ウエディング写真で大丈夫!
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- ウエディング写真で大丈夫!
 - 07/09/18 23:18:12
 
 直しても知れてるので書いたものから投下します。     
 とある賑やかな町へやってきたサトシたち一行。 
 商店街のある店の前を通りかかったとき、サトシが何かに気づいた。 
 「ヒカリ、あそこでコンテストの衣装が着られるみたいだぜ」 
 「本当!?着たい!着たい!」 
 ヒカリにせっつかれながらサトシの指した店に向かう三人。 
 お店の前には、大人用と子供用の美しいドレスが飾られ 
 「試着できます!モデル募集中!」と書かれた看板が立てられていた。 
 どうやら貸衣装屋さんのようだ。 
 「わー綺麗なドレスね~!すごーい!着てみた~い!」 
 「いいぜ、待っててやるよ。なっタケシ?」 
 キャッキャと喜ぶヒカリに、見つけたことに得意げなサトシ。 
 「ああ、後はこの町のポケモンセンターに泊まるだけだ。別にかまわないよ。 
 まずはお店の人に話を聞いてみようか。」 
 だけどいいのか、とニヤっとしながらタケシが続けた。 
 「これウェディングドレスだぞ」 
 「うそーっ(喜)」 
 ヒカリはますます目を輝かせた。 
 「へぇ~」 
 一方サトシはピンときていないようだ。   
 「……ふ~ん、そうか~」 
 「サトシったらわたしのウェディングドレス姿が見たいなら 
 見たいって言えばいいのにっ!(にこにこ)」 
 「へ、なんだよそれ?(汗」 
 「オレはただヒカリが喜ぶかと思ってだな・・」 
 いたずらっぽく微笑みながらひじでサトシをつつくヒカリの 
 得体の知れない迫力に珍しくタジタジになるサトシだった。  
 
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 - 07/09/18 23:19:53
 
 そんな騒ぎを聞きつけてお店のお姉さんが出てきた。 
 「おねー…しびれびれ!!」 
 タケシはグレッグルに瞬殺され、端の方に引きずっていかれた。 
 お姉さんは見てみぬふりをした。 
 「あら、かわいらしいお嬢さんね。このウェディングドレスに興味があるのかしら?^^」 
 「はい!試着ができるって書いてあるんですけど、お願いしてもいいですか?」 
 すかさず答えるヒカリは試着する気満々だった。 
 「もちろん。ただ一つお願いしていることがあって、ドレスを着た写真をお店の宣伝のために使わせて欲しいの」 
 「ここの通りの前に張りだすことになるのだけれど了解してもらえるかしら?」   
 「う~ん、ちょっと恥ずかしいですね…(もじもじ」 
 まんざらでも無さそうな感じながら、あと一歩踏み切れずにいるヒカリだった。 
 それを見たお店のお姉さんは、可愛らしいヒカリを逃してなるものかと次の手に出た! 
 「そこの帽子のキミ、彼女のボーイフレンドでしょ?」 
 「あ、はい」 
 お約束ではあるが、サトシは今(ん?友達って意味だよな…?)程度の理解で返事をしていた。 
 ヒカリもノーリアクションでにこにこしているだけだ。 
 鈍感なのかそのくらい当たり前と思っているのかは謎だ。   
 「彼女一人じゃ恥ずかしいみたいだから、キミも衣装を試着して写真入らない? 
 いい記念になると思うけれど。うふふ。」 
 まずヒカリが反応した。 
 「えっ、サトシといっしょに…ですか!?」 
 続いてサトシは苦笑いしつつ後ずさりを始めた。 
 「オレはそういうのは…チョット…」 
 サトシが何か言い終わる前にヒカリが割り込んだ。 
 「あたしやります!サトシといっしょにモデルやります!」 
 「元はといえばサトシが言いだしっぺなんだから当然協力してくれるわよね」 
 「え、意味わかんないぜ、別にオレが頼んだ訳じゃないし」 
 「もう、照れないの照れないの!」 
 何故かヒカリのやる気に火がついたことに訳が分からないままサトシはずるずると 
 ヒカリとお姉さんに引きずられていった。 
 「もう、一体何なんだよ~~」  
 
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 - 07/09/19 23:24:33
 
 そしてヒカリとサトシの衣装チェンジが終わった。 
 二人は別々の部屋で着替えたため、今が初対面だ。 
 ヒカリは店頭に並べてあったドレス姿に、サトシは新郎っぽい衣装に 
 それぞれ変身していた。 
 「どおサトシ?似合ってるでしょ♪」 
 そう言ってスカートをふわりと浮かせてくるっと一回転してみせるヒカリ。 
 「へぇ~なかなかのもんだな…」 
 サトシはマジマジと観察した。 
 わずかに顔が赤なっているのは着飾ったヒカリに照れているからだ。 
 「サトシも似合ってるじゃない!髪もちゃんと梳かしてもらったのね」 
 「そうかなぁ?こんな服、窮屈で息が詰まりそうだよ。 
 早く写真を撮って終わりにしようぜ・・」 
 ヒカリはしょうがないわねぇという顔をしつつもサトシにあれこれ 
 ちょっかいをかけていた。   
 しばらく経って、お姉さんが声をかけた。 
 「さあ、そろそろ写真を撮りましょうか。そこに並んでくれる?」 
 「は~い!」「はい!」 
 ヒカリはサトシの手を取って立ち位置まで移動した。 
 サトシもいつのまにか笑顔になっている。   
 お姉さんの指示をうけてサトシとヒカリはポーズを取った。 
 サトシの腕にヒカリが手をかけるおきまりのポーズだ。 
 ヒカリは緊張でドキドキしてきてサトシに視線を向けたが、 
 一方のサトシはいつもと変わらないように見えたのでほんのすこしムカっとした。 
 「あたしなんだか緊張してきちゃった…けど…サトシは平気みたいね…?」 
 「オレだけじゃなくてヒカリも一緒だからな。ヒカリが誘ったくせにだらしないぜ?」 
 サトシも実はやや照れていたようで、はにかむようにヒカリに笑いかけた。 
 他意のない発言ではあったがヒカリは「ヒカリも一緒だから」という言葉に反応した。 
 「えっ」 
 恥ずかしさで顔をうつむけた後、思い切ってサトシの顔を見上げるヒカリの顔は 
 ほほが赤く染まりとても愛らしい笑顔になっていた。   
 パシャッ   
 お姉さんは、ヒカリとサトシが微笑み見つめ合った一瞬をのがさず写真に収めた。 
 「はい、どうもありがとう。とってもいい絵がとれたわ!」 
 「「え、いつ撮ったんですか?」」 
 会話中のためまったく気づいていないサトシとヒカリだった。  
 
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 - 07/09/19 23:25:15
 
 サトシとヒカリは元の服装に戻り、写真ができるのを待っていた。 
 タケシもようやく復活して合流している。 
 「二人とも、楽しかったか?」 
 「ええ!とっても」 
 「オレはもう御免だな…」 
 「またまた~最後は楽しそうにしてたじゃない」 
 「ははは、サトシもすみに置けないな」   
 そんなこんなで時間をつぶしているとお姉さんが写真を持ってきてくれた。 
 「お待たせ~。写真よく取れてたわよ」 
 「わ~」と喜ぶヒカリ 
 「へ~」とまんざらでもないといった感じのサトシ 
 「…」無言になるタケシ。 
 あまりにも幸せいっぱいな写真に面食らってしてしまったのだった。   
 「はい、サトシ君に1枚」「ありがとうございます」 
 「はい、ヒカリさんにはええと3枚だったわよね」「はい、ありがとうございます!」 
 「そんなにもらってどうするんだ?ヒカリ」タケシが問いかけた。 
 「せっかくのウェディングドレス姿だもん。ママにも見せてあげなくちゃ 
 手紙を書いて写真を送ることにしたの!」 
 「じゃあ、あとの1枚は?」今度はサトシが聞いた。 
 「ああ、これはね…ひみつ!」 
 「なんだそりゃ…教えてくれよ~」 
 こんなふうにわきあいあいとしたまま 
 お姉さんに見送られてサトシ達は貸衣装やさんを後にした。 
 サトシとヒカリの冒険はまだまだ続く!続くったら続く!  
 
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 - 07/09/19 23:26:06
 
 ─数日後─   
 ノゾミは賑やかな商店街を、やや品が悪いと言われるかもしれないが 
 缶コーヒーを飲みながら歩いていた。   
 とある貸衣装やさんの前を通りかかったとき、いくつかの写真が 
 飾られていることに目を引かれた 
 さすがプロはいい写真を撮るねと関心しながら見進めていくと 
 どこかで見たような二人が写っている写真に目が止まった。   
 「ぶっ!!!」(コーヒーふいた)       
 ─別の日─   
 マサラタウンのハナコママに手紙が届いた。 
 「あら珍しい、サトシから手紙だわ」 
 「でもサトシの字ってこんなに可愛らしかったかしら??」 
 まあいいわとビリッと封を開けるハナコママ 
 中には写真が1枚入っているだけだった。 
 いぶかしみながらも、飲みかけていたお茶を飲みつつ写真を除きこむハナコママ   
 「ぶっ!!!」(お茶ふいいた)     
 ────   
 ヒカリ「計画通りで大丈夫!」 
 サトシ「ヒカリ、なんか言ったか?」 
 ヒカリ「ううん?なんにも」 
 例の写真はサトシとヒカリのリュックの中でいつまでも大切にされましたとさ。     
 おわり。