Christmas to me and you
- スレ2-396
- Christmas to me and you
- 08/12/10 16:56:36
シンオウ地方
そこは神秘のベールで包まれた不思議な場所。
かつて神と呼ばれしポケモンたちが創造したと言われるこの地方は、他の地方と比べ、多くの伝説、神話、物語などが語り継がれている。
今回はそんな伝説の1つ。
聖なる夜に語り継がれているお話です・・・・・・・・・・・
ああ、ポケモンセンターがある・・・・・
あったか~いお風呂にゆっくりと入って、冬ならではのおいしい物を食べて、フカフカのベッドでぐっすりと寝るの~・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・ひかり・・・・・
あれ・・・・・?この声・・・サトシ・・・?
・・・・・サトシも一緒に寝よ~よ~・・・・・一緒の布団で寝たらきっともっと暖かく・・・・・
ヒカリ!!
「ヒカリ!!起きろ!!寝ちゃだめだ~!!」
「ウ~ん・・・・・ムニャむにゃ・・・・・・」
Christmas to me and you
シンオウ地方はテンガン山
季節は冬
・・・・・なんで自分達はこんな所に居るんだろう。
ヒカリは、まだ幾らかボケている寝起きの頭で必死に考える。
・・・・・いや、考えようと「した」
- スレ2-397
- Christmas to me and you
- 08/12/10 16:58:01
・・・・・寒い
寒い、サムイ、さむい~~~~~!!!!!
あの元気一杯の笑顔はどこへやら。
顔は引きつり、体は凍え、歯がガチガチと鳴っている。
少しでも熱を保存しようと小さく縮こまり、手を擦り合わせるが、無駄な努力。
焼け石に水、いや、この場合、液体窒素にお湯だ。
サトシは相棒のピカチュウを服と服の間に入れ、ピカチュウを寒さから守ると同時に熱を確保しているが、それでもピカチュウと一緒に鼻水をダラリ~~ンと垂らして凍えているし、タケシにいたっては先ほどからくしゃみが止まっていない。
「「なんでこんなとこにいるの(んだ)よ~~~~~!!!」」
サトシと声が重なったと思った次の瞬間
「お前らが原因だろ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」
タケシの激怒の声が辺りに響いた。
事は2日前に遡る・・・・・・・・・・
ポケモンセンターに貼ってあったチラシが、全ての始まりだった。
6日後、とある街で今年最後のポケモンコンテストが行われることを知ったヒカリと、丁度、その街の近くに次のジムがある事を知ったサトシが、このあまりにも無謀な計画の立案者だった。
今いる街とポケモンコンテストが行われる街は、直線距離では結構近い。
そう、「直線距離では」
その直線距離の間に立ちはだかるのが、シンオウのシンボルともいえる「テンガン山」なのだが・・・・・・・・・・
当初、いや、今もだがタケシは反対していた。
今は冬、しかも数日前、ポケモンの生態系調査&安全調査のため、テンガン山の中にある、シンオウの東と西を繋ぐ洞窟は閉鎖されてしまっている。
つまり、目的の町に行くにはテンガン山を・・・・・もうお分かりだろう。
そう、2人はこの季節にも関わらず「テンガン山越え」をしようと言うのだ。
- スレ2-398
- Christmas to me and you
- 08/12/10 16:59:24
これは明らかに無謀がすぎる。
登山のプロ、もしくは山男と名を付けられる者でなければ高確率で遭難し、最悪の場合・・・・・
山に馴れている者でも、そうゆう事がある。
子供3人だけでなんて・・・・・そう言って反対しようとしたのだが・・・・・
そこに追い打ちをかけるかのように
「「今週の天気は晴れ、晴れ!晴れ!!お出かけには丁度良いお天気が続くでしょう」」
ポケモンセンターに流れるラジオ
「「見てください!!このきれ~な景色!!今私がいるテンガン山には冬にしか味わえない見どころ満載の・・・・・・・・・・」」
ポケモンセンターに設置されているテレビから流れる冬のテンガン山特集。
期待の眼差しを向ける二人に、何とか冬山の恐ろしさを伝えようと、取り出した観光雑誌に書かれていたのは・・・・・
「「冬山は意外と安全!?冬のテンガン山で、楽しいひと時を過ごしてみませんか?」」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どう見てもテンガン山に行く事を押している特集。
タケシは後ろでウキウキと、どう見ても観光に行く気分で準備をしている2人を見て悟った。
終わった、と。
・・・・・そして、今に至る。
いや、別に初めっからこういう事態になった訳では無い。
雑誌で紹介されていたお店で食べた鍋焼きうどんは絶品だったし(サトシはタヌキ、ヒカリはキツネ)テレビで映っていた通り、雪景色はとても綺麗だった・・・・・・・・・
・・・・・が、しかし。
山の上部に入った所から雪が降り始めた。
最初は何ともなかったが、徐々に徐々に雪足が強まり・・・・・・・・・・
いつの間にか猛吹雪?
- スレ2-399
- Christmas to me and you
- 08/12/10 17:36:41
眠ったら最後、その先にあるのは・・・・・・・・・・天国か地獄のどちらかだ。
「だがらいっだんだ!!(ハクション!)おればごれでぼやばおどごのむずごでぼとにびじぶのじぶびーだーだがらやばのおぞろしざばよぐじっでるんだ!!!(ハクションハクション!!)」
え~と、通訳さ~ん!!
(だから言ったんだ!!俺はこれでも山男の息子で元ニビジムのジムリーダーだから山の恐ろしさはよく知ってるんだ!!!)
と、言っているらしい。
くしゃみと吹雪の轟音でうまく聞き取る事が出来ない・・・・・が、いちいち訳すのが面倒なので、ここからはずっと翻訳機をオンにさせて聞いてみよう。
「だっ、だってラジオは今週はずっと晴れだって言ってたし、雑誌にだって冬の山は安全って書いてあったじゃない~」
「山の天気は変わりやすいんだよ!!特に冬は!!・・・・・おい、サトシはどうした?」
「え?・・・あ~~~!!!」
後ろを振り返ると、先ほどまで自分が寝ぼけていた場所で、サトシとピカチュウが雪の中に倒れこみ、スヤスヤと寝ている・・・・・勿論本人たちもこんな場所で寝たい訳じゃあなかろうに。
「サトシ!サトシ!!起きてってば!寝たら死んじゃうよ~~~!!!」
「あはは~・・・・・サンタさんがくるスズのおとが聞こえる~・・・・・」
「ぴ~か~、ぴ~か~・・・・・」
「シッカリしてよサトシ!鈴の音なんて・・・・・」
シャン、シャン、シャン、シャン
「ほら!鈴の音なんてどこにも・・・・・・・・・・え?ホントに聞こえる・・・・?私まで寝ぼけてるのかな?」
シャン、シャン、シャン、シャン
「ちょっ、ちょっと待て!俺にも聞こえるぞ!?」
- スレ2-400
- Christmas to me and you
- 08/12/10 17:37:31
最初は幻聴かとも思えたが、そのリズミカルな音は、スピードを上げながら、どんどんヒカリ達のいる方向へと近づいてきていた。
シャン、シャン、シャン、シャン、シャン、シャン、シャン、シャン
シャン、シャン、シャン、シャン、シャン、シャン、シャン、シャン
やがて見えてきたのは、2頭のオドシシと、1頭のギャロップに大きなソリを引いてもらっている、赤い服と帽子を着た、白髭のお爺さん・・・・・・・・・・ではなく、1人の青年だった。
「ん?みんな~、ストップスト~ップ!!」
その青年は、ヒカリ達の真ん前にソリを止めると、座席から、驚いたような顔でこちらを見つめる。
「・・・君たち、何でこんな所に・・・・・・」
「た」
「へ?」
「「「助かった~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!」」」
(ピカチュ~~~~~~~~~~~!!!)
3人と一匹は、心の底からそう叫んだ。
第1話の「お・ま・け」
「ねえ・・・・・な~んかあたしたち忘れられてない?」
「そりゃそうだろ・・・・・だって・・・・・」
「あいつらは地面をトコトコ・・・・・ニャー達は・・・・・・・・・・・・・・・」
- スレ2-401
- Christmas to me and you
- 08/12/10 17:38:11
「「「空の上でヌクヌクだもんね~~~!!!」」」
ロケット団in気球船の中でコタツ&七輪でお餅
「いや~、帰休を持っててホントによかったわ~、もうサイコ~・・・・・」
「ああ・・・・・ん?なんか、焦げ臭くないか?」
ブスブスブス・・・・・・・・・・
「だぁ~~~れがブスですって~~~~~!!!!!」
「お、おれは何も言ってないぞぉ!?」
ブスブスブスブス・・・・・・・・・・ボォォオオオオオオオオォォオ!!!
「ニャニャ~~~!!!七輪の火が気球に燃え移ったのにゃ~!!」
「「げぇえええええぇええええええ!!!」」
「あたしたちって・・・・・」
「うん・・・・・たとえあいつ等にフッ飛ばされなくても・・・・・」
「やっぱり・・・・・・・・・・」
「「「やな感じ~~~~~!!!」」」
気球炎上&落下
- スレ2-408
- Christmas to me and you
- 08/12/11 20:56:52
シャンシャンシャンシャン、シャンシャンシャンシャン
シャンシャンシャンシャン、シャンシャンシャンシャン
4人を乗せた木製のソリが、雪で埋められた、道なき道を進んでゆく。
この吹雪の中、彼に「アルフ」に会えたのは、幸運としか言いようがない。
「それにしてもたった3人で冬のテンガン山を超えようだなんて無茶だよ!!命を捨てに行くようなものさ」
「いやはや、まっっったくその通り!!!それなのに俺の連れと言ったらもう・・・・・」
「・・・・・ごめんなさい」
「反省してます・・・・・」
先程から機嫌が悪いタケシに、サトシとヒカリはペコリと頭を下げる。
タケシが止めたにも関わらず、無知な自分達が無茶で無謀な事を言い出した事は、分かっていたし、反省もしていた。
「は・・・は・・・・・ハクション!!」
「お、おい!大丈夫かヒカ・・・ハ・・・ハッックション!!」
「・・・・・とりあえずそのビショビショな服を乾かさなくちゃね・・・・・俺の村に行こう、オドシシ!ギャロップ!頼む!!」
アルフの声に応え、3匹は1声鳴くと、一層力強くソリを引っ張る。
オドシシもギャロップも雪の中を走り慣れているのか、苦にもしてないようだ。
何とも頼もしい。
「村?テンガン山の上部に村なんて在ったかなぁ?」
「隠れ里って奴さ、小さな小さな村でさ、人が来る事なんてもう何年ぶりかなあ?分かんないや」
アルフはそう言いながら、サトシ達の為に取りだしたミニストーブに火をくべる。
村に着くまでに少しでも体を温めなければ。
「何百年ってゆう歴史がある村の割には人が来る事なんて本当に少なくてさ、で・・・・・・」
「?なんですか?」
「あ!いや、なんでもない・・・・・とりあえず急ごうか!」
アルフは突然話を丸めこむと、再び3匹に指示を出し初めた。
その時・・・・・崖の上から4人を眺める2つの影があった事に、気付かないまま・・・・・・・・・・・・・・・
- スレ2-457
- Christmas to me and you
- 08/12/23 17:26:10
長い長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった・・・・・
と言う行がどこかの小説であるが、今自分たちが通り抜けているトンネル・・・もとい洞窟は何処に繋がっているのだろう。とタケシは思う。
アルフと自分たちを乗せたソリはもう10分以上前にこの洞窟に入ったと言うのに、未だに出口が見えてこない。
ひょっとして入り口1つで出口が無いのではないのではないかと思えるほどだ。
更に言えば、道は一本で迷う事はないのだが、とても入り組んでいて複雑だった。
右へ左へ、上り下り・・・・・とても説明できない。
「この洞窟、どこまで続いてるんですか?」
痺れを切らしたのか、ヒカリが今まで誰も口に出さなかった事を口にする。
「俺の村・・・「クラップランド」まで・・・・・この洞窟を通る以外行く方法が無いんだよ・・・ちょっと面倒だけどね」
「村って、洞窟の中にあるんですか?」
しかしどんなに見つけにくい場所にあったとしても、地図に載っていないなんて事があるのだろうか。
「あ?ん・・・・・まあ・・・・・近からず・・・・・遠からず・・・・・;;;あ!ほら!!見えてきたよ!!」
前方に洞窟の中に差し込んでくる光が見え、長い長い洞窟が終わっている事を教えてくれた。
ようやく抜けた洞窟から外に出ると、そこはかなり大きく開けている場所で、辺りにはロッジハウスの様な家が何件も軒を連ねている。
恐らく此処がアルフの言う隠れ里なのだろう。
しかし、そこは色々おかしな場所だった。
「え?ここ・・・・・テンガン山の中なのか?」
「何言ってるのよサトシ!こんなに明るいのにそんな訳な・・・・・・」
え?
天を見上げて、絶句した自分の反応は正しいとヒカリは思う。
この太陽以外連想出来ない独特の明るさ。
なのに・・・・・それなのに・・・・・・・・・・
「太陽が・・・・・・・・・・ない?」
長い長いトンネルを抜けると、そこは不思議の国でした。
- スレ2-458
- Christmas to me and you
- 08/12/23 17:29:09
ここ「クラップランド」には様々な「不思議」があった。
シンオウ地方に生息しない筈のポケモンが悠々と動き回っていたり、凶暴、もしくは気が荒い事で有名なポケモンが、まるで争う事、戦う事を根本的から知らぬかのようにノビノビと他のポケモンと共存していたり
雪が降っている&積っているのにあまり寒くなかったり・・・・・何より。
「ようアルフ!今年も頼むぜ!頑張ってくれよ!!」
「あ!アルフくん!ご機嫌いかが?今年も頑張ってね!」
「アルフ!こっちで少し支障が出ちまってよぉ・・・・・悪いけど、あとで手伝いに来てもらえねぇかな?」
「アルフ兄ちゃん!!今年もお仕事がんばってね!!」
アルフに声をかけてくる人たち全員が同じ赤い服、同じ帽子をかぶっていると言う事だ。
「な、何なんですか?ここ?」
「なんなんですかって聞かれても・・・・・俺の住んでる村・・・・・としか答えようがないし;;まあちょっと他とは違うけど・・・・・まあ、風習みたいなもんさ」
流石に疑問を持ったタケシが少しばかり警戒のこもった声で質問をするが、アルフは平然としている。
・・・・・と、文を綴りたいのだが、本当の所、アルフはかなり動揺していた。
結局は連れて来たのだけど、少しばかり3人を助けるのを迷った位に。
先程から冷や汗が止まっていない。
「(;;;;;;;;;;;;;;;)」
「あ、あの・・・・・」
「うぁ!!・・・・・な、なに?」
「さっきから顔色が優れないみたいですけど・・・・・どうかしました?」
「あ!いや;;な、なんでもないよ!!ほ、ほら!!俺の家が見えてきた!!」
タケシの質問から逃れるように、アルフはソリを一層強く走らせた。
- スレ2-459
- Christmas to me and you
- 08/12/23 17:30:13
まるでどこかの童話に出てきそうな質素な、しかし味わいのあるロッジハウスでサトシ達はアルフの作ったスープを飲んでいた。
何種類ものキノコが入っているポタージュスープ(ポケモン用もあり)は吹雪により冷めきったサトシ達を、体の芯からあっためてくれる。
それでなくともこのロッジには大きな暖炉があって暖かく、快適そのものだった。
「は~・・・・・あったか~~い・・・・・」
地獄から一気に天国まで駆け上がったような気分だ。
「だろ?寒いところほど寒さ対策は万全なのさ・・・・・っと!俺はそろそろ仕事があるから・・・・・適当に休んでてくれよ、眠たくなったら、寝室にあるベットは自由に使っていいからさ!」
「はい!ありがとうございます!!・・・ところで・・・・・」
「ん?なに?」
「どんなお仕事してるんですか?」
ドキィイイッッツ!!!!!
「い、いやあの・・・・・それは、その・・・・・・・あはは;あはははははは;;;;;」
まずい
アルフの脳内で警告のサイレンがウ~ウ~と鳴り渡る。
このままではまずい、ひっっっじょ~~~~~~~~~~~~~~~~~にまずい!!!!!
下手すれば色々終わる!!
「あ!もうこんな時間!!遅刻しちゃう!いそがないと~」(あからさまな棒読み)
アルフは駆け足で家を出ていくと、玄関先に待たせておいたソリに素早く乗り込み、あっという間に走り去ってしまった。
「え、あ、あの!・・・・・」
「行っちゃったな・・・・・」
「な、何なんだよ一体・・・・・;;ってあれ?何・・・だか・・・・・眠く・・・・・」
「いやだサトシ、寝るなら・・・・・ちゃんと・・・・ベットで・・・・・あれ?わたしも・・・ねむ・・・・・」
「おいおい!!二人とも!子供じゃないんだか・・・・・グ~・・・・・グ~・・・・・」
ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ
3人は訳も分からぬまま、急遽襲い来る眠気に、夢の世界へと引き込まれた。
- スレ2-465
- Christmas to me and you
- 08/12/24 22:35:17
・・・・・シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン・・・・・・・・・・
・・・・・ん・・・・・あ、れ・・・・・この鈴の音・・・・・アルフ・・・さん?
不意に聞こえてきた鈴の音に、サトシは眠気で重い瞼をゴシゴシと擦る。
眠っていた体が起きる事で分かる感覚から、自分が何か乗り物の様なものに乗っているのだと気づく。
ってあれ?・・・・・ヒカリ?
隣を見ると、自分の肩にヒカリが頭を乗せて、スヤスヤと寝ている。
おいヒカリ!起きろって!・・・・・ってあれ?なんで声が出せないん・・・・・だ?
ヒカリがサトシに揺さぶり起こされ、意識を完全に取り戻した、その時だった。
ホ~~~ッホッホッホッホッ!!!メッリ~~~クリスマス!!!
!!!!!この声は!!!!!
前の席から聞こえてきた如何にもな音程、如何にもな雰囲気と、その身にまとった赤い服・・・・・
その正体は勿論・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!
サンタコスのタケシ・・・・・・・・・(一回ネタとして本気で考えてました(笑))
ドガッ!!!
・・・・・ではなく、子供に夢と希望を与えるみんなのアイドル!!
サンタコスのミッキー・・・・・・・・(しつこいぞお前!!)
バキッ!!
・・・・・でもなく、聖なる夜に現れる、夢と希望のお届け人、永久の時を生きる真っ白お髭のお爺さん。
サンタクロース!!!!!
- スレ2-466
- Christmas to me and you
- 08/12/24 22:36:59
さ、サンタ・・・・・ほ、本物のサンタクロース!!?
声こそ聞こえないが、ヒカリも絶句している。
サンタはサトシとヒカリにニッコリと笑いかけると、7匹のオドシシ達に命じ、ソリを一層強く走らせる。
って・・・・・このソリ・・・・・空を飛んでる!!??
絵本などで、何度もサンタのソリが空を飛んでいるのは見た事があるが、自分たちがその絵本の中に書かれていたソリの中にいる人の1人になるとは夢にも思わなかった。
・・・・・などと難しい事を考える余裕は子共の・・・・・少なくともサトシとヒカリの頭にはなかった。
すごい・・・・・すごいすごい!!ほんとに俺達、サンタのソリで空を飛んでる!!!!!
上を見上げれば今にも届きそうな綺麗な星空、下を見れば夜景に光輝くシンオウの街々・・・・・何とも素敵すぎる、幻想的で、夢のあふれる景色だ。
サトシとヒカリは細かい事は忘れ、大はしゃぎだ。
だが2人を笑顔にさせている要因はそれだけでは無い。
互いの微笑みが、楽しい、嬉しいといった感情が、感覚が、そのまま心に伝わってくるみたいで、どんどんどんどん楽しくなる。
君が嬉しいと、俺(私)も嬉しい、君が笑顔だと、私(俺)も楽しい。
君とこんなに楽しい時間が過ごせることが、すっごく嬉しい!!
そして、ソリはシンオウ地方の中心部分。
テンガン山の上空で、ゆっくりと止まる。
サンタクロースは、徐に自分の傍に置いてあった小さな袋を手にとり、中をごそごそと探って何かを取り出すと、サトシ達に見せる。
光輝く・・・・・砂?
- スレ2-467
- Christmas to me and you
- 08/12/24 22:38:32
サンタはニッコリとほほ笑むと、その砂を上空に向けて、思いっきり放り投げる。
すると、その砂は四方八方に広がって、シンオウ地方全体に降り注いでゆく・・・・・
サンタは再びその光輝く砂を手に握ると、再び上空に向かって放り投げる。
すると一層強く輝き、シンオウ地方を包み込んでゆく。
本当はサトシ達が知らないだけで、この光輝く砂は世界中に広がっているのだが。
・・・・・今まで見てきた幻想的景色ももちろん魅力的だし、綺麗だったが、これは格が違う。
・・・・・きっとただ綺麗だからと言う訳では無い。
光輝く砂が、夢、希望、光となっているからだろう。
人々の心の中にある温かな光を現しているからだろう。
聖なる夜、人々の心に、温もりが届く夜。
たとえ目に見えなくても、ちゃんと心で感じられる、サンタさんからのプレゼント。
サトシとヒカリは、その光に負けないくらい輝く目でその美しい光景を眺め、そして笑いあう。
サンタが手に持っていた袋の粉を全て撒き終えると同時に、2人の意識が、だんだんと薄れてゆく。
丁度、遊び疲れて眠たくなるような、心地の良い、暖かい眠気だった。
そんな2人に、サンタがそっと、1つの箱を、プレゼントを差し出す。
2人はもう半分以上眠っていたが、それでもゆっくりとその紐をといて、中身を見ようとする・・・・・箱の中に入っていたのは・・・・・
「お~い!起きて!サトシくんヒカリちゃん!!」
「ん?ん、ん~・・・・・・・・・」
「サンタ・・・・・さん?」
「!!??・・・・・・・・・・な、何寝ぼけてるのさ;;僕だよ僕!アルフだよ!!」
「アルフ・・・・・さん?」
サトシとヒカリは未だ寝ぼけている頭で必死に状況の確認をしようとする。
確か自分達はアルフの家で眠っちゃったんじゃ・・・・・
- スレ2-468
- Christmas to me and you
- 08/12/24 22:40:30
「僕が秘密の抜け道を使って君達を近場のポケモンセンターまで運んだのさ;;」
サトシ達が目覚めたのは、夢の中と同じ、ソリの中。
とは言っても、勿論アルフのだが。
「あ、そういえば・・・・・もう夜になってる・・・・・」
「でも、どうして・・・・・・」
「どうしてって・・・・・君達だってあんなしけた村より、町のポケモンセンターの方がいいだろ?」
なんたって今日はクリスマスイブなんだからさ♪
「「え?・・・・・・・・・・・・・・・あ~~~~~~~!!」」
スッッッカリ忘れてた!!!!!!
クリスマスと言えば、ケーキ、チキン、その他もろもろの御馳走に、プレゼント交換!!
・・・・・でもそんな聖夜の前日に山登りで死にかけてた自分たちって・・・・・;;
「そうだった!忘れてた!!」
「あ!そっか~・・・・・だからあんな夢みたんだな、うん」
「?あんな夢って?」
・・・・・・・・・・・・・・・
「ふ~ん・・・・・そんな夢を・・・・・」
「信じてもらえないかもしれませんけど、おれ確かに見たんです!!」
凄く不思議で、楽しい夢を・・・・・
「うん!!でも不思議よね、私達2人同時におんなじ夢を見るなんて・・・・・」
「・・・・・証拠さ」
「「え?」」
「2人はとても仲良しで良い子だから、サンタさんが二人をソリにそせてくれたのさ。サンタのソリに乗れるのは選ばれた子供だけだからね」
「とても仲良しで・・・・・」
「良い子・・・・・」
二人はお互いを見つめ、そっと微笑みあい、アルフの方を向く。
- スレ2-469
- Christmas to me and you
- 08/12/24 22:41:06
「「はい!!」」
「ふふ、タケシ君はもうセンターの中にいるよ、部屋を取ってくるんだってさ、君達も早く行きな!俺はまだ仕事があるからさ、さようなら、良いクリスマスを、サトシくんヒカリちゃん」
「「はい!!アルフさんも良いクリスマスを!!!!」」
サトシとヒカリはそれぞれの荷物をまとめると、ポケモンセンターへとダッシュしてゆく。
その後ろ姿を見つめながら、アルフはそっと息を吐いた。
「ふう・・・・・真っ白お髭のお爺さん・・・・・か・・・・・俺はまだまだ「あの人」の名に届きもしてないってことか・・・ふふふ・・・」
ま、いいや!いつかジッちゃんを超えるくらい有名になるんだ!!
世界中の人達にプレゼントを届けるんだ!!
みんなを笑顔にするんだ!!
この「アルフ・ニコラ」がな!!!
「さてと・・・・・行くか!!」
アルフは1匹のギャロップと、2匹のオドシシと共に、大空へと飛び立っていった。
1.きよし この夜 星は光り
救いの御子は 馬槽の中に
眠り給う いと安く
2..きよし この夜 御告げ受けし
牧人達は 御子の御前に
ぬかずきぬ かしこみて
3..きよし この夜 御子の笑みに
恵みの御代の 朝(あした)の光
輝けり ほがらかに
世界中のサトヒカ派の皆さんに、素敵な贈り物が届きますように・・・・・
END