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サトヒカ掲示板に投稿されたものをまとめていきます。
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タイトル コメント
ウエディング写真で大丈夫! サトシとヒカリがウエディング写真のモデルになるお話です。
ホットなキッサキ ひとつのマフラーで一緒に温まるサトシとヒカリのお話です。
サトシの誕生日? サトシの誕生日っていつ?というお話です。
暖かければそれでいい!? サトシとヒカリが鈍感パワー炸裂で添い寝をするお話です。
昼下がりの情景 サトシとヒカリが仲良しで和めるお話です。膝○くらあります!
一緒。 ヒカリがヤキモチを焼くお話です。ドラマチックな盛り上がりです。
ヨスガコンテスト後にサトシがヒカリ励ますお話です。ネタバレ注意。
フルスロットルでGO? サトシ達が水上バイクレースに参加するお話です。後半に仕掛けあり。 
秋に・・・ サトシが焼きもちを焼く長編ストーリーです。
タマゴの思い出 サトシがヒカリに思い出を語るお話です。自然体です。
心の前奏曲(プレリュード) ハンターJに続く長編とのことです!(未完結) 
さよならヒカリ? サトシがヒカリにアタックするお話です。
朝食のやり取り【ver感謝を忘れずに】 新婚さんのような朝のワンシーンを描いた短編です。
(無題) サトシの髪を整えてあげようとするヒカリと逃げるサトシの短編です。
サトヒカ愛 51話の流れで愛について語るヒカリとサトシの短編です。
(無題2) 機嫌の悪いサトシをなだめるヒカリの短編です。
(無題3) ピカチュウとミミロルがポケモン語で会話する短編です。
ヒカリん看病  サトシが風邪を引いてヒカリが看病するお話です。(未完)
予定地  

ウエディング写真で大丈夫!

直しても知れてるので書いたものから投下します。


とある賑やかな町へやってきたサトシたち一行。
商店街のある店の前を通りかかったとき、サトシが何かに気づいた。
「ヒカリ、あそこでコンテストの衣装が着られるみたいだぜ」
「本当!?着たい!着たい!」
ヒカリにせっつかれながらサトシの指した店に向かう三人。
お店の前には、大人用と子供用の美しいドレスが飾られ
「試着できます!モデル募集中!」と書かれた看板が立てられていた。
どうやら貸衣装屋さんのようだ。
「わー綺麗なドレスね~!すごーい!着てみた~い!」
「いいぜ、待っててやるよ。なっタケシ?」
キャッキャと喜ぶヒカリに、見つけたことに得意げなサトシ。
「ああ、後はこの町のポケモンセンターに泊まるだけだ。別にかまわないよ。
まずはお店の人に話を聞いてみようか。」
だけどいいのか、とニヤっとしながらタケシが続けた。
「これウェディングドレスだぞ」
「うそーっ(喜)」
ヒカリはますます目を輝かせた。
「へぇ~」
一方サトシはピンときていないようだ。

「……ふ~ん、そうか~」
「サトシったらわたしのウェディングドレス姿が見たいなら
見たいって言えばいいのにっ!(にこにこ)」
「へ、なんだよそれ?(汗」
「オレはただヒカリが喜ぶかと思ってだな・・」
いたずらっぽく微笑みながらひじでサトシをつつくヒカリの
得体の知れない迫力に珍しくタジタジになるサトシだった。


そんな騒ぎを聞きつけてお店のお姉さんが出てきた。
「おねー…しびれびれ!!」
タケシはグレッグルに瞬殺され、端の方に引きずっていかれた。
お姉さんは見てみぬふりをした。
「あら、かわいらしいお嬢さんね。このウェディングドレスに興味があるのかしら?^^」
「はい!試着ができるって書いてあるんですけど、お願いしてもいいですか?」
すかさず答えるヒカリは試着する気満々だった。
「もちろん。ただ一つお願いしていることがあって、ドレスを着た写真をお店の宣伝のために使わせて欲しいの」
「ここの通りの前に張りだすことになるのだけれど了解してもらえるかしら?」

「う~ん、ちょっと恥ずかしいですね…(もじもじ」
まんざらでも無さそうな感じながら、あと一歩踏み切れずにいるヒカリだった。
それを見たお店のお姉さんは、可愛らしいヒカリを逃してなるものかと次の手に出た!
「そこの帽子のキミ、彼女のボーイフレンドでしょ?」
「あ、はい」
お約束ではあるが、サトシは今(ん?友達って意味だよな…?)程度の理解で返事をしていた。
ヒカリもノーリアクションでにこにこしているだけだ。
鈍感なのかそのくらい当たり前と思っているのかは謎だ。

「彼女一人じゃ恥ずかしいみたいだから、キミも衣装を試着して写真入らない?
いい記念になると思うけれど。うふふ。」
まずヒカリが反応した。
「えっ、サトシといっしょに…ですか!?」
続いてサトシは苦笑いしつつ後ずさりを始めた。
「オレはそういうのは…チョット…」
サトシが何か言い終わる前にヒカリが割り込んだ。
「あたしやります!サトシといっしょにモデルやります!」
「元はといえばサトシが言いだしっぺなんだから当然協力してくれるわよね」
「え、意味わかんないぜ、別にオレが頼んだ訳じゃないし」
「もう、照れないの照れないの!」
何故かヒカリのやる気に火がついたことに訳が分からないままサトシはずるずると
ヒカリとお姉さんに引きずられていった。
「もう、一体何なんだよ~~」


そしてヒカリとサトシの衣装チェンジが終わった。
二人は別々の部屋で着替えたため、今が初対面だ。
ヒカリは店頭に並べてあったドレス姿に、サトシは新郎っぽい衣装に
それぞれ変身していた。
「どおサトシ?似合ってるでしょ♪」
そう言ってスカートをふわりと浮かせてくるっと一回転してみせるヒカリ。
「へぇ~なかなかのもんだな…」
サトシはマジマジと観察した。
わずかに顔が赤なっているのは着飾ったヒカリに照れているからだ。
「サトシも似合ってるじゃない!髪もちゃんと梳かしてもらったのね」
「そうかなぁ?こんな服、窮屈で息が詰まりそうだよ。
早く写真を撮って終わりにしようぜ・・」
ヒカリはしょうがないわねぇという顔をしつつもサトシにあれこれ
ちょっかいをかけていた。

しばらく経って、お姉さんが声をかけた。
「さあ、そろそろ写真を撮りましょうか。そこに並んでくれる?」
「は~い!」「はい!」
ヒカリはサトシの手を取って立ち位置まで移動した。
サトシもいつのまにか笑顔になっている。

お姉さんの指示をうけてサトシとヒカリはポーズを取った。
サトシの腕にヒカリが手をかけるおきまりのポーズだ。
ヒカリは緊張でドキドキしてきてサトシに視線を向けたが、
一方のサトシはいつもと変わらないように見えたのでほんのすこしムカっとした。
「あたしなんだか緊張してきちゃった…けど…サトシは平気みたいね…?」
「オレだけじゃなくてヒカリも一緒だからな。ヒカリが誘ったくせにだらしないぜ?」
サトシも実はやや照れていたようで、はにかむようにヒカリに笑いかけた。
他意のない発言ではあったがヒカリは「ヒカリも一緒だから」という言葉に反応した。
「えっ」
恥ずかしさで顔をうつむけた後、思い切ってサトシの顔を見上げるヒカリの顔は
ほほが赤く染まりとても愛らしい笑顔になっていた。

パシャッ

お姉さんは、ヒカリとサトシが微笑み見つめ合った一瞬をのがさず写真に収めた。
「はい、どうもありがとう。とってもいい絵がとれたわ!」
「「え、いつ撮ったんですか?」」
会話中のためまったく気づいていないサトシとヒカリだった。


サトシとヒカリは元の服装に戻り、写真ができるのを待っていた。
タケシもようやく復活して合流している。
「二人とも、楽しかったか?」
「ええ!とっても」
「オレはもう御免だな…」
「またまた~最後は楽しそうにしてたじゃない」
「ははは、サトシもすみに置けないな」

そんなこんなで時間をつぶしているとお姉さんが写真を持ってきてくれた。
「お待たせ~。写真よく取れてたわよ」
「わ~」と喜ぶヒカリ
「へ~」とまんざらでもないといった感じのサトシ
「…」無言になるタケシ。
あまりにも幸せいっぱいな写真に面食らってしてしまったのだった。

「はい、サトシ君に1枚」「ありがとうございます」
「はい、ヒカリさんにはええと3枚だったわよね」「はい、ありがとうございます!」
「そんなにもらってどうするんだ?ヒカリ」タケシが問いかけた。
「せっかくのウェディングドレス姿だもん。ママにも見せてあげなくちゃ
手紙を書いて写真を送ることにしたの!」
「じゃあ、あとの1枚は?」今度はサトシが聞いた。
「ああ、これはね…ひみつ!」
「なんだそりゃ…教えてくれよ~」
こんなふうにわきあいあいとしたまま
お姉さんに見送られてサトシ達は貸衣装やさんを後にした。
サトシとヒカリの冒険はまだまだ続く!続くったら続く!


─数日後─

ノゾミは賑やかな商店街を、やや品が悪いと言われるかもしれないが
缶コーヒーを飲みながら歩いていた。

とある貸衣装やさんの前を通りかかったとき、いくつかの写真が
飾られていることに目を引かれた
さすがプロはいい写真を撮るねと関心しながら見進めていくと
どこかで見たような二人が写っている写真に目が止まった。

「ぶっ!!!」(コーヒーふいた)



─別の日─

マサラタウンのハナコママに手紙が届いた。
「あら珍しい、サトシから手紙だわ」
「でもサトシの字ってこんなに可愛らしかったかしら??」
まあいいわとビリッと封を開けるハナコママ
中には写真が1枚入っているだけだった。
いぶかしみながらも、飲みかけていたお茶を飲みつつ写真を除きこむハナコママ

「ぶっ!!!」(お茶ふいいた)


────

ヒカリ「計画通りで大丈夫!」
サトシ「ヒカリ、なんか言ったか?」
ヒカリ「ううん?なんにも」
例の写真はサトシとヒカリのリュックの中でいつまでも大切にされましたとさ。


おわり。

ホットなキッサキ

真冬の寒さのキッサキシティ。
ポケモンセンターを出て小雪舞う街中を3人そろって散策することに
しかし、ともかく寒さが半端ではなかった…


「ねえサトシ、私のマフラー使う?きっとあったかくなるよ」
「え、でもそしたらヒカリはどうするんだよ」

「わっ!?」
「へへw こうすればサトシもマフラー使えるでしょ?
それにただつけるよりもっとあったかいし!」
「そうだな! ほんとあったかい…」
「なんか逆に暑くなってきちゃった。サトシって体温高いんじゃない?」
「そ、そうかな…
なんか一緒に包まってると妙に身体が暑くなっちゃって」
「そういえば私もなんか身体の中から熱くなってるような…
熱かな?」
「まさか二人して風邪で熱出すなんておかしいんじゃないか?」
「じゃあどうして暑いのかしら?」
「わかんない。何でだろうな、ホントに」
「まあでも、外がこんなに寒いんだから暑いくらいがちょうどいいし、
なんかこの感覚悪くないなあ」
「そうだな、じゃあこれでだいじょうぶってことで!」
「そうね! だいじょうぶだいじょうぶ!!」


「大丈夫なのか、本当に…?
…いや、まああの二人のことだし、確かに大丈夫か」
「それにしてもあれだけ密着して無自覚だなんて…
ああ、俺もジョーイさんとああやって密ちゃk…!? ううっ!!」
「ああ~し~び~れ~び~れ~~」

こうしてタケシもこの場から退場し、サトシとヒカリは二人の世界を育むのであった…




駄文失礼

サトシの誕生日?

サトシ達は旅の途中、静かな森の中で休憩をしていた。
タケシは食材を探しに出ていて、サトシとヒカリは二人きりだった。

太い木の幹に隣り合ってもたれかかり静かにしていたサトシとヒカリだったが
ふと思いついたようにヒカリが話をきりだした。
「ねえ、サトシの誕生日っていつ?」
「え、オレの誕生日?いつだっけな…?」
そう言って考え込むサトシ。
「…どうも忘れちまったみたいだ…(汗」
「えーっ!そんなわけないでしょ!?」
目を見開いて驚くヒカリ。
「そんなこと言ったってな、覚えてないんだからしょうがないだろ」
「…ホントに忘れちゃったのね…」
呆れるヒカリ。

「でもっ、サトシはあたしと同じ10才なのよね?」
「ああ、それはきっと間違いないぜ」
「きっとって…^^;」
「えと、大丈夫大丈夫、だいたい年齢を忘れるわけないだろ!」
ヒカリは誕生日を忘れるような人が言ったって説得力ないですーと思ったが
話がややこしくなるので口には出さなかった。
「ていうことは、遅くても今日から次のわたしの誕生日の間までには
サトシの11歳の誕生日があるってことね…」
「どうして?」
「わたしの誕生日はサトシと初めて会った日なの♪
だから、そこから1年以内にはサトシの誕生日があるはずでしょ?」
「それはそうだな(うんうん」

「はぁ…でも結局サトシの誕生日は分からないのね…」
すこし気が抜けたようなヒカリ。
「なんでそんなこと知りたかったんだ?」
サトシは少し申し訳ないような気持ちで尋ねた。
「サトシにね、誕生日プレゼントをあげようと思ったの
でも誕生日が分からないなんて台無しだわ…」
ヒカリは元々はプレゼントのことは黙っておくつもりだったが
誕生日が分からないという予想外のできごとがあったため
話してしまうことにしたのだ。


サトシはヒカリの気持ちに応えられるようなことを言わなくてはという
衝動のまま思いついたことを言葉に出した。
「じゃあさ、次のヒカリの誕生日がオレの誕生日ってことにしないか?
お互いプレゼントを出し合うってのはどうだ?それなら大丈夫だろ!」
ヒカリの顔がぱっと明るくなった。
「うん、それ…いい!いっしょに誕生日ね♪わぁ~楽しみだわ」
さっきまでが嘘のように楽しそうになったヒカリ。
「だろ?」
それを見てなんだか自分まで楽しい気持ちになるサトシだった。


ひとしきり和気藹々と話し合ったあとで、ふとサトシが冷静な指摘をした。
「でも、ヒカリの誕生日ってずいぶん先なんだよな…」
「そうね、だけどそんな先までずっと楽しみがあるなんて素敵じゃない?」
やわらかく微笑むヒカリ。
「それもそうだな」
笑顔で頷くサトシ。
「それにオレ、プレゼントなんてした事ないからさ
そのくらい時間があった方がいいかもな…ハハハ」
「サ~ト~シ!そんなに期待させると後が大変なんだからね!
もう遅いけど♪」
「ちょそんなつもりで言ったんじゃないよ、ヒカリ~」
「もう手遅れです~」
「だったらヒカリのだって期待しちゃうからな」
「望むところよ!」
「うへえ、やっぱり簡便してくれよ~」
「だーめーでーすーw」
わっはっはっはっは

こうして今日もまたサトシとヒカリの中睦まじい笑い声が
森の中に響き渡るのだった。

おわり。

暖かければそれでいい!?

サトシ、ヒカリ、タケシの三人は、とあるポケモンセンターで宿をとっていた。
いつものように三人で一部屋を借りている。
部屋には2段ベッドが2つあり、一方の下段にタケシとその上にサトシが寝て
もう一方の上段にヒカリが寝るというふうに使っていた。

年頃の男女が同じ部屋というのは無防備な感じもするが
サトシとヒカリは持ち前のニブさで特に気にしてはいなかった。

時刻は深夜、ヒカリは寒さで目を覚ました。
「うわっ寒いっ…」
「寒いけど…このまま寝たらきっと風邪をひくわね」
予想外に冷え込んでいることに気づいたヒカリは部屋の外の備品室に
分厚い毛布を取りに行くことにした。
ヒカリは2段ベッドのはしごをおりて部屋を出て行った。

ガチャリ

「んっ…なんだ…?」
ドアが閉まる音でタケシが目を覚ました。
「うわっ寒いなあ、ちょっとトイレへ行っとくか…」
タケシはせっかく目覚めたついでとばかりに部屋を出てトイレに向かった。

タケシと入れ違いでヒカリが戻ってきた。
「ええと、あたしのベッドはどっちだったかしら」
部屋の電気が消えているため、近寄らないとよく分からないのだ。
「こっち?」
まず先ほどまでタケシが寝ていた方のベッドに近づいて確認をした。
「うん、誰もいないってことはあたしのベッドってことよね」
タケシが出ていることを知らずヒカリは勘違いをしてしまった。
「よいしょっと」
まず毛布を丸めてべットの上段に押し込んだあと
自分もはしごをつかって上った。
「ふぁぁ~これでやっと眠れるわ」
そう言って毛布を広げたとき、ようやくそこにサトシが寝ていることに気づいた。


(あちゃ~こっちはサトシのベッドだったのね…)
しまった~という顔をするヒカリ。
なんとなくもう一度サトシの寝顔を見ると、
サトシも薄い上掛け布団しかかけておらず寒そうにしていることに気づいた。
(サトシにも毛布を持ってきてあげないと風邪引いちゃうわよね…)
(う~ん…でももう動きたくないし…)
ヒカリは瞼が半分ふさがってきており、とても眠そうだった。
もう一度、重い毛布を運んで来る気力は無くなっているようだ。

「そうら~あたしがここで寝れば毛布は足りるし、もう動かなくて済むじゃない…
さすがあたし、だいじょーぶ…」
そう決めるとヒカリは毛布をサトシにかぶせた後
自分もサトシの隣に潜り込んだ。
布団から出ていて冷え切ったヒカリにはサトシの体温が心地よかった。
(やっぱり名案だったわ~)
そう思ったのを最後にヒカリはすやすやと眠りに付いた。

──翌朝──

タケシが一番に目を覚ました。
「おーい、サトシー朝だぞ~」
いつものようにタケシがサトシを起こすために
はしごを上りサトシのベッドを覗き込んだ…

「ほぅぁぁぁぁぁぇ!?」

タケシは声にならない叫びを上げて固まった。
ベッドではサトシとヒカリが仲良くくっついて眠っていたのだ。
タケシの叫びは殆ど声にならなかったためサトシたちはまだ目を覚まさない。

その時、固まっていたタケシがバランスを崩し、梯子から落下した。
「「ド ッ シ ー ン!!」」
大きな音にサトシとヒカリは目を覚ました。


「ふぁぁぁ…?」
「んん…?」
お互い普通に起きようとしたが隣に暖かい感触があることに気づいた。
首を動かして目と目を合わせる二人。
「ヒカリ!?なんでここに?」
「サトシ!?なんでっ?」
驚きはしたものの布団の外が寒いので飛び出したりはしていない。

「ああ思い出した、昨日の夜あたしがサトシに毛布をかけてあげたのよ
それで面倒だからここで寝ちゃったってわけなの」
「なんだ、そうだったのか~ビックリしたぜ…」
そう言ってお互い納得してしまえるニブいにも程がある二人だった。

「なんか暖かいしもう一眠りしたいなあ…」
「そうね~あと10分くらいいいわよね…」
そう言ってサトシとヒカリはそのまま仲良く二度寝をはじめた。

タケシは固まったまま一部始終を聞いていたが、既に突っ込む気力を失っており
しばらくそのままのポーズで呆れていたのだった。


おわり。

昼下がりの情景

一発ネタだけど投稿。

港から潮風が吹き込んでくるミオシティの空はぬけるように青く、秋の穏やかな日差しが射していた。
そんな情景が広がるミオシティはコトブキシティの西にある。
広さで言えばコトブキシティには劣るが港町のため船が行き交い、シンオウで一番大きい図書館がある。
ジム戦の為にここに来たサトシとヒカリ、タケシだったが、道中ナオシと会って同行し、ここの事を聞いたのだ。
とはいっても、サトシは元よりあまり本を読まない。
最初こそポケモンにまつわる昔話をヒカリと二人で読んでいたものの、
しばらくするとトレーニングにいってくると外に行ってしまった。
ヒカリはなんとなく、それが面白くなかったのか少し不機嫌だ。
一冊の本をあーだこーだといいながら読んでいくのは楽しいもので、
トレーナーとコーディネーターの考え方の違いも出てきて参考になったりする会話もある。
一緒に読む相手ならタケシやナオシでもいいかもしれないが、何かそれは違う気がする。
自分が求めているのとは少し違う気がすると、ヒカリは首を横に振った。
「やっぱりサトシじゃないとなぁ・・・。」
本を片手に、いろいろ考える。
トレーニングの邪魔はしたくないが、やっぱりここは付き合ってほしい感情もある。
「とりあえず、サトシのトレーニングを見ながら読めばいいか!うん!大丈夫!」
なにやら一人で納得して大きくうなずき、本を3冊ほど借りて外へ出て行くヒカリの様子に、タケシとナオシは思わず顔をあわせた。


「うーん・・・」
サトシは唸った。
トレーニングにいくといって外に出た矢先、いい場所が見つからない。
港町としてできた町のミオシティには、トレーニングできるような広い場所がない。
唯一、ちょっとした広場があるがあそこは地元の子供たちの遊び場のようで、トレーニングをしたら迷惑になるのは目に見えていた。
「かといって戻るのもなぁ・・・」
本を読むのが嫌いなわけではない。
始めこそ内容を面白く感じたのだが、二人で一緒の本を見ていた所為だろうか?
肩が触れたときに少し意識してしまった。
なんとなくそれからヒカリとの距離を気にしてしまい、本に集中できなかったのだ。
今は落ち着いているが、あれはなんだったのだろう。
とにかく、トレーニングをするという名目で出てきた以上は、のこのこ帰っていられない。
しかし場所がないのではそれもできない。
仕方なくサトシは、広場の南の大地にある木にもたれかかった。
穏やかな風が雲を動かしていく、ピカチュウはいつの間にか隣で眠りこけていて、可愛らしい寝息を立てていた。
すこしまぶたが重たい、眠ってしまおうかと思った矢先だった
「あ!サトシ!」
聞きなれた声がどこからかかかって、サトシはぎょっとして辺りを見回した。
「ヒカリ!」
「トレーニングするんじゃなかったの?」
駆け寄ってきたヒカリに、サトシは苦笑しながら
「トレーニングの場所がなくてさ・・・」
と答える。
ヒカリはそれを聞くなり
「そうだったんだ」
と言いながらヒカリはピカチュウの反対隣に腰掛けた。
再び、サトシとの距離が近くなる。
「なんかうれしそうにしてないか?」
「え?そう?」
言われてみればそうかもしれない。
サトシには悪いが、相手をしてもらえるチャンスだから。
ヒカリは借りてきた本の中から一冊を選ぶと、それを開いた。


「何の本だ?」
「ん?これ?相性占い!」
とたん、ヒカリの顔がぱっと輝いた。
女の子は占いがすきと聞いたことがあるが、ヒカリもそうなのだろう。
早く読みたいと手と目がかたっている。
「そういえば相性チェッカーってポケッチにあったけど、あれって人間同士でもできるのかな?」
サトシが思ったことをそのままにいった。
「そういえば・・・」
相性チェッカーはポケモンにしか使ったことがない。
人間にやったらどうなるんだろう。
「やってみようぜ」
「うん」
ポケッチの相性チェッカーのアプリを起動して、サトシに向ける。
画面のハートは・・・・

「・・・。」
「・・・小さいな・・・。」
一番最初にポッチャマに使ったときくらいのハートしかない。
「ま、まあこれポケモン用だし、それにあくまで占いみたいなものだし・・・」
「そ、そうよね、大丈夫、大丈夫・・・。」
言い聞かせるように、今度は人間用の相性占いが乗っている本を開いた。
当てはまる条件のページを、少し緊張しながら開いた。
「「・・・」」
二人で覗き込む。
「96パーセント・・・」
「あたしとサトシって相性いいのね・・・。」
二人はこの占いを完全に信じきった様子で、ページをめくっていった。
案外当てはまるかも・・、ということがいろいろ書いてある。
なんとなくそんな気になるだけだといってしまえばそれでおしまいなのだが、それでもちょっとこの結果はうれしい。


――――――

どれくらいたっただろうか。
サトシは、ヒカリがめくったページを覗き込むことすら厄介になっていた。
その要因は眠気だ。
ヒカリとまた肩を並べてあーだこーだといいながら本を読んでいたのだが、
ヒカリやピカチュウの体温で再び程よく眠気が誘われてしまってうとうとしている。
外で寝たら風邪を引くかもしれないと眠らないようにがんばっていたサトシだったが、
結局サトシは眠気に負けてしまい、いつの間にか眠ってしまった。
「―サトシ?」
隣から反応がなくなったことに疑問を持ったヒカリが、横目でサトシを見る。
すると隣では、サトシが気持ちよさそうに眠っていた。
せっかく一緒に本を読んでいたのに、とため息をついてしまうヒカリだったが、サトシを見ていると文句もなくなってしまった。
髪は硬そうでぼさぼさだが、結構顔立ちは整っているように思う。
ヒカリは、一生懸命さの中にちょっとした子供っぽさがあるサトシが気に入っていた。
その性格に、一生懸命さに何度も励まされたし、勇気をもらったものだ。
心強い仲間―では済まされないような感情があることを自覚しているが、それがなんであるかまったく検討がつかない。
ただ、一緒にいると安心できるというのは本音で、そばにいないと不安だったりするのだ。
だから・・・というわけではないが、ポケモンセンターでは一緒にテレビを見るし、こうして一緒に本を読む。
ポケモンのパートナーはポッチャマだが、人間のそれはサトシなのかもしれない。
相手がどう思っているかは分からないが、少なくともヒカリにとってはそうだった。


「あ・・・」
木の幹から、サトシの体がずれて反対側へ倒れそうになる。
ヒカリはあわててそれを支えると、自分ごと引き倒した。
あのまま地面と激突させるのはあまりにもかわいそうだ、
と自分よりも重たいサトシを無理やり引っ張り上げたら一緒にヒカリまで倒れてしまう。
「・・・」
それでもなおサトシは眠っている。
よほど気持ちいのだろうか、寝顔は穏やかで、倒れた拍子に起きる様子は見られなかった。
ヒカリは自分自身の体をどうにか起こすと、膝の上にサトシの頭を置いた。
さすがに元のように戻すのは難しい。少しくすぐったいような気もしたが、別に問題ないだろうと気に留めなかった。
「ふぅ・・・」
少し疲れた。
サトシの体を引っ張ったりした所為だろうか?
なんとなく体が重たい。
ずるずると泥に入り込むような感覚。
さすがにここで寝てはまずい、そう思いながらもヒカリが夢の世界に入るのにさほど時間は必要なかった。

日も暮れなずんで、ヤミカラスがちらほら出てき始めた頃だった。
あまりにも帰りが遅いサトシとヒカリを探しに来たタケシとナオシは、木にもたれかかって眠る二人を見つけるなり面食らった。
「あんなところで寝たら風邪引くぞ・・・」
タケシが起こそうと、そばへよる
「待ってください、こんなにも気持ちよさそうに眠っているのですからしばらくはそっとしておいて上げましょう」
そういうなりナオシは、どこからともかくタオルケットを取り出した。
ずいぶんと大きい。
タケシは少し難しい表情を浮かべたが、すぐに納得するとそれをサトシとヒカリにかけた。
といっても、サトシは顔にまでかかってしまうのでずいぶんと中途半端なものではある。
「私たちも、特に用事はありませんしここで寝ましょう」
街中の星も乙なものですよ。とにっこりと笑うナオシは懐からことを取り出すと、優しい音色をかなで始めた。
サトシとヒカリが起きるそのときまで。

一緒。

久々に作品投下。第二作目です。宜しく

「なあ、タケシ あとどれ位で町に着くんだ?」
歩きつかれたサトシはタケシに聞く
「もう少しだよ。サトシ」

それに応えるタケシ。
「そういえば、もう直ぐ着く町ってたしか・・・」
そこに割って入ってくるタケシ
「ビトータウン、別名トレーナータウン。トレーナーやコーディネーターが集まることで有名。」
「へえ・・タケシ詳しいなあ。」
サトシは純粋に関心する。
「まあな。ここではいろんな情報が集まる町だ。四天王やジムリーダーや実力者の名がしれていたら、ファンがいることは間違いない!」
「ということは?」
サトシは疑問を投げかける。
「つまり・・・自分のファン、いや俺のお嫁になってもイイって娘がいても・・・ムフフ」
締りの無い顔して鼻を伸ばすタケシにサトシとヒカリはあきれていた。
「でもタケシって元ジムリーダーじゃ・・」
ヒカリが疑問に思ったことを口にする。
「しまったあああああああ!」
後ろでは何時ものようにグレッグルが毒突き体制に入っていた。

そうこうしているうちにビタータウンに到着する。
とても町並みが綺麗で、町のいたる所に花壇や水路などが彩り、まるで町が虹のような雰囲気をもたせている
「ぴか?」
足元にはシッポが少し分けてあるピカチュウがサトシの目の前に現れた。どうやら
メスのピカチュウらしい。そのピカチュウはサトシのピカチュウに気づき
「ぴかぴかちゅう♪」
と声を掛けてくる。
「どうやら、サトシのピカチュウに好意をもっているようだな。」
「でも、どうしたのかしら?このピカチュウ?」
「野生・・・でもなさそうだしなあ・・・。」
サトシ、ヒカリとタケシが問答している間に一人の女性がやってくる
「まってー!!ピピルっー!」

「貴方のピカチュウなんですか?」
ヒカリはその女性に話しかける。
「ええ、私はこの町でポケモントレーナーやっているの。それでこのピカチュウは私のパートナーなの」
「へぇ、俺と一緒だ。」
サトシはすぐさまに反応する。
「あれ・・・どこかで・・・」
女性はどっかで見たことがあるような感じでサトシを見る。


「ああ、俺はマサラタウンのサトシ、こっちは相棒のピカチュウ。」
「私はヒカリ、宜しくね。」
「自分はタケシといいまーす。」

その自己紹介で女性の目は輝く
「ええ!?あのポケモントレーナーのサトシさん????」
その勢いでたじろくサトシ
さらにその勢いに便乗してサトシの手を掴む。
「わたし、あああああ、あのカントーのリーグをTV観戦していて、そのファンになっちゃって・・・」
自分自身でも何を喋っているのか分からない状態になっている彼女にヒカリは
「あのう・・・名前は・・・・?」

「あ、ごめんなさい。私の名はライネってゆうの宜しく。」

「あのさ・・・俺のことしっているの?」
サトシはなんで自分をしっているのか疑問を投げかける。
「知っていますよ♪ 最近じゃ、ポケモン界のルーキーと呼ばれる位ですし」
ライネはサトシの今までの戦歴を並べるように話す。
タケシとサトシはこれまでの旅を思い出しながら聞き入っていた。

しかしヒカリは、
「そうなんだ・・・。」
改めてサトシを見直してみるヒカリ。
よく見てみれば、落ち着いた雰囲気やポケモンの扱いは自分よりは数段上であることは明確だった。

「実は私のピカチュウを見て欲しいんです。」
ライネはサトシに相談する。
「どうしたの?」
「『10万ボルト』がなかなか覚えれなくて・・困っていたんです。」

困り顔でライネはピピルをみる。ピピルも困った顔をしていて見事にシンクロしていた。
ピカチュウはサトシの肩から降りると
「ピカピカピピチュウ!」
元気をだせよというような感じで声をかけて来る。
ピピルは直ぐに喜び、ピカチュウに抱きついてくる。そこへ
ヒカリのモンスターボールからミミロルが真っ先にピカチュウにやってくる

「ミミ!ミミ!ミ!ミ!」
どうやら(ピカチュウは渡さないわよ・・・)の雰囲気でピピルを睨みつける。
ピピルは怖くなりライネの後ろに隠れる。
「こらあ!ミミロル!喧嘩しちゃ駄目!」

少し複雑な気持ちを隠すようにヒカリはミミロルを叱る。
なんだか、針が心をちくちくするように痛い。それがどんな気持ちなのかは自分でもよく分からない。
とりあえず、ミミロルを叱ることで自分の気持ちを落ち着かせていた。


4人はポケモンセンターに移動し、ポケモン達の回復した後
早速ライネのピピルの特訓を始めた。

「ピカピカチュチュウ!」
「ピカチュウはまるで自分に弟子が出来たような気分で、ピピルの面倒をよく見る
「ライネ!10万ボルトって指示してごらん。」
「は、はい!ピピル!10万ボルト!」
ピピルの10万ボルトは、でそうで出ない。それどころか電気はサトシに直撃する。
「うわわわああああああああ!」
「あ、サトシさん!こらピピル!ストップ!」
ライネの声で電気が止まる。

「大丈夫・・・電気には慣れているから・・・でも、これは10万ボルトじゃないよ。電気ショックだね。」
ピカチュウもピピルに大丈夫と声をかける。
ライネはサトシの手をとり、起き上げさせる。
それをなんどか繰り返した後、7回目でようやくカタチになってきた
「いい感じじゃないか。ピカチュウもサトシとライネも」
とタケシ。

そんな様子をみると自分も鍛えなくちゃと思うようになり
「別の場所でポッチャマの特訓をするわ。」
とその場をでるヒカリであった。
一人ぼっちでやる特訓は何だか寂しい。
何時もならサトシが特訓を手伝ってくれるし、気にかけてくれる。
自分が間違っていたらサトシが指摘してくれる。でも今はサトシは居ない。
ポッチャマに渦潮とバブル光線、つつくのコンビネーションをある程度仕上げてから元の場所に戻る。


するとサトシ達は特訓の一休みに昼食をとっていた。
「どうしたんだ?ヒカリ?食事の時間になっても来ないから心配したぞ」
タケシはヒカリに気をかける。
「別に・・・・・ポッチャマの特訓が終わったから来ただけ。」
そっけなく話すヒカリ。
「何だよ、どうせするなら一緒にやろうぜ!」
サトシは何時ものように誘う。
「いいでしょ?いつもやっているんだから。たまにはいいでしょ。」
「どうしたんだよ?どうして怒っているんだ?」
「怒っていません。」
「怒ってる!」
「怒ってない!」
口調が段々激しくなり、最終的に喧嘩に発展していく
「いいよ!俺、ライネと一緒に特訓するから」
とサトシはライネの手を握り、特訓する荒野に移動する。

「いいんですか?ヒカリさんを置いて・・・・」
ライネは二人の雰囲気を察し、サトシに声をかける。
「いいんだよ!あんな奴・・・」
サトシは怒りが混じった声で、早歩きで移動する。

一方、町をぶらぶらと歩いているヒカリは考え事をしていた。
そこへヒカリを呼ぶ声。

「へ!?」
どっかで聞いたことがある声。少し落ち着いた優しい声。
その声の主はノゾミであった。

「ヒカリもここに来ていたんだ。」
「ノゾミ!どうしてここへ?」
「いやあね、コンテストの情報収集さ。ついでにニャルマーに似合う新しいシールとか、
新しい服とか・・・・そういえばサトシとタケシは?? いつもそのメンバーで旅していたジャン。」

ヒカリは突然泣き出した。

突然のことでノゾミは大慌てでヒカリを宥める。
「・・・・・ヒック・・・・・ぐすん・・・。」
「落ち着いた?」
「私ね・・・なんだか、変なんだ。自分の気持ちがなんだかよく分からなくって。」
ヒカリは今まであったことを話す。

「へえ・・・・そんなことがねえ・・・」
「どう?ノゾミ」
「ううん・・・おかしくないよ。きっと大丈夫。どうするの?」
「私・・・一人旅しようかなって思って・・・。」
ヒカリは胸の内をノゾミに話す。


一方サトシの方はピピルの10万ボルトを修得の仕上げにかかっていた。

「凄いですね。サトシ先輩。」
ライネはいつの間にかサトシを先輩付けして呼んでいた。
「ピピルが、強くなって嬉しいです。」
「へへ・・・いつもピカチュウと一緒に特訓していたもんなー ピカチュウ」
「ピカ ピカチュウウ!
ピピルは10万ボルトを覚えたことをピカチュウにお礼を言っていた。
少し照れた顔しながら、ピカチュウは満足していた。それと同時になんだかサトシの表情が浮かない顔をしていたのも
ピカチュウは気づいた。
「ピカピ・・・。」
きっとヒカリがいないからだ。いつもなら、ヒカリがいて僕たちを応援しているヒカリがいないからだ・・・
そう思ったピカチュウはサトシとタケシ、ライネの3人を後にし
ヒカリを探しに行った。

「ピカチー!!ピカチー!!」
ピカチュウは小さいからだでヒカリを懸命に探す。丁度ヒカリとノゾミが会い、
会話をしていたのに気づいたピカチュウは二人の会話を聞いていた。
人の言葉は分かるけど・・・・人の気持ちはよく分からない。
人間がポケモンの声は分かるけど、ポケモンの気持ちはよく分からないようなものだろうか

ただ、ヒカリが僕たちからいなくなるということだけ理解できた。

どうして?サトシが他の女の子と仲良くしたから?
どうしたの?ねえ?

ピカチュウは少し元気をなくしながらサトシの元に戻る。
「どこへいっていたんだよ?ピカチュウ?」


ヒカリ達の一部始終を覗いていたロケット団。ムサシは苛立っていた。
「どうしたんだ?ムサシ?」
コジロウはムサシの様子を伺っていた。

「あ~どうしてもっと素直にならないのよぉ!もうじれったいわね!」
ムサシはコンテスト用の衣装に着替え、ヒカリとノゾミの所へ行く
「お、おい!ムサシ??」

「ちょっと、そこのアナタ。」
「・・・私ですか?」
「そうよ。いい子ぶるのもいい加減にしなさい。」
「なによ・・・突然湧いて出てきて・・・」
ヒカリは少しシャクにきてた。

「私は、素直になれない子を見ていると、なんだか昔の私を思い出すわ。
自分の気持ちに気づけなくて、それで勝手に行動して、相手を傷つけて、自分の気持ちを誤魔化している。
まあ、アナタが何をしようとも私には関係ないですもの。でもこれだけ言わせて貰うわ。じゃね。」

そういうとムサシは退散していった。
なんなんだ・・・と吃驚したノゾミはヒカリに声をかける。
でも言っていることは正しい。ノゾミもムサシの意見に賛成だった。
「さっきの人の言うとおりだと私も思うよ・・」
「ノゾミもそんな事いうの?」
ヒカリはポッチャマを抱え、走っていった。

「・・・・・・・・・ヒカリ・・・。」
ノゾミは心配そうに奥の林に消えていくヒカリをただ見ているだけだった。


ライネはサトシのピカチュウとバトルすることになり
影分身や電光石火、そして覚えたての10万ボルトをやってみることにした
勝つことは出来なかったもの、やってみる価値は大きかった。
「私、サトシ先輩をマネしてピカチュウを育ててみました。でも・・これからは
自分なりのピカチュウを育ててみたいと思います!」

「それがいいよ!」
サトシはライネの決意に同意する。
「私、旅にでます!」
「そっか、ライバルになるなぁ」
「でも、サトシさんって強いんですね。」
ライネはサトシに尊敬の眼差しを向ける。するとサトシは
「違うよ。俺が強いのは俺自身じゃない。仲間・・そうポケモン達がいる。ポケモン達が
俺を信じてくれる。仲間がいる。そして・・・応援してくれる人がいる・・・・
上手くいえないけどさ」

「そうですか・・・」
ライネはサトシの言葉に聞き入っていた。

どーん!
大きな爆音。
そこへ一目散とサトシは向かう。
やな予感がする。そんな気がしたからだ。

その先にはポッチャマを抱え、リングマから逃げ回っていたヒカリがいた。
どうやらあの林のテリトリーはリングマらしく、看板には
「リングマに注意!」の張り紙がしてあった。ノゾミがうかつにも入らなかったのは
リングマがいるということを知っていたからだ。ヒカリに勿論注意したのだったが
ヒカリの耳に一切入っていなかったことが原因だったのだ。

「あんの・・・バカ!」

サトシはヒカリのもとへ向かう。
リングマはヒカリに牙を向ける。
さっきの戦闘でパチリスもブイゼルも戦闘不能になってしまった。
おまけにミミロルはいうことを聞いてくれない。どうやらピカチュウと離れ離れになってしまったことに
戦意が無いようで、リングマに向けたトコで勝てるかどうかはNOだ。
ポッチャマもボロボロになってしまった。
しかしプライドが高く、根性高いポッチャマは戦おうとする。
無理だってことは分かる。
「駄目よ・・・・ポッチャマ・・」

目の前が真っ暗になる。
もう駄目なんだ。
もうサトシに会えないんだ。
もう仲直りできないんだ。
涙で一杯になっていたヒカリはかすれ声でサトシを何度も呼んでいた。


目の前にはサトシがいる。
「へ?」
「ヒカリ!しっかりしろ!」
リングマに向かって葉っぱカッターとスピードスターを発射し
難を逃れる二人。林を抜け、リングマから逃げ切り、ヒカリはサトシに
「ありがと・・・サトシ・・・」

「どうしたんだよ?あんなとこにいて」
サトシがいうのも最もだ。
「う、うん・・・・私、ライネにちょっと酷い気持ちになっていたの
なんだか私じゃないような気がして。それに私とだったらサトシと釣り合わないし・・・」
ヒカリは素直に自分の気持ちを話した。
「不安だったの・・・もし、このままライネと一緒に旅したら、私・・・・」

「・・・・・・。」
サトシは黙っていた。知らないうちにヒカリにそんな想いさせていた自分に少し落ち込んでいた
「ごめんな(ごめんね。」
二人の声が重なる。

「俺、ヒカリと旅したいよ。」
「サトシ・・・・。」
ヒカリはサトシの言葉に赤くなる。さっきまでの暗い気持ちが嘘みたいに
嬉しくなる。サトシは続ける。
「俺もヒカリと同じさ、ピカチュウに教えてもらわなきゃ、ヒカリの気持ちに気づけなかったんだから」
ピカチュウを見ながらサトシは微笑む。

「わ、私もサトシと旅したい!」
思いっきり、自分の気持ちをぶつけた。
よく考えると二人っきりで、体は密着というより肩と肩がぶつかっていた
同時に二人の心臓がバクバクと大きな音を立てている

ドクンドクン・・・

「サ・・サトシ・・・私・・・その・・・サトシのこと・・・」
「お・・・俺・・・・・その・・・あの・・・・」
なんだか何かのリミッターが切れたかのように二人は何かのスイッチが入っていた

そこへ
「おーい!大丈夫か!サトシ!ヒカリ!」
タケシの声で一目散に、二人は離れた。

翌日。
町から離れることになった一行はライネと別れを告げた。
ライネはありったけの笑顔でサトシとヒカリを出迎えた。
本当は泣きたかったけど、今は泣くべきじゃない。
そうライネは自分に言い聞かせ、元気に出迎えた。
今度会えたら、自分も気持ちを素直に出せるように。そう考えて


おまけ

その後。

「なあ、ヒカリ」
「なに?サトシ」
「手を出せよ。」
「どうしたの?突然?」
「いいから、」
サトシはヒカリの手を掴み、顔を赤くして
「一緒だからな。」
「・・・・・・・うん。」

長編になってしまった。前から暖めていたネタだったんだけど
文面にすると難しいことに気づきました。
原文はもっと心情面が多くて、削ったのもかなり多くて
皆様に満足できたかは疑問です。完全な自己満足なSSです。orz
連投申し訳ない。

今日の放送を見たら無性に書きたくなった。
今日の放送のネタばれあるかもですがご容赦ください。

にぎやかなヨスガの町明かりもだんだんと落とされていき、周辺は静かな眠りの時間が訪れようとしていた。
「はぁ・・・。」
ポケモンセンターの部屋のベランダの一角。
そこでヒカリが一つため息をつく。
濃い紫を幾重にも塗り重ねたような空に星が散らばり、ため息が吸い込まれていく感覚だけがわずかに残った。
正直、今日の敗戦はショックだった。
自信はあった。
ポケモンも心から信頼していた。
自分のベストを尽くしたつもりだった。
でも負けた。
(あたしのためじゃなくて、ポケモンのために、でしょ?)
ノゾミの言葉が胸に刺さる。
自分は過信していたのかもしれない。
そんな考えがいまだに胸中に渦巻いて、気持ち悪かった。
他の皆にはそれでも心配をかけたくなくて、悔しさと悲しさを隠しているつもりだが、ばれているのだろう。
だからこそ、ノゾミとの反省会の後もサトシとタケシはコンテストのことについて触れなかった。
「・・・」
自分の尊敬する母親に電話したとき、自分に頼ってはいけないといわれた。
そんな言葉も、ノゾミの言葉もぐるぐると頭の中で交差していって、サトシとタケシが慰めてくれても反発してしまった。

「・・・っ・・・ぅ・・・」

まったくいやになる。
ポケモンたちの力も、仲間の応援にも答えられなかった。
ヒカリはしばらく声を殺して泣いた。
涙と一緒にこの感情を流してしまえればいいのにと。
自然に瞼から落ちる雫を、とどまるまで拭う。
涙が止まった頃には、目が腫れぼったい感じがして、少し痛かった。


「・・・落ち着いたか?・・・」
不意に、隣に声が上がる。
影がわずかに重なり、その影の主がサトシだと認識するのには時間はかからなかった。
コンテストのことか、それともこの涙のことか。
それでも気を使ってくれていたんだろう、サトシはどこか躊躇しているようにも感じられた、
それでも声をかけてくれたのは、サトシが優しいからだろう。
誰からでも気に入られるような、そんな少年だ。
常に自分自身を、ポケモンたちを心から信頼し、考えることができる、
そんなサトシがうらやましく感じる、わずかに目に残っている涙が町に残った少ない明かりを虹色にしていく。
また涙が出そうになるのを必死にこらえながら、ヒカリはサトシの名前を振り絞った。
「サトシ・・・」
「・・・」
サトシは何も言わない。
ただ隣にたって、町を眺めている。
明かりももう僅かしか残っていない、殺風景な風景なのに。
「サトシはさ、徹底的に負けちゃったこととかあるの?」
サトシが負けるところは、何度か見ている。
それでもめげずに立ち向かっていく姿も何度も見ている。
長い長いたびの途中、自分が知らない間にサトシは何度も負けてきて、そのたびに立ち上がってきているはずだった。
でなければ、ここにはいない。
「そりゃそうさ、シゲルにもジムリーダーにも、フロンティアブレーンにも負けてきたよ。」
ヒカリは静かに、サトシの言葉を聴いていた。
シゲルとの戦い、ジムリーダーとの戦い、リーグでの戦い。
どれだけがんばっても負けることはある。
その途中、仲間と喧嘩をしたりもしたとサトシは言う。
まるで自分とヒカリを重ねるかのように。
「ジムとコンテストじゃ、やり方が違うかもしれないけどさ。もっと頼ってくれてもいいんだぜ?」
「うん・・・」
「また次に生かせばいいさ、俺だってそうやってここまで来たんだから。」
頬をなでる夜風が、冷たかった。


雲に隠れていた月が、再び顔を出す。
月明かりで目のはれた顔が見られてしまうかもしれない。
それでもかまわずに、ヒカリはサトシの目を見た。
「ありがとうね、サトシ」
サトシは答えなかったが、笑ってくれた。
それが嬉しくて、ヒカリも笑い返す。
「サトシも、いざとなったらあたしを頼ってね」
「ああ、もちろんさ!」
そうやってまた、夜空を二人で眺めた。
空気は冷えていたが、それでも心は温かみを取り戻していた。
心のもやもやとしたものが、晴れていく。
するとサトシがこちらを振り返り、さわやかに歯を輝かせる様子が見えた気がした
「なっ・・・!」
「・・・どうした?ヒカリ」
「な、なんでもない!大丈夫・・・」
なんだったのだろうか、今のは。
顔が上気しているのが分かる。夜じゃなかったらばれていたかもしれない。
そもそもサトシの歯は光ったりしない。
気のせいだ。そう自分に言い聞かせても顔はまだ熱を持っている。
サトシはよく分からないといった風で見つめていたが、しばらくすると
「さ、風邪引くし部屋に戻ろうぜ」
「あ、うん」
サトシはヒカリの手を引いた。
また少し、顔が熱くなる。
なんなのかは分からなかったが、悪い気はしない。
お互いの手は冷えていたが、暖かく安心できた。
「あ、サトシ」
「どうした?」
ヒカリが、手を離す。
すると彼女は手をゆっくりと上げた。
「あぁ・・」
サトシにもヒカリがやろうとしていることが伝わって、サトシも同じように手を上げる。
パンッ!
乾いた音が夜の空気を一瞬だけ割いた
ただなんとなく、そんなハイタッチでもいい。
お互いに頼れる仲間がいる、その証なのだから。

                 了

思いつきでアドリブ書きした所為で展開が変ですがご容赦を。

フルスロットルでGO?

>>362氏の前菜として俺が懲りずに二回目の投下をする。期待はしないでくれ

広大な大湿原のあるノモセシティを抜けたサトシたち一行は213番道路に差し掛かっていた。
辺りは草叢や木が生い茂っており空気がとてもおいしい。そんな道を進んでいると、二人の男女がなにやらビラを配っているようだった。
「何してるんだ?」
「何か配ってるみたいだけど…」
「ん!?あれは!!」
後姿で好みのタイプだとわかったのか、タケシはそう呟くといつものごとく凄まじい勢いで走り出す。
「お姉さーん!自分はタケシと申します!失礼ですがあなたのお名前をお伺いしたい」
茶色のポニーテールを揺らしながら女性が驚いた様子で振り返り答えた
「へっ?ユイですけど…」
「ああユイさん、あなたのその美しい姿に、自分は心を打ち抜かれました!。これから自分と一緒に愛と書かれたビラを配りま―っ!?シビレビレ~…」
そのままバタリとタケシは崩れ落ちた。見ると、いつの間に出てきたのかグレッグルがタケシを引きずって何処かへ引きずっていってしまった…。
「えっと…」
ユイはどうしたらいいのか目をパチクリしながら言葉を失っている。
「いつものことだから気にしないでください」
そうタケシに少し遅れてきたヒカリが苦笑いしながら言う、何を配っているか興味を持ったサトシが
「ところで何を配っていたんですか?」
と聞いた。ぱっと笑顔を作りながらユイは
「ああこれ?実はこの先の海岸で水上バイクのレースをやるのよ、賞品はなんとリゾートホテル無料宿泊券!どう?参加してみない?」
そういったのだ。その言葉に真っ先に反応したのはヒカリだった。


「ええ!?リゾートホテルってあのシンオウでも屈指の人気があるあのグランドレイク!?ねえサトシ、せっかくだから参加してみようよ~」
そう目を輝かせてヒカリが言った。無論賞品が目当てであろう。そんな事とは露知らずサトシは
「確かに面白そうだな、よし!やってみるか!」
とやる気なった、その答えを聞いてヒカリが嬉しそうに
「うん、頑張りましょ♪」
そう返し、早速説明を受けようとする。しかし、いつのまにか復活したタケシがわって入り
「ユイさん!水上バイクに乗って自分と共に愛を語りながら地平線のかなたまで―いっ!?」
再びグレッグルの毒突きを食らって引きずられていったのはいうまでもない…。
そのやり取りを無言で見送った後、ユイは忘れてたとばかりに
「…そうそう!ルールはそこにいる彼に聞いてね」
と隣にいた男を指差した。指差された彼は何もしゃべらず黙っているものだからユイが促す
「ほらっ早く早く」
「では…ルールを説明する」
そういうと彼は二人にビラを渡してから説明を始めた。


「ルールは三人で1チームとし、そこに書かれているコースを通っていく。チームの中で最も早かった者の成績がチームの順位となる。なおレース中ポケモンの所持は認められない」
「え!?どうしてですか?」
サトシの問いに対して答えたのは彼ではなくユイだった
「実は前の大会でね、ポケモンを使った不正行為があったのよ。だから使用禁止なっちゃったってワケ。ポケモンは私達が責任を持って預かるから心配しないでね」
「わかりました、じゃあピカチュウたちをお願いします」
「お願いしま~す」
二人はそれぞれの手持ちと痺れてまだ動けないタケシの手持ちをユイに渡した。
「ピカチュウ、みんなを頼むぜ」
「ポッチャマ、ピカチュウと一緒にみんなを世話してね」
ピカチュウは頷き、ポッチャマは任せておけといわんばかりに胸を張る。
「頼んだわよ。ってタケシ早くたってよー、私早く行きたいの~」
ヒカリは急かすがタケシは動かず
「う…動けん…」
と倒れながらいった。その様子見て
「しょうがないなぁ、ほら肩貸すぜ」
「私も肩貸すから捕まって」
「す…すまない…ていうか俺も出るのか?」
「三人一チームだから当たり前でしょ?」
「頼りにしてるぜ!」
二人はタケシに肩を貸しながらそんな会話をし、海岸まで歩いて行った。

「あの男、見たところ負傷してるみたいだが大丈夫なのか?」
「あの子達曰くいつもの事らしいからいいんじゃない?それよりもう時間だからコースの準備に行くわよ」
「…了解」
そう軽く会話し、ユイと男はサトシ達とは違う方向に小走りいった。


海岸につくと沢山の参加者が既に準備をしスタートの時を待っていた。
サトシ達は先ほど貰ったビラに書かれている【緑色の6番、12番、18番】と書かれているバイクを探す、そしてバイクを見つけたがそれぞれ離れておいてあることに気づいた。
「どうやらスタートがそれぞれ離れて行われるらしいな」
「そうみたいだな、燃えてきたぜ!」
そう意気込み、やる気満々でバイクに乗り込もうとするサトシとは打って変わって
「(なんか変な感じだな…)」
とヒカリはなぜかそんな気持ちになっていた。今までずっと一緒だったサトシたちと離れてしまうことが原因かもしれない。
だがルール上仕方のないことだ。
「(大丈夫…大丈夫…)」
目を閉じ、そう自分に言い聞かせる。
「大丈夫か?ヒカリ?具合が悪いんだったらやめておいたほうがいいぜ?」
ヒカリの異変にいち早く気づいたサトシが心配そうに問いかける。
「えっ!?うん…大丈夫、大丈夫」
「それならいいんだけど…」
サトシはヒカリのことを気にしつつバイクに乗り込んだ。ヒカリも自分のバイクに乗り込む。
ヒカリは大丈夫といったものの違和感が治まることはなかった。
「(今はレースに集中しなきゃ)」
そうこうしてるうちにいつからそこにいたかも判らない司会がマイクを振りかざし
「さあ、そろそろレースのはじまりだー!みんな準備はいいかー?それじゃ行くぞー!!!」
それから数秒待って旗が振られ、その瞬間一斉にサトシ達含む参加者たちがスタートした。


波打ち際に近いところを沢山の水上バイクが走っていき、いたるところで水しぶきがあがり服をぬらす。
「くっ運転しにくいな」
そうサトシは悪戦苦闘しながらなんとか運転していた。スタート時はヒカリ達がどこにいるかが大体わかってたが、今では周りのバイクの引き起こす波で横転しないよう運転するのがいっぱいで気にかける余裕がなかった。
現在位置は恐らく中盤より後ろ辺りだろう。
「みんな大丈夫かな」
そう呟いた後、矢印が沖に向いた看板を見つけハンドルを切っていった。
ヒカリはというと無言のままとても的確にバイクを運転していた。周りにほとんどバイクがいないことと後ろから聞こえるエンジン音から、結構上位にいることだということが判る。
「(なんかつまんないな…)」
はじめは賞品目当てで参加した大会でもちろん楽しみだっただが、それはサトシ達と共に行くから楽しいのであって今の状況はけっして決してそうはいえない。
そんな気持ちのまま運転していると前方に最初にビラを配っていた女性―ユイがラプラスに乗ってたたずんでいた。
隣にはカメックス、ジュゴン、アズマオウがいる。
「ユイさん!?どうしてここに?」
「フフッそう簡単にゴールさせるワケにはいかないの、みんな!ハイドロポンプよ!!」
そう命じられたポケモンたちは一斉に激しい水圧の大砲を繰り出す。
「キャアッ!?」
「ほらほら~頑張らないと先には進めないわよ~」
ユイはそういうと他の参加者にもハイドロポンプを打ち出すように命じる。すでに何人かは命中してリタイヤしていた。
「(ま、負けてたまるもんですか!)」
ヒカリは迫り来るハイドロポンプを寸でのところでかいくぐり、見事難関を突破することに成功した。
「(あちゃ~突破されちゃった…)」
ユイは頭の中でそう思いつつ次から次へと来る参加者にハイドロポンプをかます。他にも何人かは突破して行ったようだ
そして後から来たサトシがこれを突破するのに多少時間がかかってしまったのは言うまでもない。


「びしょ濡れだぜ…」
ヒカリに遅れてサトシも何とか突破してきたものの、一発貰いびしょ濡れになっていた。
それでもリタイアしなかったのはさすがサトシといえるだろう。
スタートした当初とは違い、だいぶ静かになっていた。おそらくハイドロポンプを食らってリタイアしたのだろう。
その後もサトシはなにやら複雑に敷居のある曲がりくねったコースを進み、突然飛び出してきた大量のハリーセンを避けつつ順調に前に進んでいった。
それよりも前方でヒカリはなんとトップ快走中であった、このまま行けば優勝もできるだろう。
「(このまま行けば私の勝ちね、リゾートホテルはもらったわ)」
そう勝利を確信した矢先、バイクのスピードがどんどん落ちていき、遂には止まってしまった。
「ちょっとちょっと!どうしちゃったの!?」
なんとか動かそうと試みても眠ったカビゴンのようにバイクはピクリとも動こうとしない。
そのうち後ろにいた参加者達が次々とヒカリを抜いていった。その中にタケシの姿を確認し何とかしてもらおうと声をあげたが、無情にも声はエンジン音にかき消され、姿も他の参加者に埋もれてタケシが気づくことはなかった。
「もう最悪ッ!は~あ…」
大きく溜め息をつき、あきらめかけていたヒカリだったが最高の朗報が訪れるのに時間はかからなかった。
「おーい!ヒカリー!どうしたんだよ?」
サトシだ。
「サトシ!よかった!実はバイクが動かなくなっちゃったの」
「そうなのか…よし!じゃあ俺のバイクに乗って一緒に行こうぜ!」
「でもいいのかな?ルール違反なんじゃ…」
「大丈夫だって!二人乗りしちゃいけないなんて書いてなかったしさ」
「…そうよね!多分大丈夫よね!」
―そして―
「しっかり掴まってろよ!」
「うん!」
サトシは可能な限りスロットルを回し、全開でスタートした。


人が二人乗っているのにもかかわらず、バイクは疾風のごとく走っていき参加者達をゴボウ抜きにしていった。途中抜かれた者の一人は
「なんであんなにはやいんだよ…ありえないだろ」
そう口から漏らしていた。
最終コーナーを曲がり、スタートした時のような波打ち際を走っている時、巻き上げる水しぶきが海岸にいた一人のトレーナーにかかってしまった。
「わりぃ!!」
「ごめんなさーい!!」
「な、何だってんだよー!!!」
そう傾きかけた日の下、三つの声が響き渡った。
そしてついにスタート地点でありゴールが見えてきた。やっとついた、そう二人は確信すると同時におかしなことに気づいた。なにやらピンク色の液体で汚れたバイクと参加者達が沢山海に落ちていたのだ。
「なんなんだ…あれ?」
「さ、さあ…」
言い知れぬ不安が二人を襲う。しかしその答えは案外すぐ近くにあった。彼だ。あの時ユイと一緒にいたあの男がバズーカのようなものを持って海岸からこちらを狙っている。
「ターゲット確認…攻撃開始」
そう呟くと同時に引き金を引き、ピンクのねばねばしてそうな球体を発射した。
「右よっサトシ避けて!」
「おうっ!」
ヒカリの指示を受けて回避するサトシのコンビネーションは見事で一発もかすることなくヒラリヒラリと球体を避けていった。
「…ちっ」
彼はそう舌打ちするとバズーカをその場に置き、今度はガトリングガンのようなものを取り出し再び打ち始めた。弾速は速くどんどんバイクに迫ってくる。
「サトシもっとスピード上げて!」
「もう全開だって!!」
それから二、三発球体が二人に命中したところで弾は飛んでこなくなった。どうやら射程外まで逃げ切ったらしい。
「(ターゲットロスト…やるな)」
彼はそう二人に感心しつつ次の獲物に標準を合わせるのだった。


バイクが始まりであり終わりの場所を通る。
「ゴーーーーール!!!!なんと予想外の二人乗りでのチェッカー!しかし残念ながら順位はおしくも4位!。だが大健闘のレースだったぞ!!」
実況と盛大な歓声が二人を迎える。
「ゴールだぜヒカリ!」
「やったねサトシ!でも…一位になれなかったね…」
「そんなのいいじゃんか、俺ヒカリと一緒ですごく楽しかったぜ!!」
「サトシ…私もたのしかったよ!!」
その後他の参加者達も帰ってきて(といってもほとんどが水浸しだったり、粘々したピンクの液体まみれだったが)表彰式が始まろうとしていた。
ヒカリは表彰台にのぼっていく者達をを見ずに下を向き溜め息をついていた。
「おいヒカリ!あれ見ろよ!!」
「え?なに~」
どっと疲れたヒカリだれ気味に上を向き、それから言葉を失った。なんと最上段でトロフィーを掲げてるのはタケシではないか。タケシがこっちに気づき手を振る
「おーい!ふたりともー!」
「やったなタケシ!!」
「すごいじゃんタケシ!」
「ああ!俺やったぞ!」
こうして水上バイク大会は幕を閉じたのであった。


おまけ1
笑顔で会話してる三人を少し遠くで見ていた二人がいた
「あの子達、いいなぁ」
「何だ?ホテルに泊まりたかったのならお前も参加すればよかったじゃないか?」
「そうじゃないわよっこの馬鹿。さ~ていいもの見せてもらったし私達は旅にもどろっか?」
「(…よくわからんが、まあいいか)ああ」
こうして二人は誰にも気づかれないうちにその場を立ち去ったとさ。


おまけ2
ホテルグランドレイクの一室でサトシ達は先ほどの疲れを癒してた。
サトシとタケシは既に寝ていたがヒカリはまだ寝ておらず、今日抱いた思いについて考えていた。
「(なんだったんだろうなあれ)」
あれとはサトシに掴まっていたときに感じたことである。
楽しいとか、安心とはちょっと違う、【何か】。しかし考えても考えてもあるのは答えのないもやもやしたものだけで一向に解決しなかった。
「(考えてもしょうがないか、もう寝よ)」
床に就いたヒカリが深い眠りにつくのに時間はかからなかった。
そして三人共、朝起きるのが大分遅くなったのは言うまでもない―
~Fin~


あとがき
とりあえずやりたい放題やった。後悔はしてないが反省はしてる。
つーか進歩ねえな俺…orz

秋に・・・

サトシ、ヒカリ、タケシは旅を続けていた。
そして、街についた。
「ここは、なんて街なの、タケシ?」
とヒカリ。
「ここはモミジバタウン、秋に、紅葉やイチョウが綺麗な街なんだ」
「へえ~。」
「特に、ジバシリ山の紅葉は綺麗らしい。ちょうど今が綺麗な時期みたいだぞ。」
「そうなんだ、綺麗なんだろうな~。行ってみようよ、サトシ!」
「紅葉よりも、俺腹減ったよ。なあ、ピカチュウ。」
「ピカ~」
とピカチュウもうなずいた。
「もう、本当にサトシは食欲の秋ね。」
ヒカリは呆れた。と、ぐ~とヒカリのお腹がなった。
「なんだ、ヒカリも人の事言えないじゃないか。」とサトシ。
「だって、お昼ご飯まだ食べてないんだも~ん。ねえ、ポッチャマもお腹空いたでしょ?」
「ポチャ!」
「分かった、分かった」
とタケシ。
「この地図によると、この先に美味いお店があるみたいだぞ。ここは、今期間限定で秋の味覚
ランチを出してるらしい。」
「なんだか、美味しそう!」
「そうと決まれば行こうぜ!」

そして、場所は変わって、そのお店。
まだ、人で賑わっていた。席はいっぱいらしく、1人の先客が、順番を待っているようだった。
その先客はサトシとヒカリと同じぐらいの年頃の男の子だった。
「こんにちは、君達もこのお店の評判を聞いて来たのかい?」
と、声をかけてきた。
「はい、しかし、これほど人がいっぱいとは…」とタケシ。
「あ~、腹減ってるのに待ち時間長そうだな~」
「私、大丈夫じゃないかも」
その先客は、笑って言った。
「もう少しで席があくみたいだよ。
僕はタカヒロ。コンテストを巡ってリボンを集めてるんだ、グランドフェスティバルを目指して。」
「俺、サトシ。。」
「私はヒカリ、私も、コンテストを巡って、リボンを集めてるの。」
「自分はタケシ。」
自己紹介が終わったところで、店員が声をかけてきた。
「あの、4人で座れる席があいたんですけど、お客様方が一緒に座れば、みんな座れるんですが、
どうしますか?」
タカヒロは言った。
「せっかくみんな知り合ったんだ、一緒に食事しようよ」
誰も反対するものはいなかった。サトシとヒカリは空腹も限界だったので、そもそも反対する気力もなかった。


食事の時、ヒカリは同じ目標を持ってるタカヒロに興味津々だった。
「タカヒロはリボン何個集めたの?」
「僕は、2個なんだ。」
「すご~い、私、まだ1個なんだ…、ヨスガのコンテストでは一次落ちしちゃって…。」
「ヨスガは実力者が集まる大会だからな。ノゾミとナオシって人すごかった」
「ノゾミにはいろいろ助けてもらってるんだ、アドバイスして貰って、本当にノゾミには
感謝してる。ナオシさんとも知り合いなんだよ」
ヒカリとタカヒロの会話ははずみ、サトシとタケシは蚊帳の外であった。
「ヒカリ、楽しそうだな」とサトシ。
「同じ目標を持つ者同士、話が合うんだろう。」とタケシ。
「だろうな。美味いな飯。とにかく食おうぜ。」
「そうだな。」
ちょっと、サトシがちらちらとヒカリとタカヒロを気にしてる事にタケシは気づかなかった。
サトシは、ヒカリがタカヒロとの会話に夢中になってるのがなんだか面白くなかったが、何故
なのかは分からなかったので、とりあえず、目の前にある美味しい食事を食べる事に集中した。
「ヒカリと一緒に旅してるサトシも、リボンを集めてるのかい?」
「違うよ、サトシはジムを巡ってるの、ね、サトシ?」
「…うぐ!!!」
きゅうにヒカリに話しかけられて、ひたすら食べていたサトシは喉につまらせてしまった。
「ちょっと、大丈夫、サトシ?!」
ヒカリは驚いて、サトシの背中を叩いたり、さすったりした。
「ほら、水飲んで…」
とタケシがサトシに水を手渡して、サトシは飲んで、なんとか苦しさから開放された。
「はあ、死ぬかと思った…」
「もう、心配させないでよね!」
「わりい、わりい…」
そして、タカヒロが話しはじめた。
「サトシは、ジム回ってるのなら、バッジ何個集めたの?」
「2個。ヨスガのジムで3個目をゲットするつもりだったんだけど、留守だったんだ。」
「へえ…」
「でも、ジム戦やってたら、サトシはきっと、3個目ゲット出来てたと思うよ。
サトシ、今までだってちゃんとジム戦を勝ち抜いて来たんだから!」
とヒカリ。
「当たり前だ!ヒカリも次のコンテストでは絶対リボンをゲット出来るさ。」
「ありがとう、サトシ。そうだ!コンテストの事なんだけど、私、タカヒロと特訓する事にしたんだ。」
「え、特訓?」


「ヒカリがぜひ、特訓したいって言うから、僕も付き合う事にしたんだ。ヒカリの力になりたいと思ってね」
とタカヒロ。
「タカヒロってリボン2個だし、それに、話をしてると、知識もいっぱいみたいなの!」
とヒカリは嬉しそうに話した。
「君も一緒に特訓するかい、サトシ?」
「俺は良いよ…。ヒカリ、紅葉見に行くんじゃなかったのか?」
「そのつもりだったんだけど、予定変更して、紅葉は特訓の後!せっかくの機会だし!」
とヒカリはやる気満々である。
「サトシも、せっかくだから一緒に特訓しようよ!ジム戦に役に立つかもしれないよ?」
とヒカリの誘い。いつもなら、一緒に特訓しそうなものだが、今日は、何故かサトシはその気にならなかった。
なんだか、気分が乗らなかった。
「俺はいいって。」
「…サトシ?」
なんだか、いつもとちょっと違う雰囲気のサトシをヒカリは不思議に思った。
「ヒカリ、サトシがああ言ってるんだから、特訓は2人でやろう」
とタカヒロが言った。
「ちょっと、待って。タケシはどうするのか聞いてみないと…」
と、ヒカリがタケシの方を見ると、タケシは、席にいなかった。
「お姉さん~自分はタケシと…ぐあ…!」
美人な店員さんに言い寄ろうとしてグレッグルの制裁を受けていた。
ため息をついてヒカリは言った。
「じゃあ、私は特訓するから。タカヒロの話だと、ジバシリ山の近くにポケモンセンターがあるから、そこで待っててね。
特訓終わったらすぐ行くから!」
そういって、ヒカリとタカヒロは特訓に行った。サトシはそれを見送った。
「いっちゃったけど、ヒカリについて行かなくてよかったのか、サトシ?」
と早くも毒から回復したタケシが言った。


初めて書いたのですが、無駄に長くなってしまいそうです。
サトシにもヤキモチをやかせてみようと思ったのですが、なかなか
難しいです。


タケシは不思議に思った。いつものサトシなら、はりきってついていきそうなものなのに。
「別に良いだろ。それより、ジバシリ山近くのポケモンセンターに行こうぜ。」
なんだか面白くなさそうでイライラした雰囲気のサトシにピカチュウは心配そうにサトシを見た。
「ピカピ…。」
タケシは言った。
「そういえば、どこに特訓行くんだろう、サトシ聞いてないか?」
「いや、聞いてないけど」
「場所ぐらい一応聞いておいてくれよ…。特訓の後、紅葉を見に行くって言ってたのか、ヒカリは?」
「そう言ってたけど。」
「なら、なおさら聞いておかないと、日が暮れるまで特訓してたら紅葉見に行けないかもしれないぞ。」
「別に俺は見に行きたかった訳じゃないから、どうでもいいよ。そのときはそのときだ。」
「サトシ…(何か不機嫌だな…)ピカチュウ、サトシ何かあったのか?」
「ピ~カ~…」
不機嫌そうなサトシをタケシとピカチュウは心配そうに見つめた。

そうこうしているうちに、ポケモンセンターについた。
ジョーイをタケシはいつものように、手を握って、言い寄ったが、本日二度目のグレッグルの制裁にあった。
「あなた達も、ジバシリ山の紅葉を見に来たの?」
「はい、そうなんです。」
「ここの紅葉は本当に綺麗よ。ぜひ、見に行ってね。今は、時間があるから、私のオススメのルートを教えてあげるわ。」
とジョーイは地図を取り出して説明しはじめた。
「ジバシリ山に行くなら、日が暮れる前に帰ってこれる方が良いわ。往復する時間も考えて、後1時間ぐらいしたら出発した方が
いいんじゃないかしら。」
「そうですね。ちゃんとヒカリ達はそれまでにここに来るのかなあ…」
タケシは心配そうにつぶやいた。


一方、その頃、ヒカリはタカヒロと特訓に励んでいた。
「よし、ポッチャマも良い感じになってきたよ。」
「本当!ありがとう。これで次のコンテストは優勝よ!」
(サトシ、今頃どうしてるのかな…)
ヒカリはふと、サトシの事を思い出した。
(いつもと様子が変だったな…特訓だったらサトシも一緒に来ると思ったのに…。なんかいつもと違ってたな…)
「ヒカリ!ねえ、ヒカリったら。」
ヒカリは考え事をしていて、タカヒロの呼びかけに気づいていなかったのだ。
「特訓するなら集中しないとダメだよ、ヒカリ。」
「ごめん、特訓続けようか!」
それから、ヒカリ達はその後も特訓を続けた。時間もだいぶたった頃、突然、ヒカリが叫んだ。
「ああ~~~~!!」
その場にいた全員がヒカリの声に驚いた。
「ど、どうしたの、ヒカリ?」
「紅葉見に行く事、忘れてた!サトシ達待たせてるのに!タカヒロ、今日は特訓付き合ってくれてありがとう!
タカヒロのおかげで次のコンテストは大丈夫!じゃあ、私、ポケモンセンターに行くから、これ以上待たせたら悪いし。」
ヒカリは立ち去ろうとした。と、タカヒロは呼び止めた。
「待って、ヒカリ。」
「何?タカヒロ、私急いでるんだから、特訓続けすぎたら山に登れなくなっちゃうかも…」
「この近くにも、ジバシリ山に登れるルートがあって、こういうルートを取れば、サトシ達と合流出来るよ。
ちょっと遅くなっちゃったし、ここで合流した方が早いんじゃないかな。」
「なるほど~、でもどうやってサトシ達に知らせるの?」
「オニドリルに頼もう、ヒカリが手紙を書けば、ポケモンセンターまで届けてくれるよ。出て来い、オニドリル!」
「すご~い、これがタカヒロのオニドリルなんだ。」
ヒカリは手紙を書いて、オニドリルにしっかりと持たせた。
「よろしくね。」
オニドリルは飛び立っていった。


ポケモンセンターではサトシとタケシが、ヒカリを待ち続けていた、あれから1時間30分もたっていたのだ。
「ヒカリ遅いな~…。」とタケシ。
「紅葉が見たいって行ったくせに、いつまで特訓してるんだよ…」
サトシはイライラしながらつぶやいた。
そのとき、オニドリルがポケモンセンターに着いた。オニドリルは入り口につくとそこでじっと飛び続けた。
「あら、あのオニドリル、どうしたのかしら…。ポケモンセンターの前で飛んで…何か持ってるわ…。」
ジョーイが気づいて外に出た。オニドリルが持っている手紙に気づいて、それをサトシ達に手渡した。
その手紙はあのヒカリが書いた手紙で、別のルートから登って合流しようと言う事が書かれていた。
サトシのイライラはさらに増した。
「なんでタカヒロと一緒に、別ルートから行くのに、俺達が合流しなきゃならないんだよ!」
「まあ、こんな時間だからそっちの方が早いってヒカリは思ったんじゃ…」
「なら、早く特訓を切り上げればいいじゃないか!勝手な事ばっかりしやがって!!」
「まあまあ…、とにかくジバシリ山に行こう。」
タケシは不満爆発なサトシをなだめた。しかし、これだけの事でヒカリに対してサトシがこんなに怒るのも珍しい、とタケシは思った。
普段ならこんな事はないのに、何故、今日はこんな事で怒ったりするのだろうか。
タケシは不満そうなサトシをなだめて、ジョーイにジバシリ山に行く事を伝えた。
「気をつけて行って、日が暮れる前に戻って来てね、でもあなた達の仲間のヒカリさん達、大丈夫かしら…あの道に入らなければ良いけど…」
「あの道といいますと…」タケシが気になって聞いた。
「途中に分かれ道があるの。看板が立ってるから、間違えないとは思うけど…その道野生のポケモンが多いから入ったら危険なの。」
「そうですか…、まあ、ヒカリなら大丈夫だよな、サトシ?」
「もし入ったとしても、タカヒロがいるしな。」
それを聞いて、タケシは、まさか不機嫌の理由って…、と思ったが、あえて言わないでおいた。
こうして、サトシとタケシはジバシリ山に向かった。


ヒカリ達も、オニドリルが戻って来た後、すぐにジバシリ山を登りはじめた。
「サトシ達を待たせないためにも急がなきゃ、競争よ、ポッチャマ!」
「ポチャ!」
「待ってよ、ヒカリ!」
「タカヒロも急いで来てよ~!」
「ヒカリは元気だな~、そんなに急いでたら転んじゃうよ。」
「大丈夫、大丈夫!」
タカヒロはヒカリを追いかけた。ヒカリは思ったよりも足が速くて、追いかけるのも一苦労だった。
と、ヒカリは立ち止まった。ジョーイさんが言ってた分かれ道だった。
「どっちだろう…。」
タカヒロは地図を見た。その地図には分かれ道は書いてなかった。地図には看板に従って進みましょうと書いてあるだけだった。
「たぶんこっちよ、行こう!サトシ達を待たせられないから、急がなきゃ!」
「ちょっと、待ってよ、ヒカリ!山は野生ポケモンもいるから危ないから正しい道を進まないと!」
すぐ傍に、誰かが倒してしまったのだろうか、看板が倒れていた。その看板は、正しい道を教えるものだった。
その看板にはヒカリ達が進んだ道とは反対の道を進むように書かれていた…。
サトシ達はと言うと、一足先に合流地点についていた。
「よし、ついたみたいだぞ。ヒカリ達はまだ来てないないなあ…。」
タケシはあたりを見渡しながら言った。
「ヒカリのやつ、また待たせるつもりかよ…。」
「まあまあ、この道を行けば、途中でヒカリ達に会えるはずだ、行ってみないか?」
「え、なんで?」
「いや、ほらジョーイさんが分かれ道があるって言ってたじゃないか。もしかしたらヒカリ達
間違えるかもしれないだろ?」
「ヒカリは1人じゃないだろ。」
「サトシ…、でも、万一って事もあるじゃないか、サトシはヒカリの事が心配じゃないのか?
とにかく分かれ道まで行ってみよう。」
「…仕方ないなあ。」
タケシは、このままサトシがここで待ってもサトシがイライラするだけだと考え、何かした方が
気もまぎれるだろう、と思ったのだ


そして、サトシ達はヒカリ達が歩いているだろうという道を進んだ。どこかでヒカリ達に会える
はずだ。しかし、ヒカリ達に会わないまま、分かれ道の地点まで来た。
「すぐに会えると思ったんだけどな~…」
とタケシ。と、ピカチュウが倒れている看板に気づいた。
「ピカピ、ピカ。」
「どうした、ピカチュウ?…この看板、なんだろう、地図が書いてある…」
「もしかして、それ、道案内の看板なんじゃ、ちょっと見せてみろ。」
タケシはサトシから看板を受け取って、見てみると、やはり、道案内の看板だった。
「看板が倒れてるって事は、ヒカリ達、反対の道に行ってしまったかもしれないぞ!」
「なんだって!」
その時、その道の方でポケモンが騒ぐ音がした。
「野生のポケモンが騒いでいる…サトシ、やっぱりヒカリ達は、反対の道に行ってしまった
のかもしれない…、サトシどうする?」
「どうするって、行くっきゃないだろ!」
サトシは今までイライラしてた事を忘れて走り出していた。そんな場合ではなかった。
(ヒカリ…無事でいろよ…!!)

ヒカリ達はその頃、デルビル達の群れに囲まれていた。
ヒカリはポッチャマで、タカヒロはカメールで応戦していた。
「ポッチャマ、バブル光線!」
「カメール、みずでっぽう!」
水は炎タイプの弱点だが、デルビル達の数は多く、ポッチャマもカメールも疲労していた。
「あの道間違ってたみたい、ごめんね、タカヒロ…」
「そんな話は後で良いよ、今はこのデルビル達に囲まれた状況を突破しなきゃ。」
「うん、でも、数が多い、大丈夫…じゃないかも。」
「でも、だいぶ数は減らして来た、カメール、みずでっぽう!」
「ポッチャマ、バブル光線!」
この攻撃で、デルビルの数はだいぶ減ったが、ポッチャマもカメールも疲労がたまっていた。
「よし、走ろう、ヒカリ!今のうちに引き返そう!」
「うん!」
ヒカリ達は走って来た道を戻りはじめた。何故かデルビル達は追ってこなかった。
「よし、追ってこないわね。」
「ポチャ、ポチャ!」
と、ポッチャマが突然叫んだ。


「どうしたの、ポッチャマ?」
ポッチャマは近くを通り過ぎた気配を感じ取ったのだ。そして、ポッチャマが感じた
気配の持ち主がヒカリ達の前に現れた。
それはデルビル達と、ヘルガーだった。
「デルビル、ヘルガー、どうしてここに!」
「どうやらデルビル達はボスであるヘルガーを呼びに行ってたようだね。」
「どうしよう、ポッチャマ、こんなに疲れてるのに…。」
「でも、やるしかない!カメールみずでっぽう!」
「ポッチャマ、バブル光線!」
しかしその攻撃はヘルガーの火炎放射に押されてしまった。
「やっぱり疲労がたまってるんだわ…」
「く…、別のポケモンで…。」
タカヒロがモンスターボールから他のポケモンを出そうとモンスターボールを探っていた。
「きゃあ!!」
ヒカリの叫び声にタカヒロがはっとすると、まさにヘルガーがヒカリにとびかかろうとしていた。
「ヒカリ!!(ま、間に合わない!!!)」
その時…
「ピカチュウ、10万ボルト!!」

その声の主は、まぎれもなく、サトシの声だった
「サトシ!!」
ヒカリは嬉しそうに叫んだ。
「どうしてここに私達がいるって分かったの?!」
「話は後だ、とにかく、このヘルガーとデルビル達をなんとかしなきゃ。」
「サトシ、おそらくヘルガーはこのデルビル達のリーダーなんだ、リーダーを倒せば、群れは
バラバラになる。ヘルガーを倒すんだ。」
「分かった、ピカチュウ、もう1回10万ボルト!」
「ピカ!!」
ピカチュウの10万ボルトを受けてヘルガーは動かなくなった。ヘルガーが倒れた事で、デルビル
達はうろたえはじめた。
「よし、今のうちに引き返すんだ!」とタケシ。
「助かった…行こう、ヒカリ!」
「うん!!」
そのやり取りを見て、忘れていたイライラをサトシは思い出した。


なんだか書いてるうちにどんどん長くなってすみません。
次回で完結する予定です。
ありきたりな展開ですが、ヒカリを助けるサトシを入れたかったんです。


「はあはあ…」
「ここまで来れば大丈夫だろう、みんな、無事か?」とタケシ。
「なんとか…、でもどうして私達が道を間違えたって分かったの?」とヒカリ。
タケシはヒカリ達が来てないので、合流しようと思って先に進んだこと、ジョーイから危険な道を
教えてもらっていたこと、看板が倒れていた事などを話した。
その間にタケシは傷ついたポッチャマ達を手当てした。
「そうだったんだ…」とヒカリ。
「しかし、間に合ってよかった、よく無事でいられたな。」とタケシ。
「タカヒロのおかげ、私1人だったら本当にダメだったと思う、タカヒロありがとう。」
「あ、うん、でも、ヒカリを危ない目にあわせてごめん。僕がもっと下調べをしておくべきだった。」
「全然気にしてないよ、私も道分からなかったし…」
サトシはイライラしていた。自分だって、ヒカリを助けたのに…。いや、あそこで自分が助けなければ
ヒカリはどうなっていたか分からない。なのにタカヒロの相手ばかりしているヒカリが許せなかった。
(俺のことはどうでも良いのかよ・・・。)
耐え切れずに、サトシは不機嫌そうに言った。
「こんなところで、ゆっくりしてたら、紅葉見に行けなくなるぞ!それとも今日は見に行かないのか?」
「あ、いっけな~い、すっかり忘れてた。今から行っても大丈夫かな?!」
「大丈夫だよ、ぎりぎり日が暮れる前にはポケモンセンターに戻ってこれるよ」
タカヒロが言った。
「でも、ゆっくりは出来ないよね…、明日行った方がいいのかな…」とヒカリ。
「いや、今から行ったらちょうど、夕日で綺麗な紅葉が見れるから、行った方がいいよ。」
とタカヒロが言うので、紅葉を見に、一行はその場所に向かうことにした。


タカヒロとヒカリはその場所の紅葉について話をしていた。
「ちょうど、良い時間に着くから期待して良いと思うよ。」
「へえ~、楽しみだなあ・・・ねえ、サトシ?」
「・・・ああ。」
「どうしたの、サトシ?そういえば、今日ずっと変だけど?」
ヒカリが心配そうに言った。タケシは言った。
「サトシは、ヒカリが道を間違えたって知ったとき、本当に心配してたんだぞ。」
「そうなの?心配かけてごめんね、サトシ。そして、助けてくれてありがとう!
あのときのサトシ、かっこよかったよ!」
「そうか?」
「本当、本当!サトシが助けに来てくれて嬉しかったよ。」
そんな会話をタカヒロは聞きながら、考え事をしているようだった。そして、集合場所に予定して
いたところについた。
「よし、この道を進むと、ジバシリ山のベストスポットに着くよ。」とタカヒロ。
「ありがとう、タカヒロ。」とヒカリ。
「じゃあ、僕はこれで。」
「タカヒロは紅葉見ないの?」
「うん。サトシ、今日は助けてくれてありがとう。君があのとき来なかったら、ヒカリはどうなって
たことか・・・。ヒカリを連れまわして危ない目にあわせてごめんな。」
「・・・なんでそのことで俺に謝るんだ?」
「なんでって…君・・・、(小声で)ヒカリのことが好きなんじゃないの?」
「そりゃ、仲間だからな。当たり前だろ。」
とあっさりとサトシは言った。これはかなり重度の鈍感らしいな・・・とタカヒロは思った。
タカヒロはタカヒロなりに気を遣ったつもりだったのに、なんだか馬鹿らしくなってきた。
でも、ヒカリとサトシが仲が良いということにタカヒロは気づいていた。ヒカリのことを
気になりかけていたけど、好きにならない方がよさそうだということに。
「ヒカリとこれからも仲良くな。」
「???」
「それじゃ、みんなさようなら。」
そう言って、タカヒロは去っていった。
「変なやつだったな、ピカチュウ。」
「ピカ・・・」
ただ、タカヒロがいなくなったことにサトシは内心ホッとしていた。


そして、サトシ、ヒカリ、タケシの3人はしばらく歩いて、目的地についた。
「わ~、綺麗~!」
「本当だ~」
「ちょうど良い時間ってこのことだったんだな~」
夕日に紅葉が照らされて、美しく輝いているようだった。
「サトシ、向こうにいってみよう!」
「おい、待てよ、ヒカリ!!」
「あまり遠くに行くなよ~~、すぐ戻らないと日が暮れるからな~」
と遠ざかって行く2人に向かってタケシは叫んだ。
「本当に綺麗・・・ここに来て良かった、ねえサトシ?」
「そうだな。」
そう言ったサトシの声を聞いて、ヒカリは言った。
「良かった、いつものサトシに戻って。」
「え?」
「サトシ、なんだか今日不機嫌というか、いつもと違ってたからちょっと心配してたんだ。
でも、そんな心配必要なかったね。サトシはサトシだもんね。」
そう言ったヒカリの声を聞いて、サトシはちょっと悪いことをしたような気分になった。
「ごめんな、ヒカリ。俺、ヒカリがそんなこと考えてたなんて分からなくて。変な
心配かけちゃったな、ごめん。」
「いいの、いいの。全然気にしてないし、今日はサトシ助けてくれたから。」
「え?」
「あのとき、ヘルガーとデルビル達に襲われたとき、本当に、私ダメだと思ったの。
でも、そのとき、サトシが来てくれて…本当にありがとう。」
「助けるのは当たり前だろ。」
風が吹いて、紅葉がひらりひらりと舞い降りた。
「わ~、本当に綺麗~」
「そうだな。」
2人は少しの間紅葉に見とれた。
「あ、サトシ、肩に紅葉がついてるよ、ほら。」
と言って、ヒカリはサトシの肩についてる紅葉をとって見せた。
「本当だ、ってそういうヒカリの肩にもついてるぞ。」
と今度はサトシがヒカリの肩についてる紅葉をとった。
「ヒカリ~サトシ~、そろそろ帰らないと~日が暮れてしまうぞ~。」
タケシが叫ぶ声が聞こえた。
「分かった~」
「すぐ行く~」
サトシとヒカリは返事をした。


「今日はあまり紅葉見れなかったね。ちょっとがっかり。」
「そういえば、ジョーイさんのオススメルートも歩いてないな・・・」
「え、そんなのあるの?よし、決まりね!」
「決まりって?」
「明日も紅葉を見るの!」
「え~、明日は出発するんじゃないのか?」
「少しゆっくりしていっても大丈夫!」
「まあ、ゆっくりするのはいいかもな。タケシが待ってる、行こうぜ!」
「うん!」
サトシとヒカリは走ってタケシのもとに向かった。
「わっ・・・」
ヒカリはつまずきかけた。転ぶ・・・と思ったら、転ばなかった。サトシが腕をつかんで、支えたのだ。
「大丈夫か、ヒカリ?」
「うん、ありがとう・・・。」
サトシがヒカリの腕をつかんで支えながら、ヒカリは立つことが出来た。
「ほら、サトシもヒカリもはやくしろ~!ポケモンセンターに戻るぞ~!」
「分かってる~!」
「今から行くから~」
こうして秋のある、サトシとヒカリとタケシの1日が終わろうとしていた。
この秋の1日で、サトシとヒカリは、ちょっとだけまた絆を深めた、のかもしれない。

~END~

なんだか自分の思った以上に長くなりました。最後グダグダしてしま
いましたが、なんとか完結まで持っていくことが出来ました。
最後はほのぼのとしたサトヒカにしたかったので、このような終わり
にしました。

タマゴの思い出

此処見て書きたくなった
投下は初めてだけど、>>381-383の続き待ちのおつまみにでも(・ω・`)

ポケモンセンターまでまだ距離のある小さな村で、急な雨に降られて困っていたサトシ達を
雨宿りさせてくれたのは、小さな育て屋をしている老夫婦だった。
雨宿りの恩にと、此処での仕事の手伝いを申し出たヒカリに、サトシとタケシが首を横に
振るはずもなく、タケシは預かったタマゴの世話、ヒカリはポケモン達のポフィン作り、
サトシも外で遊びたがるポケモン達の誘導などで手伝いを始める事にした。
そのまま夜になっても止まない激しい雨に止めてもらえる事になり、老夫婦と一緒に夕飯をと
用意をしていた矢先、村人の青年が駆け込んできた。
どうやら、彼の家のミルタンクが病気になったので診てほしいとの事。
この村は、大きな街と町のちょうど境にあり旅人の必需品とも言えるフレンドリィショップも
ポケモンセンターの無い為、村人達の相談もよく持ち込まれると老夫婦の話だ。
仕方なくタケシが手伝いで老夫婦と一緒に彼の家へと向かう事になり、サトシとヒカリは
留守番とポケモン達やタマゴの世話を任される事になった。
「ねえ、ミルタンク、大丈夫かな?」
家族も同然だろうミルタンクの病気を心配した青年の顔を思い出し、ヒカリもサトシの
方に振り返りながら何時もの笑顔を曇らせている。
「大丈夫さ。 ミルタンクの病気に効く木の実があるってタケシが言っただろ?」
「うん… そうだよね。 大丈夫、大丈夫…!」
笑い返すサトシに、ヒカリも漸く何時もの口癖を口にする。
だが…
「きゃーっ!!」
何度も聞こえる雷が一際大きな音をたてた瞬間に突然消えた室内灯に響き渡るヒカリの悲鳴。
「おい、ヒカリ! 大丈夫だって!!」
体当たりするかのように抱きつかれたサトシは苦笑するしかなく、ぽんぽんとその背を叩く。
「あー、びっくりした」
「ヒカリのあの大声で、此処のポケモン達の方がびっくりしたんじゃないのか?」
「そ、そんなに大きな声出してませーんーっ!」
からかい口調に怒るヒカリが顔を上げ、互いの顔を見合わせるとほぼ同時に笑い合った。


なかなか復旧しない電気に、仕方なくとソファーに一緒に座るサトシとヒカリ。
ヒカリの腕の中には、此処で預かっているタマゴが大事そうに抱かれている。
彼女曰く「電気がなくて温めてあげられないからせめてね」だそうだ。

「あ、ねえ、サトシ」
そのタマゴを見詰めていたヒカリが不意に顔を向け、サトシが?顔で振り返る。
「サトシはポケモンのタマゴを孵したことってあるの?」
「ああ、あるよ。 ゴマゾウのタマゴを貰って、オレ自分のシャツの中で孵したんだ」
「そうなんだ。 いいな~ あたしも何時かポケモンのタマゴに会えるかな~」
「旅を続けていたら、きっと会えるさ。 …でも、最後は別れる事もあるけどな」
「サトシ?」
「オレ、前にヨーギラスと逢った事があるんだ。 あいつがまだタマゴの時に」
ヒカリの腕の中のタマゴに眼を向けたサトシの表情から笑みが消える様子に、ヒカリが
開きかけた口を閉じる。

「ヨーギラスは、タマゴの時に密猟者に盗まれて親のバンギラスと引き離されたんだ。
あいつは、それが元で外に出るのを怖がってさ。 生まれてからもしばらくは周りは
怖い物ばかりで全然オレの方も見てくれなかったんだ」
懐かしさと寂しさを見せるサトシの横顔に、ヒカリは驚きながらもハンターJと対峙した
時のサトシの怒りを思い出していた。
「それから色々あって、漸くオレにもタケシ達にも懐いてくれた時、ヨーギラスの生まれ
故郷の保護区に連れて行ったら、また密猟者達が居て…」
当時を思い出しているのか、サトシは自分の掌を握り締めているのに気付いてはいないだろう。
「ヨーギラスだけじゃなく、あいつのママのバンギラスまで狙われて…」
「それでっ!? どうなったのっ!?」
「最初はオレ達の事も憎んでいたバンギラスも解ってくれて、密猟者をとっ捕まえた後
ヨーギラスはやっとママの元に戻れたんだ…」
そこで大きく息を吐き出すサトシを、同じく安堵した息を零したヒカリが見詰めていた。


「…良かった」
「オレさ。 今でも時々あいつ、どうしてるのかな~って思い出すんだ」
ヒカリの方に顔を戻したサトシの表情は何時もの笑顔に戻っていて、思わずヒカリも
笑い返した。
「そのヨーギラスに会いたい?」
「…うん。 でも、もうオレの事、忘れちゃったんじゃないかなって…」
「そんな事ないっ!」
「ヒカリ?」
「だって、ヨーギラスを孵して外の楽しさを教えてあげたのは、サトシなんでしょ?
だったら、絶対覚えてるよっ!」
我が事のように力説するヒカリに、驚いた顔を笑みに戻すサトシ。
「サトシが今でも思い出すように、そのヨーギラスだって今もサトシの事を思い出して
会いたいって思ってるかも… ううんっ! 絶対そうよっ!」
まるで言い聞かせるような口調に、思わず吹き出すサトシ。
「何よっ! 何でそこで笑うのっ!?」
「ごめん。 でも… ありがとう、ヒカリ」
「えっ?」
「オレも、本当はそう思ってたんだ。 ヒカリがそう言ってくれて自信がついたよ。
だから… ありがとう」
「そっか。 じゃあさ、今度ヨーギラスに逢いにいく時は、あたしにも紹介してっ!」
「ああ、いいぜ。 一緒に会いに行こうっ!」
次第に遠ざかる雷鳴と稲光が部屋を照らし出す中、笑い合うサトシとヒカリ。

やがて、びしょ濡れで笑顔で戻ってきたタケシと老夫婦が見たものは、一緒にタマゴを
抱えたままソファーで並んで寄り掛かり合って眠っているサトシとヒカリの姿だった。


愛と勢いでやったorz
>>381-383
続くwktkでお待ちしてます

心の前奏曲(プレリュード)

心の前奏曲(プレリュード)-プロローグ
映画っぽい展開にも挑戦してみようということで長編になると思います
多分以前執筆したJよりも長いです。

「はぁっ、はぁっ・・・!!」
「まだ追ってくる・・・!?」
「追いつかれちゃうよ・・・!」
暗闇に支配された森の空気を、幾度も銃声が振るわせた。
冷たくなった土を蹴って、必死に逃れているのは三人の少年少女だ。
慣れない体、縺れる足、何より恐怖が、三人の心を蝕んでいた。
「うわっ!!」
そのうちの一人が、木の幹に足を取られて躓いた
「リット!?」
「早く行って!ユクをお願い!!」
「そんな!君も!」
二人は思わず立ち止まってしまった。
見捨てることなどできない、そういうように、ユクと呼ばれた少年が手を差し伸べようとしたそのときだった。
「そこか!」
足元で爆発が起きて、土が抉れた。
ゆるくなった地面が、崩れていく。
「リット!!・・・うわぁ!!」
差し伸べられた手をつかんだそのとき、
三人は崩れる土砂に巻き込まれて下へと落ちていった。


心の前奏曲(プレリュード)-三人-
山小屋の様なポケモンセンターを出れば、外は昨日の雨にもかかわらず晴れ渡っていて、
ヒカリは気持ちよさげに伸びをした。
ところどころ水溜りはあるが、この天気なら、そのうち地面も完全に乾くだろう。
「ヒカリ、何読んでるんだ?」
「これ?ジョーイさんにもらったの。この近くにはね、感情とか、知恵とか、心にまつわるポケモンの話があるんだって。」
「へー」
ポケモンに関係すると聞いて、サトシも興味を持ったのだろう、どんなのだろう?と目が言ってるのが、ヒカリには分かった。
「私もまだ読み始めたばっかりなんだけど、サトシも一緒に読む?」
「そうだな、一緒に読むか」
少し考えた風にサトシは唸ったが、すぐに色よい返事を出す。
それを聞いたヒカリはうれしそうに笑っていた。
「・・・ピ?」
サトシの肩の上で、ピカチュウが何かを気取った。
「どうした?ピカチュウ」
「ピカ、ピカピカ」
ピカチュウが何かを訴え始めると、サトシの腰のボールが開いてナエトルも出てくる。
二匹はなんとなく必死な様子だ。
三人が顔を見合わせていると、やがて二匹は、茂みの中へと走っていった。
「あ、おい!」
サトシが二匹を追いかけると、それにヒカリとタケシも続いた。
木の根を飛び越え、草を掻き分け、その先にあったのは崩れ落ちた土砂の塊だった。
「これは・・・、まだ新しいな・・・。」
タケシが近づく。
まだ土砂には水分が残っている。
しかし一部の土は黒くこげ、カラカラに乾いていて、タケシはそれになんとなく違和感を感じた
「ピカピ!」
「ピカチュウ!どうしたんだ?」
「ピカピ、ピカチュ」
ピカチュウが土砂を指差している。
何があるのだろうか、とサトシとヒカリは目を凝らした。
「「あ!」」
土砂の中からは、人の腕のようなものが見え隠れしていた。
「大変だ・・・!ヒカリ!」
「うん!」


心の前奏曲(プレリュード)-出会い-
土砂の中からは、少年と少女が三人出てきた。
三人ともサトシやヒカリよりも幼い、7才位だろうか?
酷く衰弱している彼らは、髪の色以外は瓜二つで、三つ子のようだった。
ポケモンセンターに運んでしっかりと手当てしてやるのが一番よかったのだが、
ポケモンセンターからはずいぶんと離れてしまっている。
むやみに動かすわけにも行かず、一向は崖を少し離れたちょっとした広場で暖を取っていた。
薬を飲ませると少し落ち着いたのか、彼らは寝息を立てている。
サトシとヒカリはその様子をずっと見ていた。
なんとなく放っておいてはいけないような気がしたのだ。
「う・・・・ん・・・」
やがて、一人が目を覚ました。
青い髪の少年だ。彼はおきてサトシ達を見つけるなり、一瞬体を強張らせた。
それに反応するかのように、残りの二人も目を覚ます。
そしてその二人も、サトシ達を見るなり警戒するような反応をした。
「あ、あの・・・、君達どうしてあんなところにいたの?」
サトシはそんな彼らの様子に少し戸惑っていたが、思ったことを口にしてみた。
「僕達は・・・、その・・・」
少年は明らかに躊躇していた。
どうしようか・・・、そう思っていた矢先のことだった。
「ゆっくりでいいよ、落ち着いて思い出してごらん」
いつの間にかサトシとヒカリの後ろにいたタケシが、優しい目つきで言った。
それを見て少し安心したのか、意を決したかのように三人は口々にこういった。
「狙われているんです。怖い人に」


心の前奏曲(プレリュード)-理由-
「怖い人って、いったい誰に?」
サトシが3人に聞いた。
「分からないんです。暗かったし・・・。」
「そっか、でもなんで狙われてるの?」
さらに聞かれると、三人は口を閉じてしまった。
「言わなきゃ分からな・・・」
どこか拒絶するかのような態度に、サトシの言葉が荒くなってくる。
しかしタケシはそれをたしなめながら
「話せない理由があるのなら、話さなくてもいいさ。俺たちでポケモンセンターまで届けてあげよう」
「そうね、ポケモンセンターなら安全だし・・・。」
「あっ、あの、ポケモンセンターじゃないんです。」
「え?」
一向は意外そうな顔をした。
ポケモンセンターならば人の手もある。
安全な場所だと思ったからだ。
「もっと安全なところがあるんです、僕達、そこに逃げようとしていたら崖から落ちちゃって・・・。」
「そうだったのか」
「あの、助けてくれてありがとうございました。僕はグノムって言います」
青い髪の少年は、年の割に礼儀正しい口調で言った。
それに続いてさくらんぼのような髪の色をした少女がおろおろとしながら
「リットです、よろしく・・・。」
「この子はユク、すごく臆病で・・・」
みるとユクと呼ばれた黄色い髪の少年は、リットの後ろで震えていた。
それを見たグノムが、大丈夫だよ、この人たちは。と声をかける。
「狙われたのはユクなんです。僕らは、ユクが危ないと知って一緒に逃げてて・・・。」
「それで、さっき言ったもっと安全な場所・・私たちは聖地って呼んでるんだけど」
「つまり、そこに行く途中で崖から落ちちゃったのか。」
「はい」
サトシはヒカリ、そしてタケシに向き直ると、確認するかのようにうなずいた。
「分かった、そこに行くの俺たちも手伝うよ。俺はサトシ、こいつは相棒の・・」
「ピカチュウ!」
「私はヒカリ。」
「俺はタケシ、痛むところがあったら言ってくれ。」
グノム、リット、ユク。
彼らは少し安心したかのように口元を緩めた。
「ありがとう・・・ごめんなさい・・・。」
そして小さく、本当に小声で謝る、他に聞こえないような声で。


心の前奏曲(プレリュード)-襲撃-
三人の先導を受け、一向は深い森を歩いていく。
進めば進むほどに、森の中は複雑な音を作り出していた。
風の抜ける音、鳥や虫の鳴き声、ポケモンたちの音。川の流れる音。
いつもと違い、どこかこの森は不思議な感じがすると、サトシは感じていた。
懐かしいような、そんな感じがする。
―プツン
不意に足元で何かが切れる音がした。
「え?」
足元には、糸が張ってあった。
なぜこんなところに糸があるのか。
そう身をかがめた瞬間、ユクの悲鳴が聞こえてサトシは顔を上げた。
「ユク!!」
ユクを連れ去った影は、振り子のように動くロープの頂点で高台に飛び乗り、こっちを向く。
「確かにこいつはもらっていくぞ」
「ユク!ユク!」
リットが悲痛な叫びを上げる
「その子を放しなさい!」
「そればできんな。わしの願いをかなえるにはこいつが絶対に必要なのだ」
「願い?」
その影は、よく見てみれば齢90を超えるのではないかという老人であった。
周りの景色に溶け込む迷彩柄の服には植物の蔦を這わせ、頭には苔が生えている。
ところどころしみができたその肌は浅黒く、森での生き方を知っているような風貌だった
しわがれた声は空気を震わせるほどに大きい。
それはまるで、獲物を獲た喜びを表しているかのようだった。
「小僧には分かるまいて。邪魔をするならば少し眠ってもらうぞ・・・!」
サトシもヒカリも、モンスターボールに手をかける。
タケシはグノムとリットを安全な場所へ移そうとする、が
「ユク!!!」
リットが突然、光弾を放ったかと思うとそれを老人にぶつけた。
「ふん」
しかしそれは無常にも、妙な機械で反射されてしまう。
そしてその光弾は、ヒカリへと向かっていた。
「ヒカリ!危ない!!」
ヒカリはそのとき、自分をかばって光弾に巻き込まれるサトシの姿を、やけにゆっくり感じていた。


心の前奏曲(プレリュード)-水星-
「あぶない!」
とっさに、グノムはリットのものと似た光弾で、サトシを巻き込む寸前のそれを仲裁しようとした。
力と力がぶつかり合い、小さな爆発を起こす。
「うわっ!」
サトシはそれに飲み込まれると、糸の切れた操り人形のようにぱたりと倒れてしまった
「サトシ!」
ヒカリが青い顔で駆け寄る。
その様子を見た老人は苦いものを噛んだような顔をした。
目的のためとはいえ、子供を巻き込んでしまった、と。
だが今はかまっていられない発煙筒を使って逃げようと試みる。
しかしそれは手の上で弾かれた。
「むぅ!?」
「その子を離しなさいマーキュリー」
「エマか・・・。」
「あれは・・・!」
タケシはその人物が着ている服を知っていた。
あれはポケモンレンジャーのものだ。
「悪いけどここまでよ。」
「どうかな・・・。」
「っ!?」
マーキュリーと呼ばれた老人は、いつの間にか足元へ手繰り寄せていた発煙筒を器用に足で起動した。
煙が晴れた頃には、すでに彼とユクの姿は消え、あたりはまた森の静けさだけが残っていた。


心の前奏曲(プレリュード)-喪失-
「サトシ!サトシ!ねえ!起きてよサトシ!」
ヒカリは必死にサトシを揺り動かしていた。
あの爆発に巻き込まれてから、サトシは目を閉じたきり答えない。
心臓は動いているのに、やけに体が冷たく感じて、ヒカリは必死にそれを否定しようとした。
「ヒカリ!サトシは!?」
「それが・・・」
ヒカリの目は涙で潤んでいた。飛ばされた帽子を拾いに行こうともせず、必死で呼びかける。
しかし、まったく動く気配はない。
リットとグノムは、ただそれを申し訳なさそうな目で見ていた。
「ごめんなさい、ヒカリさん・・・。」
「私たちの所為で・・・。」
「え?」
ヒカリは彼らが何を言っているのか分からなかった。
「どういうこと・・・?」
「君達はいったい・・・。」
タケシは、彼らがただの人間でないことに感づいていた。
さっきの光弾もそうだが、なんとなく、彼らは'違う雰囲気'があった。
「実は僕達、ポケモンなんです」
「「なっ!?」」
二人は信じられないといった様子で目を見張った。
唐突にそんなことを言われても信用できるはずがない。
「信じてもらえないのは分かっています、でも―」
グノムとリットが、お互いに顔をあわせて頷く。
すると彼らは光に包まれ、人の頭ほどの大きさのポケモンになっていた。
「僕達はそれぞれ、意思、感情、知恵をつかさどるポケモンなんです。今はテレパシーで言葉を伝えています」
「きっとサトシさんは、私たちの攻撃を相殺したときの爆発の影響で、その内の『意思』が失われたんだと思います」
意思、感情、知恵をつかさどるポケモン。
「伝説のポケモンといわれている、アグノム、エムリット、そしてユクシー。あなた達がその三匹・・・。」
高台を滑って、ポケモンレンジャーの女性が降りてくる。
「マーキュリーが狙っていたのは、あなた達だったのね」
「はい、この姿をさらした以上、全てをお話します、聞いていただけますか?」
テレパシーは、エマにもタケシにも、もちろんヒカリにも伝わっていた。
ヒカリはサトシを腕に抱いたまま、彼らの話に耳を傾けた。


心の前奏曲(プレリュード)-エマ-
「僕達は、皆さんが知っている通り、意思や感情といった、動物の内面を司るポケモンです。」
「私たちはそれらを与える役を終えた後、永い眠りにつきました」
「ところが数日前、ユク・・・。つまりユクシーがあの人間に襲われて、僕のところに逃げてきたんです」
「私もテレパシーでそれを感じて、3匹で人間に化けました。でもそれも気づかれて、こんなことに・・・。ごめんなさい・・。」
二匹は命を奪われたように動かないサトシを見た。
「彼を元に戻すには、眠りの途中だった私たちでは力が足りません。」
「だけど、聖域の神殿に行けば手がかりを得られるはずです」
それをきくと、ヒカリはすぐに行こうとせがんだ。
しかし、それを、後ろからの声に止められる。
「だめよ。」
それはポケモンレンジャーの女性だった。
年齢は20代前半程で、タケシが真っ先に飛びつきそうな綺麗な人だ
「あなた達を襲ってきたあのおじいさん、誰だかわかる?」
「え・・?」
「彼は元はある組織に所属していた、そのときのコードネームはマーキュリー(水星)。あんなよぼよぼでも、結構危険な奴よ。」
アグノムたちにゆっくりと、腕を組んで歩み寄りながら、彼女は話を続ける。
「元いた組織の情報のためというのもあって、指名手配されているの。先日その情報がこっちに入ってきて、私がその担当というわけ」
そしてヒカリに向き直って、冷たく言う
「残念だけどその子は諦めなさい。」
タケシが、何よりヒカリが表情を険しくした。
「お言葉ですが・・「できるわけないじゃないですか!!」」
「サトシは・・・大切な・・・・。
涙をこぼしながら、ヒカリは叫んだ。
サトシはヒカリにとって、頼れる存在であり、絶対に失いたくないものだった。
「・・・・危険を冒しても、来る覚悟はある?」
「中途半端な覚悟でくれば、あなたも彼と同じ目にあうのかもしれないのよ?」
「それでも行きます。」
その目を見て、彼女は一つため息をつく
「仕方がない・・・。あなたの大切なナイトのためにもがんばりなさい。私はエマ。見てのとおりポケモンレンジャーよ」
「え・・・?は、はい!!」
一瞬、何を言われたのか分からないような表情をしたヒカリだったが、すぐに肯定の意味をとるとうれしそうに返事をした。


心の前奏曲(プレリュード)-覚悟-
「なーんかさぁ、あたし達場違いみたいな雰囲気よねぇ」
草陰から、自分達の存在を悟られないように小声で話す。
それはいつもやっている行為だが、いつもと違う場の雰囲気にロケット団は戸惑っていた。
「なんか、すごい大変なことになってるみたいだな・・・。」
「おみゃーら何行ってるニャ!今こそピカチュウを・・・」
本来なら、これはピカチュウを奪う絶好のチャンスだった。
トレーナーがいないというのは、やはり大きい。
「なーんかあんなジャリガールとジャリボーイじゃぁねぇ・・・」
「気分乗らないというか・・・なんというか・・・」
「それもそうだにゃぁ・・・。」
それでも、いつも腐れ縁のように張り合っていた彼らが、あんなにも消沈している。
そんな様子を見てしまった所為か、ロケット団たちはどうも行動を起こす気がおきずにいた。
「しばらく・・、様子見よっか」
「そうするか・・・」
「そうするにゃ」
「ソーナンス!」

――――――――――――

息を切らせながら、木の根が波打った道を歩く。
足元は泥と傷にまみれていたが、それを気にも留めずにヒカリは歩いた。
「ヒカリ、やっぱり俺が・・・。」
「だ、大丈夫・・・。」
そういいながらも、足から力がかくんと抜けてしまい、ヒカリは地面に再びひざをついた。
ヒカリの肩には、眠ったままのサトシが肩を借りた状態でその体を預けている。
後ろからそれを懸命に支えるピカチュウも、ヒカリを気遣い、心配そうな声を上げた。
「大丈夫・・・だから・・・」
本来なら、体格の上でもタケシがサトシを運ぶべきだった。
しかしヒカリは、いざ運ぼうとしたときに自らその役を買って出たのだ。
タケシはヒカリに負担がかかると、やめさせようとしたのだがヒカリの目がそれを許していなかった。
自分にやらせてほしい、そういう目だった。
しかしそれでも、少女の体には過酷なことなのだろう。
ヒカリの唇は震え、足は笑っている。
それでもサトシに貸した肩をくずさずに、一歩を踏み出していた。
汗が地面をぬらしていく。
ヒカリの体力は限界に近いはずだった、足がおぼついていて、今にも転びそうだ。
「っ!!」
そして案の定、ヒカリが息を呑んだかと思うと、木の根に足を取られて、転んでしまった。


心の前奏曲(プレリュード)-涙-
「ヒカリ!」
「ピカピ!」
転んだヒカリに、タケシとピカチュウが駆け寄る。
「ごめんね・・・、皆・・・、でも、だいじょう・・」
ヒカリはそのまま、疲れの所為か気を失ってしまった。
湿度も高い森の中で休憩もとらずに歩いていた以上は、無理もなかった。
「ヒカリ!」
タケシがサトシとヒカリを日陰に横たわらせる。
怪我を負っている。膿む前に消毒しなければならない。

「・・・う・・・ん・・・」
やけに空が高い。
いや、正確に言えば、自分が眠っているからだと気がついて
勢いよく体を起こしたヒカリは、全身に走った痛みにからだを強張らせた
「サトシは・・・」
足を動かすのも辛かったが、それでも始めに放った言葉は、からだの痛みによる悲鳴ではなくサトシの名前だった。
「無理をするからよ。」
意識がサトシに集中していた所為だろうか、すぐ横で濡れたタオルを持って座っているエマにヒカリは気がつかなかった。
「エマさん・・・。」
「今タケシ君が夕食を作ってくれているわ。今日は夜も近いし、ここでキャンプよ」
「そんな!私はまだ・・・痛っ!!」
「身体は正直ね。そんなボロボロな状態で、怪我までして。もしサトシ君が助かっても、あなたが倒れて彼が喜ぶと思う?」
「それは・・・。」
自分に置き換えればすぐに分かる、喜ぶことなどできるはずがない。
なぜそんなになるまで無茶をしたのかと、きっとそう言うだろう。
「一生懸命になるのと無茶をするのとは違う、あなたにはあなたの役割がある」
「役割・・・?」
「そう、サトシ君が目覚めたときにそばにいてあげることもそうだけど、あなたにはやることがたくさんある。ここで倒れてていいはずはない」
「・・・。」
「あなたにはたくさん仲間がいる、そうでしょう?」
思えば自分は、サトシを助けようとやけを起こしていたのかもしれない。
助けたいという気持ちに嘘はない。
だからこそ、今はその言葉を信じたかった。
「今日はゆっくり休みましょう。明日は早いから。」
「はい。」
自分の不甲斐なさにも、そしてそれを咎めない仲間達の優しさにもヒカリは思わず涙をこぼした。
その様子を見て、エマが始めてやわらかく笑った。


心の前奏曲(プレリュード)-聖域-
空に少し雲がかかっているが、それでも時々日が射す森の中は奥に進むほどに静けさを増していった。
昨日の事もあって、ヒカリはサトシの荷物を、タケシがサトシを背負っている。
足はまだ痛んだが、それでもタケシが治療してくれたおかげで大事にはならずにすんだ。
昨日エムリットが、サトシが攻撃の影響で奪われたのは'動く意志’と言っていた。
爆発に巻き込まれたサトシは、意思を司るアグノムの攻撃の特性に影響を受けたらしく、感情は欠落しているわけではないとの事だった。
それでも、事態は急がねばならなかった。
連れて行かれたユクシーのことも気になる。
エムリットとアグノムの先導でやがてたどり着いたのは、太陽の光とは違う、どこか不思議な森だった。
奥の石造りの壁は一見すると行き止まりのように見えたが、アグノムたちはするりと通り抜けてしまう。
聖域を守るカモフラージュになっていた。
「あの人間・・・マーキュリーも、おそらくここに来るはずです」
「私たちの力を使うつもりなのでしょうが、それを強制的に使うには、ここに来るしかありませんから」
「何でそんなところに逃げ込もうと?」
「ここは三匹がそろうことで強力な結界を張ることができるんです。」
「僕らは一つのたまごから生まれましたから、互いに干渉しあうことが多いんです」
やがて、かつて建物があったことを思わせる石柱がところどころに横たわる広場に出る。
「この先です。僕たちの力を増幅させる装置は。ここの一番奥。」
「サトシさんを治すには、その装置を意思の象徴で作動させればいい」
「つまり、アグノムで・・・?」
タケシの問いかけに、アグノムはうなずく。
「でもきをつけてください、何か・・・いやな予感がします・・・。」

ゆっくりと、奥へ足を運んでいく。
森の中に古い人工物があるのはどこか不思議なもので、足元の石畳でなる足音がやけに大きく感じる。
いよいよ・・・、という緊張だろうか?
お互いが何も言葉を発さない、妙な空気が壊れたのは、本当に一瞬のことだった。

突然の爆発が空気を振るわせる。
それは'悪魔’の咆哮のように木々をたちどころにざわめかせた。
「来るぞ!」
「マーキュリー・・・!」
「先へは行かせんよ?ワシが使うのだからな・・・。増幅装置は・・・。」

「ヒカリちゃん!サトシ君を連れて行きなさい!早く!」
「ヒカリさんいきましょう!」
「さあ、早く!」
アグノムとエムリットが、ヒカリを促す
「え?で、でも!?」
「エマさん、サトシは俺が・・」
「いえ、あの子なら大丈夫。それよりあいつからユクシーを取り戻さないと・・・。」
マーキュリーの腕の装置には、ユクシーが入れられていた。
怪我はしていないようだが、薬を飲まされたのか眠っている。
「・・・行きましょう!ピカチュウ!アグノム!エムリット!」
ヒカリはサトシに、肩を貸した。
一瞬重みに身体がきしむ。
「ヒカリちゃん!これを!」
投げ渡されたのは、通信機だ。
しかし届かない・・!
「ピカ!」
「ピカチュウ!ありがとう!」
ピカチュウから通信機を受け取り、サトシを支えなおす。
そしてヒカリは、奥へと進んでいった。


心の前奏曲(プレリュード)-目的-
老兵・・・マーキュリーが静かに空を仰ぐ。
それは余裕を見せ付けているようにも見えて、思わずエマは目を眇めた。
タケシもすでに、モンスターボールを構えている。
「あなたの目的はなんなの・・・?」
「目的!?目的か!そんなに知りたくば教えてやろう・・・・」
マーキュリーはしわがれた声を響かせながら、さらに大きく天を仰ぎ、葉巻を吸った。
「お前達は・・・人の手によって壊されていく世界を見たことがあるか・・・?」
「・・・?」
「何を言っているという顔だな・・・。まあいいだろう。」
マーキュリーが煙を吐き出す。その動作はゆっくりとしていたが、どこか哀しさを孕んでいるようだった。
「人は知恵を持つばかりに、それに溺れて森を、川を壊した。海を汚し、ポケモンだけでない、他のいけるものの場所すら奪った。」
「同じ生き物なのにそれがどうして許される・・・。ワシの目的はな、人から知恵を奪い、この破壊を止めることだよ」
タケシが、エマが驚きの表情を見せる。隠すことも忘れてしまうほどだった。
「若いのぉ・・、しかしお前達はポケモンを支配した気になっているのではないか?戦わせ、魅せ、育てて、そんな自分によっているのではないか・・・?」
「そんなことは・・・!」
「そうね、確かにそうかもしれない。だけどね、人が自分の知恵だけで発展してきたと思っているならそれも傲慢よ」
「・・・」
「人の生活にはいつもポケモンがついていた。古い神話の時代から。運命共同体のように・・・。」
「その運命共同体を、人は滅ぼしかねない。」
マーキュリーが杖を投げる。タバコの火を、靴で消す。
「ワシはここの装置でユクシーの力を逆流させ、この世界をリセットする・・・。」
「狂ってるわ・・・矛盾してる・・・。あなたもポケモントレーナーでしょう?」
「そこばかりはお互いさまじゃよ。」
タケシが、エマが、マーキュリーがモンスターボールに手をかける。
「ウソッキー!頼むぞ!」
「ラプラス!お願い!」
「フーディン、ゲンガー、行け・・・。」
お互いのポケモンが出揃い、場の空気が威圧される。
涼しいはずの森の中には重たい空気が渦を巻き、生暖かい熱気があるような錯覚を覚えて、タケシは流れる汗をとめることができなかった。


心の前奏曲(プレリュード)-共同戦線-
「はぁ・・・!はぁ・・!」
止まっていられない・・・。
走ることはできない。それでもタケシ達に答えるため、
何よりサトシのために、一歩一歩を確実に踏みしめる。
肩も、足も重たい。
ピカチュウが一緒に運んでくれていることと、アグノムたちが先導してくれていることがただ心強かった。
しかし、それでも体力は酷な事に減っていく。
(立たなきゃ・・・)
通路の壁を支えに、立ち上がろうとする。
ずるずると引きずるようにしながら、ゆっくりと進んでいった。
「ピカ・・・、ピカピカァ?」
「ありがとうね、ピカチュウ。あたしは大丈夫!」
精一杯に強気な表情を見せる。
それでも疲れを隠し切れないことは分かっていたが、自分に課せられた役割を全うするために歩き続けた。
「あっ!」
足が縺れて、倒れる。
サトシの下敷きになる形で、ヒカリは胸をしたたか打ちつけてしまい、呼吸をしようと必死だった。
「まだ・・・だいじょ・・・う・・」
気合を入れた瞬間、不意に、上の重みが取り除かれる。
「え?」
ヒカリが、、何事かと警戒しながらも上を見上げた。
「あなた達・・・!」
ヒカリは、目線の左記にある意味では縁のある'彼ら’がいることに驚いた
「いろいろ考えたけど、ジャリボーイとジャリガールがコンなんじゃ、張り合いがないってね」
「俺たちも手伝うぜ~」
「早くこの『電電電池君単三型自転車使用』に乗るにゃ」


心の前奏曲(プレリュード)-共同戦線2-
「ウソッキー!捨て身タックル!」
「ラプラス!冷凍ビーム!」
「フーディンサイコキネシス。ゲンガーは守る。」
「「!」」
戦いは劣勢だった。攻撃が相手に届かないのに対し、こちらは確実に消耗している。
ウソッキーもラプラスも、息を切らし始めている。
「がんばってくれ・・・ヒカリ、ウソッキー」
「はっはっ!何を願っても無駄じゃよ。今頃ワシの残りのポケモンがあの娘を追っておる」
次第に生まれる焦りはさらに大きくなっていく、それでも今は、ヒカリを信じるしかなかった。


「どうしてここに!?」
後ろの荷台に載せられたヒカリとサトシ、ピカチュウたちが問う。
「ピカチュウのあるところ!」
「ロケット団アリってね!」
「おみゃーらを追って地下から入って来たのにゃ」
道はところどころ荒れている。
しかしいつも吹っ飛ばされては荒れ道を戻ってくるロケット団にとって、それを越えるのは造作もないことだった。
「わっ!」
大きく跳ね上がりそうになるサトシの身体を、しっかりと自分自身でヒカリは押さえつける。
いつもは敵の彼らが、今だけは頼もしかった。
「ありがとう・・・」
「お礼を言ってる暇はないわよ!」
「え!?きゃあ!!」
突然、横からヘルガーが飛び掛ってくる。
なぜこんなところにヘルガーがいるのかは分からないが、ロケット団は見事な運転テクニックでそれを器用によけていった。
しかし前方には、4本の腕を自慢げに振り回しながらカイリキーが立ちはだかっている。
「いけ!にゃース!」
「ニャー!乱れ引っかきニャー!おみゃーらは先に行くニャ!早くジャリボーイを!」
ニャースがカイリキーと格闘するのを尻目に、ロケット団のマシンは全速力で通路をかけていった。

今日の分は投下終了。
目的の一つのかっこいいロケット団はどうにかできそうだ・・・。


心の前奏曲(プレリュード)-起動-
石畳のしかれた、冷たい空気を孕んだ通路は大きな口をぽっかりとあけ、続いていた。
大きな闇が、ぽっかりと口をあけて迫ってくるような錯覚にさえ捕らわれそうになる。
「しっかし長いな・・・」
「コジロウ、ちょっとスピード上げるわよ」
「よっしゃー!」
ニャースがカイリキーをひきつけるために降りたことで、マシンのスピードは下がっていた。
ギアを切り替えて、立ちこぎをする。
「ジャリガール、しっかり捕まってなさいジャリボーイを放すんじゃないわよ!」
「え?あ、うん」
ムサシが、ハンドル横のボタンを押す。
するとマシンの後ろからはブースターが出現し、青白い炎を吹いた。
「みたか!これがロケット団の底力なのだ!」
追いかけてきたヘルガー達が、再び引き離されていく。
「すごい!すごい!」
マシンの車輪からは、摩擦による火花が散っていた。
スピードをなお上げていくマシンから落ちないよう、サトシをしっかりと抱きしめ、ヒカリは時を待った。
やがて口をあけていた暗闇に光が射していく。
「あそこです!」
アグノムとエムリットが叫ぶ。
段差を乗り越え、宙を浮くロケット団のマシンからは、しっかりと祭壇が見えていた。
スピンをかけながらブレーキし、止まったときにはオーバーヒートを起こしたかのようにマシンは熱くなっていた。
「何やってるの、行くわよ」
少しの間ぽかんと口をあけていたヒカリに、ムサシが言う。
ヒカリはムサシに手伝ってもらいながら、サトシを装置のある祭壇の上に上げた。
「サトシさんから失われているのは、意志の力です。だから装置の中には僕が入ります。」
「ヒカリさんは、装置の手の形をしたくぼみに左手を置いてください。」
ヒカリがピカチュウと目を合わせ、しっかりとうなずく。
そして装置のくぼみに、左手を置いた。


心の前奏曲(プレリュード)-目覚め-
まばゆい青白い光が辺りを包む。
その場にいた全員が、思わず目をかばった。
「ちょ、ちょっと~、大丈夫なの!?」
「大丈夫です、正しい目的で使えば、決して危害はないはずです」
光は生き物のように動きながら、サトシの中へと吸い込まれていく。
やがてそれも止むと、辺りは静寂に包まれた。
「サトシ・・・?」
「ピカピ?」
不安そうにヒカリとピカチュウが覗き込む、それに合わせるかのように、ロケット団も覗き込んだ。
かすかに、サトシの指先が、眉が、まぶたが動いていく。
「ヒカリ・・・、ピカ・・チュウ・・?」
「ピカピ!」
ピカチュウが、サトシに飛びつく。
サトシはそれをうれしそうに抱きとめると、改めて辺りを見回した。
何か、重たい感覚から解放された感じがある。
「ピカチュウ!ヒカリ!それに。・・、ロケット団?」
「助けてくれたの、ここまでつれてきてくれて・・・覚えてないの?やっぱり。」
「ああ、でも、誰かに呼ばれているような、誰かが俺の身体をずっと支えてくれていたような・・・。」
本当に、記憶はないらしい。
それでもなかったであろう意識の中からその感覚を感じてくれていたことが、ヒカリは素直にうれしかった。
緊張の糸が切れて、涙が一つ、まぶたから落ちて地面をぬらす。
「よかった・・・、お帰り、サトシ」
それでもヒカリは、精一杯の顔で笑って見せた。
サトシもそれを見て、やわらかく笑う。
「なんかさー、あたし達お邪魔虫?」
「ニャースもおいてきてるし・・、今日は帰ろうか。」
そんなことをぶつぶつといいながら、ロケット団がマシンへと乗り込もうとする。
―ゴゴゴゴゴゴ
「ぅおぉおわ!!」
「なんだ!?」
地面が大きく隆起していく。
「地震!?」
「ヒカリ!」
二人を引き裂こうとするように、間の地面が割れる。
「サトシ!」
サトシは持ち前の運動神経でゆれて、割れていく地面を飛び越え、ヒカリのいる足場へと映った。
「アグノム!アグノム!」
祭壇の前で、エムリットが叫んでいる。
ヒカリは目を凝らした。
「アグノムが・・・!」
「え・・?」
サトシも同じように目を凝らす。
その先にいるアグノムは驚いたことに、身体を赤く発光させ、ぐったりとしていた。


心の前奏曲(プレリュード)-暴走-
やがて、地面の揺れが収まっていく。
ロケット団は腰を抜かしていたが、今はアグノムだった。
サトシとヒカリが駆け寄る。
「熱っ!」
アグノムは全身から高熱を出していた。
「エムリット、いったいどうなっちゃったの?」
「暴走してる・・・、そんな・・・」
「暴走って・・・いったいなんで!」
「僕にも分かりません、・・・もしかしたら、ユクシーが弱っていたから・・!」
「どういうことだ?」
「私達3匹は常に均衡の力を持つようになっているんです。つまり誰かの力が弱まれば、他の二匹の力によって平均化され、残りの力も弱まる」
エムリットは、息苦しそうにあえぐアグノムに向き直り、その顔に触れた
「もしもユクシーの力が極端に弱っていたのだとすれば、それは知らないうちに私達にも影響が出ていたはず。力が弱まっているときに無理に力を使えば、暴走してしまう・・。」
「とめる方法は!?」
「わかりません、とにかくユクシーを助けてここを脱出しないと!さあ、こっちです!」

突然、空を脅かすように大地が揺れ、タケシ達は立ち尽くすかのように動きを奪われた。
「むぅ!あの小娘め、やりおったわ。装置を作動させおった」
ひざを尽き、どうにか堪えながら、タケシが叫ぶ。

マーキュリーも体勢を立て直そうと、揺れで崩れた柱を支えに立とうとする。
「そこまでよ」
体勢を立て直す寸前、エマがマーキュリーの腕をつかんで捕縛していた。
「観念しなさい。タケシ君、ユクシーを」
「は、はい!」
タケシがユクシーの檻をあけて、保護する。
その身体は熱を持っていて、タオル越しですら熱く感じた。
一方のマーキュリーは腕を拘束されているのにも拘らず、余裕の表情だ。
マーキュリーがゆっくりと、観念したとでも言うかのように瞑っていた目を開く。
「なにを・・・」
「ワシはここで捕まるわけにはいかんのだよ」
周りの世界が色をなくした。至近距離で食らってしまったせいだろう、目が焼けるようにいたい。
「目くらまし!?」
タケシとエマの目が回復した頃には、すでにマーキュリーの姿は消え、彼の荷物だけが残っていた。
まるでそれは、彼が何か別の思いを秘めたことの現れのようで、エマはヒカリが走っていった通路の、吸い込まれそうな闇を見つめた。

さよならヒカリ?

大作の間に挟まってしまい申し訳ないですが投下します。

サトシ達一行はとあるポケモンセンターに宿泊していた。

「サ…シ…」
「う~ん…」
「サトシ、いい加減おきろよ」
「ふぁぁ~…おはよう…タケシ」
「ああ、おはよう。と言っても、もうお昼どきだけどな」
前日に行った激しいトレーニングの疲労が出てしまいサトシは寝坊していた。

「えっ、もうそんな時間なのか…!ヒカリはどうしてる!?」
「ヒカリなら出かけてるぞ」
「…今日はコンテストの特訓に付き合う約束をしてたんだけど
ヒカリ怒ってなかった…?」

「ああ、それなら心配ないぞ
今朝偶然ノゾミと会って上機嫌で出かけていったからな」
「そっか…」
「面白くなさそうな顔だな」
「べ、別にオレが寝坊しちゃったんだし仕方ないぜ」

「ヒカリはグランドで新しい技を見てもらうと言っていたぞ
飯を食った後にでも顔を出してきたらいいじゃないか」
「そうだな!よし行ってくるぜ、タケシ!」
そう言うと、素早く服を着替えてサトシは飛び出していった。

「まったくアイツは…」
サトシがようやく人並みの感情を持つようになる日も近いのかもしれないな
としみじみ思いつつ、タケシはいずれ戻ってくるであろうサトシのために
食事の支度を始めた。

ふと、女の子を好きになるというより
ポケモンが大好きという気持ちの延長線上にヒカリが居るのではないかと
サトシの精神構造に不安がよぎったが「まあなるようになるだろう」と
思い直して料理を続けるのだった。


外に出たサトシがグランドの周りを探していると
ベンチに座り会話するヒカリとノゾミを見つけることができた。
特訓を終えて雑談をしているようだ。

「おっ、いたいた!」

ちょうど背後から近づく形になり、ヒカリ達はサトシの存在に気づかない
位置関係になっている。
背後から声をかけて脅かしても悪いだろうと考えたサトシは
なるべく音を立てないように前に回り込もうと近づいていった、そのとき
聞こえてきた会話にサトシは足を止めた。

「ヒカリ、あたしと一緒に旅をする気はない?」
「え…?それって一緒に旅をしようってこと…!?」

「(なんだって!!)」
サトシは驚いてとっさに傍に立っていた木の陰に隠れてしまった。
ヒカリが居なくなってしまうということを想像したら
頭がいっぱいになってしまい回りの事が何も聞こえなくなっていた。

一方のヒカリはか細い声で申し訳なさそうに即答していた。
「…ごめんなさい…あたし一緒には行けない」
「ノゾミといるとすっごく楽しいのよ、でも…ノゾミとはライバルでもあるし…ごにょごにょ」

「そう言うんじゃないかと思ってたさ、変なこと言ってゴメンね」
断られてもと爽やかに応じるノゾミ。
続けてヒカリに何事かを耳打ちした。
「(一番の理由は…もしかしてサトシ?)」
ぼっと顔が赤くなるヒカリ
「ち、違うよ~!」
思わず大声で叫んでしまった。


その声に我に返ったサトシが飛び出してきた。


「ヒカリ!行かないでくれ!!」


「サトシ??」
「オレ、ヒカリと旅を続けたいんだ!」
サトシは思い込んだら一直線で大暴走していた。

「サ、サトシ、行かない、行かないから落ち着いて~!」
ヒカリはノゾミの手前恥ずかしくて真っ赤になり涙目になっていた。

「へ?行か…ない?」
「そ・う・で・す!
もうっ立ち聞きしてたのね…!それも中途半端に…」
ヒカリにジト目で睨まれてサトシはタジタジになりながらも
「ごめんっ…でも良かったー」
そう言って安心してへたり込んだ。

「アタシは一旦ポケモンセンターに戻るよ、良かったね…ヒカリ」
目配せして去っていくノゾミにまた赤さを増すヒカリだった。


「サトシのバカ…ノゾミの前で恥かいちゃったじゃないの」
「わりぃ…とっさの事で頭がいっぱいになっててさ」
ぽりぽりと頭をかいて弁解するサトシ。
「ヒカリと居ると楽しいし
良く分からないんだけど、絶対引き止めなきゃと思ったんだ」

「あ、あたしだってサトシと一緒だと楽しいから…
ノゾミの誘いを断ってたんだもん」

「なんだ、そうだったのか…慌てて損したぜ」
「(でも、引き止めてくれて嬉しかったよ…)」
「え、何か言ったか?」

「ううん、なんでもない!
さっ行きましょ、どうせお昼ごはんまだなんでしょ」
話はそれまでよとばかりに、サトシの手をとって走り出した。
駆けていく二人はとても幸せそうでしたとさ。

おわり。


しょぼいのを間に挟んでスミマセン
本当はサトシが焼きもち焼くラブラブ話が書きたかったのですが
うまくいかず放置気味になっていたところ、>>381さんのヤキモチ話に満足し、
書いてあった残骸を軽い感じにまとめ直したものが↑です…

朝食のやり取り【ver感謝を忘れずに】

「サトシ、そこの醤油とって」
「わかった。ほらっ」
「ありがとっ」
「変わりにお茶とってくれないか?」
「オッケー、はいどうぞ」
「サンキュ!」
「二人とも口の周りが汚れてるぞ、ほらナプキン」
「ありがとうタケシ!」
「ありがとなタケシ!」
「(同時に言うとは…いや凄いシンクロだな…)」


いつもこういうやり取りしてんのかなって思ったから書いた。
あと1レスにしたのはたまにはいいかなって………すいません言い訳ですサボりましたすいません…

(無題)

こんなのはどう?


朝、タケシは朝食を用意していたら
「うわぁ~~、よせヒカリぃ~~」
「待ちなさいよぉ~サトシ!」
なにやら騒がしいと思い、テントの方をみると
テントがアメーバみたいに踊っている
「・・・・・」
するとサトシが行きよいよくテントから出てきた
その後をヒカリとポッチャマが出てきた
「今日こそ、そのボサボサ髪を直して上げるから~♪」
「いいって言ってるだろぉ~~」
「問答無用♪ポッチャマ、バブルこうせん!!」
「ポッチャマ~~~!」
バブル、バブル

「うわっ!!」
サトシはこうせんを避けまくるが追い詰められてしまった
「覚悟しなさいサトシぃ~♪ポッチャマGO!」
バブル、バブル
「うわ~~」

ついにサトシの髪はストレート(?)に・・・
「・・・・・」
ヒカリはサトシをジッと見ている
「な、なんだよ?」

「か、かっこいい~~~♪」
「へ?」

「サトシ、凄いかっこいいよ!うん、絶対大丈夫!」「そ、そうかな」

まんざらでもないサトシだった



急に思いついた
批判はいくらでも受けます

サトヒカ愛

「ねえサトシ、ポケモンを強くするために大切なこと知ってる?
あたしいい事聞いちゃったんだけど…当ててみて♪」
そう得意げにそう言うヒカリ。

「そりゃあいろいろあるんじゃないか?熱いハートとか!厳しいトレーニングとかさ!」
ヒカリが何を言いたいのかよくわからなかったが、大好きなポケモンバトルの話題に
ノリノリで答えるサトシ。

「ふふっやっぱりサトシは分かってないわね~
ポケモンを強くするために必要なもの、それは"愛"よ!」
「あい…?なんだそりゃ?」

「ポケモンを愛することで、ポケモンの力をより引き出せるようになるの」
「愛するって、要は好きになるってことか?」
「そうね、好きと同じ…だと思うわ…(ちょっと赤面)」

「それなら分かる気がするぜ。
トレーナーがポケモンのことを大好きなら、ポケモンも頑張ろうって気になるもんな」
「そうでしょ!ちょっと照れちゃうけど愛ってすごいわね」
「うん、そう言われると愛ってすごいのかもな」

「だけどさ、せっかく教えてもらったけど
オレは愛でこれ以上ポケモン達を強くするのは無理かもしれないぜ」
「えっどうして!?」
意外な発言に驚くヒカリ。

サトシはいたずらっぽく笑うとこう言った。
「今でもみんなのこと限界まで大好きだからな!」

「あっ!そうよね!そんなのあたし知ってたのに…可笑しいわ」
サトシに教えてあげようとしていたことが
彼の一番の得意分野だったことに気づき思わず笑い出すヒカリ。
「サトシにはつまんない答えでゴメンね」

「いや、ヒカリが教えてくれて嬉しかったぜ。
だってヒカリもポケモンのこと大好き…じゃなくて愛するのに賛成ってことだろ?」
「ええ、もちろんよ」
「ヒカリがオレと同じ意見だとなんか嬉しいんだけど変かな?」
「ううん、あたしも嬉しい…かな」

トレーナー同士にも自然と愛が芽生えそうなそんなサトヒカでしたとさ☆ミ

おわり。

(無題2)

願望SS
ナタネさんときのタッグバトルサトヒカだといいなあ

「あーあ、タッグバトル大会なんか参加しなきゃよかったぜ(プンスカ」
(サトシ機嫌悪そうね…タッグの相手があれじゃあ仕方ないか)
「組む相手がくじびきなんて、よく考えたら変な伝統よね~」
「そうだろ?今更言っても仕方ないけど最初からパートナーが選べたらなぁ…」
「そしたらあたしとサトシで優勝間違いなしね!」
「そうだな。よし、今度別な大会があったら一緒に出ようぜ!」
「いいわよ!じゃあ早速特訓しない?」
「ヒカリ気合入ってるな!もちろんいいぜ」
「タケシーちょっとバトルの相手してくれないかー」
(えへ、サトシの機嫌が直って良かったv)

(無題3)

旅の途中での休憩中
ミミロル「ミミ~、ミミロ~ミミミッミミミロ?」
ピカチュウ「ピカピカ、ピカピカチュウ。ピカピ、ピカピカ」
ミミロル「ミミロ~?ミッミ~ロ、ミミロ~」
ピカチュウ「ピッカ?ピカピカピカチュウピカ」
ミミロル「ミミ、ミッミッミ~ミミロミ」
ピカチュウ「ピカ?ピッカピ~」
ミミロル「ミミッロッミミ~?ミミミミ~ミミ」
ピカチュウ「ピカチュウ!ピッカピカ」
ミミロル「ミミミ、ミミミミ?」
ピカチュウ「ピッカピカピカピピピ」
ミミロル「ミミミミミロ~っミロ」


うん、なんて言ってるのかは俺にもよくわからないんだ
だから和訳はしてない
内容は文脈から判断してくれ

ヒカリん看病

コンテストが開催される町を目指す道中、山道でサトシが熱を出した。
タケシが近くのポケモンセンターまで風邪薬を貰いに出かけたため
今はヒカリが一人でテントの中で横になるサトシを看ていた。

「ごめんな…ヒカリ、コンテスト間に合わなくなって」
「気にしないでゆっくり休んで。サトシの体の方が大事よ」
「ありがとう。こうして看病してもらうのも案外いいもんだな…」
「そんな事言えるなんて、大分元気になってきたみたいね」
素直なサトシがかわいく思えてヒカリはにっこりほほえんだ。

「そうだ!サトシお腹すいてきたんじゃない?
あたしがお粥を作ってあげようか」
「…大丈夫か?」
「だいじょうぶ、この前ポフィンが上手に作れたのを見てたでしょ
料理だって同じようなものよ。任せといて」
「う~ん、じゃあオレも手伝うよ」
「もう!サトシは病人なんだから素直に甘えてればいいの!」
「わかったよ、くれぐれも気をつけてな」
「…」
あたしってそんなに信用ないのかなあと思いつつ
「じゃあちょっと作ってくるから、楽しみに待っててね」
ヒカリはテントを飛びだした。

予定地