一緒。

  • スレ1-328
  • 一緒。
  • 07/09/29 23:46:05
久々に作品投下。第二作目です。宜しく

「なあ、タケシ あとどれ位で町に着くんだ?」
歩きつかれたサトシはタケシに聞く
「もう少しだよ。サトシ」

それに応えるタケシ。
「そういえば、もう直ぐ着く町ってたしか・・・」
そこに割って入ってくるタケシ
「ビトータウン、別名トレーナータウン。トレーナーやコーディネーターが集まることで有名。」
「へえ・・タケシ詳しいなあ。」
サトシは純粋に関心する。
「まあな。ここではいろんな情報が集まる町だ。四天王やジムリーダーや実力者の名がしれていたら、ファンがいることは間違いない!」
「ということは?」
サトシは疑問を投げかける。
「つまり・・・自分のファン、いや俺のお嫁になってもイイって娘がいても・・・ムフフ」
締りの無い顔して鼻を伸ばすタケシにサトシとヒカリはあきれていた。
「でもタケシって元ジムリーダーじゃ・・」
ヒカリが疑問に思ったことを口にする。
「しまったあああああああ!」
後ろでは何時ものようにグレッグルが毒突き体制に入っていた。

そうこうしているうちにビタータウンに到着する。
とても町並みが綺麗で、町のいたる所に花壇や水路などが彩り、まるで町が虹のような雰囲気をもたせている
「ぴか?」
足元にはシッポが少し分けてあるピカチュウがサトシの目の前に現れた。どうやら
メスのピカチュウらしい。そのピカチュウはサトシのピカチュウに気づき
「ぴかぴかちゅう♪」
と声を掛けてくる。
「どうやら、サトシのピカチュウに好意をもっているようだな。」
「でも、どうしたのかしら?このピカチュウ?」
「野生・・・でもなさそうだしなあ・・・。」
サトシ、ヒカリとタケシが問答している間に一人の女性がやってくる
「まってー!!ピピルっー!」

「貴方のピカチュウなんですか?」
ヒカリはその女性に話しかける。
「ええ、私はこの町でポケモントレーナーやっているの。それでこのピカチュウは私のパートナーなの」
「へぇ、俺と一緒だ。」
サトシはすぐさまに反応する。
「あれ・・・どこかで・・・」
女性はどっかで見たことがあるような感じでサトシを見る。

  • スレ1-329
  • &
  • 07/09/30 00:06:29
「ああ、俺はマサラタウンのサトシ、こっちは相棒のピカチュウ。」
「私はヒカリ、宜しくね。」
「自分はタケシといいまーす。」

その自己紹介で女性の目は輝く
「ええ!?あのポケモントレーナーのサトシさん????」
その勢いでたじろくサトシ
さらにその勢いに便乗してサトシの手を掴む。
「わたし、あああああ、あのカントーのリーグをTV観戦していて、そのファンになっちゃって・・・」
自分自身でも何を喋っているのか分からない状態になっている彼女にヒカリは
「あのう・・・名前は・・・・?」

「あ、ごめんなさい。私の名はライネってゆうの宜しく。」

「あのさ・・・俺のことしっているの?」
サトシはなんで自分をしっているのか疑問を投げかける。
「知っていますよ♪ 最近じゃ、ポケモン界のルーキーと呼ばれる位ですし」
ライネはサトシの今までの戦歴を並べるように話す。
タケシとサトシはこれまでの旅を思い出しながら聞き入っていた。

しかしヒカリは、
「そうなんだ・・・。」
改めてサトシを見直してみるヒカリ。
よく見てみれば、落ち着いた雰囲気やポケモンの扱いは自分よりは数段上であることは明確だった。

「実は私のピカチュウを見て欲しいんです。」
ライネはサトシに相談する。
「どうしたの?」
「『10万ボルト』がなかなか覚えれなくて・・困っていたんです。」

困り顔でライネはピピルをみる。ピピルも困った顔をしていて見事にシンクロしていた。
ピカチュウはサトシの肩から降りると
「ピカピカピピチュウ!」
元気をだせよというような感じで声をかけて来る。
ピピルは直ぐに喜び、ピカチュウに抱きついてくる。そこへ
ヒカリのモンスターボールからミミロルが真っ先にピカチュウにやってくる

「ミミ!ミミ!ミ!ミ!」
どうやら(ピカチュウは渡さないわよ・・・)の雰囲気でピピルを睨みつける。
ピピルは怖くなりライネの後ろに隠れる。
「こらあ!ミミロル!喧嘩しちゃ駄目!」

少し複雑な気持ちを隠すようにヒカリはミミロルを叱る。
なんだか、針が心をちくちくするように痛い。それがどんな気持ちなのかは自分でもよく分からない。
とりあえず、ミミロルを叱ることで自分の気持ちを落ち着かせていた。

  • スレ1-330
  • 一緒-3
  • 07/09/30 00:43:45
4人はポケモンセンターに移動し、ポケモン達の回復した後
早速ライネのピピルの特訓を始めた。

「ピカピカチュチュウ!」
「ピカチュウはまるで自分に弟子が出来たような気分で、ピピルの面倒をよく見る
「ライネ!10万ボルトって指示してごらん。」
「は、はい!ピピル!10万ボルト!」
ピピルの10万ボルトは、でそうで出ない。それどころか電気はサトシに直撃する。
「うわわわああああああああ!」
「あ、サトシさん!こらピピル!ストップ!」
ライネの声で電気が止まる。

「大丈夫・・・電気には慣れているから・・・でも、これは10万ボルトじゃないよ。電気ショックだね。」
ピカチュウもピピルに大丈夫と声をかける。
ライネはサトシの手をとり、起き上げさせる。
それをなんどか繰り返した後、7回目でようやくカタチになってきた
「いい感じじゃないか。ピカチュウもサトシとライネも」
とタケシ。

そんな様子をみると自分も鍛えなくちゃと思うようになり
「別の場所でポッチャマの特訓をするわ。」
とその場をでるヒカリであった。
一人ぼっちでやる特訓は何だか寂しい。
何時もならサトシが特訓を手伝ってくれるし、気にかけてくれる。
自分が間違っていたらサトシが指摘してくれる。でも今はサトシは居ない。
ポッチャマに渦潮とバブル光線、つつくのコンビネーションをある程度仕上げてから元の場所に戻る。

  • スレ1-332
  • &
  • 07/09/30 00:54:13
するとサトシ達は特訓の一休みに昼食をとっていた。
「どうしたんだ?ヒカリ?食事の時間になっても来ないから心配したぞ」
タケシはヒカリに気をかける。
「別に・・・・・ポッチャマの特訓が終わったから来ただけ。」
そっけなく話すヒカリ。
「何だよ、どうせするなら一緒にやろうぜ!」
サトシは何時ものように誘う。
「いいでしょ?いつもやっているんだから。たまにはいいでしょ。」
「どうしたんだよ?どうして怒っているんだ?」
「怒っていません。」
「怒ってる!」
「怒ってない!」
口調が段々激しくなり、最終的に喧嘩に発展していく
「いいよ!俺、ライネと一緒に特訓するから」
とサトシはライネの手を握り、特訓する荒野に移動する。

「いいんですか?ヒカリさんを置いて・・・・」
ライネは二人の雰囲気を察し、サトシに声をかける。
「いいんだよ!あんな奴・・・」
サトシは怒りが混じった声で、早歩きで移動する。

一方、町をぶらぶらと歩いているヒカリは考え事をしていた。
そこへヒカリを呼ぶ声。

「へ!?」
どっかで聞いたことがある声。少し落ち着いた優しい声。
その声の主はノゾミであった。

「ヒカリもここに来ていたんだ。」
「ノゾミ!どうしてここへ?」
「いやあね、コンテストの情報収集さ。ついでにニャルマーに似合う新しいシールとか、
新しい服とか・・・・そういえばサトシとタケシは?? いつもそのメンバーで旅していたジャン。」

ヒカリは突然泣き出した。

突然のことでノゾミは大慌てでヒカリを宥める。
「・・・・・ヒック・・・・・ぐすん・・・。」
「落ち着いた?」
「私ね・・・なんだか、変なんだ。自分の気持ちがなんだかよく分からなくって。」
ヒカリは今まであったことを話す。

「へえ・・・・そんなことがねえ・・・」
「どう?ノゾミ」
「ううん・・・おかしくないよ。きっと大丈夫。どうするの?」
「私・・・一人旅しようかなって思って・・・。」
ヒカリは胸の内をノゾミに話す。

  • スレ1-333
  • 一緒-5
  • 07/09/30 01:28:45
一方サトシの方はピピルの10万ボルトを修得の仕上げにかかっていた。

「凄いですね。サトシ先輩。」
ライネはいつの間にかサトシを先輩付けして呼んでいた。
「ピピルが、強くなって嬉しいです。」
「へへ・・・いつもピカチュウと一緒に特訓していたもんなー ピカチュウ」
「ピカ ピカチュウウ!
ピピルは10万ボルトを覚えたことをピカチュウにお礼を言っていた。
少し照れた顔しながら、ピカチュウは満足していた。それと同時になんだかサトシの表情が浮かない顔をしていたのも
ピカチュウは気づいた。
「ピカピ・・・。」
きっとヒカリがいないからだ。いつもなら、ヒカリがいて僕たちを応援しているヒカリがいないからだ・・・
そう思ったピカチュウはサトシとタケシ、ライネの3人を後にし
ヒカリを探しに行った。

「ピカチー!!ピカチー!!」
ピカチュウは小さいからだでヒカリを懸命に探す。丁度ヒカリとノゾミが会い、
会話をしていたのに気づいたピカチュウは二人の会話を聞いていた。
人の言葉は分かるけど・・・・人の気持ちはよく分からない。
人間がポケモンの声は分かるけど、ポケモンの気持ちはよく分からないようなものだろうか

ただ、ヒカリが僕たちからいなくなるということだけ理解できた。

どうして?サトシが他の女の子と仲良くしたから?
どうしたの?ねえ?

ピカチュウは少し元気をなくしながらサトシの元に戻る。
「どこへいっていたんだよ?ピカチュウ?」

  • スレ1-334
  • &
  • 07/09/30 01:53:53
ヒカリ達の一部始終を覗いていたロケット団。ムサシは苛立っていた。
「どうしたんだ?ムサシ?」
コジロウはムサシの様子を伺っていた。

「あ~どうしてもっと素直にならないのよぉ!もうじれったいわね!」
ムサシはコンテスト用の衣装に着替え、ヒカリとノゾミの所へ行く
「お、おい!ムサシ??」

「ちょっと、そこのアナタ。」
「・・・私ですか?」
「そうよ。いい子ぶるのもいい加減にしなさい。」
「なによ・・・突然湧いて出てきて・・・」
ヒカリは少しシャクにきてた。

「私は、素直になれない子を見ていると、なんだか昔の私を思い出すわ。
自分の気持ちに気づけなくて、それで勝手に行動して、相手を傷つけて、自分の気持ちを誤魔化している。
まあ、アナタが何をしようとも私には関係ないですもの。でもこれだけ言わせて貰うわ。じゃね。」

そういうとムサシは退散していった。
なんなんだ・・・と吃驚したノゾミはヒカリに声をかける。
でも言っていることは正しい。ノゾミもムサシの意見に賛成だった。
「さっきの人の言うとおりだと私も思うよ・・」
「ノゾミもそんな事いうの?」
ヒカリはポッチャマを抱え、走っていった。

「・・・・・・・・・ヒカリ・・・。」
ノゾミは心配そうに奥の林に消えていくヒカリをただ見ているだけだった。


  • スレ1-335
  • 一緒-8
  • 07/09/30 02:21:56
ライネはサトシのピカチュウとバトルすることになり
影分身や電光石火、そして覚えたての10万ボルトをやってみることにした
勝つことは出来なかったもの、やってみる価値は大きかった。
「私、サトシ先輩をマネしてピカチュウを育ててみました。でも・・これからは
自分なりのピカチュウを育ててみたいと思います!」

「それがいいよ!」
サトシはライネの決意に同意する。
「私、旅にでます!」
「そっか、ライバルになるなぁ」
「でも、サトシさんって強いんですね。」
ライネはサトシに尊敬の眼差しを向ける。するとサトシは
「違うよ。俺が強いのは俺自身じゃない。仲間・・そうポケモン達がいる。ポケモン達が
俺を信じてくれる。仲間がいる。そして・・・応援してくれる人がいる・・・・
上手くいえないけどさ」

「そうですか・・・」
ライネはサトシの言葉に聞き入っていた。

どーん!
大きな爆音。
そこへ一目散とサトシは向かう。
やな予感がする。そんな気がしたからだ。

その先にはポッチャマを抱え、リングマから逃げ回っていたヒカリがいた。
どうやらあの林のテリトリーはリングマらしく、看板には
「リングマに注意!」の張り紙がしてあった。ノゾミがうかつにも入らなかったのは
リングマがいるということを知っていたからだ。ヒカリに勿論注意したのだったが
ヒカリの耳に一切入っていなかったことが原因だったのだ。

「あんの・・・バカ!」

サトシはヒカリのもとへ向かう。
リングマはヒカリに牙を向ける。
さっきの戦闘でパチリスもブイゼルも戦闘不能になってしまった。
おまけにミミロルはいうことを聞いてくれない。どうやらピカチュウと離れ離れになってしまったことに
戦意が無いようで、リングマに向けたトコで勝てるかどうかはNOだ。
ポッチャマもボロボロになってしまった。
しかしプライドが高く、根性高いポッチャマは戦おうとする。
無理だってことは分かる。
「駄目よ・・・・ポッチャマ・・」

目の前が真っ暗になる。
もう駄目なんだ。
もうサトシに会えないんだ。
もう仲直りできないんだ。
涙で一杯になっていたヒカリはかすれ声でサトシを何度も呼んでいた。

  • スレ1-336
  • 一緒-9(完結)
  • 07/09/30 02:34:08

目の前にはサトシがいる。
「へ?」
「ヒカリ!しっかりしろ!」
リングマに向かって葉っぱカッターとスピードスターを発射し
難を逃れる二人。林を抜け、リングマから逃げ切り、ヒカリはサトシに
「ありがと・・・サトシ・・・」

「どうしたんだよ?あんなとこにいて」
サトシがいうのも最もだ。
「う、うん・・・・私、ライネにちょっと酷い気持ちになっていたの
なんだか私じゃないような気がして。それに私とだったらサトシと釣り合わないし・・・」
ヒカリは素直に自分の気持ちを話した。
「不安だったの・・・もし、このままライネと一緒に旅したら、私・・・・」

「・・・・・・。」
サトシは黙っていた。知らないうちにヒカリにそんな想いさせていた自分に少し落ち込んでいた
「ごめんな(ごめんね。」
二人の声が重なる。

「俺、ヒカリと旅したいよ。」
「サトシ・・・・。」
ヒカリはサトシの言葉に赤くなる。さっきまでの暗い気持ちが嘘みたいに
嬉しくなる。サトシは続ける。
「俺もヒカリと同じさ、ピカチュウに教えてもらわなきゃ、ヒカリの気持ちに気づけなかったんだから」
ピカチュウを見ながらサトシは微笑む。

「わ、私もサトシと旅したい!」
思いっきり、自分の気持ちをぶつけた。
よく考えると二人っきりで、体は密着というより肩と肩がぶつかっていた
同時に二人の心臓がバクバクと大きな音を立てている

ドクンドクン・・・

「サ・・サトシ・・・私・・・その・・・サトシのこと・・・」
「お・・・俺・・・・・その・・・あの・・・・」
なんだか何かのリミッターが切れたかのように二人は何かのスイッチが入っていた

そこへ
「おーい!大丈夫か!サトシ!ヒカリ!」
タケシの声で一目散に、二人は離れた。

翌日。
町から離れることになった一行はライネと別れを告げた。
ライネはありったけの笑顔でサトシとヒカリを出迎えた。
本当は泣きたかったけど、今は泣くべきじゃない。
そうライネは自分に言い聞かせ、元気に出迎えた。
今度会えたら、自分も気持ちを素直に出せるように。そう考えて


  • スレ1-337
  • 一緒(おまけ)
  • 07/09/30 02:38:57
その後。

「なあ、ヒカリ」
「なに?サトシ」
「手を出せよ。」
「どうしたの?突然?」
「いいから、」
サトシはヒカリの手を掴み、顔を赤くして
「一緒だからな。」
「・・・・・・・うん。」

長編になってしまった。前から暖めていたネタだったんだけど
文面にすると難しいことに気づきました。
原文はもっと心情面が多くて、削ったのもかなり多くて
皆様に満足できたかは疑問です。完全な自己満足なSSです。orz
連投申し訳ない。