはとっさに身を隠した。
「浮上調整のボタンは一番下だよな?」
「ああ、浮上調整しないと湖面に出ちまう」
(浮く為のボタンも下にあるんだ・・・!)
ならばついでにそれを押してしまおう。
そうすれば、ブイゼルで脱出できる。
ヒカリは男達が通り過ぎるのを見計らって、階段へ向かった。

「まってろよ・・・必ず助けてやるからな、ヒカリ。」
ピカチュウも隣で、気合の入った声を出す。本当に心強い。
「チャーレム、どうだ?」
「レム・・・」
チャーレムはさっきから何かを感じ取っているのか、瞑想の体制に入っている。
アサナンやチャーレムは考え込むと長いと聞いたことがあるが、こういう姿を見ていると納得できる気がしていた。
「ピカ?」
不意に、ピカチュウが耳をそばだてた。
「チャーレム」
チャーレムも瞑想をとく。
何かが来ている。そう伝えるようだった。そして海面が盛り上がり―
「J!」
「・・・」
目の前に現れてのはまさしく、憎むべきJその人だった。


ハンターJ再び~勇気ある戦い3~
階段を下りると、下には大きな部屋が二つあって、男達そのうちの一つに入っていった。
「きっとここだわ・・・」
ヒカリは見つからないよう、反対側の部屋にはいる。
部屋は冷たいタイルが敷き詰められている無機質なもので、入り口以外にも、もうひとつ扉があった。
扉の前まで来ると、ぼそぼそと話し声が聞こえる。
隣の部屋とつながっている様子だった。
「今入ったらまたつかまっちゃうわよね・・・。」
静かに踵を返して、奥にかけてある大きな布を取り払う。
案の定、中には捉えられたポケモンたちがいた。
もちろんあのつがいのハクリューもいる。
「まってて、今助けるから」
石化の解除ボタンを押す。
するとケースと一緒に石化は解けて、ハクリューは自由の身になったことをもう一匹と共有した。
ほかにつかまっているのはサイドンやトリトドン、サーナイト・・・。
石かを解除してみれば全てが色違いで、ヒカリはぽかんと口を開ける。
こんなにも色違いがそろっているのを見るのは、最初で最後だろう。
「みんな、早く脱出しましょう。隣にこの基地を浮かばせるスイッチがあるみたいなの、手伝って!」
助けられたポケモンたちは、Jへの怒り、そして助けてくれたヒカリへ恩返しだといわんばかりに頷いた。

ゆっくりと扉を開く。
思ったとおり扉は隣の部屋につながっていて、中にいた二人の男が気づく
「あ!おまえ!すぐに取り押さえろ!」
男達がモンスターボールを投げる。
中からはゴルバットやヤミラミ、マグカルゴが、すぐにでも攻撃できるような体制で出てきた。
「ポッチャマ!ミミロル!お願い!」
ヒカリはポッチャマとミミロルで応戦する。
「そんなポケモンで何ができる!やっちまえお前ら!」
一斉に三匹が飛び掛るのを見て、男は他愛もないと言わんばかりににやりと笑みをこぼした。


ハンターJ再び~勇気ある戦い4~
ドンッ!
大きな衝撃が耳を劈いた。
壁を突き破って、破壊光線がポケモンたちを襲ったのだ。
何事かとその方向を見やれば、ハクリューやサイドン、サーナイトなんかの捕まえたはずのポケモンたちがこちらを見ている。
しかし、その目は笑っていない。獲物を見つめる目だった
「っく!」
あわてて新しくポケモンを出そうとする。
しかし体がぴたりと動かなくなって、それはかなわなかった。隣にいる仲間も同じ様子で、ぽかんとしている。
サーナイトがサイコキネシスを使って、動きを止めている。
その横では、サイドンが突進の構えを。ハクリューは再び破壊光線の準備をしていて。男達は顔を青くしていく。
まさに血の気が引くような光景が、やけにゆっくりと自分達を捉えるのを感じる。
「や、やめっ・・!」
聞く耳持たずといわんばかりに、突進でたたきつけられ、破壊光線を浴びせられ、男達は口から煙を吐きながら気絶した。
破壊光線の熱で髪が波打って、どこぞのロックミュージシャンのようになっている。
「すごい・・・あ、この潜水艇を浮かせるボタンてどれだろ」
見てみると、赤と黒二つのボタンがある。
どっちだろう・・・。
「黒といえばサトシよね。」
そんなことを言いながら、なんとなく黒を押す。
ポッチャマはそんなんでいいのかという目で見つめていたが、あまり気にするほうでもなかった。
間違っていたらもう一つのほうを押せばいい。
黒のボタンを押すと、床の下で何かが抜けたような音がした。
上の画面が光って、送り込まれる空気と、排出される水の映像が出てくる。
そして潜水していた湖底基地は、前進しながらの少しずつの浮上から、真上の浮上に切り替わった。
「やったぁ!」
そしてヒカリとポケモンたちは、喜びの歓声を上げた。


ハンターJ再び~基地GO!GO!GO!~
日はすでに昇り、夏とはいえシンオウの朝の冷たい空気がサトシを包んでいた。
目の前にいるJは、おそらくそれよりも冷たい目をしている。
正直、まずかった。
小船の上ではまともに動けない。
つまり逃げ場がないということだ。
戦う場所がないのは、Jも同じなのか、すぐには仕掛けてこない。
だが攻撃してこないとも限らない。
しばらく対峙していると。突然湖面が大きく盛り上がって、小船を揺らした。
「おわっ!」
「何だ!」
Jが振り返る。
サトシはその一瞬を見逃さなかった。しかも後ろに現れたのは、おそらくは目指す湖底基地だ!
「ピカチュウ!アイアンテール!」
「ッ!!」
腕の通信機で防いだJだったが、ゆれる湖面のせいでバランスを崩し、湖に落ちてしまう。
「いまだ!行くぞピカチュウ!」
サトシは急いでチャーレムを戻し、ピカチュウとJがのっていた潜水ポットに乗り込む。
これはジェットスキーにもなる代物だ。
レバーを引くとスクリューが回転して、勢いよく発進した。
「くそ!ボーマンダ!!」
Jもボーマンダに乗り、サトシを追う。
サトシはちょうど基地の側面、平らになった甲板上の場所に飛び乗ると、ヒカリを探すために中へと入っていった。


ハンターJ再び~vs.J~
無機質な廊下には点々と照明がつけられており、閉鎖的な基地内をさらに狭く感じさせる。
しかしサトシにとって、その廊下はとても長く感じられるものだった。
「ヒカリー!!どこだー!!」
立ち止まる暇はない。
Jが追ってくるのは目に見えている。
しかし、闇雲に走ったのが災いして袋小路に入ってしまった。
「そこまでだな・・・。」
Jが静かに、しかし確実に詰め寄っている。
「くそっ・・・!」
サトシは何よりもまずヒカリの救出を優先したかった。
しかし、それはJを倒さなければかなわないと覚悟を決める。
「頼むぞ!エイパム!」
「エイパ!」
ボールから意気揚々と飛び出してきた尾長ポケモンは、狭い船内を有効に活用するために決めていた手の一つだ。
「ボーマンダ。破壊光線。」
Jの投げたボールから出てきたボーマンダが強力な一撃を加えるが、エイパムは壁を蹴ってそれをかわした。
破壊光線で壁に大穴があく。さすがに威力は伊達ではない
「スピードスター!」
星型の光線はエイパムが自ら回転したパフォーマンスにより螺旋状に発射され、ボーマンダを襲う。
しかしボーマンダはそれを翼で防ぎものともしない。
しかしそれは同時に、ボーマンダの視界を狭めている要因でもある。
エイパムは床に着地してすぐに飛ぶと、すばやくボーマンダの懐に入り込んだ!
「いまだ!気合パンチ!」
力を込めて、拳をたたきつける。
ボーマンダの巨体がぐらりと揺らぐ。効いた!
「もう一度だ!気合パンチ!」
拳のように固められた強力な一撃がボーマンダの頭を打とうとする。
「頭突きだ」
防がれた。しかしこれが待っていた瞬間だ。
「エイパム、その体制でスピードスター!」
再びスピードスターがボーマンダを襲う。
しかしそれはさっきの牽制技ではない。至近距離から大量に叩き込まれたスピードスターは、ボーマンダをひるませるのには十分だった。
「とどめの気合パンチ!」
エイパムは落下のすれ違いざまにボーマンダのあごに気合パンチを叩き込んだ。
「何!?」
ボーマンダはその巨体はゆっくりと傾けるとそのまま倒れて動かなくなった。


ハンターJ再び~再開。最前線より愛を込めて~
「くっ!戻れボーマンダ!・・・ただ闇雲に向かってきたわけではないということか・・・」
Jがサトシを睨む。
一方のサトシもそれに怖じることなく、Jを睨み返した。
「ドラピオン!」
Jがモンスターボールから出したのは、やはりばけさそりポケモンのドラピオンだった。
大きく発達した二本の腕のパワーの恐ろしさは、よく知っている。
「戻れエイパム!」
サトシはエイパムをモンスターボールに戻す。
ドラピオンとの決着はピカチュウでつけておきたかった。
「頼むぞ、ピカチュウ」
足元にいたピカチュウは頷くと、果敢に飛び出す。
本当に頼もしいパートナーだ。
「ドラピオン!シザークロス!」
「ピカチュウ!10万ボルト!」

「みんな、急いで!」
水中から脱出できたのはよかったものの、ヒカリは基地から脱出できずにいた。
大量のJの一味に追われているのだ。
攻撃すればいい話かも知れないが、場所を選ばないと大変なことになる気がする。
「嘘ッ!?行き止まり!?」
追い詰められてしまった。
(どうしよう・・・)
こうしている間にもじりじりと敵は詰め寄ってくる。
するとサーナイトが前へ、ハクリューたちはヒカリを守るように左右へ。
そしてサイドンは真後ろに回り、壁に向かって、助走をつけ始めた。
「みんな・・・」

「ピカチュウ!アイアンテール!」
「ドラピオン、クロスポイズン。」
戦いはどちらも譲らない、一進一退の攻防だった。
しかし長期戦は体の小さなピカチュウにとって不利だ。
さっきの攻撃で見破られたのか、同じように連続攻撃しても防がれ、返されてしまった。
もしヒカリならばどうするだろうか。
サトシがそう考えた瞬間、後ろの壁が粉々に砕けて、サトシもJも何事かと壁を見やった
その壁の向こうにいた少女も、こちらに気づいたのか驚いた様子だ。
「「あ・・・」」
お互いに間違えるはずはない。あの声は、あの服は、あの髪は・・・。
「ヒカリ!」
「サトシ!」
作戦開始から4時間、サトシとヒカリはようやく再開を果たした。


ハンターJ再び~背中合わせの戦い~
今まで頼れる人間がいなかったヒカリも、そしてヒカリを何よりも助けたかったサトシも、
予期せぬ遭遇に自然と気持ちが高ぶった。
「助けに来てくれたの!?」
「当たり前だろ?ヒカリは俺の・・・」
サトシは途中で言葉を切った。
今は再開を喜んでいる暇はない。
「ヒカリ、またタッグバトルだな。しっかりやれよ」
「ええ、サトシもね。」
二人はぴったりと背中をくっつけた。
お互いの体温が溶け合ったような感覚があって、自然と安心できた。
敵は迫ってきている。だけど今なら、その苦境を跳ね飛ばせる気がした。
「ポッチャマ!ミミロル!お願い!」
外見はかわいらしい、しかしやる気満々の二匹が、ボールから勢いを区飛び出す。
バブル光線が、冷凍ビームが、迫ってくるJの部下をなぎ倒していく。
「いくぞピカチュウ!」
「ピッカァ!」
ピカチュウとサトシも、気合を入れなおした。
「ふん。まとめて蹴散らしてやる!ドラピオン!シザークロス!」
ドラピオンが交差した腕を、ピカチュウに叩き付けんと迫る。
「ピカチュウ!電光石火!」
天井を蹴り、Jの足元を駆け抜ける。そしてピカチュウはドラピオンの真上にとんだ。
「何をする気かはわからんが・・・ドラピオン!迎え撃て!」
ドラピオンが、力をためた腕を振り上げて待ち構える。
「クロガネジムでのバトルを思い出せピカチュウ!回転しながらアイアンテール!!」
ピカチュウが、空中で逆さになりながらもきりもみ回転を始める。
その落下速度にあわせ、それを殺さないように体を反転し始めた。
ドラピオンの腕が、ピカチュウを捉える!
「いまだ!いけピカチュウ!」
「ピッカァ!!」
クロスされたドラピオンの腕が、ピカチュウを襲う。
しかしピカチュウはそれをクロスに対する同じ方向の回転の勢いで無効化した。
そしてその尾を、両腕にたたきつける。
ドラピオンのうでが、痛みで力なくだらりと倒れた。
「止めだ!ボルテッカー!!」
電気と光の玉となったピカチュウが、ドラピオンにぶつかると、大きな爆発とともにドラピオンは力なく倒れた。


ハンターJ再び~ハイタッチ~
「な、何だこれは!!」
Jのドラピオンがサトシとピカチュウの前に破れ、
ヒカリのポケモンと救出したポケモンがあらかた追ってきたJの部下を掃除した丁度その時だった。
ドラピオンを顔を歪ませながら戻すJ、それに対峙している少年少女が、依頼したポケモンたちと基地を破壊している。
「な、なぜ私の依頼した色違いのポケモンのコレクションが逃げ出して・・・」
その言葉の意味を理解してか、助け出されたポケモンたちの表情に、また怒りが宿っていく。
「お前が依頼したのか!?」
「ち、違う、私は何も知らない・・・ヒ、ヒィッ・・!」
サイドンやハクリュー、サーナイトにじりじりと詰め寄られ、男は悲鳴を上げた。
サトシとヒカリも、ポケモンたちの怒り様に肌が粟立ったくらいだ。
それを集中して浴びている本人の恐怖は相当なものだろう。
サイドンとハクリューが、口元にエネルギーをため始める。
サーナイトは足が竦んで動けない男にサイコキネシスを浴びせて、さらに逃げ場を失わせていた。
「や・・・、やめっ・・・!」
ドン!!
基地に大穴が開いて、男の悲鳴はだんだんと遠くなっていった。
破壊光線を一斉に現況に浴びせてすっきりしたのか、ポケモンたちは吹っ切れた表情だ。
サトシとヒカリはその様子を、自業自得だと見てみぬふりを決め込むことにし、再びJに振り返る。
「あれ?」
Jの姿は、忽然と消えていた。
逃げたのだろう。
基地を破壊され、依頼主がああなって、しかもポケモンが逃げたのではJもあきらめるほかない。
ジュンサーにJを引き渡すことができなかったのは少し残念だったが、それよりも二人はお互いに再会できたことに喜びを感じていた。
「やったね、サトシ!」
「ああ、ヒカリも無事でよかったよ。Jにも一泡吹かせてやれたし・・・。」
二人はどちらからでもなく、お互いの手を叩いた。
ありがとうと、そしてお互いの喜びを込めて。
今回のハイタッチは、ぜったいに忘れてはならない。忘れられない思い出になる。
お互いにそう思えて、二人は顔をあわせて笑った。
外の湖面ではタケシとシバが、二人を待っている。迎えに来てくれたようだ。
「さ、いこうぜヒカリ。タケシ達が待ってる。」
「うん」
ヒカリはサトシの手をとり、そしてまた、仲間の元へと走った。


ハンターJ再び~エピローグ~
その後、駆けつけた警察隊が基地に残っていたJの部下を拘束、逮捕した。
サトシたちも事件の当事者ということでいろいろ聞かれたが、
ジュンサーがありがとう。といってくれただけでも、
そしてポケモンを助けられたことを考えても、この騒動に巻き込まれた意味はあっただろう
ただひとつだけ。サトシには心残りがあった。
シバに礼をいえないまま、シバがまた行ってしまった事だ。
Jに勝てたのはシバのおかげだと、サトシ自身がわかっている。
ヒカリと一緒にお礼を言おうと思ったのに、すっかりおいていかれてしまったのだ。
テントに一枚。
『協力してくれてありがとう、いつかポケモンリーグで会おう。私が沈む夕日ならば君達は明日の朝日だ』と書かれた手紙を残して。

サトシ一行はまた、夢に向かって歩き出している。
超えるべきものを超えるために。
かなえるべき夢をかなえるために。
シバが手紙に書いてくれたように、朝日になれるために。


ハンターJ再び~~
とりあえずハンターJ再びは、これにて幕を閉じました。
ここまで目を通してくださった皆さんありがとうございました。
調整ミスによる文のミスなんかもいくつかありますが、多めに見てやってください。

オレがワタシで ワタシがオレで

なんだかんだ・・・と何時ものように奴らはやってくる。
毎日の事なのでサトシとタケシは当然だが、ヒカリも慣れてくると
日常茶飯事の出来事である。

ロケット団の登場だ。例によって例のごとく
怪しげなメカでピカチュウを狙ってくる。

「今度はトレーナーごとGETしてやるニャ」
と襲い掛かってくる。
「へへ~ん、モンスターボールをモチーフにGETくん第一号だぜ」
と高らかにコジロウが自慢する。

「うわっ!ピカァ!」
「サトシ!ピカチュウ!」
サトシとピカチュウはガラス細工みたいなモンスターボールに捕らわれる
「サトシィ!」
ヒカリとポッチャマが懸命にサトシとピカチュウを助け出そうとするが
何をやっても開かない。それどころか
「きゃあ!ポチャ!」
ヒカリとポッチャマも左手のモンスターボールに捕らわれ、身動きできない

「今日こそ完全勝利ね♪」
ムサシは笑う。そこへ
「でも、ど~やってジャリとポケモンを引き離すんだ?」
「あ、そこ考慮してなかったニャ・・・・」
あーだこーだともめ始めるロケット団。
捕らわれたサトシとヒカリはなんとかここから出ようと
10万Vやバブル光線で壊そうとしてもなかなか上手くいかない
ロケット団同士の揉め合いがマシンをめちゃくちゃに動かす。
腕がぐるぐると高速回転する。
こうなったら脱出どころでは無い。サトシとヒカリ、ピカチュウとポッチャマは
目を回す。ぐるぐると

マシンに火花が散っていることに気づいたコジロウ
「なんだか・・・やばくない?」
「もしかして・・・やな感じ?」
「そうみたいニャ」
彼らの予感は的中し、大爆発を起こす。
何時もならこの3人だけなのだが、サトシとヒカリ、ピカチュウとポッチャマも一緒だ

「ドガーーーーーーーン!」

「やな感じ~っつ!」と三人の声
「う~ん・・・・・」と二人の声、どうやらサトシとヒカリは無事な様だ
「・・・・・・・あれ?なんでオレがココに?」
「・・・・・・・ええ?ワタシがそこにいるの?」
タケシが疑問に思ったことを口走った
「まさか・・・入れ替わったとか?」

「あ~~~~~~~~~!」

二人の声が何時もと違うが何時ものように重なっている。


「なんだか体がスースーするな・・・・」
「ちょっとワタシの体で変なことしないでよ!」

サトシがしみじみヒカリの体をいじっていることに
ヒカリは顔を真っ赤にしながらどなる。

「ん・・・だってよぉ・・・なあピカチュウ?」
突然ヒカリの体なサトシに言われ、混乱するピカチュウ
「ぴ、ピカア・・・・・・」
困ったなあ~な顔をする、ピカチュウと隣にいるポッチャマ

タケシは「しょうがないから、ポケモンを全部交代しよう、これじゃ混乱してしまう。」
の提案に二人はしぶしぶ了承する。
そこへタイミングよくトレーナーがサトシ(ヒカリ)に勝負をしかけてくる

「大丈夫か?ヒカリ」
なんだか自分なのに自分に言っているから不思議な感じだ。
「大丈夫、大丈夫!」
「でもヒカリの大丈夫は大丈夫じゃ・・・」
「ワタシは今、サトシです。大丈夫!」
「そんなもんなのか?」

「いっくわよ~ナエトル~!」
相手のオオタチにナエトルは葉っぱカッターと体当たりで応戦するが
相手の高速移動と頭突きに苦戦する。
「え~っと・・・・あと何の技があったっけ・・?」
必死にサトシの戦い方と技を思い出す。
手探りなバトルから段々、自分のポケモンの様に上手く指示できるようになる
しかし既に遅し、ナエトルは戦闘不能になり、負けてしまった。

「だから言ったんだ。オレにやらせておけばよかったんだよ!」
「なによ!」
二人の喧嘩が始まる。こうなるとタケシかピカチュウが仲裁に入らなければ
止まることをしらない。最終的にピカチュウの電気療法で終わった。
しかし、二人の体はそのままで
結局、一晩このまま過ごすことになってしまった。


「・・・さっきはゴメンね。サトシ・・・」
「別にいいさ・・・慣れてないのは、お互い様だし・・・。それに」
「それに?」
「あーいったバトルをみるのも初めてだから勉強になったよ。サンキュ」
「う、うん・・・」
「でも、あれちょっとムチャじゃね?」
「あ、やっぱり・・・てへ♪」
無邪気に口から舌をだす、ヒカリ。

「でも、アレがヒカリのバトルなんだよな・・・。一緒にいてよかったよ」
「サトシ・・・・・・」
「もし、戻れたら、あのバトルをオレも完成させてみるよ。だけどそれじゃ、不公平だよな。
 オレのコンビネーションも観てくれないか?さっき考えたんだ。」

サトシはポッチャマとブイゼルをだす。
「ポッチャマ、渦潮!そしてその渦を使ってブイゼル、アクアジェット!」
ヒカリが今まで考えなかったコンビネーションをサトシは見事に表現する。
「・・・・・・すごい!」
「やっぱり、お互いに無意識に自己流な面があったんだろーなあ・・。」
サトシはシミジミ話す。
「もっとも、女の子の体って柔らかいんだな・・・変なの・・」
「それはワタシもですぅー!」
お互いに噴出し、笑い合う二人、夜は更けていった。


よく朝、ロケット団が昨日のメカでサトシ一向を襲う
「どうだ!昨日のリサイクルだ!地球に優しい、エコロジーなロケット団なのだ!」
「いくニャ!今度こそピカチュウGETだニャ」

昨日同様、ロケット団はサトシ(中身はヒカリ)ごと捕まえる。
「ヒカリー!」
ヒカリ(中身はサトシ)は助けようとメカにしがみ付く
使いまわしなのか、やけに機械音が怪しい。
サトシはぐるぐる回す。腕を、自分の目をぐるぐるになるけど
昨日のようなことが起これば、また元に戻るかもしれないと
サトシはそう思ったのだ。
「ちょっと何するのよ大おおおおぉおぉっぉぉおぉぉぉぉおおっぉおおお!」とムサシ
昨日は腕が廻ったが、今日はメカ全部が回転している。ムサシ、コジロウ、ニャースも回転する。
「うわあああああああああ! やな感じぃ~!」
ロケット団の悲鳴と共にメカは爆発と共に消え去ったのであった。

「う・・・・・・・ん・・・・・」
「あ!」「オレ/ワタシだ!」
「ある!/ない! ない!/ある! よかったあ!」
お互いのある部分をチェックして、元に戻ったことを確認する。
どうやらさっきの爆発で元の竿に戻ったようだ。ホットする二人。

無事に戻った二人は自分達の違いを改めて知ることになった事件であった。
それと共に、少し距離が短くなった事件でもあった。



初SS、みんなの出来と自分の出来を比べたらまだまだ精進が必要だ・・・・orz
頑張ったと思う・・・・・うん

おまけ・
ロケット団が気づいたときには
ニャースがコジロウで、コジロウがムサシで、ムサシがニャースになっていた
「どうなってんだよ!オイ!ニャース!」
「し・・・シラナイニャ!ワイもしりたいニャ!」
「ねえ?一度こうなった事なかった?」
「確かに、あったような、ないような・・・」
「どうやって戻ったけ?・・・」

おまけパート 了

題名など無い

ここはシンオウ地方でも北の方に位置する村
サトシ達一行がこの村を訪れる数日前に
次の町に続く道が土砂崩れで塞がれてしまった
道が復旧するまでの間、サトシ達は村に滞在することにした

ポケモンセンターにて
サトシ「ジョーイさん、この村で特訓が出来そうな所って無いですか?」
ジョーイ「うーーん・・・そうねぇ、村に流れている川の上流でよく村の子ども達やトレーナーがポケモンバトルをしているわ」
サトシ「ありがとうございます!川の上流ですね」
ジョーイ「ええ、気を付けてね」
タケシ「ジョーイさ~~~~ん!!自分は、これから復旧作業にいってまいります。ですがこのタケシ、いつでもあなたのことを、(ドスッ)シッ・・ビレビレ」ドサッ
グレッグル「ん~、ん~、ん~」(泣き声のつもり)
ジョーイ「!!!、大丈夫ですか・・・」
サトシ「いつものことですから(苦笑)」

タケシはグレッグルに連れられて、現場に向かいました

ヒカリ「あれサトシ、どこ行くの?」
サトシ「特訓に決まってんだろ!じゃ、腹が減ったら戻ってくるから」
ヒカリ「いってらっしゃ~い(^o^)/~~」

ヒカリ「ジョーイさん、電話使っていいですか?」
ジョーイ「どうぞ!」


ヒカリ「ママ~!!」
アヤコ「あらヒカリ、連絡してきたってことは準備は出来たのね」
ヒカリ「うん!村の店に売ってたの!」
アヤコ「あら、よかったわね。けど大丈夫?ヒカリ、初めてでしょ?上手くできるかしら」
ヒカリ「大丈夫♪」
アヤコ「あなたの大丈夫は余計心配になるわ。誰か教えてくれる人はいないかしら?」
ジョーイ「私でよければお手伝いしましょうか?」
ヒカリ「いいんですか?」ジョーイ「ええ、ポケモンの診療中以外なら手伝えますよ」
ヒカリ「ありがとうございます!」
アヤコ「よろしくお願いします」
ジョーイ「いえいえ、いいんですよ」
ヒカリ「じゃあねママ!また連絡するね」
アヤコ「がんばるのよ!サトシ君、喜んでくれるといいわね!フフッ」
ヒカリ「な、なに言ってるのよ!もうっ、切るからね!!」
ジョーイ「フフッ、じゃあ早速やりましょう!サトシ君のために(微笑)」
ヒカリ「ジョーイさんまで(泣)」


ヒカリはジョーイさんに教えてもらいながら作業開始
ヒカリ「え~っと、こっちをこうして、あっちを・・・・・あ~ん、全然わかんないよぉ~」
ジョーイ「落ち着いてヒカリちゃん、もう一度最初からゆっくりやってみましょう?」
ヒカリ「はい・・・」

二十分後
ヒカリ「ここをこうして、これをこっちに・・・」
ジョーイ「少し慣れてきたみたいね」
ヒカリ「はい(^-^;」
ラッキー「ラキッラッキー」
ジョーイ「そうなの?わかったわ!すぐ行くから用意しといてね」
ラッキー「ラッキ!」
ジョーイ「ヒカリちゃん、ゆっくり時間をかけていいのよ。がんばってね」
ヒカリ「はい!!」

ヒカリはたっぷり時間をかけながら、作っていく


特訓から帰ってきたサトシは
サトシ「腹減ったぁ~!!」
ピカ「ピカァピカァ!」
サトシ「タケシ飯・・って、いないんだった。センターの食堂で食べるか」

食堂を覗いてみると、誰もいない
サトシの予想ではヒカリがいるはずだった
サトシ「部屋かな?」

一方部屋では
ポッポー、ポッポー
ポッポ時計が昼を告げていた
ヒカリ「もうお昼か・・なんか食べて元気回復しよう!」
そう思い、散らかっている道具や材料を整理しようとした
その時・・・


ガチャ・・・・・

サトシ「ヒカリ!一緒に昼飯・・・なにやってんだ?」
ヒカリ「アッハハハ」
明らかにヒカリは後ろになにかを隠している
サトシ「なに隠してんだ?・・わかった、お菓子だろ!食べ過ぎると太るぜ(笑)」
ヒカリ「ち、違いますぅ~(怒)」
サトシ「だったら何隠してんだよ」
ヒカリ「それは・・・」
黙り込むヒカリ
サトシ「・・・まあ、そんな言いたくないならいいや。それより飯食べようぜ!」
ヒカリ「うん・・・」
サトシ「じゃ食堂で待ってるから・・・」
ヒカリ「うん・・・すぐ行くね」

サトシは食堂へ

ヒカリ「(ごめんね、サトシ。待っててね、がんばって作るから・・・)」
決意を新たにしたヒカリだった

それからヒカリはママとジョーイさんに教えてもらいながら
道の復旧予定日の昼までに完成させた。その日、村周辺には雪が降っていた・・・・
ヒカリ「ママ~~、出来たよ!」
アヤコ「やったわね、ヒカリ!」
ヒカリ「でも・・・自信が無くて・・・」
アヤコ「あら?・・いつものヒカリなら‘大丈夫!’って言うところよ!大丈夫、サトシ君は喜んでくれるわ!そうでしょ?」
ヒカリ「うん、そうよね!大丈夫、大丈夫♪」
アヤコ「がんばってね、ヒカリ!」

アヤコとの電話が切れた時だった・・・・


アヤコとの電話を切ったちょうどその時

作業着姿の人達がセンターに入ってきた
何やら険しい顔をしながらジョーイさんと話している。
「どうしたんだろう?」
と思い、タケシがいたので聞いてみた

ヒカリ「タケシ!何かあったの?」
タケシ「ヒカリ!サトシはまだ帰ってきてないのか?」
ヒカリ「うん。あれ、そういえば、いつもはこの時間には帰ってくるのに・・・・・タケシ?」
タケシ「実はサトシとか他のトレーナー達が行っている滝の近くで雪崩れがあって・・・今から村で救助隊を組織するのをジョーイさんに相談しているんだ」
ヒカリ「サトシが・・・・あたしも救助に行く!」
タケシ「ダメだ!」
ヒカリ「どうして?!」
タケシ「現場はまだ危険だ、ヒカリまで危険にさらせない」
ジョーイ「そうよ、ヒカリちゃん」
ヒカリ「ジョーイさん・・・・」
ジョーイ「ここはタケシ君達に任せて、サトシ君達の無事を祈りましょう」
ヒカリ「はい・・・・・・・・・」
おやっさん「じゃあジョーイさん、我々は行きます。タケシ君、行くぞ」
タケシ「はい。ではジョーイさん」
ジョーイ「ええ、皆さんも気を付けて・・・」
ヒカリ「・・・・」
ジョーイ「ヒカリちゃん、部屋で休んでいなさい。プレゼントを作ってて、あまり寝てないでしょ」
ヒカリ「はい、わかりました・・・」

ヒカリは落ち込んで様子で部屋に向かった


救助隊が出発した後
ジョーイさんはヒカリが心配になり、部屋を訪れた

ジョーイ「ヒカリちゃん、紅茶でも飲まない?」
しかし、そこにヒカリの姿は無く
開いた窓から雪が部屋の中に吹き込んでいた

ジョーイ「まさか・・・・ラッキー、ポケモンセンターを頼むわね」
ラッキー「ラッキー!」
ジョーイさんは滝へ向かった

滝周辺

サトシ「タケシ!」
タケシ「サトシ!良かった無事だったんだな」
サトシ「ああ!雪崩があった時、たまたま皆高い所にいたんだ」
タケシ「それは運が良かったな!でもどうして高い所にいたんだ?」
サトシ「実は雪崩が起こる前フリーザーが現れて、皆で追い掛けてたらいつのまにか・・・」
タケシ「フリーザーが助けてくれたんだな・・・」
サトシ「そうだったのか・・サンキュ、フリーザー!」
おやっさん「みんなぁ~!雪が強くなって来たから早く帰るぞぉ!」
みんなが帰ろうとした時
タケシ「あれ、ジョーイさん!どうしたんですか?」
ジョーイ「ああ、タケシ君。大変よ!」
サトシ「何かあったんですか?」
ジョーイ「サトシ君、ヒカリちゃんにあってないの?」
サトシ「ヒカリならポケモンセンターに・・・」
ジョーイ「いないのよ!多分サトシを助けようと一人で・・・」
サトシ「な、なんだって!」


ピカチュウ「ピ・・・・ピカ!」
突然走り出すピカチュウ
サトシ「おい、どうしたピカチュウ」
サトシは後を追う
タケシ「サトシ!そっちは・・・」
ゴゴゴゴゴゴッ!!!!!!!!
タケシ「な、なんだ?」
おやっさん「雪崩だぁ~!皆逃げろ!」
タケシ「でもサトシが!」
おやっさん「今行っても間に合わん!ここは逃げるんだ!」
タケシ「サトシィ~~~~!!!」

サトシ「ピカチュウ!どこに行くんだ!」
ピカチュウ「ピカピィ、ピッカァ~!」
サトシ「え、ヒカリの声がした?」
ピカチュウ「ピカ!!」
キキィ~~~~~(急停止)!
サトシ「わわっ!あ、危なかった」
ピカチュウ「ピカピィ!」
ピカチュウが指し示す方向にヒカリが・・・

サトシ「ヒカリだ!おーい、ヒカリ~~~!」
ヒカリ「え?・・・・サトシ!サトシ~~~~!」
ゴゴゴゴゴゴッ
雪崩はタケシ達のいた所からサトシのいる方へ押し寄せてきた

サトシ「まずい!何か、何かないか?」
辺りを見回すと、なぜかボードが1つ落ちていた
サトシ「あれだ!」
素早くボードを装着し

サトシ「ピカチュウ!しっかりつかまっていろよ!」
ピカチュウ「ピカ!」
サトシ「いくぜ!!」
ちょうど斜面になっていた所なのでスピードは出た
サトシ「ヒカリ!掴まれ!」
ヒカリ「ウソォ~~~!無茶すぎるよぉ~~!」
サトシ「これしか無いんだ!チャンスは一度だ!」
ヒカリ「こうなったらやるきゃないよね!うん、大丈夫!」
サトシ「3」
ヒカリ「2」
サトシ「1」
ヒカリ「0」
おもいっきり伸ばしたヒカリの手をサトシは見事キャッチした


雪崩からどうにか逃げきったサトシとヒカリ
しかし吹雪にあってしまい、近くに運良く山小屋があったのでそこに避難した。
サトシ「すごい吹雪だ。今日一日はやみそうもないな」
ヒカリ「ゴメンね、サトシ。私がポケモンセンターでおとなしくしてれば、こんなことには・・・」
サトシ「気にすんなよ!皆の事が心配で来ちゃったんだろ?」
ヒカリ「えっ?・・そ、そうだよ・・・」
サトシ「それはヒカリの優しさから出た行動だから、俺は怒ってないよ」
ヒカリ「あ、ありがと」
しかし、ヒカリは「(皆も心配だったけど、私はサトシの事が一番心配だったんだけどなぁ~)」
と思っていた

もちろんそんなヒカリに気付かないサトシは
「腹減ったなぁ~。何か無いかな?」
と小屋の小さなキッチンを詮索中

ヒカリ「あ、お菓子とジュースなら有るよ!」
サトシ「本当か!たまにはヒカリのリュックも役にたつな!」
ヒカリ「む~~~、どういう意味?(怒)」

サトシがヒカリを怒らせてる間もピカチュウはお菓子を美味しそうに食べていた。


サトシとヒカリはお菓子を食べた後
ポケモンバトルの話に熱中している
ピカチュウは寝

サトシ「相手がこうきたら、こう返すよりもかわした方がいい」
ヒカリ「でも次にこうこられたら、危ないと思うけど・・」
サトシ「そうか、確かにそうこられると・・・・」
ヒカリ「サトシ?」
サトシ「ハックション!!!」
ヒカリ「わっ!!ちょっと、大丈夫?」
サトシ「だ、大丈夫、大丈夫・・・ハックション!」
ヒカリ「全然、ダイジョバナイかも。もう!ほら鼻かんで」
サトシ「ごめん、ごめん」
ヒカリ「そんなに寒いの?」
サトシ「うん。小屋の中にいるのにな」
ヒカリ「そうだ!」
ヒカリはバックを持ってきて、いきなり
ヒカリ「サトシ、目瞑って!」と言ってきた
サトシ「え、なんで?」
ヒカリ「いいから、瞑ってぇ~」
ヒカリは後ろに何か持っているようだった
サトシ「わかったよ」
サトシは目を瞑った
ヒカリ「(大丈夫よ、ヒカリ!サトシはきっと喜んでくれる。いま渡さないでいつ渡すのよ?!そう、今しかない!)」
ヒカリは覚悟を決めた


サトシの心は相変わらず?一色だった
サトシ「ヒカリ、まだか?」
そう言った時
フワッと音がした
更に目を瞑っていても、ヒカリがかなり近くにいるのがわかる
サトシは少しドキドキした。
思わず目を開いてしまい、案の定ヒカリの顔が目の前に・・・
サトシ「わっ!な、な、なにしてんだよ」
ヒカリ「あっ!目閉じててって言ったのに」
サトシ「だって・・・・・!!」
サトシはヒカリが手に持っている物に気づいた
サトシ「・・・マフラー?」
ヒカリ「うん・・・」
ヒカリがサトシのために作っていたもの
ヒカリ「これから寒くなるからっと思って」
それは綺麗に編まれた赤いマフラー
ヒカリ「・・・赤は嫌い?」
サトシ「いや、そんなことは無いよ。でも本当に俺が貰っていいのか?こんなに上手にできてるのに」
ヒカリ「当たり前ですぅ!サトシの為に作ったんだから!」
サトシ「俺の為?」
ヒカリ「そ、そうよ!日頃の感謝としてね(焦)」
サトシ「そうか・・・嬉しいよ、ありがとう」
その笑顔がとてもカッコ良かったので、ヒカリはつい赤くなってしまった


改めてサトシにマフラーを巻いてあげるヒカリ
ヒカリ「はい、できた!」サトシ「ありがとう」
ヒカリ「どう、暖かい?」サトシ「ああ、暖かいよ。きっとヒカリの気持ちがつまってるからだな」
ヒカリ「なっ・・・・(恥)」
サトシ「顔、赤いぜ!大丈夫か(笑)」
ヒカリ「・・・ばか」
サトシ「さ、もう遅いし寝ようか」
サトシは寝袋を2つ敷き、そして先に眠っていたピカチュウをだっこしながら横になる
サトシ「マフラーのおかげでぐっすり眠れそうだ。おやすみ、ヒカリ」
ヒカリ「おやすみ」
ヒカリは灯りを消してから寝袋に入る
サトシもヒカリもすぐに眠ってしまった


翌朝
吹雪もやみ、朝御飯を食べた二人と一匹は山小屋にあった地図を見ながら
無事に村に帰ることができた
タケシ「サトシ、ヒカリ!良かった、無事だったんだな!」
サトシ「ああ」
ヒカリ「ごめんね、タケシ。心配かけて」
タケシ「いや、二人が無事に帰ってきたからよしとするよ」
サトシ「腹減った!ジョーイさん、ご飯お願いします」
三人は食堂でご飯を食べた後、出発まで各自自由行動にした
サトシはどっかに行ってしまい
タケシは食糧や旅の用品を買いに行った
特にやることのないヒカリはアヤコに電話をかけることにした


ヒカリ「ママ!私、サトシに渡せたよ!すごく喜んでくれたの」
アヤコ「やったわね、ヒカリ!貴方の想いがサトシ君に通じたのよ」
ヒカリ「そんな・・想いだなんて、照れちゃうよ・・・・」
アヤコ「ヒカリ!」
ヒカリ「な、何?」
アヤコ「恋もコンテストも貴方の想いが大切なのよ!恋は相手の人に、コンテストは一緒に演技してくれるポケモンに、それぞれ貴方が想いを伝えられるかなのよ!」
ヒカリ「私の・・想い・・・」
アヤコ「そう!ま、まだヒカリにはわからないかもね・・・とにかく後悔の無いようにね」
ヒカリ「うん、大丈夫!」アヤコ「じゃ、サトシ君たちによろしくね」
ヒカリ「バイバイ!」
電話を終え
母アヤコが言った「想い」を深く考えるが
あまりわからない
私はサトシのことは好き
でも、母が言っていたこととは何かが違うのだろう
さらに深く考えるうちに集合時間になった
村から次の町への道の入口には既にタケシとジョーイさんがいた

怪我の巧妙

 
性懲りもなくまた季節外れなネタ投下。まとめサイト見ると自分のSSの癖がよく分かるなぁ
七夕に続く夏の風物詩です

怖いもの見たさ、という心は誰にでもあるもので、それは彼女も例外ではなかった。
「ヒカリ、本当に大丈夫か・・・?」
「だ、大丈夫・・・。」
そういいながら、サトシの服の腕の裾をしっかりと掴んで、
必死に後をぴったりとついているヒカリの声は心なしか震えていた。
季節は夏の盛りで、北に位置するシンオウとはいえ暑い。
サトシ達は道中のポケモンセンターにいつもどおり泊まっているが、そこでは夏の期間、定期的に肝試しを行っていた。
しかしそれを知らなかったヒカリは、ポケモンを預けてすることもないため、
据え置いてあったテレビで夕食前のひと時にサトシとホラー映画を見ていた。
そして夕食後になってサトシとヒカリは勢いでイベントに参加したのだ。
タケシも参加するかと思っていたサトシとヒカリだったが、
二人一組のチーム制のイベントだったため、二人で行ってくるといいよ。とやんわりと断られてしまった。


肝試しは部屋を締め切り、通路の電気を完全に落としたセンター内から始まり、
裏口を抜け、外の森にある祠の蝋燭を取ってくる簡単なものだった。
サトシは面白そうだと楽しげに笑っているが、ヒカリは気が気でなかった。
幽霊が特別苦手というわけでも、ゴーストタイプのポケモンが苦手というわけでもない。
ただ夕方見たホラー映画の内容をどうしても思い出してしまうのだ。
ホラーが苦手でないとはいっても、怖くないわけではない。
夕方にあんな映画を見なければよかったと後悔しても後の祭りで、ヒカリは始まる前から、こうしてサトシの服の袖を掴んでいる。
ヒカリも引き下がることができず、サトシに止めようかといわれても大丈夫と答えるしかなかった。
サトシの方も本人が大丈夫といっている以上無理にやめるわけにも行かず、少し困ったような顔をした。

そしていよいよ、サトシ達の出番となる。
ヒカリはやはり怖いのか躊躇していたが、サトシが進むと慌てて後を追った。
暗いセンター内は非常電源で医療器具を動かしているだけで、通路は暗い
通路は真っ黒態ってもいい状態で、足元の非常灯のみが頼りだ。
緑色の光はやけに暗闇に映えて、少し不気味だった。
鳥肌をたて、時々震えながらヒカリはサトシの後をぴったりと着いていく。
「お」
サトシが急にぴたりと立ち止まる。
「え?な、何どうしたのサトシ」
「向こうから何か来るぞ」
サトシが少し声を抑えていう。ヒカリはサトシの後ろに隠れて、目を凝らした。
サトシも同じように目を凝らす。
徐々に足音が近くなってくる。
からからからとキャスターを押しながら、近づいてくるのは人影のようだった
しかし様子がおかしい。
キャスターを押す影は少女だ。
真っ白なワンピースを着て、顔は良くわからない。
彼女はカラカラとキャスターを押す音を立てながら、素通りしていくだけで、これといって驚かしたりはしなかった。
(よかった・・・)
ヒカリは胸を撫で下ろした。
あくまでイベントなんだし、そこまで怖いわけはないか。
そう思ってサトシの背中からいったん引いた矢先。
「ヤーミーラー」
安堵したのもつかの間、暗闇で目を輝かせてこっちを見つめるやたらと大きなヤミラミに驚いて、ヒカリは最初の悲鳴をあげた。


裏口は案外簡単に行く事ができた。
まあ、そういう風にしてあるのだろうがヒカリはそんなこともいってられなかった。
「・・・ぅぅ・・・」
先ほどのヤミラミの急襲に加え、通ろうとすると急にばたばたと開く扉やら
勝手に浮遊して襲い掛かってくる注射などで完全に滅入ってしまってる。
サトシの服をしっかり掴んで離さない。
サトシは歩きづらそうにしているが、明らかに怖がっているヒカリに離れろというわけにも行かず、こうして歩いている。
森の祠はもうすぐの筈だ。
ムウマの泣き声が、不気味な夜の森を見事に演出している。
「これが祠だな」
祠の階段の手前には蝋燭がいくつもともされていて、そこだけがやけに明るく見えた。
祠の扉は石造りだが、風化して隙間風が音を鳴らしていた。
サトシとヒカリが、祠に近づく。
そして近づくたびにだんだんと二人の顔は青ざめた。
「ぁかないょ~・・・」
男の声が、鍵のかけられた祠の扉から漏れている。
手が込みすぎている気がする。
地元の人間は祠を大切にしているそうだし、こんなことに使うとは思えない
「あかないよぉ~~~~・・・」
今度は悲痛そうな女の声だ。
「ヒ、ヒカリ。早く蝋燭とって帰ろうか」
「そ、そうね」
さすがのサトシも、これは怖いらしい。
ジョーイさんには祠には何も仕掛けてい(驚いて壊されたりしたらごめんだかららしい)ないと初めから言われていた
だが声は明らかに祠の扉かの中からする
「あかにゃいにゃぁ~~~・・・」
また声。今度は呂律もまともに回っていない。
「い、いくぞ」
「う、うん」
慎重に近づき、蝋燭を手に取る。

そして―

バタン!ドタドタ!!
祠の中から多きな音が立って、壊れた石造りの門の隙間から人の指が勢いよく飛び出した!
助けを求めるかのようにうごめいている。
「「ぎゃああああ!!!!!」」


「だ、大丈夫か?ヒカリ・・・」
「ダ、大丈夫・・・じゃないかも・・・」
あれはおかしい、いくらなんでも。二人ともそれが共通の答えであり、それを疑わなかった。
「あ、あれ・・・、本物かな・・・」
「わ、わかんない・・・」
ぜぇぜぇと肩で息をして、サトシもヒカリも冷や汗をかいている。
「と、とにかく戻るか・・痛っ・・・!」
「サ、サトシ?」
一瞬顔をしかめたサトシを、ヒカリが心配そうに覗き込む。
蝋燭で照らすと、サトシの腕には引っかいたような傷ができていた。
しかも結構血が滲んで来ている。
「大変!まってて!確か絆創膏あったはずだから」
スカートのポケットの探るをヒカリだが焦りと疲れからかなかなか見つからない
「大丈夫だって、こんなの舐めれば治るよ。」
そういいながら、サトシは傷口に沿って舌を這わせる。
「だめよしっかり治療しないと!・・・あった!」
絆創膏が見つかって、ヒカリはサトシの腕を取ってそれを貼ろうとした。
「あ、また血がにじんでる・・・。」
さっきサトシが舐めていた傷口からは、また血が滲んで来ている。
「本当はちゃんと消毒しなきゃいけないんだけど・・・。」
滲んだ血が痛々しく、ヒカリはせめて血だけでもとそれを舐めた。
いきなりの妙な感触に、サトシが少し動揺する。
「急いで戻ってタケシに消毒してもらいましょう!」
絆創膏を血がまた滲まないうちに傷口に張ると、ヒカリはサトシの怪我をしていない方の腕を取って小走りした。
ヒカリ自身、いまさらだがサトシの傷口を舐めたことを妙に意識してしまって少し恥ずかしかったからだ。
理由は分からない。ただなんとなく恥ずかしくて、照れ隠しのつもりだった。
サトシも引っ張られながらも蝋燭が倒れないように気をつけながらヒカリにあわせて走る。

走れば戻りは本当にわずかな距離で、思ったような時間はかからなかった
ヒカリはタケシにサトシを押し付けると、救急箱を持ってくるや否や消毒をはじめる。
「いたた・・!」
「あ、ご、ごめんだいじょうぶ?サトシ・・・」
そんな会話を交わす二人に、タケシは微妙に疎外感を覚える。
「俺、何のために連れてこられたんだ」
そんな一言をぼそりとつぶやいて。


怪我の巧妙~オマケ~
翌朝

「ジョーイさん、そういえば昨日あの祠の中から声がしたんですけど・・・。」
ヒカリが少し、顔を青くしながら答える。
「おかしいわね・・・確かにあそこには誰もいなかったはずなんだけれど・・・。もしかして、昨日祠の中を整理したときにポケモンが入ってしまったのかしら」
サトシもヒカリも、顔を見合わせた。
あれはポケモンでなく、人の声だった。
だったらばあれは本物ということだろうか。
「あ、そ、そういえばキャスターを押してきた女の子。あの子雰囲気出ててすごく怖かったですね!」
「そ、そうね!非常灯の明かりに照らされて雰囲気あったわよね!」
サトシが、話題をはずそうと昨日の少女の話をしたその時だった。
「え?俺たちのときはそんな子いなかったぞ?」
話を聞いていたトレーナーの一人が言う。
そのトレーナーは確認を取るようにロビーを見回すと、目が合った人は次々と首を横に振った。
「おかしいわね・・・。そんな子驚かす役には使っていないし、白いワンピースのトレーナーも泊まっていないわ」
「「え?」」
二人は声をそろえた。
じゃああの子はなんだったのか。
確かにサトシもヒカリも、その子を見たのだ。
そういえば足はあっただろうか・・・透けていた気がしないでもなくなってきた。
サトシとヒカリは、顔を見合わせるなり冷や汗をかいて顔を真っ青にしていた。

―――――

「ちょっとー!だれかここ開けなさいよ~!!」
「お宝があると思って入ったら閉じ込められて・・・おなか減ったのニャ~~!!」
「うわ~ん、あかないよぉ~~」
祠には、例の、いつもの三人組が閉じ込められていた。
彼らは後日発見されるなりジュンサーに追い回される羽目になることもしらず、今はただひたすら助けを求めた。

タイトルの誤字の件ですが、いまさら帰るのもあれなのでこのまま終わらせておきます。
とりあえずヒカリにサトシを治療させたかったんだけど・・・。

           了

洞窟で…

下手だと思うが書いてみるよ…



「ねえ~もう戻ろうよ~」
そう背後からヒカリの声がしたがサトシは振り返らず
「心配すんなって、もうちょっと行ってみようぜ」
そう返し、構わず薄暗く足場の悪い道を進んでいく。
「はぁ…」
ヒカリは溜め息をはくもしぶしぶサトシの後をついて行く。さっきからこのやり取りの繰り返しで、どんどんと洞窟の奥に入っていく。
この洞窟に入ってから既に結構な時間がたっているのだがサトシは疲れた様子など微塵も見せずむしろ進めば進むほど元気なってその上鼻歌まで歌っている。
ヒカリはというと別に疲れたというわけではないが、この洞窟の放つ異常な程不気味な雰囲気にあてられ不安と危機感を覚えていた。
そもそも、何故こんな薄暗い洞窟に入ったたのかというと、それは数時間前にさかのぼる―


サトシ達一行は次の町を目指し旅を続けていた。
先ほど挑まれたタッグバトルも見事勝利しその後もいくつかのトレーナー達と戦い、意気揚々と歩いていた矢先の事である。
「今日はここでキャンプしよう」
と突然タケシが提案したのが始まりだった。
日は高く、まだぜんぜん行けると思っていた二人は驚き
「何でだよ?」
「何でよ?」
と同時に聞き返す。
それを聞いたタケシは苦笑いしつつ
「この先は道が険しく、その上数日前の雨で足場も悪くなってる。だから今日は休んで明日に備えた方がいい」
と諭すような口調で説明を始めた。なおもタケシは続ける。
「そして、お前達はよくてもポケモン達をよく見てみろ、連続したバトルでかなり消耗してるだろ?」
そういわれた二人は各々の手持ちを外に出す。
言われてみると確かにポケモンたちは疲れた様子をしていて少し辛そうだ。
二人はタケシの言う事を納得した合図として頷き
「みんなよく頑張ったな、今日はゆっくり休んでくれよ」
「お疲れ様♪」
と労いの言葉をかける、その言葉を聞き皆嬉しそうにはしゃぐ。
「じゃあキャンプの準備だ。手伝ってくれ」
「おう!」
「わかったわ」
三人は野営の準備に取り掛かった―


それからしばらくしてキャンプもでき、一息ついていたころサトシは一人うずうずしていた。
なにせ今日はまだ日も高く、何よりする事がない。
ポケモン達と特訓をしてもよかったのだが、皆の寝顔を見るととても起こす気にはなれなかった。
ならば散歩でもしようではないか、という考えが浮かび
「タケシー!ちょっと散歩してくるぜ!」
そう言ってから近くの森に向かって走り出そうとしたのだが予想外のことが起こった。
「あっ!?待って私も行く!」
そうヒカリが言ったのだ。
「いいけど…特に何もないと思うぜ?」
「それでも行く!私も暇なんだもん♪」
「行くのはいいが…あまり遅くならないようにな」
タケシは一応忠告をする
「大丈夫だって。な?ヒカリ?」
「大丈夫、大丈夫♪」
そういって二人は森に向かって勢いよく走り出した。


森に入てからしばらくの間、二人は他愛もない話しをしながら歩いていた。
この森の様子
次の町の予想
どんなバトルがしたいのかという事
どのようなトレーナーになりたいかという事
それとちょっとした昔話などで話しの花を咲かせる。
そして最後に自身の目標の確認…
「俺はチャンピオンリーグを優勝するために!」
「私はグランドフェスティバルで優勝するために!」
そう高らかに宣言し拳を握り締める。
その声で驚いたのか鳥ポケモン達が数羽、どこかへ飛び去った。
「ちょっとうるさかったみたいだな」
「そうみたいね」
と笑顔で会話した後、聞こえていたかは不明だったが飛び去った鳥ポケモン達に向かってほぼ同時に謝罪の言葉を伝えた。
「うるさくしてごめんねー!」
「うるさくしてごめんなー!」
声が重なって何倍にも大きく聞こえる。
「さて、そろそろ帰るか?」
「そうだね」
と来た道を振り返った時サトシは気づいた。
なにやら引き込まれるような感覚を覚える不思議な洞窟を、それはサトシの好奇心を強く刺激するのには十分だった。
そして
「なあ、ちょっと行ってみないか?」
サトシはそうヒカリに切り出した
「なんか不気味な感じがするんだけど…それに遅くなるとタケシが心配するよ?」
と消極的な口調で答える。
「ちょっとぐらい行っても大丈夫だって」
サトシは笑顔でそういうと入り口が大きな洞窟の中に入っていった
「ち、ちょっと待ってよ!」
ヒカリもサトシの後に続いて洞窟に入っていった…


そして今に至るわけだ。
サトシは奥へ奥へと進んでいく。
ヒカリは相変わらず不安がってサトシの傍についている。
どれだけ進んだかわからなくなってきたとき突然サトシが歩みを止めた。
「行き止まりだ…」
「特に何もなさそうだしもう帰ろうよ、ね?」
ヒカリが少し嬉しそうに話す。
「仕方ないか…」
サトシは何もなかった事をとても残念そうにしている。
そして来た道を帰ろうと振り返ったとき、ヒカリの言う事を聞かなかった自分に後悔した。
なんと、来た時には気づかなかったが道がいくつもあるではないか。
それはさながら天然の迷宮とでも言うべきで複雑に入り組んでいる。
唖然としたサトシを見てヒカリは
「サトシ…帰り道わかって…ないよね?」
そう恐る恐る聞いてくる。
サトシは何も答えずうつむいている
「ど、どうするのよ!?これじゃここから出られないじゃない!!」
さっきまでの不安はどこに消えたのやら、ヒカリは声を張り上げて怒った。
「ごめん…」
サトシはそう答えるしかなかった、先程とはまるで立場が逆である。
サトシはしゅんとなって落ち込んでいた。
自分一人ならまだしも、自分の好奇心のせいでヒカリまで巻き込んでしまった事を本当に反省してるようだった。
そんな様子を見たヒカリは、なぜかサトシを責める気が失せてしまった。
責めた所で出口にいけるわけじゃないという事に気づいたのもそうだったが、何よりサトシの落ち込んだ姿を見たくなかったのが一番の理由かもしれない。だから
「私もちょっと言い過ぎたわ…ごめん…だから元気出して!落ち込んでるなんてサトシらしくないよ!」
と怒っていた自分を忘れてサトシを励まし始めた。
それを聞いたサトシはしばらく黙っていたがやがて
「そうだよな、今は落ち込んでる場合じゃないんだった。ありがとなヒカリ!」
と一転笑顔になってお礼を言った。
ヒカリは微かだが頬を赤く染めてうん、と頷いただけである。
「とにかくここから出なきゃ、行きましょ」
「ああ!」
二人は片っ端から道を進んで行った。


もうどれだけ進んだであろう?
入り組んだ道を進んでいたためか二人の平衡感覚はなくってきており、意識も朦朧としている。
お互い限界が近い事が判っていたのか無意識に肩を組み、支えあうように歩いていた。
そしてついに一筋の光を見つけたのである
二人の顔に安堵の色が浮かび自然と足も軽くなる。
そしてやっと出口にたどり着いたのである。
「はあ…はあ…もうだめ、だいじょばない…」
「お…俺も…はあ…はあ」
そのまま二人はその場に倒れてしまった。


「二人とも起きろ!おい!」
突然聞きなれた声で呼ばれて二人は寝ぼけ眼のまま起きた。
既に日は沈みかけ、辺りが薄暗くなり始めたころだった。
「何だよタケシ…」
「なに~…」
「何とはないだろ!何とは!まったく、遅くなるなって言っただろ!」
タケシが少し怒った口調で話す、その様子をみて二人は思いきり笑った。
「笑う事じゃないだろ、人がどれだけ心配したと思ってるんだ…」
その言葉を聞き、二人は笑うのをやめ
「悪かったよ…」
「ごめんなさい…」
とタケシに謝った。
「まあいいっか、二人とも何もなかったみたいだしな」
タケシのその言葉を聞いて今度は二人が怒り始めた。
「何ともなかったわけないだろ!」
「本当、大変だったんだから!」
そう言ってから事の一部始終を話す。
だがタケシは困った顔をして
「洞窟っていってもそこには何もないぞ?夢でも見たんじゃないか?」
とその場所を指差した。振り返るとそこはタケシの言うとおり何もなくただ切り立った崖があるだけで何もない。
「確かにここにあったはずなに…」
「何でなくなってるんだ…」
そう呟き、今までのが夢だったのかと二人は顔を合わせる。
だが、二人が同じ夢を見るなんて事はありえないだろうし、なにより服はとても汚れている。
それを確認したあと二人は頷きあう。
どうせ信じてくれないのなら二人だけの秘密にしよう、という意思の表れであった。
「なんだがよくわからんが、いい経験したみたいだな。それよりお前達、お腹空いてるだろ?」
「言われてみれば…」
「そんな気が…」
「じゃあ飯もできてるし、戻るか?」
「ああ!」
「賛成♪」
三人はゆっくりと元居たキャンプへ戻って行く。
キャンプにつくとそこには焚き火を囲みすっかり楽しんでる大切な相棒達がいて三人を暖かく出迎えてくれた――


―End-


あとがき
これで完結です。


とりあえず言いたい事…技術不足ですいませんでしたorz

雨時々・・・

その日、サトシとヒカリはタケシとともに買出しに出ていた。
旅をしていれば、様々な日用品が必要になる。
食材はもちろん、ポケモンフーズの材料や傷薬も、旅の必需品だった。
それらに数の余裕があっても、旅をしていている限りは予測できない事態も起こる
そういう事態に備えて、ポケモントレーナーに限らず旅をするものは、例外無く街につくと少し余裕を持って必要なものを買っていく。
当然サトシ達も旅人であり、街に来ると少なからず買い物をする。

今回来た町は大きな町ではないが、大通りには商店が並び、そして地下街もあるために、人の通りは非常に多かった。
今回は特別買うものも多く、普段は3人で一緒に買うところをサトシとヒカリ、タケシといった具合に分かれて行動していた。
二手に分かれたとき、タケシに渡されたメモには結構な量のリストが載せられている。
食材はタケシが自分自身でみて決めるために、食材が集中している地下街にはタケシが向かった。
サトシ達は日用品を買うのが仕事である。

「ねーねーサトシ、これこれ!」
「ん?」
ヒカリがどこか楽しそうにこっちをみている。
その目にはどこか期待も混じっているような気がして、
サトシはヒカリの覗き込んでいるものを、ヒカリと同じような体制でみた
そこには色とりどりのパフェやケーキが並んでいる。
確かに綺麗だし、みていて楽しい装飾がしてある。何よりおいしそうだ。
「確かにおいしそうだけど、買い物のお金は使えないし、俺はお金少ししかもってきてないしなぁ。」
書かれている値段は、二つ買ってしまうとぎりぎり足りなくなるというなんとも間の悪い値段だ。
一方のヒカリは、見ていれば楽しいらしい。
あのポッチャマの飾りが~等、ヒカリらしいといえばヒカリらしい
サトシは見ていると食べたくなってしまうタイプだ。
でも自分だけ食べるのも気がひける。
サトシが諦めて、目をそこからそらしたそのときだった。


「お」
「どうしたの?」
今度はヒカリが覗き込んでくる形だ。
サトシが見つけたのは、陳列されているものより多くの量が入ったパフェで、値段も自分が払える程度のものだった。
これならヒカリも食べられるし、大丈夫そうだ。
「ヒカリ、ちょっと食べてくか」
「え?でもお金・・・。」
「大丈夫大丈夫。」
ヒカリは少し戸惑いながらも、まあサトシが言うなら大丈夫だろう、と後を追って店に入った。
夏が終わったとはいえしつこく残る残暑に、店内もクーラーがついていて涼しかった。
とりあえず空いている席に向かい合って座ると、ウェイターがやってきて注文をとった。
「これください、スプーン二つで」
ビッグパフェにもいろいろあるらしい。
ヒカリは何でもオーケーらしく、とりあえずスタンダードなものを頼むとウェイターはそそくさといってしまった。

パフェが届いてみればヒカリもサトシの行動の意味が分かったようで、
二人でパフェをつついていた。
「後何買えば良いんだっけ?」
「傷薬に脱脂綿に、裁縫針と絆創膏、糸と包帯と・・・。」
サトシがあげたものは医薬関係ばかりだ。
「じゃあドラッグストアね。」
「そうだな。」
なんとなく二人は無言だった。
ひとつの大きなパフェを二人で食べている特殊な状態が、ちょっと珍しかったからだ。
「サトシ。」
「ん?」
とつぜん、ヒカリが親指で唇をこすった。
一瞬びっくりするも、サトシはあまり動じてはいない様子だ
「どうしたんだよ」
「だって、チョコレートついてたんだもん」
親指についたチョコレートを口惜しそうになめるヒカリは、周りの視線に気がついていない様子だった。
それはサトシも同じであり、唯一気がついていたピカチュウだけが、肩を縮ませた。


「ありがとうございましたー」
にこやかに見送る店員の顔は、僅かに上気していた。
「でも、よかったの?サトシのお金でしょ?」
「気にすんなって。一人で食べてもつまらないだろ?」
そんな会話をしながら、店外へ出る。
「「あ」」
外はしとしとと雨が降っている。
通りの石のタイルはぬれて色を濃くし、
並んでいる店先の屋根で雨宿りをしている人も何人かいた。
「どうする?私たち傘もって無いけど・・・。」
「まだ本降りじゃなさそうだし、店まで走れば間に合うかも」
「うん、大丈夫!いける!」
すでに買ってある荷物を持ち直して、二人は一気に駆け出した。
思った以上に大通りは広い。
10分ほど走って、ようやく目的の店へとたどり着く。
「あーあ、やっぱぬれちゃったな」
雫が落ちる髪と、服をみながらサトシはやってしまったという顔をする。
ヒカリも肩で息をしながら、ダイジョバなかった・・・などとぼやいていた。

店に入ると、外の雨にもかかわらず中は冷えていて、体が濡れている二人はそろって身震いした
特にヒカリは、肩から露出しているために鳥肌を立てている。
それに気がついたサトシはなにか着せるものをさがしたが、あいにく自分はそんな物みにつけていなかった
「そうだ」
買い物袋の中をごそごそと漁って、一枚のタオルを取り出す。
「ヒカリ、これ肩にかけてろよ」
タオル、とはいっても表面は毛布のような感触で肩にかけると素肌に触れて心地よかった。
「サトシは?」
「俺は大丈夫だって、ヒカリが風邪引いたら大変だしな」
「うん、ありがとうね、サトシ」
「気にするなって。さ、早く買い物済ませようぜ」
サトシは買い物袋を持ち直すと、メモを確認しながらヒカリと買出しを再開した。


「まだ降ってるなぁ・・・。」
レジで会計を済ませ、外に出たサトシの第一声がそれだった。
雨はさっきよりも強さを増している。
「仕方ないか。」
サトシとヒカリは仕方なく、雨宿りをすることにした。
とはいってもそれはあまりに不本意なものだ。
もともと二人とも、じっとしているのが好きなタイプではない。
別にこの雨の中を走ってもよかったのだが、お互いの体のことを考えればそれはできなかった。

屋根の下はサトシとヒカリの二人だけで、店から出てくる人たちは傘を差して帰っていく
その光景はなんとなく寂しく、幼い頃遊びに出かけた先に急に雨が降ってしまって、
親が迎えに来てくれるのをまってるような気分でヒカリは無意識のうちにサトシの手を握る。
「ヒカリ?」
サトシの呼びかけにはっと気がつくと慌てて手を解いた。
「あ、なんでもないの。」
自分でも手を握っていたことにびっくりして、そわそわしながら辺りを見回す
「あ」
ヒカリは軒先に無料で貸し出されている傘が一本だけ残っているのに気がついた。
「サトシ、あれ使おうよ」
「でもあれ一本だけじゃ・・・」
「一緒に入れば大丈夫!」
「ああ、なるほど」
くるくると、ヒカリは機嫌が良いのか傘をゆっくりと回す。
いつの間にか人通りは消えて、大通りを歩く人の波もまばらだった。
サトシは荷物を両手に、ヒカリは片手にピカチュウと、もう一方は傘。
傘は少し小さく、二人でくっつかないと濡れてしまう。
いくら気をつけてもどちらかの肩は濡れてしまうが、二人はそれでも暖かく感じていた。
お互いの体温が雨に混じって解けていくような感覚。
お互いが安心できる存在感がそこにあって、狭くなることはあまり気にせずに、一人分の傘に二人で入った。
「お、タケシだ」
タケシが向こうで、こちらを見つけて手を振っているのが分かる。
手にはもう少し大きな傘を持っていたが、サトシもヒカリも、その傘に持ち直そうとは思えなかった。
「まあ・・、別にこのままでもいっか」
「うん、大丈夫」
そう言ったサトシに、ヒカリがうれしそうに返す。
もう少し、ポケモンセンターまではこのままでいよう。
お互いにそれは通じ合っていて、ヒカリとサトシは差し出された傘を断ると、ちょっと気恥ずかしげに笑いあった。


昨日最後のを書き終える前に転寝しちゃって気がついたら朝だった。
サトシとヒカリに相合傘させたかっただけで、反省はしていない。

支えあうということ

サトシたち一行は歴史ある静かな港町、ミオシティにやってきた。
到着したのは夕方の時間帯、しかし空を厚い雲が覆っており、日の暮れぬうちから辺りは既に薄暗い。
この雲が降らせたのだろう、街は数センチの雪に覆われ、美しい銀世界となっていた。


一行はとりあえずポケモンセンターに宿を求めることにした。
普通の旅人なら窓からゆっくり街でも眺めながら休息を取るところだろうが、ここはジムのある街である。サトシが大人しくくつろぐ訳が無かった。
サトシはポケモンの回復が済むや否や、早速ジム戦前の特訓に取り掛かった。

「よーし、明日は早速ミオジムに挑戦だ! みんな張り切っていこうぜ!!」
サトシの掛け声にポケモンたちが続いていっせいに声をあげる。

「ねえサトシ~。ジム戦練習もいいけど、せっかく雪が積もってるわけだし、雪遊びしない? 明日にはもう雪解けちゃうかもしれないよ」
「俺は雪遊びはやめとくよ。そんなことより明日のジム戦練習だぜ!
別に俺たちがいなくてもヒカリとヒカリのポケモンたちで遊べばいいだろう?」

サトシがそういうと、ヒカリは少し寂しそうだった。


それから数時間後、練習を終えたサトシがポケモンセンターの建物に戻ってきた。
部屋に入ると、ヒカリはパジャマ姿で、今にもベッドに入ろうとしていた。
別にヒカリが早寝をするわけではない。時刻は既に11時。サトシは時も忘れて練習に熱中していたのだ。
そんなサトシは疲れも見せず、挨拶代わりにヒカリに声をかけた。

「ヒカリ、雪遊びしたんだろう? 楽しかったか?」
「ううん、今日は雪遊びしなかったの」
「なんでだよ? すごくやりたそうだったのに」
「別にいいでしょ…やりたくなくなったから、やらなかっただけよ」
「そうなのか? それならいいけど……
 もう寝るんだろう? おやすみ、ヒカリ」
「うん、おやすみサトシ」

そういうなりヒカリはそそくさとベッドに入り、シーツに潜り込んでしまった。
サトシはヒカリの態度に若干納得のいかぬものを感じ、なんか変だなあ、と思いつつも
明日のジム戦に備えて、深く考えはせずに就寝したのだった。


翌日、サトシはまだ日も出ていない早朝から特訓の続きに取り掛かった。
ヒカリは朝目覚めるとすぐ窓の外にそのサトシの姿を見たのだが、どうもいい気分がしない。
ジム戦練習を頑張ってるのは分かるけど、ちょっとくらいは私のことも考えてよ…、とヒカリは思う。
しかしその気持ちを胸のうちに押さえ込んでヒカリは朝の身支度を始める。

…どうも髪がうまくまとまらない。ポッチャマのバブル光線も、以前~ヨスガへ行く途中だったっけ~店で初めて買って以来お気に入りとなっているスプレーも、まるで効果がないようだ。
それでも何とか身支度を済ませたころ、ヒカリはタケシにそろそろ朝食の時間だと告げられた。
タケシにサトシを呼んでくるよう頼まれたヒカリは、笑顔を繕ってサトシのいる庭へと向かう。

「サトシー、朝ごはんの時間よ! ちょっと一休みしたら?」
「えー、今練習がいいとこなんだ。俺は後でにするよ。別にそれでいいだろ?」
「でも…朝ごはんくらいみんなで食べたほうがいいんじゃない?
 あんまり頑張りすぎるとジム戦のとき疲れちゃうんじゃ…」

ヒカリは心のもやもやを抑えて必死にサトシを思いやる。しかし…

「何だよヒカリ! 俺に練習するなって言いたいのか!?
 ジム戦ってのは半端なガッツで勝てるような甘いもんじゃないんだぞ!
 余計なおせっかいはよしてくれ!」

若干の気まずい沈黙が二人の間を流れる。
サトシが、言い過ぎたかな、と思いつつヒカリの顔に目をやると、ヒカリの目はじわりと涙を含んでいた。

「ヒカリ、ちょっと言い過ぎちゃっ…
「何よサトシったら! 昨日からジム戦だ特訓だって言って……昨日の雪遊びは私の勝 手だからしょうがないけど、今なんか私はサトシのこと心配して言ってるのに…」
「でもさ、ジム戦は俺にとってほんとに大事で…

サトシの言葉をさえぎって、「サトシの馬鹿!!」と涙ながらに叫ぶと、
ヒカリはサトシに背を向け、ポケモンセンターとは反対の方向、街の中へと走り去ってしまった。
今になって自分の非に気づいたのだろう、サトシは呆然とその場に立ちすくんでしまった。


「あ~あ、どうしようかなあ。ポケモンセンターに戻るわけには行かないし、かといって行くとこもないし」


ミオの街の美しい銀世界とは対照的に、空の雲はますますその厚みを増し、今にも雪が降ってきそうだ。
街中を当ても無く歩き回っていると、ヒカリは小さな商店の窓ガラスに「ミオの丘」なる小高い山の写真の載った広告を見つけた。
それによれば、「ミオの丘」はミオシティとその西隣の町との間にある山のことで、標高は2,300メートルと意外に高く、
ハイキングコースが整備され、周辺の町の人々の行楽地となっているらしい。
広告に載っている地図には、大体の位置が示されていた。北を海に、南を山に挟まれているミオシティであるが、その海と山は、
西隣の町まで続いており、「ミオの丘」もその一角にある。
そこへ行くには、西隣の町への海沿いの一本道を進み、途中で南へと山を登るハイキングコースへ入ればよい。
「ミオの丘かあ。いい景色でも見て気分を落ち着かせれば、笑顔でサトシの応援できるかなあ。うん、きっとだいじょうぶ…とにかく行ってみよう」

早速ヒカリは出発し、西隣の町への道に入った。道は案外広く、車もいくらか通るようだ。
しかし右手には北の荒々しい海、左手には白く色づいた山が道のすぐそこまで迫っている。
そんな厳しい自然の圧力に耐えつつ歩いていると、ついに雪が降り出した。
「うわーん!こんな寒々しい道に雪まで降り出すなんて、ホント最悪!
全然だいじょばないよ…でも戻るわけにもいかないし」

そして歩いていると、いつの間にか道の左右は開けてきて、質素な町並みが姿を現した。
そう、西隣の町まで来てしまったのだ。
「うそ!? 町に出ちゃった。ハイキングコースの入り口なんて見当たらなかったのに!」
すぐに引き返して、見逃してしまったハイキングコースを捜そうとしたヒカリだったが、
ちょっとくらい街を見ていこう、と思い、町の中へと入っていった。


ミオの西隣にあるこの町は、ごく小さな町で、家々がまばらに立ち並ぶのみのようだが、雪の銀に染まって、美しい。
そんな町の外れに、ヒカリは重厚なレンガ造りの大きな建物を見つけた。見上げると建物のバックには白く高い山が迫っている。

「ずいぶん大きな建物ね。高さはせいぜい三階だてくらいだけど、周りの家とは存在感が違う感じがする…
それにしてもどうしてこんな田舎の町外れにこんな大きな建物があるのかしら?」

そんなヒカリの独り言に、
「これはお酒の工場なのよ。とても古いけど、今も元気に動いているの」
と、女性の声が答えた。年は中年くらいだろうか。
「あなた、一人でこんなところに来て、どうしたの?
…なんかすごくさびしそうだけど」
「おばさんはどうしてこんなところに?」
「私は、夫がここで勤めてるから、毎日散歩でここを通ることにしてるの。
今日もあの人は頑張っているのね、って思いながら。
あなたもしお暇なら、私の家にいらっしゃる?悩みがあるならお話を聞くわよ?」
「でもおばさんはいいんですか?」
「いいのよ。私は専業主婦だから時間ならいくらでもあるわ」

おばさんの家は工場の近くにあった。そこにお邪魔したヒカリは、早速、事の一部始終を話した。


「なるほど、そんなことがあったのね」
「はい。私が勝手に心配して、結局サトシの邪魔になっちゃったみたいで…
サトシはジム戦練習で忙しいってこと、私もよく知ってるのに」
「そうねぇ……ヒカリちゃん、ちょっと私の昔話を聞いてくれないかしら?
きっとあなたの参考にもなるわよ」
「そうですか? じゃあ、ぜひお願いします!」

正直、どうすればいいのか分からなくなっていたヒカリは、おばさんのお話に真剣に耳を傾け始めた。


おばさんの話はこうだった。
昔、子供の頃、おばさんはポケモンコーディネーターを、おばさんの幼馴染だった男の子はトレーナーを志していた。
そう、この男の子が今のおばさんの夫である。
今となってはもうおじさんだけれどね、とおばさんは付け足す。
10歳になって、二人がもうすぐ最初のポケモンをもらって旅だとうとする頃、
おじさんは悩んだ末、トレーナーになるのを諦めてしまった。
というのも、おじさんの父はコトブキ酒造、つまり先ほどヒカリの見た工場に勤める熟練の技術者で、
シンオウどころか全国で有名なコトブキウイスキーというブランド品を、創業者とともに作り上げたすごい人なのだそうだ。
そんな父の背を見て育ったおじさんは、酒造にも大きな興味を持っていたのだ。

「ポケモントレーナーになるのはやめる、ってあの人から聞いたとき、
私は腹が立って、さびしくて、でも認めてあげなきゃとも思って・・・すごく混乱しちゃったの。
だって工場で働くって事はもうほとんど私と会えなくなるってことなのよ。
それくらい酒造の世界は厳しいの。
私はあの人のこと、あのときから気になってたのよ。
だからこそ、ついむきになって、『あんたなんか大嫌い!!』って言っちゃって。
それから数ヶ月は顔もあわせなかったわ。そしてその間に私はコーディネーターとして旅立った。」

「でもね、しばらく旅をして、久しぶりにこの町に戻ったとき、あの人の様子が気になって、工場を覗いてみたの。
そうしたら、あの人が汗をかきながら、一生懸命お酒造りの下働きをしていて…
それを見て、私、なんか感動しちゃって…
そして、思ったの。あんなに頑張ってるあの人をやさしく支えてあげられたら、
幸せだろうなあ、ってね」

その日、おじさんの仕事が終わった後、おばさんはおじさんと仲直りをして、
以来時々顔を合わせるようになった。そして何年か経って、結婚した。


「だからね、ヒカリちゃん。大事なのは相手を支えてあげること。
もちろんヒカリちゃんもトップコーディネーターを目指すのなら、そこは逆に支えてもらえばいいわ。」
「支えること、ですか。うん、確かに大事ですね。
私も、純粋にサトシを支えてあげたいなあって思います」
「その気持ちがあれば大丈夫よ、ヒカリちゃん。
サトシ君とうまくいかないことがあっても、支えるって気持ちさえあれば、絶対また仲直りできるわ」
「はい、ありがとうございます!なんかちょっと元気が出てきました!」

その後二人は少し雑談をして、ヒカリは工場を見学させてもらうことになった。
さっそくおばさんの家を出て、工場の前にやってくると、
遠くから妙に響く大きな足音がザクッザクッと聞こえてきた。


「ヒカリー!!」
そう呼ぶ声が足音に混ざって聞こえ、それはどんどん大きくなっていった。
「サトシ!? サトシ!!」
声の主はサトシだった。相当なスピードで駆けてきたのだろう、サトシは息が上がっており、ぜーぜーと荒々しい呼吸をしている。
そんなサトシの身体を支えつつ、ヒカリは尋ねる。
「どうしてここが分かったの?」
「いろんな人に聞いて、ムクバードにも協力してもらったんだ。見つけるの苦労したんだぞ!」
「ありがとう…
あっ! でもジム戦はどうしたの!? 今日出るんじゃなかったの?」
「いや。ヒカリを怒らせちゃって、一人でいなくなっちゃって、
そんなときにジム戦なんかしてる場合じゃないだろ?」
「でも私、勝手にサトシを心配して、勝手に怒って、サトシに迷惑かけちゃったのに、どうしてそんな優しくしてくれるの?」
「え? どうしてって…
そんなの、ヒカリが大事だからに決まっているだろ?
それより、俺のほうこそ、ヒカリはせっかく俺の心配してくれてたのに、応えてあげられなくて、ごめんな」
「サトシ、ごめんね! あと、ありがとう!
私、さっきまでサトシがいなくてすごくさびしかった…」

そう言って、感極まったヒカリは、泣きそうな顔をサトシの胸にうずめた。ヒカリの肩が震えている。
…無理もない。複雑な心境の中、あの海と山とに挟まれた厳しい道を一人で歩いてきたのだから。
おばさんと話して一時は気持ちが落ち着いたものの、サトシに会った安堵から、さっきの怖さや悲しさがあふれてきたのだろう。

しばらく経って、ヒカリの涙がおさまった頃、おばさんが二人に工場見学を改めて誘う。二人は笑顔で「はい!」と元気な返事を返した。

そしてサトシとヒカリはおばさんに連れられて工場を見学した。
工場内の歴史ある重厚な器具や樽は、100年近くに渡って確かな品質のお酒を造ってきただけの貫禄を持っていたが、
どことなくサトシとヒカリを応援しているようにも見えた。
そこではおじさんにも会った。おじさんはサトシとヒカリを見て、そしておばさんから昨日と今日の二人のストーリーを聞いて、
「俺ももっとあんたのことを考えてやれたら、何ヶ月も喧嘩することにはならなかったかもなあ」とつぶやいた。


工場見学が終わると、サトシとヒカリはおばさんたちと別れ、例の「ミオの丘」に向かった。
いつの間にか雪は止み、雲さえ大分薄くなっていた。
ミオへ通じる道は、ヒカリが行き通ったときと変わらず、海は荒々しく、白い山もすぐそこまで迫っているが、今は全然怖くも寂しくもない。
むしろ、「やっぱり大自然の迫力はすごいわねー! サトシ!」などと楽しんでいるくらいだ。
行きは全然気づかなかったハイキングコースの入り口も、何であの時気づかなかったの?、というくらいに分かりやすいものだった。

「海沿いの道は車も通ってちょっと難だけど、ハイキングコースは気持ちいいな」
「そうね! 雪が積もってちょっと歩きづらいけど、空気もいいし、天気もいいし、最高!」

ハイキングコースの終点は、「ミオの丘」の展望台である。丘の背後にはまだまだ高い山々が連なっているのだが、反対の海側からは、右にミオシティ、左にさっきの町が望め、その先には北の雄大な海が広がっている。
いつの間にか太陽は西へ傾き、海と、さっきの町とを鮮やかな赤に染めている。雲はほとんど取れ、わずかに残った雲も太陽に染められ、風景に美しさをプラスしている。


「夕日、きれいだね、サトシ」
「ああ、そうだな」
「あのさサトシ、さっきのおばさんにね、お互い支えあうことが大切だって言われたの。
これからは私ももっとサトシこと考えて、声をかけるようにするから…」
「いや、いいんだよヒカリ。ヒカリは俺のことを考えてくれたんだから。
ヒカリがせっかく朝飯に呼んでくれたのにな
…まあ、あんまり深く考えてもしょうがないか。
これからもよろしく! って事で、いいよな?」
「そうね、改めてよろしく!
…ところでさ、サトシ?」
「何?」
「あのさ…おばさんたちは、喧嘩して、仲直りして、その後結婚したじゃない?」
「うん、確かにそうだ」
「だったら、もしかして私とサトシも……
って、そんなわけないよね! もうまったく私ったらだいじょばないだいじょばない!!」
「どうしたんだヒカリ?
何独り言言って…
「何でもない何でもない! 気にしないで!」
「そうか、ならいいけど…
ヒカリが何言おうとしたのか良く分かんないけどさ、またいつかこうやって二人でいい景色とか見られたら、最高だよな!
何でだかわかんないけど、二人だけでいい景色を見る、ってのはまた格別な気がしてさ…」
「そうね! 私もそう思う」


会話が途切れてもなお夕日に見入っていた二人だったが、
ヒカリは不意にさっきのおばさんとおじさんの顔を思い出した。
同時に自分の家の、母の部屋にあったウイスキーの棚を思い出す。
きっとさっきの工場で造られた、コトブキウイスキーのブランドもその中に多くあったろう。
ヒカリの記憶の中のウイスキーのビンは、豊かな飴色の光を放っていた。
ヒカリにはその光が、人の心を支えてくれるような、深い優しさに満ちているように見えてしょうがなかった。


長い上にサトヒカ色薄めですが、どうかお許しを!


支えあうということ(おまけ)
夕日を見てしばらく経つと、二人はふと朝から何も食べていないことに気づいた。
それと同時にお腹が鳴る。

「お腹もすいちゃったし、そろそろ帰ろ!」
「ああ、そうだな! きっとみんな心配して待ってるだろうな」
「だいじょうぶ! 私たちこうして仲直りできたんだから」
そう言いつつヒカリはサトシの手をとって歩き出す。

「ヒカリ!?」
「いいじゃない。仲直りのしるしってことで!」
そうして二人仲良く手をつなぎつつ帰路についたのだった。


ポケモンセンターに着くと、タケシがちょっと困ったような、でも優しい笑顔で出迎えてくれた。
その笑顔にサトシとヒカリは声をそろえて応える。

「「ただいま、タケシ!!」」


(終わり)


これは入れるかどうか迷ったんで読む方の好みでお願いします…

サトピカミミ探検隊

時刻は夕暮れどき、サトシたち一行は森の近くにテントを張り、食事の支度をしていた。
モンスターボールから出されたポケモンたちがわいわいと騒ぎタケシが鍋を暖めている。
そんな中をサトシは落ち着きなく歩きまわっていた。

「なあタケシ、ヒカリの奴戻ってくるのが遅くないか?」

ヒカリは木の実を集めるため森に入っていたが、
普段よりも戻りが遅くなっていたため心配になってきたのだ。

「落ち着けよサトシ、まだ1時間も経ってないぞー」
深い森でもなく、危険なポケモンも生息していないところなので
冷静なタケシはそれほど心配はしていない。

「よし、やっぱり迎えにいってくるぜ!いくぜピカチュー!」「ピッカー」「ミミー」
ピカチューに続いてミミロルも飛び出していった。

「おーい、サトシーー」

人の話を聞かないんだからまったく…とぼやきながらも
何故かにやにやしてしまうタケシだった。

────

「おーい、ヒカリー!いたら返事しろよーっ!」
すぐに見つかるようなところにはヒカリは居なかった。

「はぁ…、方向音痴のくせに自分では大丈夫って思ってるんだからなあヒカリはあ」
「ピカチュ~」「ミミ♪」
ピカチューも同意している。ミミロルはマイペースにピクニック気分でもあるらしい。

ふとそんなミミロルが足をとめて両耳を立てた。
気づいたサトシも耳を澄ませてみる。

「キャーッ」

すると遠くでかすかに叫び声が聞こえた。
ヒカリの声だ!サトシたちはミミロルを先頭に一目散に駆け出した!


「ヒカリー!大丈夫かーーっ!?」

駆けつけた先でサトシたちが見たものは…
ノゾミとバトルの練習をするヒカリだった…!!

ズコー(ずっこけるサトシとピカチュー)

「負けちゃったーやっぱりノゾミは強いわね^^;」
「いや、ヒカリのポッチャマもよく育てられていて見違えたよ(キザっぽっく)」

見ればちょうどヒカリのポッチャマが目を回していた。
さっきの悲鳴はバトルで負けが決まったときのものだったのだ。

「って、あれ、サトシ!どうしたの!?」「ミミロルまで…!」

ようやく気づいてもらえたサトシは「ははは」と力なく笑った。

────

森の中で偶然再会したノゾミに、腕試しにコンテストバトルを挑んだ
という経緯を聞いたサトシは文句を言った。

「なにもこんな夕方に始めなくてもいいだろ?」
「暗くなったらどうする気だったんだよ!」

「大丈夫よ!ノゾミもいっしょだし、サトシったら意外と心配性なのね…(はぁ)」

「なんだよせっかくむかえに来てやったのに!」
「それに心配性って…、ヒカリじゃなかったら心配なんかしてないぜ」「ピカピカ~」

「それって…、わたしがだいじょばないってことー!?(プンスカ」

それを見ていたノゾミが呆れたようにつぶやいた。
「あんたたちホントに仲いいねえ…」

「へ、そう?」「別に普通だよな?」
「うんうん」とうなずくヒカリ

息の合ったお鈍さを目の当たりにして、ノゾミはただ立ち尽くすしかなかった。(大げさか…)


「丁度お迎えも来たようだし、あたしはこれで失礼するよ」
ヒカリは引き止めたが、既に近くにテントを構えてしまってあるということで
それを放置しておくことはできないらしい。
「あんたたちも暗くなる前にちゃんと帰るんだよー!」
そういい残してノゾミは爽やかに去っていった。

「わかってるー、またねー!」「また会おうぜー!」
なかよく見送るサトヒカ。
ついさっき口論をしていたように見えたのは、ただじゃれあっていただけなのだ。

「じゃああたしたちも帰りましょうか」
「ああ、タケシを待たせちゃ悪いからな!」


…しかし、何故か動き出さないふたり…


その後、ヒカリはノゾミを見つけて夢中で追いかけたため
サトシもヒカリの叫び声を聞いて夢中で駆けつけたため
実はふたりとも帰り道が分からないことが発覚してひと騒ぎあったが
森は大得意なミミロルが、しっかりと帰り道を覚えていてくれたため
事なきを得たのだった。

そしてその帰り道
「ふふっ、サトシだってだいじょばないじゃない」
「あたしの(強調)ミミロルがいなかったら全然ダメだったんだから」

「ちぇっ、ヒカリだって本当に迷ってたんだからおあいこだろ」
「そうだ、今度はふたりで来てどっちが長く迷わないか勝負しようぜ!」

「いいわね!受けて立つわ!」「ミミロール」「ピカピカ~」

夕暮れの森の中をそんなふうに賑やかに、サトシとヒカリ、ミミロルとピカチューは
帰って行った。(ちなみにポッチャマはモンスターボールの中にいる。)

テントに着いたとき、タケシはタイミングよく夕飯を作り終えたところで
楽しそうに帰ってきたサトシとヒカリを、やれやれという顔で眺めていた。


おわり。

大切な人

急に思いついた
※軽いキス有、嫌な人はみない方が吉


Jに捕われたヒカリ
サトシは助けだすために
単身飛空廷に潜入するが
Jにより洗脳されたヒカリがサトシにバトルを挑んでくる
ヒカリvsサトシ
バトル中もサトシは洗脳を解こうとする
ヒカリの洗脳が少し薄れるが
J「所詮この程度か」
ブロックをパージ
ブロックと本体の通路まで逃げるが
ヒカリが外に落ちそうになる
「ヒカリ!」
ガッ!!
腕一本をぎりぎり掴む
ヒカリ(まだ洗脳は解ききれていない)「どうして、私を助けるの?私はあなたの敵なのよ!」
一生懸命にヒカリを掴むサトシは
「ヒカリが俺の大切な人だから」
「!!!」
「俺のとこに帰ってきてくれないか!!」
全開パワーでヒカリを引き上げたサトシ
「ありがとう・・・サトシ!」
「ヒカリ、洗脳が・・」
「うん、もう大丈夫」
「良かった」


その後、色々あって
飛空廷を脱出

無事に地上へ

その夜
「ねぇサトシ・・あの時の言葉、嘘じゃないよね?」
「あの時?」
「私が落ちそうになった時の!!」
「あ、それはその・・・うん、嘘じゃない!俺の素直な気持ちだ!」
「嬉しい!!じゃあこれは助けてくれたお礼ね♪」
チュ(ホッペ)!!
「!!!!!!!」
「じゃ、おやすみ♪」
「お、お前なぁ~~!」


うん、吊ってくる