サンダーと生贄の祭壇

  • スレ2-311
  • 名無しさん@サトヒカ萌え
  • 08/10/15 19:22:03
生け贄・・・生きたままの人やポケモンを神に供えること。また、その供え物。
ある物事の為に犠牲になること。生贄。

て・・・けて・・・助けて・・・
暗闇の中、声が響いてくる。
「ギャオオオオオオオオオオッ!!!」
怪鳥の雄叫びがその声を完全にかき消してしまった。
広い湖・・・その中央の浮島に石で造られた祭壇があった。
「神・・・今宵の獲物はいかがでしたか?」
男の声が夜風に乗って冷たく聞こえた。

“サンダーと生贄の祭壇”


「ヒカリってさ・・・サトシのこと好きでしょ?」
「ぶっ!」
唐突な発言に、ヒカリは飲んでいたココアを思い切り噴き出した。
「ちょ・・・汚いかも!」
ハルカが慌ててテーブルを拭く。
「ごめんごめん・・・でもハルカが変なこと言うからだよ・・・」
苦笑いを浮かべながらヒカリが答える。
「で、どうなの?」
「・・・好き・・・だよ」
恥ずかしいのか、小さい声でヒカリはボソッと言った。

  • スレ2-312
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/10/15 19:45:22
「やっぱりそうなんだ~・・・でもその気持ち分かるかも」
ハルカがクスクス笑いながら、紅茶を口に運ぶ。
「恥ずかしいよう・・・」
ヒカリは若干頬を赤く染めながら呟いた。
「確かにサトシはカッコいいよ、頼りになるしね・・・惚れる子も多いよね」
「えっ・・・ハルカも・・・?」
ヒカリがハルカに問う。
「安心していーよ、私はサトシに友達以上の感情は今はないから」
またハルカがクスッと笑う。
「今は・・・?」
「昔は私もサトシに惚れてた時期があったんだよね・・・けど今はヒカリを応援してあげるからさ」
「ありがと・・・」
何だか心強いな・・・
ハルカはあたしよりもサトシと一緒にいた時間は多いから、そのハルカがあたしを
応援してくれるなら凄く心強い。
「そうそう・・・本題だけど、行くよねネルキ島」
ハルカが一枚のチラシをヒカリに見せる。
{コンテスト開催のお知らせ 特別地域ネルキ島にて近日開催!}
そのチラシにはそんな事が記されていた。


  • スレ2-313
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/10/15 19:56:39
「でもその島・・・危ないんでしょ?」
ヒカリが心配そうに尋ねる。
「うん、変な集団が島にはいるとかいないとか・・・噂によると、ポケモン強奪や
人攫いが頻発してるとか・・・」
「ひ、人攫い!? や、やめようよ・・・」
「でもここでしか食べられない物もあるんだけどな・・・ねっ、行こうよ」
「でも・・・」
「心配ないって! 島の中心街にいれば大丈夫かも
それにいざとなったら守ってもらえばいいでしょ?」
「誰に・・・?」
「サトシに」
「なっ・・・・・・」
ヒカリの気持ちを分かってカラかっているのか、ハルカがまたまた笑った。




続くぜよ
詳しい設定は次回言います


  • スレ2-321
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/10/23 21:14:29
サトシ! サトシィ!!
助けて・・・助けてぇ!!

「リ・・・カリ・・・ヒカリ!!」
遠くから呼ぶ声が聞こえる・・・
サトシ・・・・・・・?
「ヒカリってば!」
「うーん・・・サトシ・・・?」
ヒカリが眠そうに目を開いた。
「そろそろ起きろって、もうすぐ着くぞ」
サトシは壁にかかっていたヒカリの服をヒカリに手渡した。
「ありがと・・あれ? ハルカは?」
ハルカの姿がないことに気づいたヒカリが聞く。
「ハルカならもう支度して甲板にいるよ、俺も準備は終わってるし、あとはヒカリ待ち」
「ご、ごめん! すぐ着替えるから!」
ヒカリが慌てて着替えだす。
「じゃ、先に行ってるぞ」

「・・・・・・・・・」
着替えるヒカリの手が止まる。
夢・・・恐い夢を見ていた気がする・・・
よく思い出せないけど・・・

本当に大丈夫なの? あたしたち・・・

  • スレ2-326
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/10/24 19:18:00
チャプター1「最初の犠牲者」

「ヒカリ、ヒカリ!次はあれ食べよ!」
「ちょ、ハルカ・・・そんなに引っ張らないで・・・」
ハイテンションなハルカに連れられてヒカリはネルキ島の中心街にいた。
「さすがネルキ島名物“祭壇焼き”! おいしいかも!」
ハルカが食べているのは四角い煎餅のようなもの。
どうやらこの島の名物菓子らしい。
「食べてばかりでよく太らないよねハルカ・・・」
「え? 何か言った?」
「う、ううん、なんでも!」
慌ててヒカリが誤魔化す。
確かにハルカはスタイルいい。
あたしもこれくらいスタイルよかったらサトシを・・・って無理か。
だってサトシ鈍感だもん。

一方そのサトシは・・・
「ブイ!」
「ピカ!」
町の外れの広場にてピカチュウとブイゼルが組み手中。

  • スレ2-327
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/10/24 19:31:41
「いい感じだ二人とも!」
その様子にサトシも満足げに言った。
「ピカピ、ピカチュウ?」
「ピカチュウどうした?」
サトシのズボンの裾をピカチュウが引っ張った。
ピカチュウはヒカリたちのところにいなくてもいいのか? と言っているみたいだ。
「ヒカリにはハルカがいるから大丈夫だろ・・・でも、そろそろ夕方だし迎えに行くか・・・食いすぎてなきゃいいけど」
「ピカ!」
ピカチュウはサトシの肩に飛び乗った。
「さてと・・・ブイゼル行くぞー」
「ブイブイ!」
ブイゼルは拳をビュッと前に突き出した。
どうやらまだトレーニングを続けると言っているようだ。
「そうだな・・・じゃ、後で迎えに来るよ、ボールの中だったから宿の場所分かんないだろ?」
「ブイ!」
ブイゼルは頷くとまた拳を前に突き出した。


  • スレ2-328
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/10/24 19:43:21
「あ!サトシ!」
人ごみの中、ヒカリがサトシがこちらに走ってくるのに気づいた。
「サトシ、今日の夕ご飯このレストランにしない?」
ハルカがガイドブックをサトシに見せながら提案する。
「俺は食えればどこでもいいけど・・・その前にポケモンセンター寄っていいか?」
「あたしもポッチャマたち診てもらわなきゃ! 今度もハルカに勝つんだから!」
「そうはさせないかもっ! 勝つのは私!」
ミクリカップで敗戦しているハルカはこの大会でヒカリにリベンジするつもりなのだろう。
「おっ、二人とも本当いいライバルだな」
サトシはそんな二人をどこか嬉しそうに見ていた。

ポケモンセンター。
「あれ? ブイゼルは?」
ブイゼルの姿がないことに気づいたヒカリがサトシに聞く。
「ああアイツなら自主トレしてる、今から迎えに行って来る」
サトシはそう言ってセンターを出た。
「大丈夫かな・・・」
一抹の不安がヒカリの頭をよぎった・・・

  • スレ2-329
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/10/24 19:54:38
「ブイイ・・・」
ブイゼルは腰を下ろした。
少し疲れた・・・外はもう薄暗いし、サトシが来たらすぐ帰るか・・・
ブイゼルがそう思っていた時だった。
突然草むらがガサガサ揺れ始めた。
「!?」
警戒するブイゼル。
「ヒッヒッヒ・・・」
聞こえる妙な笑い声。
「ブイイ!」
怪しく思ったブイゼルは水鉄砲を草むらめがけて発射した。
水鉄砲は草むらに命中。
だが、そこには何の姿も確認できなかった。
「ブイ・・・?」
ブイゼルが不審に思いながら草むらを覗き込む。
しかしその時だった。
ガバッ!
「ブ、ブムッ!?」
突然、ブイゼルは口をタオルで覆われてしまった。
「ンーッ・・・ンーッ・・・!!」
ブイゼルはもがくが、タオルには即効性の麻酔薬が染み込ませてあり、ブイゼルの意識は遠くなってきた。
「ブ・・・イイィ・・・zzz」
そのままブイゼルは寝息を立て始めた。
「観光トレーナーのポケモンは粋がいい・・・これを捧げれば・・・」
男は薄ら笑いを浮かべた。

  • スレ2-335
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/11/02 00:14:43
チャプター2「ヒカリの心配」

「ねえ・・・サトシまだ帰って来ないの?」
ヒカリがすっかり暗くなった窓を見ながらハルカに聞いた。
「そういえば遅いね・・・私もうお腹空いたかも・・・」
「ハルカ・・・この島って危ないんでしょ? サトシ・・・まさか・・・」
ヒカリが怯えた表情で言う。
「ないない! サトシだよ!?」
サトシの実力を知っているハルカはすぐにそう答えた。
「そう・・・だけど・・・」
ヒカリは心配そうな表情を変えなかった。

その頃、当のサトシは・・・
「ブイゼル・・・どーこ行きやがった?」
さっきまで居たブイゼルの姿がどこにも見えない。
「ピカピ! ピカチュ!!」
その時、ピカチュウが何かを見つけたようだ。
「これは・・・?」
サトシが屈んでピカチュウが指差す地面を見る。
そこには何か引きずった後が残っていた。
それは暗い林の中に続いている。
「まさかブイゼル・・・」

「あたし、サトシのとこに行ってくる!!」
ヒカリはポケモンセンターを飛び出していった。

  • スレ2-336
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/11/02 00:40:05
「ちょっとヒカリ! 危ないよ!?」
ハルカが呼び止めるがヒカリは走って行ってしまった。

「嫌な予感がする・・・サトシ・・・」
やがてヒカリは街の外れの古びた教会にさしかかった。
例の現場にはもう少し進まなければならない。
「あ・・・」
そこでヒカリの足が止まった。
黒いフードを被った、いかにも怪しげな集団が教会の入り口に集まっている。
「(この人たちが・・・?)」
ハルカの言っていた集団なのだろうか。
ヒカリは近くの木に隠れて様子を窺うことにした。
「計画は順調に進んでいる・・・このブイゼルは地下牢に監禁しておけ」
リーダー格の男が部下に指示する。
「ブイゼル!?」
「誰だ!?」
「(やばっ!)」
ブイゼルの姿が見えたのでヒカリは思わず声をあげてしまった。
「誰かに見られたようだ・・・生かしては帰さん」
数人がヒカリの方に向かってくる。
「(ど、どうしよ・・・逃げないと・・・でもブイゼルが・・・)」
その時、後ろから誰かがヒカリの口を塞いだ。
「むぐ!?」


  • スレ2-340
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/11/05 21:08:02
突然、背後から口を覆われたヒカリ。
「んっ・・・んんーっ!!」
助けてサトシ・・・攫われる・・・!
ヒカリがもがく。
「ちょ・・・暴れないで!」
「ん!?」
ヒカリの耳に聞き覚えのある声が聞こえた。
「んん!?(ハルカ!?)」
ヒカリの目にハルカの姿が映った。
「しーっ! 見つかっちゃうかも」
ハルカはそう言いながら、ヒカリの口を解放した。
「ぷはっ! ハ、ハルカなんでここに・・・?」
ヒカリが小声で聞く。
それに対してハルカも小声で答えた。
「急に走って行っちゃうから追いかけて来たの! それより早く逃げよう」
ハルカの視線は男たちに向けられている。
「捕らえたか?」
「いえ、まだ見つかりません」
男たちはそんなやり取りをしている。
「ハルカ、どうしようブイゼルが奴らに・・・」
ヒカリはブイゼルが奴等に捕まっている事を話した。


  • スレ2-341
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/11/05 21:18:31
「それでサトシが帰ってこないのね・・・でも、この場は逃げたほうがいいかも」
「ブイゼルを見捨てるなんて出来ないよ・・・」
「私たちまで捕まったらどうも出来なくなるよ?」
「う・・・」
2人がそんな会話をしていると、ブイゼルは男に抱えられ建物の中に連れて行かれてしまった。
「待っ・・・むむっ!」
ヒカリが立ち上がって叫ぼうとしたので、ハルカが慌ててヒカリの口を塞ぐ。
「お、落ち着いてヒカリ! 今は危ないかも!」

その時・・・
「何だお前!?」
突然、男の声が響いた。
男たちの前には帽子の少年の姿が。

「ってあれ・・・」
「サトシ!?」

帽子の少年、サトシは男たちを睨みつけて言った。
「お前らさあ・・・俺のブイゼルをどうした?」


  • スレ2-352
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/11/27 18:51:43
「何だテメーは!?」
いきなり目の前に現れた帽子の少年、サトシに男たちは言った。
「だから・・・俺のブイゼルをどうしたって聞いたんだけど」
男たちに少しも動じることなくサトシは淡々と答える。
「何者かは知らないが・・・この場所に来られた以上、ただで帰れると思うな!」

「サトシ!」
その時、サトシの元にヒカリとハルカが駆けてきた。
「ヒカリ!? ハルカ!? お前らなんで此処に?」
「心配で探してたの!」
唖然とするサトシにヒカリが説明する。
「そ、そうなのか・・・けど今は・・・」
「そうだよサトシ! ブイゼルがっ!!」
「やっぱこいつらの仕業か・・・というかこいつら何者なんだ?」
殺気立っている男たちを見て、サトシが頭を掻く。
「この島の治安が悪いのは、この人たちの所為なのかも」
ハルカが何か分かったような感じに呟く。
「治安が悪いって・・・お前そんな事言ってたか?」
「とにかく! こいつら蹴散らしてよ」
なぜかハルカは少し強気になっていた。
「ブイゼルを助けなきゃ!」
ヒカリもモンスターボールを取り出した。

  • スレ2-354
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/11/30 20:40:32
チャプター3「地下の牢獄」

「・・・・ブ・・・イ・・・?」
ブイゼルがゆっくりと目を開ける。
「・・・!?」
立ち上がろうとしたが、立ち上がれない。
ブイゼルには鎖付きの首輪が嵌められ、その鎖は近くの柱に固定してあった。
鎖は見るからに頑丈そうで、とても引きちぎる事など出来そうにない。
「ブイ?」
不意にブイゼルが後ろを振り返る。
そこには自分と同じように鎖に繋がれた、たくさんのポケモンたちの姿があった。
ほとんどのポケモンは身体に傷がある。
しかもその怪我は何だか焼け焦げたような痕に見える。
「ブ・・・ブイイ・・・」
次第にブイゼルは何だか恐怖を感じ始めた・・・

「ピカチュウ、10万ボルト!」
「ポッチャマ、 渦潮!!」
「グレイシア、冷凍ビーム!」
3人のポケモンが豪快に技を繰り出し、敵を蹴散らした。
「くっ・・・強すぎる・・・一時撤退だ!」
男たちはそんな言葉を吐き捨てながら、全滅したポケモンたちを回収してその場から離れて行った。
「で、ハルカ・・・一応説明してもらおーか?」
サトシがハルカをジロリを見ながら言う。
「あ、あのね実は・・・」
ハルカが言おうとした時、ヒカリが口を挟んだ。
「二人とも! まずはブイゼルを助けに行かないと!」


  • スレ2-365
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/12/04 21:18:18
ギイイイイイイ・・・・・・・・・
重く、鈍い・・・そんな音を響かせながら教会の扉が開く。
「おーいブイゼルゥ! 居たら返事しろー」
「ピカピカッチュー!?」
サトシとピカチュウが声を上げながらブイゼルの姿を探す。
「ねえ、ここって・・・教会なの?」
と、ヒカリが聞いた。
「今は使われてない場所みたい、ほら見て」
ハルカはそう言いながら、窓の冊子を指で擦る。
すると指先には大量の埃がついた。
「でも奴らはどうしてこんなトコにブイゼルを・・・?」
サトシが顎に手を当てて考え込む。
「それなんだけどね・・・実はこの島、色々と治安が悪いらしいの・・・
その所為で島の興行はだんだん廃れて行って・・・」
島の概要をハルカが説明した。
「だからコンテストでも開催して町興しでもしようとしたのかな?」
ハルカの説明を聞いていたヒカリが言った。
「強盗、誘拐が頻発するからあまり観光客とかは来ないんだけどね」
「そんな島誰も来たいなんて思わねーよ・・・」
サトシがやや呆れ気味に返した。


  • スレ2-366
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/12/04 22:00:27
「それよりブイゼルは!?」
「ヒカリ、確かにブイゼルはここに連れてかれたんだな?」
「うん間違いないよ、あたし見たもん」
サトシにヒカリが答えた。
「二人ともこっち着て!」
その時、ハルカが二人を呼び寄せた。
「これは・・・?」
そこには地下へと続く階段があった。
「ここ、怪しいな・・・よし、行ってくる」
サトシはそう言うと階段を下り始めた。
「サトシ、あたしも!」
ヒカリがサトシに着いていこうとする。
「ヒカリとハルカはここに居ろ、俺一人で行くから」
「で、でも・・・」
ヒカリが心配そうな顔をサトシに向ける。
そんなヒカリにサトシはニッと笑って言う。
「心配すんなって、何かあったら大声出すんだぞ? じゃハルカ、ヒカリ頼むぞ」
「うん、任せて!」
サトシはそう言うと階段を下り、地下へと潜入した。

  • スレ2-367
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/12/04 22:27:58
地下へと続く階段を下りたサトシ。
地下は長い廊下が続いている。
壁にある松明が唯一の光源だった。
「とにかく探していくしかねーな・・・」
サトシはそう言いながらブイゼルを探し始めた。

「サトシ大丈夫かな・・・」
ヒカリはやはりサトシの事が心配な様子だった。
「ねえヒカリ、あれ見て」
ハルカが天井を指差した。
「きゃっ! 何これ!?」
ヒカリが恐くなってハルカの腕に隠れた。
そこには天井いっぱいに大きな鳥の絵が書かれていた。
「サンダー・・・ぽいよねアレ」
「サ、サンダー?」
「カントー地方の伝説のポケモンだよ、雷を操る能力を持ってるとか」
サンダーを知らないヒカリにハルカが説明をした。
「でもカントー地方のポケモンがなんでこの島に・・・しかもこんな大きく・・・」
ヒカリはもう一度サンダーの絵を見る。
「それはね・・・私たちは雷神様を崇め奉っているからだよ」
「へー、雷神様かあ・・・ん? わ、私たち・・・?」
異変に気づいたヒカリが恐る恐るハルカの顔を見る。
「あら、ボロ出しちゃった? まあいいわ、丁度サトシ君も居なくなったしね」
ハルカがクスクス笑いながら淡々と喋る。
「ハ、ハルカ・・・冗談やめてよ・・・」

  • スレ2-368
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/12/04 22:50:12
「ハルカじゃないわ、私の名前はアン」
ハルカ、いやアンがそう言うとハルカの顔の下からヒカリの知らない別の女の子の顔が現れた。
ハルカの顔から剥がれた紫の物体が地面に落ちる。
「ご苦労さま、メタモン」
紫の物体はメタモン、それでハルカにアンは変装していたのだ。
「どーいうこと!? ハルカはどうしたの!?」
状況がうまく掴めない・・・今までハルカだと思ってた子が実はハルカじゃなかった!?
いったいいつから!?
「まあまあ・・・聞きたいことはいっぱいあるだろうけど、とにかく貴女も拉致させてもらうから」
アンの顔つきが鋭く変わった。
ヒカリは何かあったら大声を出せという、サトシの言葉を思い出した。
「助けは呼ばせないわよ、メタモン! その子の口を覆っちゃって!」
アンの指示を受け、メタモンは体を伸ばし素早くヒカリの口を覆い、声を封じた。
「う、うぐ!? むぐぐっ! むぐ!」
ヒカリは必死に声を出そうとするが、自分の口はピッタリと覆われていて呻き声しか出せなかった。
「あまり抵抗しないほうがいいよー? でないと・・・」
アンは不気味に笑いながら、ヒカリに小型ナイフをチラつかせた。
「!? んんー!?」
ヒカリは恐くなって泣き出した。
「アッハッハ! ちょっと脅しただけなのに、泣いちゃってー・・・可愛い」
そんなヒカリの顔を覗き込むと、アンは高笑いした。
「今夜は満月だねー・・・今日の生贄は気に入ってもらえるかな?」
アンはそんな事を呟いていた。
「うう・・・・・・」
何がどうなってるの!? 生贄って何!?
あたし・・・あたし・・・
やがてヒカリは体の自由を奪われ、教会の外に連れ出された。

  • スレ2-380
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/12/07 20:10:28
チャプター4「祭壇」

「う、うーん・・・」
まどろんだ視界からゆっくりと目を覚まし、ハルカは起き上がった。
「あれ・・・ここどこ・・・?」
覚醒したばかりで周りの状況があまり掴めないでいた。
「どうしたんだっけ・・・確か・・・あ、そういえば・・・」
ハルカは自分の身に起こった事を思い起こす。
「サトシを探しにヒカリが飛び出しちゃって・・・私もヒカリを追いかけてたら、
ちょうど街を出た辺りで・・・誰かに口を覆われて、眠くなって・・・」
え、嘘・・・私拉致された!?
ハルカは自分の手足がうまく動かせないことに気づいた。
両手首と両足首に手錠をかけられ、ハルカは身動きが取れなかった。
よく見ると、自分は檻の中に入れられている。
「こ、これじゃモンスターボールも出せない・・・ピンチかも・・・」
その時、誰かが近づいてくる音がした。
ハルカが閉じこめられている檻に誰かが運ばれてきた。
「え!? ヒ、ヒカリ! 大丈夫!?」
その人物はヒカリだった。
「もういいよメタモン、放してあげて」
アンがそう言うとメタモンは伸ばしていた体を縮め、ずっと塞いでいたヒカリの口を離した。
「ぷ、ぷはっ! げほげほっ!!」
苦しさに思わず咳き込むヒカリ。
「じゃあ二人仲良く待っててね~」
アンがニヤリと笑って檻の扉を閉める。
「ハルカ・・・捕まっちゃったよぉ・・・」



  • スレ2-387
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/12/08 18:26:08
「う・・・うう・・・ひん・・・ひっく・・・えぐ・・・」
暗く冷たい檻の中、何をされるかも、どうなるのかも分からない。
ヒカリは恐怖感に襲われ、流れる涙を止められずにいた。
「ひっく・・・助けて・・・サトシ・・・助けてよ・・・うう・・・」
あの子は生贄とか言ってた・・・って事は殺されるの!?
嫌だよそんなの・・・どうすればいいの・・・
しかし無情にもヒカリの手足も手錠で拘束してあった。
「うう・・・・・・・」
そんな状況にヒカリはまた泣きたくなってきた。
「いつまで泣いてんのヒカリ!」
突然、ハルカがヒカリを怒鳴った。
「ハ、ハルカ!? だってぇ・・・」
「泣いてたってどうしようもないでしょ、ここから逃げないと!」
「逃げる・・・? こんな状態で逃げれるわけないよ・・・それにここどこなの・・・?」
ヒカリは辺りを見渡して言った。
「私は薬で眠らされてたから、此処が何処かは分かんないかも・・・とにかく! 逃げ出す方法がないか探すの!」
ハルカが強くヒカリに言う。
「探すって言っても・・・手も足もうまく動かせないし・・・あたしのボールは教会に置いてかれちゃったし・・・」
「それだよ!」
「へ?」
突如、ハルカが大声で言う。
「どれ?」
「だから、ポケモンの力を借りるの!」
「ポケモンって・・・ハルカ今持ってるの?」

  • スレ2-390
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/12/09 19:24:18
「私のウエストポーチにもしかしたら入ってるかも」
ハルカはそう言ってヒカリに背中を向けた。
「この後ろ手に拘束された状態じゃ自分じゃうまく探れないから、ヒカリがボールがあるか調べて」
「う、うん分かった」
僅かな望みに希望を託す想いで、ヒカリはハルカに近づいた。
当然、ヒカリも後ろ手に手錠をかけられているため、ポーチを
探るには必然的にハルカと背中合わせになる。
「どう? 探せそう?」
「ちょっと難しいけど・・・やってみる!」
15分後・・・
「あ! 何か丸いもの発見!」
ポーチを探っていたヒカリが言った。
「取り出してみて」
ヒカリはそれを取り出した。
見ると、それは見事にモンスターボールだった。
「こ、これで助かるね・・・」
ヒカリが安堵の表情を浮かべる。
「助かるかはまだ分からないけど・・・とにかく」
ハルカが上手くボールの開閉スイッチを押す。
すると中からバシャーモが出現した。
「とりあえず手足の手錠を何とかしないと・・・バシャーモ、手錠を焼き切れる?」
バシャーモは頷くと、火の粉で手錠同士を繋ぐ器具を熱し始めた。
「うっ・・・熱っ!!」
金属製の手錠は熱せられて高温になっていた。
思わずハルカが呻く。
「だ、大丈夫ハルカ!?」
ヒカリが心配して声をかけた。
「大丈夫・・・結構熱いからヒカリも我慢してね」
やがて、手錠にヒビが入り壊れた。
バシャーモは続いてハルカの足の、そしてヒカリの手足の手錠も同じく壊した。
「あとは・・・この鉄格子を壊せば・・・カメール!」
ハルカはカメールを出した。
「バシャーモ火炎放射! カメール冷凍ビーム!」
ハルカの指示に二匹は火炎放射で鉄格子を熱し、冷凍ビームで急激に冷やした。
その効果で鉄格子は割れるように崩れた。
「さ、ヒカリ、また捕まらないようにうまく逃げよう!」
ハルカはバシャーモたちをボールに戻すと、ヒカリの手を掴んで牢から脱出した。



  • スレ2-391
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/12/09 19:48:30
その頃のサトシ・・・
「ブイゼル・・・何処にいるんだ・・・ピカチュウは何か感じないか?」
サトシが肩に乗せたピカチュウに聞く。
それに対しピカチュウはフルフルと首を振った。
その時だった。
「ブィィィィィィ・・・・・」
遠くから悲鳴が聞こえた。
「今の声・・・ブイゼル!?」
「ピッカチュウ!!」
サトシはすぐさま声の聞こえた方向に走り出した。

そのブイゼルは・・・
「ブイッ! ブイイッ!!」
ある部屋に連れ込まれ、台の上に仰向けに縛り付けられていた。
ブイゼルは白衣を着た数人の男たちに囲まれている。
「随分威勢がいいポケモンだな・・・まあそれも今だけだがな」
男がニヤリと笑う。
次にブイゼルが縛られている台の上に妙な装置を設置した。
「この子は水タイプだ、最初から高圧はするなよ」
「はっ!」
先ほど教会の入り口にいたリーダー格の男が指示を部下に出した。
部下が装置のスイッチを押す。
すると、装置から電撃が放出され、真下のブイゼルに直撃した。
「ブイイイイイイイイイッ!!」
激痛に悲鳴をあげるブイゼル。
「まだいけそうだな・・・電圧を上げろ!」
そしてさっきより電圧が上がった電撃がブイゼルを襲った。
「ブ、ブイイイイッ!」
あまりの激痛にブイゼルは泣き叫ぶしか出来なかった。
「フム・・・ポケモンではこの程度か・・・そろそろ人間に試してみるか・・・」
「ブ・・・イ・・・」
そんな男の声が聞こえる最中、ブイゼルは気を失った・・・

  • スレ2-417
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/12/13 14:47:17
「ねえヒカリ、水の音聞こえない?」
「え? 水の音?」
牢から逃げ出したヒカリとハルカ。
唐突にハルカがそんな事を言ったので、ヒカリもよく耳を澄ましてみた。
「・・・あ! 確かに聞こえる!」
近くで水の音が微かだが聞こえた。
「もしかして私たち・・・」
「な、何!?」
「祭壇に連れてこられたんじゃ・・・」
「祭壇・・・?」
祭壇というあまり聞きなれない単語にヒカリは目を丸くする。
「街から北東の方角に大きな湖があるらしくて、その湖の中央に大昔に創られた祭壇があるって
ジョーイさんが言ってたかも」
「祭壇って何する為に?」
「それはよく分からないけど・・・あまり良くないことが大昔はあったらしいよ、人柱とか・・・」
人柱とは、神殿や城といった特別な建物を建設する際に
安全に創れるようにと神にお祈りして生贄を捧げることだ。
(生きたまま土に埋めたり、水に沈めたりしてたとか・・・)
「そういえば・・・あたし、攫われる直前に生贄とか何とかあの子に言われた気が・・・」
ヒカリが不安気に言った。
「もしかしたら私たちみたいに、攫われた人やポケモンがまだいるのかも・・・・・」
「でもとりあえずサトシに合流したほうが良いよね?」
「うん、だからとにかく出口を探・・・」
そこまで言った時、突然ハルカはその場にへたり込んでしまった。
「ちょ、ちょっとハルカ!? どうしたの!?」
ヒカリが心配そうにハルカの顔を覗き込む。
「うっ・・・ぐぐ・・・・・・・」
ハルカは左胸を押さえながら、苦しそうな声を発した。
ハルカの様子にオロオロするばかりのヒカリ。
その時・・・
「見ーつけた!」
どこかで聞いた女の子の声がヒカリの耳に届いた。


  • スレ2-438
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/12/18 22:11:00
「ハルカに何したの!?」
ヒカリが後ろに迫るアンを睨みつけ叫ぶ。
「別にー、せっかく一緒の牢屋に入れてあげたのに逃げ出すんだもん
だからちょっとお仕置きとしてあげてるの」
ヒカリの大声に動じる様子もなく、アンは淡々と冷たく言ってのけた。
「何したって聞いてるの!!」
ヒカリは尚もアンに問い詰める。
「五月蝿いなあ・・・ちょっと締め上げてるだけ」
アンはヒカリの言葉に少しイラついたのか、少しだけ目つきを鋭く変えた。
「締め上げてるって・・・」
「うぐぅぅ! う・・・うう! う・・・ああ・・・」
その時、蹲っていたハルカがのた打ち回るように苦しみだした。
「ハ、ハルカ!」
ヒカリが慌ててハルカの元にしゃがむ。
「何を締め上げてるのか教えてあげよーか・・・それはね、その子の心臓♪」
「心臓!?」
「う・・・ぐ・・・」
アンがそう言い終わらないうちに、ハルカの顔は真っ青になり、体も次第に痙攣し出した。
「やめてぇ! ハルカが死んじゃうよ!」
ヒカリが涙を浮かべながらアンに請う。
「ゲンガー、もういいよ」
いつの間にかアンの背後にはゲンガーがいた。
恐らくはゲンガーのサイコキネシスの応用だろう。
「ハルカ! ハルカ!!」
ヒカリは必死にハルカに呼びかけるも、ハルカは気を失ってしまっていた。
「さあ、戻ろうか? クスクス・・・」
アンの冷たい笑い声がヒカリを再び絶望に突き落とした・・・・・
もう逃げられない・・・・・

  • スレ2-462
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 08/12/24 02:27:22
チャプター5「早く!」

「ヒ、ヒカリ・・・・・」
ハルカが呻くように呟いた。
ヒカリの返事は返ってこない・・・
「そっか・・・また捕まっちゃったんだ・・・」
先ほどの出来事を思い出しながらハルカは半ば呆然と言う。
周りを見渡すが、暗闇でよく見えない。
だが、牢屋、それも独房に入れられているらしいことは分かった。
「ピンチかも・・・」
ハルカのポケモンたちは彼女が気絶している隙に、奪われてしまったらしい。
縛られてこそないが、少女の力で脱出するのはほぼ不可能に近かった。
「ヒカリは何処・・・?」

そのヒカリもまた、場所は遠いが、ハルカと同じような独房に入れられた。
「あうっ!」
アンに乱暴に突き飛ばされ、前のめりに倒れるヒカリ。
「あんまり大声出されると面倒だから、喉潰しておこーか?」
アンは冷たく微笑を浮かべると、近くに落ちていた鈍器を拾い、ヒカリの喉に押し付けた。
「うっ・・・うううっ・・・」
喉を押さえられ、ヒカリは苦しそうにもがいた。
「あ、そうだ! 君たちと一緒にいた男の子・・・今からここに連れてきてあげよーか?」
アンは何かを思いついたように言うと、鈍器を投げ捨て、檻から出て行った。
「はぁっ・・・はぁ・・・サ、サトシを此処に・・・?」
大丈夫・・・サトシは強い。
あんな子なんかにやられたりしない・・・きっと・・・

  • スレ3-25
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 09/01/08 21:51:12
「・・・・・・・・・・・」
鉄格子に囲まれた檻の中、もはや虫の息のブイゼルが横たわっている。
「ブ・・・イィ・・・」
体中が痛い・・・サトシ・・・ピカチュウ・・・ヒカリ・・・助けて・・・
サトシたちの前では決して弱みを見せないブイゼルでさえ、拷問とも言える電撃地獄に
たまらず涙を流し助けを乞う。
「おい見ろよ、コイツ泣いてやがるぜ! ギャハハ!」
「そろそろ生贄にしてもいいんじゃないか? 祭壇に連れてこーぜ」
男たちの声が上から降ってくる。
だが、ブイゼルはもう指一本も動かせなかった。
「ブ・・・ブイ・・・」
駄目だ・・・やられる・・・
徐々に遠退く意識の中、ブイゼルは目をゆっくり閉じていった。

「ピカ!? ピカピ!」
その頃ピカチュウが何かを感じ取ったかのようにサトシを先導し始めた。


  • スレ3-36
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 09/01/13 21:24:35
さっき閉じ込められていた牢屋よりも暗く、湿っている独房。
その中でヒカリは顔を膝にうずめてうずくまっていた。
辺りは静まり返っている。 そんな静かな状況でも、耳を澄ますと
水の流れる音、そして何やらすすり泣くような声が聞こえてくる。
ヒカリはそれを、自分と同じように捕まった人たちの声だと理解した。
「助けてぇっ・・・誰か助けて・・・」
こんな不気味な独房で、そんな声を聞いていたのではヒカリが恐怖に耐えられる筈もなかった。
ヒカリは涙声になりながらひたすら「助けて・・・」と呟き続けた。
その時、急にヒカリの牢屋の扉が開けられた。
「!?」
驚いてヒカリが顔を上げる。
見えたのは黒い服の男たちだった。
男たちはヒカリを無理やり立たせ、布をヒカリの目に巻きつけ目隠しをした。
「な、何を・・・」
急に視界を奪われた所為で一層恐怖感が増してしまう。
「痛いっ!」
ヒカリが苦痛の声を出した。 手を後ろ手に回され、先ほどのように手錠をかけられたからだ。
「あ、あたしをどうする気なの・・・」
「生贄に発言権を与えた覚えはない」
「い、生贄って・・・そんな・・・んんぅ・・・」
男の冷たい声がヒカリから希望を奪う。 同時にヒカリは猿轡をされてしまった。
「んんっ・・・」
ヒカリはもがいてみたが、女の子の力では逃げれるはずもなかった。
「第6実験場に連れて行け!」


  • スレ3-49
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 09/01/18 20:45:09
「クックック・・・」
「?」
ここはハルカが囚われている独房。
不意に聞こえた笑い声にハルカは鉄格子の外を見る。
そこには、男がひとり。 恐らく敵の一味だろう。
「お前と一緒に攫った娘・・・可哀想になあ、実験場に連れて行かれたぜ」
男は哀れむような蔑むような口調でハルカに告げた。
「実験場って・・・ヒカリに何する気!?」
ハルカが鉄格子を掴みながら声を荒げる。
「今頃痛くて泣き叫んでるだろうな、クク・・・」
それだけ言うと、男はハルカの牢から離れていった。
「ちょ、ちょっと待って!」
ヒカリ・・・っ!!

その頃・・・
「どこまで続いてんだ・・・ここ」
松明の本数が徐々に少なくなってくる。
サトシとピカチュウはブイゼルを探して歩き続ける。
「ヒカリとハルカ・・・大丈夫か・・・? ピカチュウ、悪いけどちょっと様子見て来てくれないか?」
サトシがピカチュウに言うと、ピカチュウは頷いて元来た道を駆けて行った。

暫く進むと、サトシはある部屋を見つけた。
入ってみるとそこは・・・

  • スレ3-51
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 09/01/18 21:01:04
「ピカ・・・ピカ・・・」
ピカチュウが少し息を切らしながら、礼拝堂に出た。
ハルカとヒカリの姿は・・・ない。
「ピ!?」
目の前にはいくつかのモンスターボールが点々と転がっている。
ピカチュウはそのボールに近づいた。
「ピカピカ!」
どうやらそのボールはミミロルだったらしい。
すぐに開いてミミロルを外に出してやる。
「ピカピカ! ピカチュ!?」
ミミロル大丈夫!? 何があったんだ!?
ピカチュウがミミロルに聞く。
「ミミィ・・・ミィ・・・」
ミミロルは泣きながら「ヒカリが連れてかれた・・・」と答えた。
「ピカ!?」
ヒカリが!? な、何で・・・!? そうだ・・・
ピカチュウはとりあえず他のモンスターボールを開けようとした。
多分、ポッチャマたちがいる筈・・・
その時、どこからか礼拝堂に白い煙が充満し出した。


  • スレ3-52
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 09/01/18 21:15:24
「ピカ!?」
何だこの煙・・・!?
突然、流れ込白煙に驚くピカチュウとミミロル。
フラ・・・
「ピ!?」
その時、ピカチュウの足がフラついた。
「ミミ!?」
ピ、ピカチュウ君!? どうしたの!?
ミミロルが心配そうにピカチュウの傍に駆け寄る。
「ピ・・・ピカピカ!!」
やばい! ミミロル、この煙を吸っちゃだめだ!!
ピカチュウはそう言うと、慌てて息を止め、すぐにミミロルの口と鼻を覆った。
「ミゥ!? ンンッ!?」
ミミロルは目を丸くした。
「ピ・・・カァ・・・」
さ、催眠ガスだ・・・ミミロル我慢して・・・吸ったら・・・
懸命に耐えていたピカチュウだったが、とうとう息を堪えきれなくなり息をしてしまった。
「ピ、ピカ・・・」
ふっ・・・と、頭が痺れピカチュウの意識は遠退いてきた。
同時にミミロルの口と鼻からピカチュウの手が離れ、ミミロルも耐え切れず息を吸ってしまう。
「ミ・・・ミミィ・・・」
耐えようもない睡魔がピカチュウとミミロルの意識を失わせた。

白煙が収まったころ、誰かが礼拝堂に入ってきた。
「ピカチュウとミミロルかぁ・・・新しい生贄ゲット・・・」


  • スレ3-120
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 09/02/03 01:20:31
「ピッ・・・・・・・・・・」
ピカチュウの体を太い鎖が縛りつけ、彼を柱に固定する。
「ピ・・・カァァ・・・」
ピカチュウは催眠ガスの効果でうまく働かない頭を必死に活動させながら
ギロリと目の前の少女・・・アンを睨んだ。
「うっわ・・・すごい覇気・・・でも・・・」
ピカチュウの迫力に一瞬怯みかけたアンだったが、すぐに平静を取り戻すと
近くにいた黒服の部下に合図した。
黒服は足元に転がっていた鉄の棒を拾うと、それをピカチュウの脳天に思い切り振り下ろした。
「ガッ・・・!!」
鈍い音が部屋に響いた。
それも1回ではなく、2回、3回と・・・
「ピ・・・・・・・・・・」
催眠ガスの効力よりも、痛みで意識が朦朧とするピカチュウ。
「これだけ痛みつければ、抵抗したくても出来ないよね~・・・」

「ヒカリ・・・?」
不意にサトシが後ろを振り返った。
「ピカチュウ・・・ハルカ・・・?」
不気味な感じがする・・・みんな・・・大丈夫か・・・?
そこでサトシは頑丈そうな鉄の扉を見つけた。
かすれた文字で分かり難いが、扉の上には「第3実験場」と書かれている。

  • スレ3-146
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 09/02/14 04:54:34
「実験場・・・?」
部屋の入り口の扉には確かにそう書いてある。
サトシは何やら嫌な予感が頭を過ぎった。
しかし、とにかく中を調べてみる。 もしかしたらブイゼルがいるかもしれない。
扉の取っ手に手をかけ、そのまま扉を開ける。
「!? 何だこの臭い・・・血か・・・?」
扉を開けた瞬間、血生臭い不快な臭いが鼻をついた。
「ブイゼル・・・」
心配になりながらもサトシは部屋の中を調べる。
だがブイゼルの姿は見当たらなかった。
「これは・・・」
そこでサトシは壁に描かれた大きな壁画を見つけた。
協会の礼拝堂でヒカリが見た壁画と似たような物がそこにはあった。
「サンダー・・・か? コレ・・・」
中央にくる鳥のような存在を見ながらサトシは呟く。

その頃・・・
第6実験場に連れてこられたヒカリ。
満月の光が窓から差し込み、部屋を不気味に照らす。
ヒカリは部屋の棚に目をやった。
そこには怪しげな薬品の瓶、ノコギリ、鉄球、大鎌などが並べられている。
「ううう・・・・・・・・・・・」
拷問・・・されるのかなあたし・・・
嫌だ・・・恐い恐い恐いっ・・・・!!
助けてハルカ・・・助けて・・・サトシ・・・

  • スレ3-264
  • サンダーと生贄の祭壇
  • 09/04/06 22:47:59
チャプター6「怒り」

ピチャ・・・ピチャ・・・
静まり返った礼拝堂に不気味な音を立てながら血が滴り落ちた。
「ゼェ・・・ゼェ・・・」
太い柱に鎖で固定されたピカチュウは、何度も殴られかなり衰弱していた。
男たちの姿は地下へと消えていた。
ミミロルを連れて行ったということは、今度は彼女に何かするつもりだ。
「ピッ・・・・・・カァァァ・・・・アアアア・・・・」
ピカチュウは鎖を振りほどこうともがく。
だが痛みで思うように体が動かせない。
このままじゃミミロルが・・・・・・・・
くっそう・・・・・・サトシ・・・・・・今どこにいるんだよ・・・

一方ヒカリは――
「まずは・・・」
「ぷはっ!」
ヒカリの口を塞いでいたタオルが取られた。
同時にヒカリの左腕にノコギリがあてられる。
「ひっ・・・・・・」
その光景にヒカリは背筋を凍りつかせた。
腕を切り落とされる・・・・・・・
「いや、いやだあああああ! そんなので切られたら死んじゃう!」
ヒカリは手足をジタバタと動かして精一杯の抵抗を試みた。
「安心しろ、人間もポケモンもそう簡単に死にはしない・・・例え片腕片脚失ってもな・・・」
男の言葉を聞いたヒカリは一気に顔が青ざめる。
「あ・・・ああ・・・・・痛っ! 痛い痛い痛いいいいっ!!」
助けてサトシ―

その時だった。実験場の扉が勢いよく開けられたのは。