- スレ3-536
- ヒカリの災難(1)
- 09/07/20 23:27:22
「どうしよう、サトシ達とはぐれちゃった…」
ヒカリはため息をついた。
それは少し前の事、ロケット団がいつものようにサトシのピカチュウを狙って来たのだ。いつものように撃退は出来たのだが、ロケット団のメカの爆風に吹き飛ばされ、ヒカリは川に流されてしまったのだ。
なんとかポッチャマで川岸にたどり着いたものの、サトシ達とは完全にはぐれてしまった。
と、こちらに向かってくる人影が見えた。
「はあ、はあ…」
その人影は息を切らして走っているようだった。
「あ、人だ!!ポッチャマ、なんとかなるかもしれないよ!」
「ポチャ!!」
ヒカリとポッチャマはほっとしたように顔を見合せた。
「すいませ~ん!」
ヒカリは大声をあげた。
しかし、その人物は止まる様子がなく、凄い勢いで近づいてきた。
そして…
「「わあ!!」」
2人はお約束のようにぶつかった。相手は立ち上がりながら謝罪した。
「ごめんなさい、私今急いでて…え?」
「こちらこそ、ごめんなさい…え?」
2人は驚いてお互いの顔を見合せた。それもそのはずである。
2人の顔はそっくりだったのだから…。
- スレ3-537
- ヒカリの災難(2)
- 09/07/20 23:30:27
その人物は少し考えて、とんでもない事を言いだした。
「よし、あなた少しの間、私と入れ替わっててくれない?私ユカリって言うの」
「は、はい?!」
ユカリと名乗ったその人物はお嬢様風の格好をしていたが、見た目はヒカリにそっくりだった。
「説明してる時間がないの!!ごめんね、ナゾノクサ、眠り粉!!」
「え、ちょっと…ふわ~…」
ユカリの勢いに押されているうちにヒカリはナゾノクサに眠らされてしまった。
そして、気がついたら…。
「え、ちょっと何これ~!!!」
ヒカリは先程出会ったばかりのユカリと同じ格好をしていたのだった。
「ポッチャマ、どうしよう…」
「ポ、ポチャ~…」
と、その時…
「ユカリお嬢様~~~~~!!!」
「え?」
数人の男が走って近づいてきた。
「全く、お見合いがもうすぐ始まるというのに抜け出すなんて何を考えてるんですか?!」
「え、ちょっと、あの…」
「ユカリお嬢様を発見しました」
男は無線機のようなもので、誰かと会話していました。
「さあ、もう相手の方は到着しております。早くお見合いに戻りましょう」
「え~~~~~~~!!!ちょっと違うんです。私はヒカリでユカリさんでは…」
「そんな事を言って逃げ出そうとしても無駄です。さあ行きましょう」
こうしてヒカリは訳の分からないまま、男達に連れて行かれてしまった。