さよならヒカリ?

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  • さよならヒカリ?
  • 07/10/08 22:17:49
大作の間に挟まってしまい申し訳ないですが投下します。


サトシ達一行はとあるポケモンセンターに宿泊していた。

「サ…シ…」
「う~ん…」
「サトシ、いい加減おきろよ」
「ふぁぁ~…おはよう…タケシ」
「ああ、おはよう。と言っても、もうお昼どきだけどな」
前日に行った激しいトレーニングの疲労が出てしまいサトシは寝坊していた。

「えっ、もうそんな時間なのか…!ヒカリはどうしてる!?」
「ヒカリなら出かけてるぞ」
「…今日はコンテストの特訓に付き合う約束をしてたんだけど
ヒカリ怒ってなかった…?」

「ああ、それなら心配ないぞ
今朝偶然ノゾミと会って上機嫌で出かけていったからな」
「そっか…」
「面白くなさそうな顔だな」
「べ、別にオレが寝坊しちゃったんだし仕方ないぜ」

「ヒカリはグランドで新しい技を見てもらうと言っていたぞ
飯を食った後にでも顔を出してきたらいいじゃないか」
「そうだな!よし行ってくるぜ、タケシ!」
そう言うと、素早く服を着替えてサトシは飛び出していった。

「まったくアイツは…」
サトシがようやく人並みの感情を持つようになる日も近いのかもしれないな
としみじみ思いつつ、タケシはいずれ戻ってくるであろうサトシのために
食事の支度を始めた。

ふと、女の子を好きになるというより
ポケモンが大好きという気持ちの延長線上にヒカリが居るのではないかと
サトシの精神構造に不安がよぎったが「まあなるようになるだろう」と
思い直して料理を続けるのだった。

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  • さよならヒカリ?
  • 07/10/08 22:19:19
その声に我に返ったサトシが飛び出してきた。


「ヒカリ!行かないでくれ!!」


「サトシ??」
「オレ、ヒカリと旅を続けたいんだ!」
サトシは思い込んだら一直線で大暴走していた。

「サ、サトシ、行かない、行かないから落ち着いて~!」
ヒカリはノゾミの手前恥ずかしくて真っ赤になり涙目になっていた。

「へ?行か…ない?」
「そ・う・で・す!
もうっ立ち聞きしてたのね…!それも中途半端に…」
ヒカリにジト目で睨まれてサトシはタジタジになりながらも
「ごめんっ…でも良かったー」
そう言って安心してへたり込んだ。

「アタシは一旦ポケモンセンターに戻るよ、良かったね…ヒカリ」
目配せして去っていくノゾミにまた赤さを増すヒカリだった。


「サトシのバカ…ヒカリの前で恥かいちゃったじゃないの」
「わりぃ…とっさの事で頭がいっぱいになっててさ」
ぽりぽりと頭をかいて弁解するサトシ。
「ヒカリと居ると楽しいし
良く分からないんだけど、絶対引き止めなきゃと思ったんだ」

「あ、あたしだってサトシと一緒だと楽しいから…
ノゾミの誘いを断ってたんだもん」

「なんだ、そうだったのか…慌てて損たぜ」
「(でも、引き止めてくれて嬉しかったよ…)」
「え、何か言ったか?」

「ううん、なんでもない!
さっ行きましょ、どうせお昼ごはんまだなんでしょ」
話はそれまでよとばかりに、サトシの手をとって走り出した。
駆けていく二人はとても幸せそうでしたとさ。

おわり。