それぞれの道!二人の未来!
- スレ6-343
 
- それぞれの道!二人の未来!
 - 10/08/24 22:55:09
 
 サトシ「ヒカリ、グランドフェスティバルがんばれよ!」 
 なぜだろう。胸が締め付けられるように痛い。サトシと別れることは自分で決めたはずなのに。 
 ヒカリ「サトシも…イッシュリーグ頑張ってね」 
 違う。私が言いたかったのはそんなことじゃない。 
 サトシ「じゃあな!ヒカリ!」 
 待って!行かないでサトシ!まだ言いたいことが・・・   
 アヤコ「…カリ、ヒカリ!」 
 ヒカリ「…ママ?」 
 アヤコ「随分うなされてたけど大丈夫?」 
 そうか。またあの夢だったのか。サトシと別れてからほとんど毎日この夢を見ていた。 
 想いを伝えられないまま、サトシはイッシュ地方に行ってしまったのだった。 
 アヤコ「明日からホウエン地方に旅に出るんでしょ?体調には気をつけないと」 
 ヒカリ「うん・・・」 
 嘘だった。ヒカリはイッシュ地方に行くことを決めていた。 
 コンテストが無いことは知っている。でもイッシュ地方には・・・ 
 サトシに会いたい。ただひたすらそう思っていた。  
 
- スレ6-344
 
- それぞれの道!二人の未来!
 - 10/08/24 22:56:21
 
 アヤコ「…私ね、昔好きな人がいたの」 
 ヒカリ「ママ?」 
 あまりにも唐突な発言だった。動揺するヒカリをよそに、アヤコは話し始めた。 
 アヤコ「その人はポケモンマスターを目指していたの。一緒に旅をしていたんだけど、彼はコンテストが無い地方に行くことになった。 
 私はトップコーディネーターになるために、その人と別れて旅をすることを決意した。でもやっぱり耐えられなかった。ある時私は彼に会いに行ったの。」 
 アヤコ「ママ怒られちゃった。『アヤコの夢はトップコーディネーターだろ!』って。でも真剣に怒ってくれたことが嬉しかった。彼はこうも言ったの。『俺は…コンテストをしてるアヤコ、いきいきしてるアヤコが好きなんだ』」 
 ヒカリ「その人って・・・」 
 アヤコ「そう。ヒカリのお父さんよ。」 
 驚いた。ママが自分と同じような体験をしていたこと。そしてヒカリの気持ちを見抜いていたことに。 
 アヤコ「どうしても会いたい気持ちはわかる。でもヒカリが会いに行って、サトシくんは喜ぶと思う?」 
 ママの言うとおりだった。 
 サトシの言葉を思い出す。「ヒカリ、グランドフェスティバルがんばれよ!」 
 サトシはいつも本気でヒカリのことを応援してくれていた。 
 ヒカリが落ち込んでいた時、誰よりも必死に励ましてくれたのはサトシだった。 
 今度サトシに会う時は…トップコーディネーターになったとき!! 
 ヒカリ「ママ!ありがとう!私、ホウエン地方に行くわ!」  
 
- スレ6-345
 
- それぞれの道!二人の未来!
 - 10/08/24 22:57:45
 
 ―15年後(BW編)― 
 シューティ「やべぇ!遅刻だぁぁっ!」 
 シューティ母「まったく…旅立つ日まで心配かけるんだから・・・忘れ物はない?」 
 シューティ「だいじょ~ぶ、だいじょ~ぶ!いってきまーす!!」 
 シューティ母「あの子が大丈夫っていうときは一番大丈夫じゃない時なのよね・・・」 
 シューティ父「誰かさんにそっくりだな!(笑)」 
 シューティ母「ホント!旅立つ日に遅刻するなんて誰かさんそっくりよね!」 
 シューティ父「なんだと!ピカリのくせに!!」 
 シューティ母「ヒ~カ~リ~で~す!!」 
 いつもどおりのにぎやかな朝だった。