あたしはサトシの・・・?
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- 名無しさん@サトヒカ萌え
 - 08/04/24 04:19:21
 
 「あたしはサトシの・・・?」 Ⅰ   
 サトシはあたしにとって一番の薬だってノゾミが言ってた。 
 確かにコンテストで1次審査敗退を2連続繰り返しちゃった時は、サトシが頑張ってる姿を見て復活を決意できた。 
 じゃあ・・・サトシにとってあたしは何? 
 サトシはあたしのことどう思ってるの? 
 ただの仲間?女友達?それとも・・・   
 ここはとある町。今ポケモンコンテストが開催されている。 
 「今よポッチャマ!バブル光線!!」 
 「ポッチャマーッ!!」 
 ポッチャマのバブル光線が相手のポケモンにクリーンヒット! 
 そのままバトルオフにした。 
 「やったあ!」 
 あたしは飛び上がって喜んだ。 
 「ば、馬鹿な!?こんなハズは・・・!」 
 あたしの対戦相手、黒服の男の人はそんな言葉を吐いた。 
 「覚えてろ・・・よくも俺の顔に泥を塗ってくれたな!!」 
 男の人はあたしに向かってそう言うとステージを後にした。 
 「そんなこと言われても・・・勝負なんだからしょうがないじゃない・・・」 
 あたしは愚痴をこぼした。 
 その時は全然気にも留めなかったこの出来事。だけどまさかあんな目に遭うなんて・・・    
 
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- 名無しさん@サトヒカ萌え
 - 08/04/24 04:56:22
 
 「あたしはサトシの・・・?」 Ⅱ   
 翌日・・・ 
 結局昨日のコンテストは決勝戦で負けちゃってリボンゲットは叶わなかった。 
 「気にするなって!次頑張ればいいさ!」 
 いつものようにサトシは優しい言葉をかけてくれた。 
 ありがとうサトシ・・・ 
 あのね・・・前から思ってたんだけど、サトシってあたしに対しては特別に優しい気がするのよね。 
 そりゃサトシから見たらあたしなんてまだまだヒヨっこだし、一応女の子だからさ・・・ 
 でもこれって結構脈ありかな? 
 「ねえサトシ」 
 「どうした?」 
 「サトシってさ、ハルカのこと好きになったりしなかったの?」 
 ハルカとはこの間のミクリカップを通して色々話した。 
 前に一緒に旅してたみたいだしひょっとして・・・って思って軽い気持ちで聞いてみた。 
 「好きだけど?」 
 サトシがケロっと答える。 
 「ちーがーいーまーすぅー!恋愛として好きかどうかってこと!」 
 あたしも中々鈍感だけどサトシはもっと重症だ。だから一応突っ込んでおいた。 
 「恋愛ねえ・・・どうだろうな・・・」 
 「ハルカのこと好きだったの!?」 
 サトシは横目であたしを見た。 
 ドキッ・・・! 
 ちょ、そんな目で見ないでよ・・・サトシのほうまともに見れないじゃない・・・ 
 「恋愛的に好きかどうかはよく知らないけど、ちょっと気になる奴ならいる・・・かもな」 
 「誰!?」 
 予想もしなかったサトシの発言にあたしは喰いついた。 
 「俺にもよく分からねえよ・・・」 
 サトシは恥ずかしそうに帽子を深く被り直した。 
 これって・・・もしかして・・・      
 
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- 名無しさん@サトヒカ萌え
 - 08/04/24 04:57:44
 
 「あたしはサトシの・・・?」 Ⅲ   
 その日の夕方・・・  
 タケシは買い出しに、サトシはバトルの特訓。  
 あたしはというと、特にやることもないので散歩していた。  
 「サトシの気になる人があたしだったら・・・いやそんな・・・///」  
 顔を赤くしてそんな独り言を呟きながら歩いていると綺麗な花が咲いている公園を見つけた。  
 「わあ・・・」  
 凄く綺麗・・・サトシにも教えてあげようっと!  
 それでサトシの気になる人が誰なのか聞きだしちゃおう!  
 そう思ったあたしがポケモンセンターに戻ろうとした時だった。  
 突然あたしの口に何かが押し付けられた。  
 「んっ・・・む!?」  
 なにコレ!?ハンカチ!?  
 そのハンカチからは妙に甘いような酸っぱいような臭いがする。  
 「んー・・・」  
 途端にあたしは何だか眠たくなってきた。  
 「むぐぐ・・・」  
 なんとか逃れようと抵抗したけどまったく無意味だった。  
 どんどん意識が遠ざかり、あたしは睡魔の闇へと引きずり込まれていった・・・          
 もうちょい続きます。       
 
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- 名無しさん@サトヒカ萌え
 - 08/04/25 16:27:43
 
 「あたしはサトシの・・・?」 Ⅳ   
 「んんー・・・(サト・・シ・・助け・・て・・・)」 
 誰かに薬を強引に嗅がされたあたしはそのまま眠っちゃった。 
 「クク・・・」 
 あたしを眠らせた誰かは笑みを浮かべた。 
 「ヤミカラス!これをこいつの連れに見せてこい!」 
 そいつはヤミカラスを出すと、持っていた紙切れをヤミカラスにくわえさせた。 
 「さて・・・行くか」 
 あたしはそいつに担ぎ上げられて、どこかに連れて行かれた・・・   
 「タケシ、ヒカリ見なかったか?」 
 サトシがタケシに聞いた。 
 「ヒカリなら俺が買い出しに行くって言いに言ったら、少ししたら散歩するって 
 言ってたぞ。まだ帰ってこないのか?」 
 「もう7時だぞ・・・いくらなんでも遅すぎないか?」 
 サトシは心配そうな表情を浮かべた。 
 「俺、探してくる!」 
 サトシはそう言うなりポケモンセンターを飛び出そうとした。 
 「ヤミーッ!!」 
 すると窓から一羽のヤミカラスが入ってきて、サトシに紙切れを渡した。 
 「なんだコレ?」 
 「サトシ!それ何か書いてあるぞ」 
 タケシがサトシに言う。 
 それに気づいたサトシは紙に書かれている文字を読み上げた。 
 「えっと・・・お前たちの連れのヒカリとかいうニット帽の小娘を預かっている・・・!?」 
 途端にサトシが慌て出す。 
 「どーいうことだよ!?ヒカリ誘拐されたのか!?」    
 
- スレ1-577
 
- 名無しさん@サトヒカ萌え
 - 08/04/25 16:41:16
 
 「あたしはサトシの・・・?」 Ⅴ   
 あたしが誘拐されたことを犯人からの手紙で知ったサトシたち。 
 「・・・返してほしければここに来い・・・」 
 手紙の最後には地図である建物が記されていた。 
 「ヒカリ!」 
 サトシはそう叫んで飛び出した。 
 「サトシ!待てって!」 
 タケシも慌ててサトシの後を追いかけた。   
 その頃あたしは・・・ 
 「う・・・?」 
 ゆっくりと目を明ける。見えたのは色褪せた天井。 
 あたしはソファーに寝かされていた。 
 「・・・・・・??」 
 ここどこ?あたしどうなったの? 
 そういえばあたし・・・!! 
 そうだ!誰かに襲われて! 
 ズキンズキン・・・ 
 妙な薬品を嗅がされた所為で頭が痛い。 
 あたしの手足はロープできつく縛られピクリとも動かせない。 
 「んんーっ!!」 
 おまけにあたしの口はしっかりと粘着テープで覆われていて、思うように声も出せない! 
 「ん・・・むー・・・」 
 ポケットのモンスターボールを取ろうとしてみたけど、手を縛られててそれも叶わなかった。 
 「んーっ!むぐーっ!!」 
 誰か助けてぇ! 
 あたしは必死にもがいた。 
 でも人の気配なんて全然しない。 
 「うう・・・」 
 あたしは泣きたくなってきた。 
 そんな時、部屋のドアが開いた・・・     
 5回目。もう少しだけ続くよ。 
 エ○イ言うなww  
 
- スレ1-582
 
- 名無しさん@サトヒカ萌え
 - 08/04/29 17:42:00
 
 「あたしはサトシの・・・?」 Ⅵ   
 あたしが部屋のドアに目をやると黒服の男が立っていた。 
 「ん・・・んん!?」 
 この人・・・昨日のコンテストであたしに負けた人! 
 「目が覚めたようだな・・・」 
 男の人はあたしに近づいて、あたしの口を覆っていたテープを剥がした。 
 「ぷはっ!・・・あ、あたしをどうするつも・・・!?」 
 あたしがそう言おうとした瞬間、あたしは男に殴られた。 
 「あぐっ!」 
 あたしの体は衝撃でソファーから落ち床に転がった。 
 「お前の彼氏は間に合うかな・・・?」 
 男はそう言ってモンスターボールを2つ投げ上げた。 
 中からゴーリキー、アーボックが出てくる。 
 「な、何を・・・」 
 まさかそれであたしを・・・! 
 冗談でしょ!?あたし今動けないんだよ!? 
 男のポケモンがジリジリと迫ってくる。 
 「いやあ・・・」 
 来ないで・・・ 
 サトシ・・・助けて・・・!!  
 
- スレ1-586
 
- 名無しさん@サトヒカ萌え
 - 08/05/06 17:19:09
 
 「あたしはサトシの・・・?」 Ⅶ   
 「うぐっ!」 
 あたしはアーボックに締めつけられた。 
 「うぐぐぅ・・・」 
 苦しい!息が・・・!! 
 あたしはただ耐えるしかなかった。 
 「馬鹿な女だぜ・・・俺に恥をかかせるからそんな目に遭うんだよ!」 
 男はせせら笑いを浮かべながらあたしを眺めている。 
 「うう・・・」 
 ふざけないで!と言おうとしたけど、苦しくて声が出なかった。 
 誰か・・・サトシ・・・助けて・・・ 
 気がつくとあたしは泣いてしまっていた。 
 「クク・・・もっと苦しませてやる!アーボック!!」 
 男はアーボックに指示を出した。 
 「きゃああああっ!!」 
 アーボックはさっきより強い力であたしの体を締め上げた。 
 「・・・うう」 
 助けて・・・そう言おうとしたけどやっぱり声が出ない。 
 仮に出たとしても解放されるなんて思えないけど・・・ 
 バァンッ!! 
 その時勢いよくドアが蹴破られた。 
 あたしの視線がドアに移る。 
 「サト・・・シ・・・」  
 
- スレ1-588
 
- 名無しさん@サトヒカ萌え
 - 08/05/11 05:32:26
 
 「あたしはサトシの・・・?」 Ⅷ   
 「サトシ・・・」 
 ドアの所に立っていたのは間違いなくサトシ。 
 サトシが来てくれた・・・助けに来てくれたんだ・・・ 
 「うっ・・・ひっく・・・ううっ・・・」 
 あたしは嬉しくて泣き出した。 
 ドガッ!! 
 「ぐはっ!」 
 サトシは男を殴り倒して、胸ぐらを掴みあげた。 
 「ヒカリに何してんだよ・・・テメー・・・」 
 その顔は普段のサトシからは想像も出来ないくらい怒っていた。 
 「サトシ!」 
 「ピカピ!」 
 少し遅れてタケシとピカチュウが飛び込んできた。 
 「タケシ・・・こいつ見ててくれ。俺はヒカリを・・・」 
 サトシはそう言ってナエトルを出した。 
 「エナジーボール!!」 
 ナエトルの放ったエナジーボールがゴーリキーとアーボックを戦闘不能にした。 
 「ごめんな・・・恐かったろ?」 
 サトシはあたしを縛っていたロープを解いてくれた。 
 「う・・・うわぁぁぁん!!」 
 あたしはサトシの胸に顔を埋めて大泣きした・・・  
 
- スレ1-591
 
- 名無しさん@サトヒカ萌え
 - 08/05/15 07:17:59
 
 「あたしはサトシの・・・?」 Ⅸ   
 「今日は散々だったな・・・」 
 ここはベランダ。タケシが静かあたしに言う。 
 「・・うん」 
 あたしも静かに答える。 
 「何にしてもヒカリが無事で良かったよ。お前に何かあったら俺・・」 
 サトシはまだ心配そうにあたしを見ている。 
 「タケシ、ちょっと外してくれない?」 
 「ああ・・・」 
 タケシはすぐに察してくれたみたい。静かに部屋に戻る。 
 「ヒカリ?」 
 サトシがあたしの顔を覗き込んだ。 
 「あのね・・・さっきはホントありがと・・・サトシが助けに来てくれたのが嬉しかったよ」 
 「ヒカリは危なっかし過ぎるんだって」 
 「な、なによそれ!?」 
 ちょっと拍子抜けになったあたし。 
 「お前は俺の傍に居ろって」 
 「サト・・・」 
 サトシはあたしを抱き寄せた。 
 「俺もヒカリ・・・大好きだから」 
 「うん・・・///」  
 
- スレ1-592
 
- 名無しさん@サトヒカ萌え
 - 08/05/15 07:31:36
 
 「あたしはサトシの・・・?」 Ⅹ   
 ん・・・?「俺も」??? 
 あたしまだ告白・・・してない・・・よね・・・? 
 「あ、あたしもサトシ大好きだから!」 
 「ああ知ってる」 
 サトシはケロッと答える。 
 「だいたい判り易いんだよヒカリは。俺もいつまでも鈍感じゃないからな」 
 鈍感だと思ってたサトシに自分の想いが見透かされてた・・・ 
 これって嬉しいような・・・うーん、複雑・・・ 
 「じゃ、じゃあさ!あたしの彼氏になってくれる!?」 
 「ヒカリこそ俺の彼女になってくれるか?」 
 「大丈夫!」 
 「ホントかよ・・・」 
 サトシは苦笑いしながら頭を掻く。 
 「明日デートしよ!?公園に綺麗な花見つけたの!」 
 「へえ・・・そりゃ楽しみだな」 
 そこであたしはあの疑問をサトシにぶつけてみた。 
 「サトシ・・・」 
 「どうした?」 
 「サトシとって・・・あたしは何なの・・・?」 
 「・・・仲間・・・それに、恋人?・・・それじゃダメか?」 
 「それで十分で・す!」 
 今はそれで十分・・・でもいつかはサトシと一緒に・・・ 
 そんなあたしたちの一部始終をタケシが羨ましそうに覗き見してることにあたしは気づかなかったけど・・・