暖かければそれでいい!?

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  • 暖かければそれでいい!?
  • 07/09/23 20:40:17
サトシ、ヒカリ、タケシの三人は、とあるポケモンセンターで宿をとっていた。
いつものように三人で一部屋を借りている。
部屋には2段ベッドが2つあり、一方の下段にタケシとその上にサトシが寝て
もう一方の上段にヒカリが寝るというふうに使っていた。

年頃の男女が同じ部屋というのは無防備な感じもするが
サトシとヒカリは持ち前のニブさで特に気にしてはいなかった。

時刻は深夜、ヒカリは寒さで目を覚ました。
「うわっ寒いっ…」
「寒いけど…このまま寝たらきっと風邪をひくわね」
予想外に冷え込んでいることに気づいたヒカリは部屋の外の備品室に
分厚い毛布を取りに行くことにした。
ヒカリは2段ベッドのはしごをおりて部屋を出て行った。

ガチャリ

「んっ…なんだ…?」
ドアが閉まる音でタケシが目を覚ました。
「うわっ寒いなあ、ちょっとトイレへ行っとくか…」
タケシはせっかく目覚めたついでとばかりに部屋を出てトイレに向かった。

タケシと入れ違いでヒカリが戻ってきた。
「ええと、あたしのベッドはどっちだったかしら」
部屋の電気が消えているため、近寄らないとよく分からないのだ。
「こっち?」
まず先ほどまでタケシが寝ていた方のベッドに近づいて確認をした。
「うん、誰もいないってことはあたしのベッドってことよね」
タケシが出ていることを知らずヒカリは勘違いをしてしまった。
「よいしょっと」
まず毛布を丸めてべットの上段に押し込んだあと
自分もはしごをつかって上った。
「ふぁぁ~これでやっと眠れるわ」
そう言って毛布を広げたとき、ようやくそこにサトシが寝ていることに気づいた。

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  • 07/09/23 20:40:52
(あちゃ~こっちはサトシのベッドだったのね…)
しまった~という顔をするヒカリ。
なんとなくもう一度サトシの寝顔を見ると、
サトシも薄い上掛け布団しかかけておらず寒そうにしていることに気づいた。
(サトシにも毛布を持ってきてあげないと風邪引いちゃうわよね…)
(う~ん…でももう動きたくないし…)
ヒカリは瞼が半分ふさがってきており、とても眠そうだった。
もう一度、重い毛布を運んで来る気力は無くなっているようだ。

「そうら~あたしがここで寝れば毛布は足りるし、もう動かなくて済むじゃない…
さすがあたし、だいじょーぶ…」
そう決めるとヒカリは毛布をサトシにかぶせた後
自分もサトシの隣に潜り込んだ。
布団から出ていて冷え切ったヒカリにはサトシの体温が心地よかった。
(やっぱり名案だったわ~)
そう思ったのを最後にヒカリはすやすやと眠りに付いた。

──翌朝──

タケシが一番に目を覚ました。
「おーい、サトシー朝だぞ~」
いつものようにタケシがサトシを起こすために
はしごを上りサトシのベッドを覗き込んだ…

「ほぅぁぁぁぁぁぇ!?」

タケシは声にならない叫びを上げて固まった。
ベッドではサトシとヒカリが仲良くくっついて眠っていたのだ。
タケシの叫びは殆ど声にならなかったためサトシたちはまだ目を覚まさない。

その時、固まっていたタケシがバランスを崩し、梯子から落下した。
「「ド ッ シ ー ン!!」」
大きな音にサトシとヒカリは目を覚ました。

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  • 07/09/23 20:41:39
「ふぁぁぁ…?」
「んん…?」
お互い普通に起きようとしたが隣に暖かい感触があることに気づいた。
首を動かして目と目を合わせる二人。
「ヒカリ!?なんでここに?」
「サトシ!?なんでっ?」
驚きはしたものの布団の外が寒いので飛び出したりはしていない。

「ああ思い出した、昨日の夜あたしがサトシに毛布をかけてあげたのよ
それで面倒だからここで寝ちゃったってわけなの」
「なんだ、そうだったのか~ビックリしたぜ…」
そう言ってお互い納得してしまえるニブいにも程がある二人だった。

「なんか暖かいしもう一眠りしたいなあ…」
「そうね~あと10分くらいいいわよね…」
そう言ってサトシとヒカリはそのまま仲良く二度寝をはじめた。

タケシは固まったまま一部始終を聞いていたが、既に突っ込む気力を失っており
しばらくそのままのポーズで呆れていたのだった。


おわり。