- スレ1-287
 
- サトシの誕生日?
 - 07/09/22 00:26:01
 
 サトシ達は旅の途中、静かな森の中で休憩をしていた。 
 タケシは食材を探しに出ていて、サトシとヒカリは二人きりだった。   
 太い木の幹に隣り合ってもたれかかり静かにしていたサトシとヒカリだったが 
 ふと思いついたようにヒカリが話をきりだした。 
 「ねえ、サトシの誕生日っていつ?」 
 「え、オレの誕生日?いつだっけな…?」 
 そう言って考え込むサトシ。 
 「…どうも忘れちまったみたいだ…(汗」 
 「えーっ!そんなわけないでしょ!?」 
 目を見開いて驚くヒカリ。 
 「そんなこと言ったってな、覚えてないんだからしょうがないだろ」 
 「…ホントに忘れちゃったのね…」 
 呆れるヒカリ。   
 「でもっ、サトシはあたしと同じ10才なのよね?」 
 「ああ、それはきっと間違いないぜ」 
 「きっとって…^^;」 
 「えと、大丈夫大丈夫、だいたい年齢を忘れるわけないだろ!」 
 ヒカリは誕生日を忘れるような人が言ったって説得力ないですーと思ったが 
 話がややこしくなるので口には出さなかった。 
 「ていうことは、遅くても今日から次のわたしの誕生日の間までには 
 サトシの11歳の誕生日があるってことね…」 
 「どうして?」 
 「わたしの誕生日はサトシと初めて会った日なの♪ 
 だから、そこから1年以内にはサトシの誕生日があるはずでしょ?」 
 「それはそうだな(うんうん」   
 「はぁ…でも結局サトシの誕生日は分からないのね…」 
 すこし気が抜けたようなヒカリ。 
 「なんでそんなこと知りたかったんだ?」 
 サトシは少し申し訳ないような気持ちで尋ねた。 
 「サトシにね、誕生日プレゼントをあげようと思ったの 
 でも誕生日が分からないなんて台無しだわ…」 
 ヒカリは元々はプレゼントのことは黙っておくつもりだったが 
 誕生日が分からないという予想外のできごとがあったため 
 話してしまうことにしたのだ。  
 
- スレ1-288
 
- サトシの誕生日?
 - 07/09/22 00:27:24
 
 サトシはヒカリの気持ちに応えられるようなことを言わなくてはという 
 衝動のまま思いついたことを言葉に出した。 
 「じゃあさ、次のヒカリの誕生日がオレの誕生日ってことにしないか? 
 お互いプレゼントを出し合うってのはどうだ?それなら大丈夫だろ!」 
 ヒカリの顔がぱっと明るくなった。 
 「うん、それ…いい!いっしょに誕生日ね♪わぁ~楽しみだわ」 
 さっきまでが嘘のように楽しそうになったヒカリ。 
 「だろ?」 
 それを見てなんだか自分まで楽しい気持ちになるサトシだった。     
 ひとしきり和気藹々と話し合ったあとで、ふとサトシが冷静な指摘をした。 
 「でも、ヒカリの誕生日ってずいぶん先なんだよな…」 
 「そうね、だけどそんな先までずっと楽しみがあるなんて素敵じゃない?」 
 やわらかく微笑むヒカリ。 
 「それもそうだな」 
 笑顔で頷くサトシ。 
 「それにオレ、プレゼントなんてした事ないからさ 
 そのくらい時間があった方がいいかもな…ハハハ」 
 「サ~ト~シ!そんなに期待させると後が大変なんだからね! 
 もう遅いけど♪」 
 「ちょそんなつもりで言ったんじゃないよ、ヒカリ~」 
 「もう手遅れです~」 
 「だったらヒカリのだって期待しちゃうからな」 
 「望むところよ!」 
 「うへえ、やっぱり簡便してくれよ~」 
 「だーめーでーすーw」 
 わっはっはっはっは   
 こうして今日もまたサトシとヒカリの中睦まじい笑い声が 
 森の中に響き渡るのだった。   
 おわり。