- スレ4-400
 
- 季節の変わり目 (2)
 - 09/12/05 13:46:49
 
 ヒカリ目線。 
 ハッピーエンドでは無いかも知れません。   
 「ヒカリ…。オレ、一人で旅をしようと思うんだ」   
 あたしは冗談だと思っていた。   
 「サトシ、何言ってるのよ?」   
 あたしの胸がさあっと冷たくなっていった。   
 「オレはトレーナー、ヒカリはコーディネーターだろ?だから…」 
 「そんなっ…、今まで一緒に旅してきたじゃない!」   
 あたしは涙が溢れて止まらなかった。   
 「ごめん、オレの都合でヒカリの夢を邪魔したくないんだ」   
 サトシの瞳があまりにも真っ直ぐなので、 
 あたしはもうそれ以上何も言えなかった。   
 もうこのままサトシと 
 旅を続けても、想いはどんどん募るだけ。   
 そう思ったあたしは覚悟を決めた。   
 「サトシ…、今までありがとう。あたしは一人でも大丈夫、大丈夫だから…」   
 もうサトシの顔も見れなかった。   
 笑顔で別れるなんて 
 綺麗なことはできなかった。   
 大好きなサトシの笑顔なんか見たら決心が鈍る。   
 あたしは下を向いたまま 
 サトシとハイタッチをして 
 そのまま何も言わず走り去った。   
 サトシはあたしを呼び止めなかった。 
 涙が止まらなかった。