サトピカミミ探検隊
- スレ1-224
- サトピカミミ探検隊
- 07/09/16 13:21:44
時刻は夕暮れどき、サトシたち一行は森の近くにテントを張り、食事の支度をしていた。
モンスターボールから出されたポケモンたちがわいわいと騒ぎタケシが鍋を暖めている。
そんな中をサトシは落ち着きなく歩きまわっていた。
「なあタケシ、ヒカリの奴戻ってくるのが遅くないか?」
ヒカリは木の実を集めるため森に入っていたが、
普段よりも戻りが遅くなっていたため心配になってきたのだ。
「落ち着けよサトシ、まだ1時間も経ってないぞー」
深い森でもなく、危険なポケモンも生息していないところなので
冷静なタケシはそれほど心配はしていない。
「よし、やっぱり迎えにいってくるぜ!いくぜピカチュー!」「ピッカー」「ミミー」
ピカチューに続いてミミロルも飛び出していった。
「おーい、サトシーー」
人の話を聞かないんだからまったく…とぼやきながらも
何故かにやにやしてしまうタケシだった。
────
「おーい、ヒカリー!いたら返事しろよーっ!」
すぐに見つかるようなところにはヒカリは居なかった。
「はぁ…、方向音痴のくせに自分では大丈夫って思ってるんだからなあヒカリはあ」
「ピカチュ~」「ミミ♪」
ピカチューも同意している。ミミロルはマイペースにピクニック気分でもあるらしい。
ふとそんなミミロルが足をとめて両耳を立てた。
気づいたサトシも耳を澄ませてみる。
「キャーッ」
すると遠くでかすかに叫び声が聞こえた。
ヒカリの声だ!サトシたちはミミロルを先頭に一目散に駆け出した!
- スレ1-225
- サトピカミミ探検隊
- 07/09/16 13:22:35
「ヒカリー!大丈夫かーーっ!?」
駆けつけた先でサトシたちが見たものは…
ノゾミとバトルの練習をするヒカリだった…!!
ズコー(ずっこけるサトシとピカチュー)
「負けちゃったーやっぱりノゾミは強いわね^^;」
「いや、ヒカリのポッチャマもよく育てられていて見違えたよ(キザっぽっく)」
見ればちょうどヒカリのポッチャマが目を回していた。
さっきの悲鳴はバトルで負けが決まったときのものだったのだ。
「って、あれ、サトシ!どうしたの!?」「ミミロルまで…!」
ようやく気づいてもらえたサトシは「ははは」と力なく笑った。
────
森の中で偶然再会したノゾミに、腕試しにコンテストバトルを挑んだ
という経緯を聞いたサトシは文句を言った。
「なにもこんな夕方に始めなくてもいいだろ?」
「暗くなったらどうする気だったんだよ!」
「大丈夫よ!ノゾミもいっしょだし、サトシったら意外と心配性なのね…(はぁ)」
「なんだよせっかくむかえに来てやったのに!」
「それに心配性って…、ヒカリじゃなかったら心配なんかしてないぜ」「ピカピカ~」
「それって…、わたしがだいじょばないってことー!?(プンスカ」
それを見ていたノゾミが呆れたようにつぶやいた。
「あんたたちホントに仲いいねえ…」
「へ、そう?」「別に普通だよな?」
「うんうん」とうなずくヒカリ
息の合ったお鈍さを目の当たりにして、ノゾミはただ立ち尽くすしかなかった。(大げさか…)
- スレ1-226
- サトピカミミ探検隊
- 07/09/16 13:23:34
「丁度お迎えも来たようだし、あたしはこれで失礼するよ」
ヒカリは引き止めたが、既に近くにテントを構えてしまってあるということで
それを放置しておくことはできないらしい。
「あんたたちも暗くなる前にちゃんと帰るんだよー!」
そういい残してノゾミは爽やかに去っていった。
「わかってるー、またねー!」「また会おうぜー!」
なかよく見送るサトヒカ。
ついさっき口論をしていたように見えたのは、ただじゃれあっていただけなのだ。
「じゃああたしたちも帰りましょうか」
「ああ、タケシを待たせちゃ悪いからな!」
…しかし、何故か動き出さないふたり…
その後、ヒカリはノゾミを見つけて夢中で追いかけたため
サトシもヒカリの叫び声を聞いて夢中で駆けつけたため
実はふたりとも帰り道が分からないことが発覚してひと騒ぎあったが
森は大得意なミミロルが、しっかりと帰り道を覚えていてくれたため
事なきを得たのだった。
そしてその帰り道
「ふふっ、サトシだってだいじょばないじゃない」
「あたしの(強調)ミミロルがいなかったら全然ダメだったんだから」
「ちぇっ、ヒカリだって本当に迷ってたんだからおあいこだろ」
「そうだ、今度はふたりで来てどっちが長く迷わないか勝負しようぜ!」
「いいわね!受けて立つわ!」「ミミロール」「ピカピカ~」
夕暮れの森の中をそんなふうに賑やかに、サトシとヒカリ、ミミロルとピカチューは
帰って行った。(ちなみにポッチャマはモンスターボールの中にいる。)
テントに着いたとき、タケシはタイミングよく夕飯を作り終えたところで
楽しそうに帰ってきたサトシとヒカリを、やれやれという顔で眺めていた。
おわり。