七夕物
- スレ1-13
 
- 七夕物
 - 07/09/03 20:31:44
 
 季節外れは重々承知。 
 だけど書きたかったのがここで発散できるようなので書かせてもらう。   
 (サトシどこだろう?) 
 ポケモンセンターに一台は必ず設置されているテレビを一緒に見ようと、 
 サトシのいる部屋の扉を開けた風呂をあがったヒカリは、中がもぬけの殻なのを見て少し残念だという表情をした。 
 ロビーにはまだほかのトレーナーがいるものの、知り合いのいる方がやはり楽しい 
 ポケモンセンターに着くと、ロビーのテレビであーだこーだと話すのは日課のようになっていて、今日に限っていないサトシに少し疑問を持った。 
 ベランダに出て、初夏の風に当たる。 
 北にあるシンオウは夏の初めでも、夜になると少し肌が冷える。 
 アーチを連続させた手すりに寄りかかって、満天の星空を見た。   
 「お、ヒカリか?」 
 上からそんな声が降ってきて、後ろにある屋根に視線を向ける 
 「サトシ、そんなところで何やってるの?」 
 「星がきれいだろ?それに明日は七夕だからさ」 
 そういえばそうだった、とヒカリは明日の日付を思い出す 
 確かポケモンセンターのロビーには笹が置かれていた。 
 「明日にはここを出発するし、今のうちにゆっくり星を見ようぜ」 
 たしかに、ゆっくりできるのは今日くらいか。 
 夏場は蚊が多くてゆっくりと眠れないし、ちょうどいいかもしれない。 
 ホーホーの声が静かな夜に染み渡る。 
 こんなにも静かな夜なのだから、ナオシの教えてくれたようにまた自然に耳を傾けよう 
 そんな風に考えて、ヒカリはサトシが屋根の上から伸ばした手を取った。  
 
- スレ1-14
 
- 七夕物
 - 07/09/03 20:48:35
 
 「ほら、しっかりつかまれよ」 
 「うん」 
 サトシの手首を両手でしっかりと握る。 
 そうすると簡単に引き上げられて、サトシも男なのだと妙に感心させられた 
 今まで一緒に旅をしてきて、超人的な運動能力に驚かされることは多々あったが、それを自分自身で体験したのは初めてかもしれない 
 片手で人を持ち上げるのって、すごいんじゃないだろうか? 
 妙に意識してしまうのを疑問に持ちながらも、サトシに支えられながらポケモンセンターも丸屋根に寝そべる。 
 「あ、あれスコルピ座よね?」 
 「お、本当だ。じゃああれは・・・」 
 満天の星空に飲み込まれるような感覚だった。 
 屋根の冷たい感触が湯上りの肌を冷ます 
 「そういえばヒカリ」 
 「何?サトシ」 
 「ヒカリは七夕、何をお願いするんだ?やっぱトップコーディネーター?」 
 「そういうサトシはポケモンマスター?」 
 「当然さ。ずっと前からの夢だからな。」 
 「私は・・・トップコーディネーターもいいけど・・・。」 
 「けど?今はわかんない。でも、トップコーディネーターはサトシやタケシがいるし、大丈夫って思える」 
 「そうだな。夢は願うだけじゃなくて、自分でかなえなきゃいけないもんな。」 
 目標は違う。 
 それでも目指す高みがある。 
 仲間と一緒ならきっと大丈夫だと、サトシとヒカリは笑いあった。 
 短冊にはこの楽しい旅が、夢がかなった後も続くようにと短冊に書いて。 
 明日の朝ポケモンセンターの笹に一番にくくりつけよう。 
 そう二人で約束して。        
 
- スレ1-15
 
- 七夕物(おまけ)
 - 07/09/03 20:53:23
 
 「ヒカリー、一人で降りられるのか?」 
 「大丈夫、本当に大丈夫だから」 
 「大丈夫って・・・どう見ても苦戦してるじゃないか。先に俺が降りてお前を下ろしてやるって」 
 「だめ!絶対だめ!」 
 「だから何でだよ、いくらなんでもヒカリで押しつぶされないぜ?大丈夫だって」 
 「サトシは大丈夫でも私はダイジョバナイの~!!」 
 そう、絶対に自力で下に下りなければ。 
 サトシにおろしてもらうとなると当然サトシは上を見る 
 まだロビーに行くつもりだったので普段の格好、つまりミニスカートのヒカリは、当然その中身を見られる可能性が高い。   
 「上が騒がしな・・・、それにしてもサトシとヒカリはどこだろう・・。なあグレッグル?」 
 「ッケ」